現在、新築の外構や外構のリフォームで注目を集めているのが「防犯砂利」です。
防犯砂利は、比較的安価に広範囲の防犯が可能であり、防草シートと組み合わせれば雑草対策もできます。さらに、素材や色目、質感が豊富でデザイン性も高いため、外構のちょっとしたコーナーの見栄えを格段にアップさせることが可能です。
ただし、防犯砂利の効果を高めるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
この記事では、防犯砂利のメリットや注意点、防犯性を高めるための敷き方の手順やコツ、敷くべき場所などを紹介していますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
防犯砂利を敷くことで得られるメリット
防犯砂利を敷くことで得られるメリットを4つのポイントに集約して説明します。

安価に防犯できる
外構の防犯対策は、フェンスやカーゲート、生垣などから、防犯カメラや各種人感センサーまで多種多様です。
ただし、資材や機器だけでなく設置手間も必要となるので、かなりの費用を要します。
それに比べると、人が踏みしめただけで70㏈(デシベル)以上の音を出して防犯する防犯砂利は格安です。防草シートを組み合わせても、基礎工事や支柱を必要とするエクステリア工事より圧倒的にお手頃価格だといえます。
防犯砂利は、さまざまなサイズの袋詰めが流通しているので、狭いスペースに合わせて必要な分だけ購入することができます。
音の大きさも選べるので、場所によって音の大小を分けることも可能です。
安価で、手軽に防犯対策できるのが防犯砂利の大きな強みです。
お得に雑草対策ができる
忙しいからと草取りや草刈りをさぼっていると、あっという間に庭や外構が雑草天国になってしまうので、普段からの雑草対策は欠かせません。
防犯砂利を土の上に敷けば、雑草の生育に必要な日光を遮り、防犯砂利の重みが圧迫となって雑草が生えにくくなります。さらに、防草シートを砂利の下に敷けば、防草効果は大幅にアップします。
雑草対策としては、業者に草刈りを依頼する、除草剤を散布する、自分で草取り作業するなどがありますが、継続しなければならないので定期的に費用や手間が必要です。
しかし、防草砂利と防草シートを組み合わせて設置すれば、長期に渡って効果が持続するので非常にお得です。
手軽に外観を向上できる
防犯砂利となる素材には、ガラス、セラミック、天然石、瓦などがあります。そして、それぞれに質感や色、粒径に種類があるので非常にデザイン性が高いです。
これらの素材の特徴を把握して外構に導入すれば、見た目の印象を大幅にグレードアップできます。防犯や雑草の対策をしながら、
外観の向上もできるという点が防犯砂利の人気の理由の一つです。
防犯砂利には、ガラスや瓦をリサイクルしたものも多く、環境に対する配慮が重要視される現在の風潮にもマッチしています。
デッドスペースを解消できる
住宅の外構で、意外と多いのが「デッドスペース」です。デッドスペースというのは利用されていないスペースのことで、狭かったり変形していたり、陽が当たらないというような理由で活用できていない場所のことをいいます。
設計の段階では、問題にならなかったのに建ち上がってみると使いにくいということがよくあります。
デッドスペースは、住宅の死角になっていることも多く、不審者の侵入経路として狙われやすいです。
こういう場所に建物や外構全体の雰囲気や色調に合わせた防犯砂利を敷くと、防犯対策できることはもちろん、デッドスペースを解消できて一つのコーナーとして成立させることができます。
防犯砂利を使うときの注意点
さまざまなメリットがある防犯砂利ですが、利用するにあたっては注意すべき点もあります。それをしっかり把握しておくことが、失敗や後悔のない防犯砂利の活用に繋がります。

