カメムシは、カメムシ目(半翅目)に属する昆虫の総称で、カメの甲羅のような形と独特の強い悪臭を放つことで知られています。セミやアブラムシもカメムシの仲間ですが、一般的にカメムシと呼ばれるのは植物の汁を吸う吸汁害虫です。

屋内に侵入して日常生活に影響を与える不快害虫であり、農作物に付着し吸汁して被害を与える農業害虫でもあります。

近年、このカメムシが大量発生しています。この記事では、大量発生する原因や被害、効果的な対策・駆除方法などを解説します。

近年大量発生しているカメムシの生態について

近年大量発生しているカメムシの生態や種類を知ることは、効果的な対策や駆除を行うことにつながります。

カメムシは、カメの甲羅に似た平たい体型でストロー状の口吻(こうふん)を持ち、植物の汁や他の昆虫の体液を吸います。敵から身を守るため、お腹の臭腺から強烈な臭いを分泌するのが大きな特徴です。

このカメムシの刺激性のある臭いの主成分は、ヘキセナールなどのアルデヒド類で、これにエステルや酢酸、炭化水素などが混ざった化学物質です。

秋(9月頃)になると越冬場所を求めて集団で移動し、家屋の隙間や戸袋などから侵入してきます。また、明るい色(白など)や光に集まる習性があり、夜間の照明や、日当たりの良い場所の洗濯物などに集まります。

カメムシの代表的な種類

カメムシの種類は、世界で約40,000種、日本だけでも1,300種以上あります。日本で生息するカメムシのうち、代表的な4種類の主な特徴を紹介します。

アオクサカメムシ鮮やかな黄緑色(光沢なし)で、体長12~16mm程度です。平地から山地まで広く生息し、広範囲(イネ、豆類、野菜、果樹など)の植物の汁を吸います。斑点米や奇形果の原因となります。
クサギカメムシ茶褐色に黄褐色のまだら模様が特徴で、体長は13~18mmと大型です。クサギによく見られることから名付けられ、マメ科植物や果樹の汁を好みます。秋には越冬のため、家屋に集団で侵入します。
ツヤアオカメムシ全身が鮮やかな緑色で油のような強い光沢があり、体長は14~17mmです。胸背部や前翅(ぜんし)に黒い斑点のあるのが特徴です。ミカン、モモ、ナシなどの果実を好んで吸汁します。常緑樹の葉裏や隙間で成虫越冬します。
チャバネアオカメムシ緑色の体と茶色い翅(はね)が特徴で、体長は約10mm、草木や果樹の汁を吸います。秋には体色が茶色に変化して集団で越冬する習性があります。灯火に集まりやすい、走光性の性質です。

カメムシが大量発生するのはなぜ?

カメムシが大量発生する原因は、季節ごとの習性によるもの、スギやヒノキの花粉量増加、地球温暖化による影響などです。それぞれについて詳しく説明します。

カメムシの季節ごとの習性によるもの

カメムシは季節ごとに異なる理由で大量発生するため、季節ごとの習性の変化を把握しておくと、効果的な対策に繋げることができます。

春~夏に大量発生する原因

カメムシは、春に冬眠から目覚めて活動を開始して、産卵を行います。暖冬だった年は越冬に成功する個体が多くなり、春先に一気に繁殖するため大量発生するのです。

また、高温多湿の夏は卵や幼虫の生存率が高まり、さらに成長サイクルも加速して爆発的に増えることがあります。

特に、主要なエサとなるスギやヒノキが豊富な年は、それを食べたカメムシの栄養状態が良くなり繁殖力も高まるため大量発生に繋がりやすいです。

夏~秋に大量発生する原因

夏~秋にかけて、カメムシが大量発生する原因は、台風などの自然災害による影響が大きいです。自然災害により山林の球果(実)が減少すると、カメムシはエサを求めて山里へ飛来します。

ただし、自然災害による大量発生の場合は、一時的なもので持続しないのが一般的です。

秋に大量発生する原因

秋は、家屋への侵入や大量発生が目立つ時期です。冬を越すために温かい場所を求めて移動するからです。

夏にエサとなるスギやヒノキの球果が豊富で大量発生したカメムシが、山林や野山から市街地へ下り、建物の外壁や陽当たりの良い窓、洗濯物などに集まります。

スギやヒノキの花粉飛散量の増加による影響

スギやヒノキの花粉飛散量の増加による影響は、花粉が多いと秋にできる球果も豊富になるということです。孵化したカメムシの幼虫は、この豊富な球果の汁を吸って成長します。

