この章では、アオキの剪定のポイントを解説します。

アオキは比較的コンパクトで半日陰でもよく育つので、狭い日本の住宅でも大活躍する常緑低木です。
昔ながらの日本家屋にもよく植えられており、艶のある葉や株姿に特徴がある樹木なのでアオキの名前は知らずとも、誰でも一度は見たことがある樹木ではないでしょうか。

葉に鑑賞価値のある斑入りの種類もあります。
またアオキの雌木は花が咲き、晩秋には赤い実がなるので、剪定に失敗したら困りますよね。

アオキの剪定時期は3月～4月が適期です。
その理由は、花芽の形成時期が夏だからなのですが、アオキは雌雄異体で雄木と雌木両方揃わないと花が咲きません。
もし、庭にアオキが一本しか植わっていない、あるいは雄木のみの場合は、花芽にこだわらずいつでも手入れをすることができます（ただし暑さが厳しい真夏を除く）。

アオキの剪定の仕方には、大きく分けて2種類あります。
ひとつは樹冠（木の頭のてっぺん）を刈り込む方法。もうひとつは間引き剪定です。

この2種類の剪定の仕方はいったい何が違うのか、こちらの章でみていきましょう。

まずは、剪定に使用する道具のご紹介です。

用途によって様々な造園道具がありますが、それら使用の上では十分注意しなければなりません。
一つずつ見ていきましょう。

アオキの剪定時には作業用の手袋を用意しましょう。
剪定作業で、普通の軍手では保護しきれないケガがあるかもしれません。
手のひら側が樹脂コーティングになっているものが滑りにくくおすすめです。

ガーデングローブという名前で市販されていることもあります。

アオキの間引き剪定時に一番活躍するペンチのような形をしたハサミです。
切り刃と受け刃になっていて、種類にもよりますが、直径1ｃｍ～2cmほどの枝なら手で軽く握って切ることができます。
細い枝なら株元からカットできます。
サイズが色々ありますので、手の大きさに合わせて選びましょう。左利き用もありますよ。

アオキは日陰に植えられることが多く、風通しが悪いとカイガラムシなどが発生する場合があります。

全体の剪定が終わったら、葉が重なって込み合ったところを透かしていきます。
庭木バサミは刃先が細いので、剪定バサミでは入りにくい込み入ったところに入りやすく、小回りが利きますので細い枝や最後の仕上げに使用しましょう。
取っ手の片方の輪には親指を、もう一方の輪には中指から小指までを入れて、人差し指は外に出してハサミを支え、安定させます。

アオキの株元で枝を間引く時、剪定バサミでは切れないような直径2cm以上の太さの枝は、剪定用のノコギリで切りましょう。
木工用ノコギリとは違い、お侍さんの脇差のようなノコギリです。細身で刃先20cm～30cmの軽量なものがおすすめです。

アオキの枝を切っている最中に、枝の重みで樹皮が裂けてくることがあります。
切る枝の付け根の下部に切り込みを入れてから、その少し外側をノコギリで切れば、皮が裂けても切れ込みのところでストップしてくれ、見栄えが悪くなるのを防ぎます。

熊手（剪定した葉や枝を集めるのに使用します）、箕（ちりとり代わりに使います）、シュロ縄（切ってはいけない枝を一時的にまとめておく）、フレコンバッグ（枝葉を入れるごみ袋です）などがあると便利な道具です。

アオキは、特に難しい手入れの仕方ではありませんので、ご家庭で簡単に行えます。
成長も早いので、もし失敗して切りすぎても脇芽がどんどん伸びてきます。

アオキの剪定方法は主に樹冠の「刈り込み剪定」か、株元からの「間引き剪定」です。
剪定の仕方のポイントを見てみましょう。

アオキは生長が早いため大きくなりすぎた場合、樹冠を刈り込む剪定するとよいでしょう。
樹冠剪定で失敗しがちなのが、伸びた枝先をまんべんなく剪定してしまい花芽も一緒に落としてしまうことです。
しかし、花芽形成の夏より前に手入れを行えば、失敗を避けることができます（ただし、雄木などで花を期待しない場合は、真夏以外いつでも剪定できます）。
威勢がよく強い枝に養分が集中しないように、樹冠より数節内側で切り戻すのもポイントです。

