美しく手入れされた天然芝のような見た目なのに、芝刈り不要でメンテナンスが楽な人工芝は、天然芝の代替え品として人気があります。人工芝は業者に依頼して敷いてもらうこともできますが、道具を揃えて正しい手順で行えば、初心者でも美しく敷くことが可能です。

今回の記事では、DIYで人工芝を施工したい方のために、必要な道具や施工手順を詳しく解説します。用途別の特別な施工方法や人工芝を長持ちさせるコツもご紹介するので、美しい人工芝のお庭を手に入れたい方は、ぜひご一読ください。

人工芝の施工に必要なもの

人工芝をきれいに敷くためには、以下の道具が必要です。ほとんどの道具はガーデニング用具としてごく一般的なもので、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。

  • 人工芝
  • U字型の固定ピン
  • 下地材(川砂、山砂など)
  • 防草シート
  • ジョイントシート
  • 接着剤(ボンド)
  • 人工芝用ジョイントテープ
  • 養生テープ/マスキングテープ
  • シャベルやスコップ
  • トンボ(なければ大きく丈夫な板)
  • ゴムハンマー
  • ハサミやカッターナイフ
  • テープメジャーや定規
  • 軍手
  • 転圧機(施工エリアが広い場合)

人工芝の施工手順

道具を揃えたら、人工芝を敷いていきましょう!人工芝の施工は工程は多いものの、重機や特別な道具を用意する必要がなく、DIY初心者でも挑戦しやすいプロジェクトです。

実際の施工に入る前の準備では、施工エリアの面積を正確に算出することが大切です。エリアの縦と横の長さを測り、掛け合わせて面積を求めます。

例:縦5m x 横8mのエリアの場合、施工面積は40㎡となります。

そして、使用する人工芝ロールの幅や長さをを考慮しレイアウトを決めます。

例:上記のエリアの場合、幅2mの人工芝なら24m分、幅3mの人工芝なら16m分が必要になります。幅2mの場合は3列、幅3mの場合は2列と、ロールの幅によって割り付け方が変わります。

人工芝はロール状で販売されており、幅や長さもさまざまで販売されています。施工エリアのサイズや形状を考慮して、無駄なく敷けるロール幅と長さを選びましょう。 

ただし、面積に合わせてぴったり計算した量では、足りなくなったり継ぎ接ぎが目立ったりする可能性があります。最低でも+20cm程度の、余裕を持たせて購入するのがおすすめです。

それでは、ここからは、人工芝の施工手順をステップごとに解説していきます。

STEP1:雑草・石を取り除く

まず、地面に生えている雑草、天然芝、木の根、石、ゴミなどを取り除いていきます。雑草や天然芝はシャベルを使って根っこから取り除きます。雑草や石などをのこしたまま人工芝を敷くと、継ぎ目から雑草が生えてきたり、表面が凸凹したりして、美しく仕上がりません。地味な作業ですが最終的な仕上がりを大きく作業する大切な工程なので、しっかり丁寧に行いましょう。

STEP2:土を固め、平らにする

雑草や石などを取り除いたら、地面を均一に整えます。地面に凹凸がある場合は砂を入れて平らにします。足でしっかり踏みつけて平らに均していきます。施工業者は転圧機を使用しますが、DIYではレンガや大きな板を使うのもおすすめです。

STEP3:下地材をまく

地面を平らに整えたらエリア全体に下地材をまきます。下地材をまく理由は、以下の通りです。

  • 水はけを良くし、カビや雑菌の繁殖を防ぐ
  • 表面を均して仕上がりを美しくする
  • 地面をしっかり固めることで人工芝の耐久性を上げる

人工芝の下地に使用される砂は、水はけが良い山砂や川砂が一般的です。

STEP4:下地の整地

下地材の厚さは3㎝ほどが理想的です。施工面積が40㎡の場合、12立方mの下地材が必要になります。

STEP5:下地の転圧

下地材の砂をまいたら、もう一度平らにして転圧します。シャベルの背で叩いたり、足で踏んだりして固めていきます。トンボを使いながら、表面のムラがなくなるよう平らにしていきましょう。

STEP6:防草シートを敷く

下地が整ったら、その上に防草シートを敷きます。防草シートは雑草の生育に必要な「光」を遮断し、雑草を絶やしてくれます。防草シートは折り目のない不織布であること、遮光率が高いこと、透水性が高く、通気性が良いことが大切です。また、防草シートの耐用年数は短いもので3年、長いものでは15~17年と耐久性にも差があります。人工芝を長く美しく保つために、耐用年数の長い防草シートを選ぶのがおすすめです。