エサが豊富だと多くの幼虫が育ち、成虫になる可能性も高まるため、秋以降にカメムシが大量発生する原因になるのです。

花粉はカメムシの直接のエサではありませんが、以上のことから春の花粉が多い年は、秋~冬にカメムシが増えるということがいえます。

地球温暖化による影響

カメムシの大量発生の原因は、地球温暖化による影響も大きいです。

寒さが厳しい冬が減り、多くのカメムシが冬を越せるようになっています。春が早く訪れて秋が遅くなることで、活動・繁殖できる期間が長くなり、繁殖回数が増えます。

また、南方系のカメムシ(ミナミアオカメムシなど)が、温暖化により北上して生息圏を広げている側面も無視できません。

カメムシは変温動物なので、気温が高いと成長が早まり世代交代が促進されます。地球温暖化による平均気温の上昇は、カメムシの越冬率を向上させ、活動期間を長期化し繁殖サイクルを加速させるのです。

カメムシが大量発生することによる被害

カメムシが大量発生することによる被害は、植物全般の生育不良から人体への被害まで、さまざまな状況で引き起こされます。カメムシが原因となる被害について4つのポイントで解説します。

庭の植物や農作物への被害

吸汁害虫であるカメムシの被害が最も際立つのは、庭の植物や農作物の被害で、特に果樹、豆類、ナス科の野菜、イネなどが深刻です。駆除時や触れたときに放たれる悪臭が作物に移ることも問題です。

果実では、汁を吸われた部分が変色して陥没し「しみ果」となり、熟した実は腐敗しやすくなって食べると異臭がすることもあります。若い実が吸汁されると、変形したり成熟前に落下したりすることが多いです。

その他の植物でも、カメムシは特に新芽や茎葉を好むため被害は重篤になりやすいです。新芽が吸汁されると、芽は折れて、茎葉に穴が開いたり奇形したりします。

以上のような生育不良が引き起こされるため、農作物の収穫量や商品価値が低下します。

住居への侵入被害

カメムシは、2mm程度のすき間からでも侵入可能とされ、壁や電気周りに密集します。

カメムシの侵入経路は、玄関や窓のすき間、網戸のすき間、換気口、エアコンの配管穴などで、洗濯物に付着して持ち込まれることも多いです。

叩き潰すと、その体液や汚れが壁、カーテン、布団などに付着し、シミになって残る可能性があります。特に、白色やクリーム色の壁はカメムシが集まりやすいです。

カメムシは蛍光灯や水銀灯のような紫外線の強い光に集まる習性があるため、光漏れを防いだり、LEDライトのような紫外線の少ない照明へ変更したりすることをおすすめします。

住居へ侵入したカメムシの捕獲・駆除では、とにかく刺激を与えて臭いを出させないようにすることが大切です。

悪臭の被害

カメムシは刺激すると強烈な悪臭を放ち、一度つくと簡単に取れず、洗濯物やカーテン、寝具などに臭いが染みつきます。

悪臭の主成分は、油に溶けやすいアルデヒド系(ヘキセナールなど)で青臭い臭いが特徴です。水で洗っても落ちにくく数日残ることがあり、除去には消毒用エタノールや界面活性剤入りの洗剤が有効です。

洗濯物にカメムシが付着しているのに気づかずに取り込むと、家中に悪臭が広がってしまうので必ず取り込む前にチェックしてください。

この悪臭は外敵から身を守るとともに、危険を仲間に知らせる「警報フェロモン」や仲間を呼び集める「集合フェロモン」としての働きもあります。集合フェロモンは生殖活動に起因する化学物質で、1匹が数百匹を集めることもあるとされています。

人体への被害

カメムシの人体への被害は、悪臭による不快感・体調不良、分泌液による皮膚炎などが挙げられます。

刺激性の強い臭い成分(アルデヒド類)により、頭痛、吐き気、食欲不振、咳などが引き起こされることがあります。特に小さなお子様やアレルギー体質の方は注意が必要です。

分泌液が直接皮膚に付着すると、ヒリヒリ感、赤み、腫れ、水ぶくれなどの皮膚炎を起こすことがあります。刺激成分(ヘキセナールなど)には毒性があり、わずかでは問題ありませんが、大量に付着すると炎症の原因になるのです。

皮膚についた場合は、すぐに石けんでよく洗い流し、目に入った場合も速やかな洗浄が必須です。

カメムシの発生を防ぐための効果的な対策

カメムシの発生を防ぐためには、家の中に侵入させないことが最大のポイントです。侵入させないための効果的な対策を説明します。

隙間を塞ぎ侵入を防ぐ

カメムシは、わずか2~3mmのすき間からでも侵入してきます。主な侵入経路には、窓サッシ・網戸、換気扇・通気口、エアコンの配管周りなどがあります。

窓サッシ・網戸は、市販の隙間テープやブラシ状のモヘアシール(繊維製)を、サッシの溝や網戸枠のすき間に貼ってください。また、網戸は破れがないかも確認します。

換気扇・通気口は、防虫ネットや専用フィルターでカバーします。配管周りのすき間はパテで埋めるか、専用の防虫キャップを取り付けると確実です。

薬剤・忌避剤を使用する

カメムシが嫌がる薬剤や忌避剤を、侵入口になりそうな場所に噴霧したり設置したりするのも有効です。

市販の薬剤・忌避剤としては、カメムシに直接噴射して駆除できて予防効果もあるスプレータイプが一般的です。これを窓枠や外壁に噴霧して侵入を防ぎます。

ただし、噴霧する対象によってはシミになる場合があるので、目立たない場所で試してから使ってください。洗濯物では、衣類自体には直接かけずに周辺に散布するのがおすすめです。