種類によっては粉じんがでる
ガラス系の防犯砂利は砕けやすいため、長期で使用していると粉じんが出てくるので注意が必要です。
粉じんは風に飛ばされて洗濯物や窓ガラスに付着することがあります。
ガラス系は軽くて色も豊富で使いやすいのですが、踏みつけられているうちに細かくなり、音が鳴りにくくなるとされています。
狭小地のような建物や構造物に囲まれた場所で使用するのがおすすめです。また、一定期間が経過したら、状況に応じて防犯砂利を補充しましょう。
歩きにくいと感じることがある
防犯砂利は、素材同士が擦り合うことで音を発生させます。そのため、ごろごろとしたものが多いので歩いたり走ったりはしにくいです。
小さなお子様やペットが遊ぶような場所に敷くときは配慮が必要になります。特に、歩行に杖が必要な高齢者の方が歩く場所には敷かないほうが無難です。
歩きにくさに気をつけたい場所に使用するときは、できる限り小さめのサイズ(4~10mm程度)の防犯砂利を選ぶようにしましょう。
掃除が大変になりやすい
防犯砂利の間に小さなゴミや落ち葉が挟まると取れにくいので、掃除が大変だと感じることがあります。掃除には、一般的な庭ぼうきではなく、竹ぼうきや手ぼうきが使いやすいでしょう。
風圧で細かいゴミを飛ばして集めることができる、ブロアー(電動エアダスター)を使うのもおすすめです。通販では5,000円前後で購入できるものもあり、1台あれば本当に便利です。
音に対するクレームがあることも
音を発生させて不審者を近づけないのが防犯砂利ですが、この音がご近所からのクレームの原因となることがあります。
音の大きさの感じ方には個人差があるので仕方がありません。
頻繁に人の行き来がある場所に、大きな音を出す防犯砂利を敷くのは、なるべく避けるようにしましょう。
防犯砂利は発生する音の大きさにも種類があるので、敷く場所やご近所の状況を考慮しながら適切なものを選ぶようにしてください。
防犯砂利の敷き方の手順
防犯砂利の敷き方の手順を、一緒に防草シートも敷くという前提で説明します。
防草シートを敷くことで防犯と防草の相乗効果を狙えます。

防犯砂利と道具を用意
防犯砂利を敷く前に、準備するものについて紹介します。防草シートを敷く際に必要となる材料は後述します。
まず、防犯砂利を購入しますが、必要な量は敷く防犯砂利の素材で違ってきます。
一番人気のガラス素材は、3~4cmの厚みで1㎡敷くとすると40~60Lは必要です。
大抵の場合、防犯砂利の袋には1㎡に敷くのに必要な量を表示しているので、それを参考に購入しましょう。
防犯砂利を敷き均す作業をするときは、汚れてもいい服装で、手袋や長靴も用意してほしいです。スコップは、防犯砂利をまき散らすための剣先スコップ、敷き均して平らにするのに角スコップがあれば便利です。
敷く場所を除草し異物を除去する
敷く場所の雑草は、きれいに除草して異物も除去しておきましょう。除草剤を撒いて枯らすのも効果的です。
除草や異物の除去をしっかりやっておくと、この後の土壌の均しが楽です。また、一定期間が経過してから砂利や防草シートの隙間から発生してくる雑草を抑える効果もあります。
敷く場所の土壌を均し平らにする
次に、敷く場所の土壌を均して平らにします。軟弱地盤の場合は、プレートなどでしっかり転圧することをおすすめします。
土壌に不必要な盛り上がりや窪みがあると、降雨の際に水溜りができたり土砂が流れたりするので注意してください。また、必要に応じて、表面水が排水設備に流れやすいように勾配をつけるようにしましょう。
防草シートを敷く
平らになった土壌に防草シートを敷く手順を紹介します。防草シートを敷く際に準備する道具としては、
シートをカットするハサミ、留めピンを打ち込むハンマー、メジャー等があります。
シートを表土に密着させる
防草シートは、一気に広げてしまうのではなく、表土に密着させるように端から少しずつ敷いていきます。広げ過ぎると風であおられたり、不用意に折り曲げてしまったりしやすいです。
表土とシートを密着させると、余分な空気や日射しが入り込むのを避けることができて雑草の生育を抑えやすくなります。
留めピン、ワッシャー、専用テープ
防草シートのメーカーは、ほとんどの場合、専用の固定用具を販売しています。
通常、コの字型の留めピンとワッシャー、シート同士を重ね合わせる部分に使う専用テープが必要です。
シートにワッシャーを通したピンを一定の間隔で打込んで留めていきます。
㎡当り、ピンやワッシャーがどれくらい必要か表示してありますが、敷く場所によって、その数だと少ないと感じる場合があるので予備として多めに準備しておくことをおすすめします。
うまく敷くコツ
防草シートをうまく敷くコツを以下にまとめました。
・一度に広げず、少しずつ敷き進める
・シートを表土に密着させるように敷く
・シート同士のつなぎ目は10cm程度重ねる
・縁石や建造物にあたる端部は少しだけ折り重ねるようにする
敷く際に念頭に置いてほしいのは、とにかく光が入ってくる隙間をつくらないようにすることです。
防犯砂利を敷き均す
敷く場所の除草や異物を除去し、表土のでこぼこを整えて防草シートを敷いたら、防草シートの上に防犯砂利を敷き均します。
厚みが均等になるように、レーキやトンボを使って均してください。ない場合は、角スコップでも大丈夫です。
防犯砂利の敷き方のコツ
外構に係るDIYの中で、防犯砂利(防草シートを含む)の設置の難易度は高くないはずです。しかし、面積によっては重労働になったり、すぐに表面がでこぼこしたりすることがあります。
ここでは、なるべく楽に、効果を長持ちさせるような敷き方のコツを紹介します。

