窃盗とは他人の財産を侵害する犯罪のことで、住居などに不法侵入して行う窃盗は、「侵入窃盗」と呼ばれます。侵入窃盗に遭うと、財産が侵害されるという実害はもちろん、見知らぬ人間に究極のプライベート空間である自宅に侵入されたという事実に相当なショックを受けます。

この侵入窃盗に対して最大の防犯対策は、
不審者が近づきたくない住宅にして、「あっ、この家、防犯意識が高いな」と思わせることです。
これに大きく貢献するのが、外構での防犯対策です。

この記事では、侵入窃盗に狙われやすい外構の特徴クローズ外構とオープン外構のどちらが防犯に有効か、具体的な外構の防犯対策などを紹介します。

侵入窃盗に狙われやすい外構とは

どのような外構が侵入窃盗に狙われやすいかを把握することは、外構の防犯を考えるときに非常に重要です。狙われやすいポイントを確実に取り除くことで、不審者が近づきたくない防犯効果の高い外構を実現することができます。
侵入窃盗に狙われやすい外構のポイントを5つ紹介します。

死角があって隠れやすい

外構に死角があると侵入した際に隠れやすいため、侵入窃盗に狙われやすくなります。高い塀や生垣、物置などがあって、外から窓や玄関付近が見えにくくなっている外構です。
ご近所や通行人の視線を遮るために、目隠しフェンスや植栽を設置する方は多いですが、防犯を考えるのであれば工夫が必要です。

フェンスや植栽で完全に隠すのではなく、人影や動きはある程度視認できるデザインのものを選び、家に人がいるときはシェードやミラーレースカーテン、遮像カーテンを使うようにしましょう。
特に、遮像カーテンには、遮熱やUVカット、花粉キャッチ、消臭など多機能なものが登場しています。

住人の不在がわかりやすい

住人の不在がわかりやすいと、侵入窃盗に狙われやすくなります。
ポストに郵便物が溜まっているのを外から確認できる、昼間でも長時間カーテンやシャッターが閉まっている、夜になっても電気がついていないなど住人の不在がわかりやすい外構は狙われやすいです。

また、庭や建物周りの手入れがされていない住宅の住人は、防犯意識も低いと判断されます。手入れに手間ひまかけられないという方は、常にスッキリ見える外構にすることが望ましいです。

一度外から自宅の様子を観察してみるのも対策を練るには必要でしょう。急ぎの対策としては、門柱と一体化したポストにしたり、室内が見えにくい素材の窓ガラスに変えたり、面格子を付けたりするなどがあります。

足場になるものが外から見える

警視庁の統計によれば、侵入窃盗による被害が最も多い住宅は、一戸建住宅となっています。そして侵入口として多いのは、窓(53.5%)と表出入口(21.5%)で、この2箇所だけで75%に達します。

侵入口として一番多い窓のうちでも、「1階居室の窓」からの侵入が多いです。この窓への侵入の足場になるものが外から見える外構は狙われやすくなります。侵入者が侵入しにくいと感じる、入るのに手こずる、侵入を諦めさせる外構とは真逆の状況です。

エアコンの室外機や給湯器、デッキやテラス屋根、ゴミ箱や使用しないタイヤなどは、外から目につきにくい場所への移動を検討しましょう。
警視庁|住まいる防犯110番(令和4年)侵入窃盗の侵入口

下見・物色しやすい立地条件

侵入窃盗は、事前に下見や物色をするとされています。「留守にしているか」「侵入しやすいか」「いざという時に逃げやすいか」などをチェックするそうです。
それでは、どのような住宅や外構が下見・物色されやすいのでしょうか。具体的な例を挙げてまとめましたので参考にしてください。

・日中に人の目が少なくなる住宅街
下見を見られる可能性が低く、侵入経路の確認も容易にできます。

・幹線道路、線路沿い
車や電車が通行する際に大きな音がするため、侵入時の音が気づかれにくく、特に駅近くの場合は逃げやすいです。

・旗竿地(はたざおち)
細長い敷地の先にある住宅地のことで、土地の形状が旗竿に見えることから、このように呼ばれています。道路に面していないため、犯行の状況が見られにくくなり狙われやすいです。