ハッカやミント、トウガラシなどで手作り忌避剤を作って使用する方も増えています。ハッカ油スプレーは、カメムシがミント系の香りを嫌う性質を利用します。

雑草や落ち葉をこまめに掃除する

カメムシは、雑草の中や落ち葉の下といった湿気が多く隠れやすい場所を、格好の越冬場所や産卵場所とします。こまめに掃除しておくことは、カメムシの生息・繁殖環境を奪うことになるので、発生を防ぐための効果的な手段です。

落ち葉や枯れ葉が増える秋から冬は、庭やベランダの掃除を徹底してください。また、庭や外構の雑草の除去は定期的に行い、使っていないプランターやシート、木製品などは放置せず整理するようにしましょう。

カメムシが大量発生した際の駆除方法

カメムシは、さまざまな要因が複合的に作用して大量発生します。ここでは、実際にカメムシが大量発生してしまった場合の具体的な駆除方法と効果について解説します。

ティッシュを使って部屋から追い出す

ティッシュを使って部屋から追い出す方法は、手間ですが確実な駆除方法といえます。

このとき、カメムシを絶対に潰さず優しく捕獲して、すぐに屋外へ出すことが重要です。刺激を与えると悪臭の原因となります。

ティッシュは、数枚重ねて厚みを持たせ、カメムシの上にふわっと被せます。それから、ティッシュごとカメムシを優しく持ち上げ、すぐに窓やベランダから屋外へ逃がしてください。

粘着テープで捕まえる

カメムシを粘着テープで捕まえると、悪臭を出させずに駆除できるので効果的です。カメムシは刺激を受けると腹側から臭いを出すので、背面全体を覆うように、そっと粘着テープを貼り付けるのがコツです。

捕まえたら、テープを二つ折りにするか、別のテープで完全に包み込んで密閉・封印します。これにより、臭いが外に漏れるのを防ぐことができます。

密閉した粘着テープは、そのままゴミとして処分してください。

ペットボトルに洗剤を入れて捕獲

ペットボトルを加工して、洗剤入りの捕獲器をつくることでも駆除できます。まず、500ml~1Lの空きペットボトルと、ハサミ、セロハンテープ、食器用洗剤を準備してください。

ペットボトルの肩の部分から上を切り取り、切り取った上部を逆さまにして本体にはめ込み(漏斗状)、テープで固定します。

ペットボトルの底に、カメムシが浸かる程度の食器用洗剤(数㎝程度)を入れます。洗剤がカメムシの呼吸穴を塞ぎ窒息死させることができて、泡立つので臭い対策にもなるのです。

カメムシがいる壁などの真下に捕獲器を置きます。カメムシは、ほうきなどで軽く刺激すると下に落ちる習性があるので、それを利用して捕獲器の中に落としてください。
捕獲後は、しっかりと密閉し、中で死滅させます。砂糖水を少量入れると誘引効果が高まります。

殺虫剤を使う

カメムシが大量発生し、早急に駆除したい場合は、殺虫剤を使うのが効果的です。カメムシ専用の殺虫スプレーを直接噴射してください。

「シフェノトリン」や「ペルメトリン」配合のものは、外壁にスプレーすると1~2週間効果が持続し、侵入防止にもなります。

その他、部屋を閉め切って広範囲のカメムシを一網打尽にできる燻煙剤(くんえんざい)、冷凍効果でカメムシを動けなくして駆除する凍結スプレーなども有効です。

庭のお手入れなら、スマイルガーデンへ

カメムシなどの害虫を寄せ付けない方法の一つとして、庭の雑草を定期的に刈り取ったり、落ち葉や枯れ葉をまめに清掃したり、不要となった植木鉢や木製品を整理することが挙げられます。

庭をきちんとお手入れすることは、住宅全体の印象を向上させ、資産価値を高めることにも繋がります。庭のお手入れなら、専門業者の造園会社に依頼するのがおすすめです。

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まとめ

カメムシは種類も多く、さまざまな要因が複合的に作用して、大量発生することが多くなっています。刺激性の強い臭いが不快なだけでなく、庭の植物や農作物に多大な被害を与える厄介な害虫です。

大量発生したカメムシの駆除では、刺激を与えないことが必須になる物理的捕獲、防除と駆除に有効な殺虫・忌避剤、庭や家の周りを整える環境整備を状況に合わせて行うことが求められます。

カメムシだけでなく、すべての害虫対策でいえることですが、定期的なチェックによる早期発見と早期駆除が被害を最小限に抑える近道です。