マダニは山や藪だけの話だと思っていませんか?
実は、あなたの庭にもマダニが潜んでいて、草刈り中に刺される被害が全国で発生しています。
命に関わる感染症を引き起こすこともあるマダニのリスクと、安心安全な庭づくりのコツ、そしてご自分で庭の草刈りを行うための対策を詳しく解説します。
庭にもいる?油断禁物のマダニ

山だけじゃない!庭にもマダニは出没します
マダニというと、山や草原にいるイメージが強いかもしれません。
しかし実際には、都市部の庭や公園など、私たちの暮らしのすぐそばにも潜んでいます。
そして特に注意したいのは、春から秋にかけての季節。
気温が15℃を超える4月〜10月ごろは、マダニの活動が活発になる時期です。
草が生い茂った庭、落ち葉がたまった場所、そして人やペットがよく通る通路の脇などの身近な場所がマダニのすみかになりがちです。
マダニが媒介する主な感染症とは?
マダニはさまざまな感染症の媒介者です。
人への主な健康被害としては、以下のようなものがあります。
日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)
→発熱・発疹・頭痛などの症状。重症化すると命にかかわるケースも。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
→発熱、嘔吐、血小板減少など。高齢者の致死率が高い感染症。
さらに、マダニはペットにも被害を与えます。
犬や猫がマダニに刺されると、貧血や皮膚炎を起こしたり、バベシア症※などの病気に感染したりすることも。
「うちは大丈夫」と思っていると、思わぬところで健康リスクにさらされる可能性があります。
※バベシア症とは?
マダニが媒介する寄生虫によって起こる犬の感染症です。発熱・貧血・元気消失などの症状が現れ、重症化すると命に関わることもあります。
庭作業中にこんなことも?実際に起きたマダニ被害例

この章では、実際におきたマダニ被害の実例を3つ紹介します。
庭での作業中に被害にあい死亡(静岡県・70代女性)
2023年10月、静岡県で庭での作業中、70代女性がマダニにかまれたことで「日本紅斑熱」を発症し亡くなりました。
発熱や発疹などの症状が出た後、医療機関を受診しましたが重症化したということです。
草むしり中に刺されSFTSで入院(兵庫県・80代女性)
2023年4月、兵庫県に住む80代女性が「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染しました。
女性は言葉が出にくくなり、発熱や起立障害の症状が現れたため受診。
日常的に自宅の庭で草むしりをしていたと話しており、草むらでマダニに刺された可能性があると見られています。
庭作業中に刺されダニ媒介脳炎を発症(北海道・70代女性)
2025年6月、北海道に住む70代の女性が、自宅の庭で作業をしていた際に背中をマダニに刺されました。
数日後に頭痛や発熱といった症状が現れ、10日後に病院を受診。
道立衛生研究所による検査の結果、「ダニ媒介脳炎」と診断されました。
庭でマダニ被害が起こりやすいシーンとは?

マダニのリスクというと、山や藪を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし実際には、ご自宅の庭でも注意が必要です。
とくに、以下のような日常的な行動の中に、思わぬ感染リスクが潜んでいます。
草刈り・草むしり作業中が危険
庭で草刈りや草むしりは、マダニに刺されるリスクがあります。
特に雑草が密集している場所はマダニの潜みやすい環境であり、長時間しゃがんだ姿勢で作業をすることで接触の危険性が増します。
また、半袖・短パンなど肌の露出が多い服装や、手袋・長靴・帽子といった防護用具を着用していないと刺されやすくなるため注意が必要です。
マダニは非常に小さく、刺されても気づきにくいのが特徴です。
庭作業を行う際は、肌をしっかり覆う服装を心がけ、作業後にはシャワーを浴びて着替える際に体をチェックするなど、日常的な予防と早期発見を意識しましょう。
ペットが散歩からマダニを連れ帰ることも
マダニは草むらや落ち葉の多い場所にひそんでいて、犬や猫が散歩や庭遊びの際に体にくっついてしまうことがあります。
特に耳のうしろや足のつけ根、首まわりなどの毛が密集した部分はマダニが隠れやすく、気づかないうちに室内へと持ち込まれてしまうケースも少なくありません。
被害を防ぐためには、散歩や外遊びのあとは毎回ペットの体を丁寧にチェックし、とくにマダニがつきやすい部位を念入りに確認することが大切です。
必要に応じてマダニ予防の薬剤やグッズの使用も検討しましょう。
マダニを寄せつけない庭づくりのコツ4つ