外構に照明が少なく全体的に暗い

外構に照明が少なく、全体的に暗い住宅は侵入窃盗に狙われやすいです。侵入窃盗は、とにかく人目を避けて行動したいため夜間に行動することが多く、特に照明が少なく暗い住宅は格好の侵入対象となります。

対策としては、ガーデンライトの設置が効果的です。ガーデンライトの明るさと存在感は、侵入者に警戒感を与え侵入をためらわせます。さらに、防犯カメラを併設できれば、侵入者の早期特定や証拠保全も可能です。ガーデンライトは、外構や庭の雰囲気に合わせて上手に選べば、外観を損なわず素敵なアクセントになります。

外構の防犯にはどっちがいい?クローズとオープン

外構のスタイルを考える方法の一つとして、オープン外構とクローズ外構という視点があります。防犯上、クローズとオープンどちらが優っているかは、結論をいうと「それぞれのスタイルに合った防犯を行う」というのが正解であると考えます。

自分に合った外構スタイルを選び、適切な防犯対策を実践するための参考にしていただけるように、クローズ外構とオープン外構それぞれの特徴とメリット・デメリットについて紹介します。

クローズ外構と防犯

クローズ外構と防犯について考えるため、クローズ外構とは何か、防犯という観点で見た場合のメリット・デメリットを紹介します。

クローズ外構とは

クローズ外構は、門扉やフェンス、ブロックやレンガの塀、生垣などで敷地を囲って、プライバシーや安全性を確保する外構スタイルです。周囲の住宅や道路との境界を明確にして、近隣や通行人からの視線を遮ります。同時に、小さいお子様やペットの飛び出しを防止します。

また、プライベートな空間を構築できるため、周囲に気兼ねすることなく庭でリラックスしたりバーベキューしたりすることが可能です。都市部の住宅や邸宅に多いスタイルで、重厚な印象を与えます。最近では、目隠ししながら、光や風は通す機能的な門扉やフェンスが人気となっています。

クローズ外構のメリット

クローズ外構のフェンスや塀は、人の視線を遮る高さがあり、外から住宅地内を見ることができないので不審者の下見や物色のリスクを低くすることができます。
また、門扉をオートロックにしたりスマホと連動させたりすれば、防犯意識の高さで不審者に侵入をためらわせることができます。

現在では、一般住宅でも警備会社と契約して、セキュリティ性を高めているケースが増えています。目につく場所に防犯カメラを設置し、警備会社と契約しているというステッカーが貼ってあれば、さらに防犯意識の高さを不審者にアピールすることができるでしょう。

クローズ外構のデメリット

クローズ外構の最大のデメリットは、何らかの方法で一度敷地内に侵入されてしまうと外から見えにくいという点です。敷地内に入ってきた侵入者が建物に近づかないような防犯対策を練る必要があるでしょう。
その他、防犯とは直接的には関連しませんが、クローズ外構のデメリットを3つ紹介します。

・クローズ外構は設置するエクステリアが多くなるので
 コストが高くなる
・高いフェンスや塀の影響で近隣住民との関係が疎遠になりやすい
・閉鎖的で圧迫感を感じやすいのでデザインに工夫が必要

クローズ外構の特徴やメリット・デメリットをしっかり把握して、必要な防犯対策を行いましょう。

オープン外構と防犯

オープン外構の特徴と、防犯上のメリット・デメリットについて説明します。

オープン外構とは

オープン外構は、敷地周りに目隠しになるフェンスや塀を設置せず、開放的なデザインが特徴となる外構スタイルです。また、設置するエクステリアが少ないため費用が抑えられ、リフォームもしやすいです。
ただし、隣地や道路との境界を明確にするための門柱や高さの低いネットフェンス、植栽などを配置することはあります。

オープン外構は開放的ではありますが、防犯対策を講じないと侵入窃盗や不審者の侵入に対して無防備な状態です。特に、住宅の裏手や庭への通路などには配慮が必要になります。
センサーライトや防犯カメラの設置、防犯砂利の敷設などの対策は必須でしょう。

オープン外構のメリット

オープン外構は、敷地内に他人が侵入しやすいですが、一方で死角が少ないため防犯対策には効果的な面もあります。人目につきやすいので、不審者が近づきにくくなるからです。

オープン外構では、フェンスや塀を設置しないので、敷地を実際以上に広々と見せることが可能です。そのため、駐車スペースや玄関アプローチなどを十分に確保できない敷地の場合は、オープン外構のほうが採用されやすくなります。
外構工事の費用を安く抑えられるのも大きなメリットです。エクステリアが少ないので、完成後のランニングコストも削減されます。