「アオキの手入れの時期が分からない」「時期を覚えるのが面倒」という場合は、間引き剪定がおすすめです。
これなら株元から枝を間引いて剪定していくので、切る枝と残る枝があるのでアオキ全体の花芽を落としてしまう失敗がありません。
ご家庭で剪定を行う場合は、こちらの手入れの仕方のほうがおすすめです。

①アオキの雌雄を両方植えていて実を楽しみたい場合の手入れの時期は、花芽を落とさないように夏前までに手入れしましょう。

②風通しが悪いと病害虫が発生する場合があります。
風通しがよくなるよう、枝の込み入った場所を間引いて透かす剪定をしましょう。

造園業者・庭師にアオキを剪定してもらうには、どのような手順を踏めばよいでしょうか。

ご自分で剪定を行う場合のメリット・デメリットを考慮しつつ、信頼できる専門業者に依頼を決めるとよいでしょう。

自分で剪定する一番のメリットは、なんといっても費用が安く済むことです。
最初に道具を一通り揃えれば、あとは何年も使用でき、長い目で見れば剪定費用を安く抑えることができます。

また、ご自分で剪定するとアオキに愛着が湧き、お手入れにも精が出ることでしょう。
あれこれ調べているうちに樹木の造詣も深くなり、マイホームのガーデンライフがより豊かなものになるでしょう。

一方、自分で剪定するデメリットは、いわゆる3K（キツい・汚い・危険）ポイントがあげられ、女性や高齢者では難しい場面も出てきます。
中でも最大のデメリットは、刃物や高所で作業するのでケガの危険性があることです。

そして樹種によって剪定の仕方が異なることも難しいポイントです。
例えば、門かぶりの松、シンボルツリーのシマトネリコ、キンメツゲの垣根、剪定方法は同じではありませんよね。
もしアオキの剪定に失敗した場合、取り返しがつかなくなるデメリットもあります。
樹木は一度失敗すると簡単には修復できません。
最悪、樹勢が弱って枯れてしまうことも・・・。

また、剪定した枝くずは、量が多いと事業ごみとみなされ、家庭ごみの集積所では持って行ってくれません。
どこに持ち込んだらよいか自治体などに聞いて事前に調べておきましょう。

アオキの剪定を造園業者・庭師に頼む際は、以下の手順で行います。
価格が安ければいいというわけではなく、内容もしっかり確認してから決めてくださいね。

①まずは電話か、業者のウェブサイトの問い合わせフォームより、アオキの剪定の相談をしてみましょう。
折り返し、見積りに関して担当スタッフから連絡があるかと思います。

②正式な見積りは現地調査しないと分からないものなので、ネットや電話だけで料金を決める業者は要注意です。
まずは現地を見に来てもらう日時を決めましょう。見積もりまでは無料の専門業者だと安心ですよね。

③いくつかの業者から相見積もりを取り、比較したのちに契約の有無を決めるとよいでしょう。
支払いは後払いOKの業者だと良心的です。

アオキの剪定を造園業者・庭師に頼むメリットは、樹木のエキスパートなので、すべてにおいて安心してお任せできるのがよいポイントです。
樹木の種類に合った剪定方法や剪定時期に行い、適切に処分してくれます。
樹木のプロなら剪定の傷口から病気が感染しないよう、アフターケアも万全です。

場合によってはアオキの剪定だけではなく、玄関アプローチや植栽がより素晴らしくなるよう、プロの目線で庭づくりのアドバイスをもらえるかもしれませんよ。
樹木で困った時に助けてもらえるパートナーとして、今後も末長くお付き合いできると嬉しいですよね。

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