運搬は一輪車(カート車)を使う
防犯砂利の1袋当りの重量は、素材やメーカーなどで違いますが、通常10~20㎏程度あります。
リットルで表記して販売している場合は60~80Lで、女性は抱えるのに苦労する大きさです。
防犯砂利の運搬には、一輪車(カート車)を使いましょう。1、2袋であれば問題ないですが、それ以上になったら一輪車は非常に楽です。
防犯砂利を敷く場所に除草剤を散布
防犯砂利を敷く場所の除草は欠かせない作業ですが、面積があると、雑草を根から抜く作業は体力的にきついものになります。
長時間、同じ姿勢での反復運動をすることになるからです。
除草作業を面倒に感じる場合は、除草剤を散布しましょう。雑草は散布から1週間程度で枯れて、後は枯草の処理だけですむのでおすすめです。
防草シートを敷くべき理由を知る
「防犯砂利の必要性は分かるが、防草シートは本当に必要なのだろうか」と考える方も多いのではないでしょうか。
防犯砂利を自然状態の土にそのまま敷くと、年月の経過とともに土中に埋まっていきますが、防草シートには防犯砂利の沈下を抑える働きがあります。
土中に埋まった防犯砂利では、防犯や防草の働きは期待できません。大雨が降った時など土砂と一緒に流れてしまうことも考えられます。そういう意味もあって、防犯砂利と防草シートの組み合わせが推奨されているのです。
防犯砂利を敷いて防犯効果を高めるポイント
防犯砂利の効果を最大限に発揮させるためには、2つのポイントを押さえておく必要があります。2つのポイントとは、敷きたい場所に適切な防犯砂利を選ぶことと、敷くべき場所を知っておくことです。
例えば、住む人の動線上に大きな音がする防犯砂利を敷くと「うるさく」感じますし、見通しがよく人通りの多い通りに面した場所に敷いてもあまり意味がないでしょう。
この2つのポイントについて詳しく説明します。