防草シートの周囲は、約1m間隔でU字ピンを使って固定します。シートとシートの間から雑草が生えてこないように、つなぎ目部分は10cm以上重ねるようにしましょう。

STEP7:人工芝の仮置き

人工芝はロールで販売されているため、すぐに固定するとクセが残ってしまいます。人工芝を施工エリアに仮置きすることで、クセを伸ばします。また、人工芝を効率的に無駄なく敷いていくために、仮置きでレイアウトを決定します。

敷き始めの位置(家の壁際や駐車場などのコンクリート)を1列目とし、施工エリアの端までロールを広げていきます。予め施工するエリアの長さより30cmほど余裕を持って、長めにカットしておくのがおすすめです。

STEP8:人工芝のカット

仮置きでレイアウトが決まったら、裁断する箇所を人工芝の裏側にチョークなどで印付けます。芝の部分を切らないよう、裏側からカットしていきます。雨水桝などの障害物がある場合は、少しずつ切り込みを入れ、隙間ができないように慎重に切っていきましょう。

STEP9:人工芝のジョイント

人工芝のカットが終わったら、つなぎ目のすき間を2~3mmほど開けて、つなぎ目をジョイントテープで留めます。ジョイントテープを使い人工芝を片方ずつ載せます。最初に載せた人工芝の端を養生テープで留めておくと、芝を巻き込むことなく、つなぎ目をピッタリくっつけやすくなります。

STEP10:人工芝の固定

最後に、人工芝の外周とつぎ目の部分をU字型の固定ピンで固定していきます。固定ピンはおよそ50cm間隔で打ち込みます。打ち込む時はハンマーで叩きながら少しずつ、固定ピンが芝生の表面から目立たなくなるまでしっかり打ち込みます。

【ケース別】人工芝の施工方法

上記では一般的な家庭用の庭向けの人工芝の施工法をご紹介しましたが、用途や設置する場所の状態によって、人工芝の施工法は変わります。ここからはケース別の施工方法をご紹介します。

コンクリートに施工する場合

ベランダ、テラス、屋上などコンクリートに人工芝を敷くと、無機質な景観が美しくなり、お子さんやペットの遊び場として使いやすくなります。既にコンクリートがある上に人工芝を敷く場合は、下地作りや防草シートを敷く工程は不要になります。

コンクリートに施工する場合に必要なもの

  • 人工芝(狭いエリアにはジョイントタイプがおすすめ)
  • 接着剤(ボンド)
  • 人工芝用ジョイントテープ
  • 養生テープ/マスキングテープ
  • ハサミやカッターナイフ
  • テープメジャーや定規
  • 掃除道具(ホウキ、チリ取り、デッキブラシなど)
  • 軍手

コンクリートに施工する場合の工程

コンクリートの上に人工芝を敷く場合、STEP1~STEP6の工程は不要になります。

人工芝を敷く前に、ホウキとチリ取りを使って落ち葉、砂、ホコリ、ゴミなどをしっかり掃き取ります。コンクリートの表面に油汚れやコケなどがある場合は、デッキブラシと洗剤で洗浄しましょう。また、コンクリートの一部が欠けていたり大きなひび割れがあったりする場合は、補修材で欠けや穴を埋めておきます。コンクリートの掃除が終わったら水できれいに流し、水分をしっかり乾燥させましょう。 

コンクリートの上に人工芝を敷く場合、U字型の固定ピンの代わりに、人工芝用の両面テープか接着剤(ボンド)を使って固定します。きれいに掃除したコンクリート面に人工芝を仮置きし、適切なサイズにカットしてから専用の両面テープや接着剤で固定します。

コンクリートに施工する場合の注意点

  1. 人工芝は水はけの良いものを選びましょう。裏面に排水穴(透水穴)があいており、数も多いのがおすすめ。排水穴が多く空いているほど水分や湿気を逃しやすく、カビや雑菌が発生するのを防げます。素材では、ポリエチレンやポリプロピレン製の人工芝がおすすめです。水が溜まりやすいエリアの場合、人工芝を敷く前に下地に排水機能のある人工芝専用の下地材を敷くことも検討しましょう。
  2. コンクリートが汚れていたり湿っていたりする場合、人工芝を両面テープや接着剤で固定しようとしても、うまく接着しません。コンクリートをきれいに掃除し、しっかりと乾燥させてから人工芝を敷きましょう。
  3. ベランダやテラスなど狭いエリアの場合は、ロールタイプではなくジョイントタイプの人工芝を検討してみましょう。ジョイントタイプは、正方形や長方形に切り取られたパネル状の人工芝で、エリアに合わせて自由に組み合わせられるのが魅力です。また、裏にゴムやプラスチックの台が付いているため、通気性や排水性にも優れています。