庭の環境を少し工夫するだけで、マダニの発生はぐっと減らせます。
ご家族やペットが安心して過ごせる空間にするために、次の4つのポイントを意識してみてください。
雑草と落ち葉はこまめに除去する
マダニは日陰や湿った場所を好み、雑草や落ち葉の下に潜んでいます。
庭の管理を怠ると、マダニの温床になってしまう場合があります。
対策ポイント
- 草丈が高くなる前に定期的に草刈りを行う
- 落ち葉や刈った草を庭に放置しない
- フェンス際・家の裏手などはこまめにチェックする
隠れ場所をなくすことで、マダニ被害のリスクを減らせます。
防草シートや砂利敷きで隠れ家をつくらせない
マダニは、草むらや落ち葉がたまりやすい場所を好みます。
こうした環境を物理的に減らすことが、マダニの発生を抑えるポイントです。
たとえば、以下のような雑草対策が効果的です。
- 防草シートや砂利をで地面を覆う
- タイルやウッドなどでデッキを設ける
- レンガや枕木を敷いて通路や空間を整える
これらの対策は、マダニが潜む場所を減らすだけでなく、庭の手入れを楽にし家族で快適に過ごせる空間づくりにもつながります。
ペットが安心して遊べる庭づくりを
ペットが庭で快適に過ごすためには、マダニが寄りつきにくい環境づくりも大切なポイントです。
庭の一角にドッグランのようなスペースを設けて、過ごす場所を適度に区切るのもおすすめです。
また、地面を舗装したり人工芝に変えたりすると、マダニが潜みやすい雑草の発生を抑えられます。
こうした工夫によって、ペットがのびのびと過ごせるだけでなく、清潔で手入れのしやすい庭づくりにもつながります。
マダニを寄せつけない庭づくりはプロの手で
草刈りなどの防虫対策は、一度きりで済むものではなく、定期的な管理が欠かせません。
とくにマダニのような害虫は、雑草が伸び放題になった庭や手入れの行き届いていない場所に集まりやすいため、継続的な対策が必要です。
とはいえ、共働きのご家庭やご高齢の方にとって、日常的に庭を管理するのはなかなか大変なことかもしれません。
そんなときは、専門の業者に任せるのもひとつの方法です。
Smileガーデンでは、草刈りや雑草対策からドッグランの設置など、住まいと暮らしに寄り添った総合的な庭づくりをご提案しています。
お庭の状況やご家族のライフスタイルに合わせて、快適で清潔な空間づくりをお手伝いいたします。
よくある質問

ここからは、マダニに関するさまざまな疑問にお答えしていきます。
マダニに市販の殺虫剤は効きますか?
市販の殺虫剤でも、マダニに効果がある製品はあります。
とくに「マダニ対応」と表示されたスプレーは、一定の駆除効果が期待できます。
ただし、マダニは落ち葉や草の陰などに潜んでいるため薬剤が届きにくい場所も多く、1回の処理では不十分なことも。
雑草の除去や落ち葉の清掃など、庭全体の環境管理と併せて行うことが大切です。
マダニに刺されたら、どう対処すればいいですか?
マダニに刺された場合、自分で引き抜こうとせず、すぐに皮膚科を受診してください。
マダニは皮膚にしっかりと口器を差し込んで吸血するため、無理に取ると一部が皮膚に残り炎症や感染症の原因になります。
また感染症の潜伏期間中は、発熱や体調の変化に注意し、異変があれば早めに医師に相談しましょう。
市販の虫除けスプレーでマダニも防げますか?
マダニにも効果のある虫除けスプレーはあります。
選ぶときは「マダニ対応」と記載された製品を選びましょう。
ディートやイカリジンという成分が含まれているものが有効です。
ただし、スプレーだけでは万全ではないため、長袖・長ズボン・帽子などの服装もあわせて対策しましょう。
マダニ感染症はペットから人にうつることがありますか?
はい、うつる可能性があります。
マダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は、犬や猫が感染し発症している場合に、その血液や排泄物を介して人に感染することがあります。
予防には、ペットがマダニにかまれないようにすることが大切です。
散歩のあとは体にマダニが付いていないか確認し、草むらなどへの立ち入りは控えましょう。
マダニが付いていたら、無理に取らず獣医師に相談してください。
ペット用のダニ予防薬の使用も効果的です。
マダニが庭に発生した場合、どう駆除すればいいですか?
庭にマダニが発生したら、まずは環境の見直しが大切です。
繁った雑草や落ち葉はマダニの温床になりやすいため、定期的な草刈りや清掃を心がけましょう。
市販の殺虫剤での駆除も可能ですが、広い庭や小さなお子さん・ペットがいるご家庭では、安全性にも配慮が必要です。
より安全で効果的な対策を行いたい場合は、専門の業者に相談するのも一つの方法です。smileガーデンでは、草刈りや防虫処理だけでなく、マダニが寄りつきにくい庭づくりまで含めた対応が可能です。
ご家庭の状況に合わせた、無理のない対策をご提案しています。
まとめ

マダニは、庭にもひそむ身近な害虫です。
雑草や落ち葉が放置されたままだと繁殖しやすく、人やペットに感染症を引き起こすこともあります。
なかには重症化や死亡につながるケースもあるため、注意が必要です。
こうした被害を防ぐには、マダニが好む環境をつくらないことが何より大切。
日ごろの草刈りや清掃などのこまめな管理が基本ですが、毎日の暮らしの中で続けるのはなかなか大変だと思います。
そんなときは、専門業者に相談するのもひとつの選択肢です。
Smileガーデンでは、草刈りや防草・防虫対策からペットものびのびと過ごせる庭づくりまで、状況に合わせてご提案しています。
「少し気になるかも…」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。
ご家族とペットが心地よく過ごせる庭づくりを、しっかりサポートいたします。