適切な防犯砂利を選ぶ
適切な防犯砂利を選ぶには、防犯砂利の種類や特徴の概要を押さえ、敷く場所に応じた音量のものを選ぶことが必要です。
防犯砂利の種類と特徴を把握しておく
防犯砂利の種類は、大きく4つに分けることができます。天然石・溶岩、ガラス素材、セラミック素材、瓦素材の4つです。
以下に、それぞれの特徴をまとめました。
・天然石、溶岩|重量はあるが音は小さめ、粒は割れにくく高く耐久性がある
・ガラス素材|軽量で音も大きく安価で一番人気だが、砕けやすく流れやすい
・セラミック素材|音は非常に大きく、重量があるので流されにくいが価格は高め
・瓦素材|多孔質で保水性に優れ、水に対しての耐久性が高く比較的安価
以上の内容を把握して、適材適所を目指しましょう。
敷く場所で音量の違う防犯砂利を選ぶ
踏みしめると音が発生して防犯に貢献する防犯砂利は、購入時に音の大きさを確認することも大切なポイントです。
一般的に、人が踏むと70㏈以上の音がする砂利を防犯砂利といいます。70㏈は、やかんの沸騰音やセミの鳴き声と同じレベルの音の大きさです。
ガラス素材やセラミック素材では、80㏈以上の音を出すものも多いです。80㏈になると、走行中の電車内や地下鉄車内の音と同じくらいになります。
住宅で頻繁に人が通る場所では小さめの、そうでない場所では大きめの音を選ぶことが多いです。また、商品に㏈表示がない場合は、最低でも「防犯用」と表記されたものを選ぶようにしましょう。
防犯砂利を敷くべき場所を知る
防犯砂利を最小限の費用で効率的に活用するためには、防犯砂利を敷くべき場所を知っておくことが必要です。不審者が近づいてきやすい場所に集中して敷くことで、より効果的な防犯対策となります。
防犯砂利をぜひ敷いてほしい場所を3つ紹介します。
勝手口や住宅の裏手
住宅内に侵入しやすい場所とされているのが、1階の窓や出入り口です。特に住宅の裏手の窓や勝手口は、人通りや人目の少ない場所であることが多いので狙われやすいです。
ここに防犯砂利を敷くことで不審者を威嚇し、「この家は防犯意識が高い」と思わせることができます。
防犯で考えるとき、窓の高さも重要です。地窓や腰高窓、掃き出し窓など低めの窓は、侵入しやすいので注意が必要になります。
何らかの事情で低い位置に窓を設置した場合、侵入のリスクが高くなるので防犯砂利で対応しましょう。
隣地との境界沿い
隣地との境界沿いも、防犯砂利を敷いてほしい場所として挙げることができます。隣家との境界は、狭くて陽当りが悪いことが多く、放置されやすいため不審者の侵入経路になりやすいです。
境界沿いに窓がある場合は、目隠しに背の高いフェンスを建てたり、庭木を植えたりするケースもあります。これらが死角となって侵入者にとって格好の隠れ場所になることがあります。
隣地との境界沿いは放置されて人の行き来が少ないか、フェンスや庭木が不審者の隠れ場所になっていることがありますから、ぜひ防犯砂利で防犯対策することを検討してほしいです。
住宅の窓から死角になる場所
住宅の窓から死角になっている場所にも、防犯砂利を敷くことをおすすめします。
背の高いフェンスや生垣、庭木、物置、ウッドデッキ、室外機の周りなど、住宅には意外と窓から死角になっている場所が多いです。不審者は外部から目星をつけ、侵入経路を決めて一気に犯行に及びます。
最近では、防犯カメラや人感センサーが感知しない位置を狙ってくる侵入者が多くなっています。感知範囲の及ばない隙間位置は、防犯砂利で補てんしましょう。
庭のお手入れなら、スマイルガーデンへ
犯罪を行う前に下見をするとも言われますから、不審者から狙われない「家づくり」が重要ですね。
防犯砂利で普段から備えましょう。侵入経路となりやすいデッドスペースや、低い位置に窓がある
住宅のケースをsmileガーデンの施工例で見てみましょう。
例)①


窓の前にフェンスがあり、身を隠せるちょうどいい高さですね。小さな花壇から砂利に変えました。
表から見やすくなり、自宅内からも不審者がいればすぐにわかるようになりました。
例)②


まさに住宅のデッドスペースとなる裏庭です。雑草で見えにくかったのですが、砂利に変えると、大きな窓があるのがわかります。
このような侵入経路として狙われやすい場所にこそ防犯砂利がおススメです!
砂利を敷く広さによって作業の大変さも変わってきますが、砂利の運搬や雑草処理まで含めると、なかなかの手間になります。プロにまとめてお願いすると楽ですよ!
まずはお気軽に「smileガーデン」までお問合せください。