ドッグラン用に施工する場合

いつでも愛犬を屋外で遊ばせられるようにと、自宅にドッグランを作りたいという方が増えてきています。ドッグランには衛生的で汚れにくく、メンテナンスが簡単な人工芝がよく選ばれています。

ドッグラン用に施工する場合の人工芝の選び方

ドッグラン用の人工芝を選ぶ時には、以下の条件を満たしているものを選びましょう。

  • 犬の足腰に負担が少ないようクッション性が高いこと
  • 低摩擦加工で静電気の発生が少ないこと
  • 芝葉がヘタレにくいよう高密度であること
  • バッキングの素材は水や湿気に強いウレタンであること
  • 排水性を高める透水穴が設けられていること
  • 抗菌、防臭加工がされていること
  • 防草シートが不要であること

最近では、上記の条件を満たしたドッグラン専用の人工芝も数多く販売されています。一般的な人工芝に比べると価格は高めですが、耐久性が高く衛生的に使え、愛犬の健康も守れるのでおすすめです。

ドッグラン用に施工する場合の工程

ドッグラン用に施工する場合は下地が土壌であるか、コンクリートであるかによって工程が異なります。
土壌がベースの場合は人工芝の施工手順(上の項目のに飛ぶようにリンク挿入)を、コンクリートがベースの場合はコンクリートに施工する場合(上の項目のリンク)を参照してください。

ドッグラン用に施工する場合の注意点

  1. 人工芝のドッグランを衛生的に使うためには、メンテナンスが欠かせません。犬がフンをした場合は取り除き、尿は水で洗い流します。水洗いだけでは臭いや汚れが取れない場合は、中性洗剤を使って洗いましょう。
  2. 土壌の上に人工芝を施工する場合、下地の上に防草シートを敷き、その上に人工芝を設置するのが一般的ですが、防草シートは尿が染み込みやすく臭いがこもりやすくなってしまいます。ドッグランとして使用する場合は、防草シートは敷かない方が良いでしょう。
  3. ドッグランとして使用する場合、どうしても排泄物の臭いがつきやすくなってしまいます。防臭・抗菌効果のある銀イオン(Ag+)を練り込んだ人工芝や、脱臭・消臭・除菌効果の高いゼオライトを含む人工芝を選ぶのがおすすめです。

運動用に施工する場合

公共のサッカー場やフットサル場、ゴルフ練習場などでは人工芝が多く使われていますが、自宅の庭でスポーツの練習ができる人工芝を敷くことも可能です。一般の家庭で使われる人工芝はどちらかというと景観性を重視したものですが、スポーツをする場合は安全性や耐久性の高い人工芝を選ぶ必要があります。

運動用に施工する場合の人工芝の選び方

運動用の人工芝を選ぶ時には、以下の条件を満たしているものを選びましょう。

  • クッション性が高いこと
  • 低摩擦加工で静電気の発生が少ないこと
  • パイルが抜けにくい構造であること
  • 珪砂やゴムチップなど充填剤を入れること

スポーツ用の人工芝は芝葉が短いショートパイルのものと、芝葉の長いロングパイルのものがあります。競技によってどちらのタイプが向いているかが異なるため、やりたいスポーツに合わせたパイルを選びましょう。

ロングパイルサッカー、野球、ラグビー、アメフトなど
ショートパイルフットサル、テニス、ゴルフなど

運動用に施工する場合の工程

運動スペースとして人工芝を施工する場合は、コンクリートの上ではなく、土壌の上に人工芝を敷きましょう。
施工手順は基本的には景観用の施工手順と同じです(上の項目のに飛ぶようにリンク挿入)。

人工芝を固定した後の仕上げとして、珪砂やゴムチップを充填剤として撒きます。充填剤を撒く理由は、以下の3点です。

  • 人工芝の伸び縮みを防ぐ
  • 芝の根元から固定し芝を抜けにくくする
  • 運動の摩擦から人工芝を保護する
  • 重しとなり人工芝のめくれを防ぐ

公共のサッカー場やフットサル場では、まず珪砂を撒いてからゴムチップを撒くように、二重の充填剤を使うことが一般的です。一般家庭の場合は、珪砂を撒くだけで十分でしょう。珪砂の量は人工芝1㎡あたり平均で2kgが目安です。

運動用に施工する場合の注意点

  1. お子さんがたまにスポーツの練習をする程度の使用なら、価格の高い競技用人工芝を購入する必要はありません。一般的な景観性重視の人工芝でも、耐久性の高いものやクッション性の高いものを選ぶことで、十分対応できるでしょう。
  2. 人工芝と天然芝では、ボールの滑りやバウンドの仕方が異なります。スポーツの練習用に人工芝を設置する場合は、プレイ性の違いも考慮しておきましょう。
  3. 運動用の人工芝の施工は、人工芝を敷いた後に充填剤を撒く工程が加わります。また、競技用人工芝はホームセンターでは販売されていないことも多く、充填剤も購入する必要があるため、DIYで敷くのは難しいかもしれません。運動用の人工芝を庭に敷きたい場合は、施工業者に依頼することも検討してみましょう。

人工芝を長持ちさせるコツ

せっかく敷いた人工芝は、できるだけ長くきれいに使い続けたいものです。ここからは、人工芝を長持ちさせるコツをご紹介します。

定期的なブラッシング

人工芝は使用しているうちに、どうしても芝葉が倒れてしまいます。デッキブラシを使って、芝葉が寝てしまわないように、逆方向からブラッシングをして芝葉を立ち上げさせましょう。ブラッシングの頻度は月に1~2回が目安です。使用頻度が高いエリアはより頻繁にブラッシングをすると、長持ちしやすくなります。

こまめな掃除

人工芝に落ちたゴミや落ち葉は、こまめに掃除しましょう。ゴミや落ち葉をそのまま放置しておくと、人工芝の奥に落ちてしまったり、湿気がこもってカビや雑菌が繁殖したりする可能性もあります。ホウキで掃き掃除をしたり、落ち葉のみならブロワーで吹き飛ばしたりしして、人工芝の表面をきれいに保ちましょう。

めくれた箇所はU字ピンで補強

人工芝を長く使用していると、端やつなぎ目の部分がめくれてきてしまうことがあります。そのまま放置していると、さらに広範囲がめくれてしまったり、人工芝の下にゴミなどが溜まったりするので、気が付いたらすぐに補修しましょう。土壌の上に設置している場合はU字ピンを追加して固定します。下地がコンクリートの場合は、めくれている箇所のコンクリートをきれいに掃除した後に、ジョイントテープや接着剤で接着し直しましょう。

芝生の手入れはプロへ依頼がおすすめ

人工芝の施工やお手入れは自分で行うこともできますが、広範囲に人工芝を敷きたい場合、土壌が平らでない場合、雑草や砂利などの異物が多く整地が大変な場合などは、人工芝の施工業者に依頼することも検討しましょう。

人工芝の施工をプロへ依頼するメリットは以下の通りです。

  • 美しい仕上がりが期待できる
    人工芝の施工で最も大切なのが整地です。石や雑草などの異物を取り除き、土壌をしっかり固めて平らに整地することで、仕上がりの見た目が美しくなり耐久性も高められます。専門業者に施工を依頼すれば、転圧機などを使ってしっかり整地してもらえるため、DIYで行うよりも良い仕上がりが期待できます。
  • 水はけも考慮してもらえる
    人工芝を美しく仕上げるためには、水はけを良くすることが欠かせません。プロに施工を依頼すれば庭の状況に合わせて勾配や土壌改良など、適切な下地処理を行ってもらえます。水たまりができやすいお庭や、雨の多い地域の場合は、プロに依頼する方が安心です。
  • 時間と労力の節約
    人工芝の施工は、工程の一つ一つは難易度の高いものではなく、DIY初心者でも比較的挑戦しやすいプロジェクトです。しかし、広範囲に人工芝を一人で敷いたりするとなると、大量の人工芝のロールや下地となる砂を運び入れるだけでも大変な作業になります。プロの施工業者に依頼すれば、迅速に確実に仕上げてもらえるでしょう。

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まとめ

美しい緑の芝を一年中楽しめる人工芝は、草刈りや雑草を抜くなどのメンテナンスが必要なく、しっかり施工されていれば10年以上張り替え不要で使い続けられます。人工芝の施工には特別な道具は必要なく、しっかりと各工程をこなしていけば、DIY初心者でも人工芝を敷くことは十分可能です。

しかし、施工エリアが広範囲だったり水はけが悪かったりする場合、ドッグランや運動用などの特殊な用途で人工芝を使いたい場合は、DIYで敷くのは難しいケースもあります。仕上がりの美しさや耐久性を考えると、smileガーデンのような人工芝の施工実績が豊富な専門業者へ依頼するのがおすすめです。