オープン外構のデメリット

オープン外構は、開放感はありますがプライバシーの保護は難しいです。例えば、庭でくつろいだり遊んだりしているのが見えますし、洗濯物を干しているのもわかります。
どうしても見せたくないリビングや寝室は、ピンポイントで目隠しフェンスを設置したり、庭木で隠したりすることが多いです。

視線だけでなく、騒音も遮るものがないため、住宅の屋内外に届きやすくなるというデメリットもあります。
オープン外構では、一見しただけでは境界がわかりにくいので、他人が侵入しやすいのもデメリットです。特に道路沿いの住宅の場合、通行人が悪気なく敷地内に立ち入ってくることがあります。

すぐにできる外構の防犯対策

外構の防犯対策は、大きな工事が必要となるものばかりではありません。現状の外構の雰囲気を壊さず予算的にもお手頃感があって、効果的な防犯対策を紹介します。

人感センサーライト

侵入窃盗や不審者は、人目に付きにくく身を隠しやすい夜間の行動が多いので対策が必要です。照明がなく暗い外構に設置してほしいアイテムが、人感センサーライトです。
人感センサーライトは、人の動きを感知して照明をつけたり消したりしてくれます。人感センサー自体は、公共的な施設やコンビニ・スーパー、マンションなどの自動ドアをはじめ、階段、廊下、トイレなどの照明で使われています。

人感センサー付きのLED電球や人感&明暗センサーの足元ライト、
ポーチやランタンをイメージしたデザイン性の高い製品も流通していて人気です。
センサーが侵入者を感知すると、アラーム音が鳴る「人感センサーアラーム」も登場しています。

モニター付ドアホン

ドアホンが住人不在の確認に使われることがあるのをご存じでしょうか。侵入窃盗は、事前に下見や物色をして犯行におよびます。

その際に、数日にわたりドアホンを鳴らし、住人が不在となる曜日や時間帯を把握するのです。
モニター付ドアホンであれば、訪問者の顔を確認できます。自動録画機能付きなら、どういう人物がどのようなタイミングで鳴らしているのか後々把握可能です。

カメラ付きであると分かった段階で、侵入窃盗は近づくのを諦めるはずなので防犯対策に有効ということになります。
屋外・屋内の配線工事が不要で部屋間の通話もできるタイプを選べば、機能性は大きく向上します。

外から盗りにくいポスト

郵便物の盗難防止や個人情報の流出防止、不在状況の確認をさせたくないと考えるのであれば、郵便物を外から盗りにくくて見えにくいポストの設置をおすすめします。

特におすすめは、機能門柱との一体型で、防犯性とデザイン性の両方に優れた製品です。
門柱に、照明、表札プレート、ポスト、インターホンなどが一体となっていて、デザインもスタイリッシュや木目調、郵便ポスト型などさまざまあります。

郵便ポスト型では、北欧デザインのポストと門柱、ランプが一体となったものが訪問者を暖かく迎えてくれると人気です。
さらに大容量の宅配ボックスをプラスしたものや、住宅の玄関横の壁に埋め込むタイプも流通しています。

歩くと音がする砂利・砕石

侵入窃盗は音や光を嫌がるので、軽く踏みつけるだけで大きな音がする防犯砂利・砕石を敷くことは防犯上非常に有効です。76.5dB以上という掃除機や激しい夕立と同じくらいの音が鳴る製品もあります。

防犯用の音がする砂利・砕石は、粒が大きく軽量となっているのが特徴です。素材は、ガラス系、セラミック系、瓦系などの再生材から、天然石・溶岩系まであり、質感、色、サイズともに多様です。
種類が豊富なので、建物や外構に合わせた商品を選ぶことができます。
防草シートと併用すれば雑草対策にもなり、地面を覆うので水たまりができにくく、泥はね防止にも効果的です。

植栽で視線と侵入を遮る

植栽で、ナチュラルに視線や侵入を遮るのも防犯対策としておすすめです。植栽は、どのような外構においても彩りや癒しを与え、住む人や訪れる人の心を和ませます。

勝手口や浴室、建物の裏手など、近づいてほしくない場所に植込をつくりましょう。プランターや鉢に庭木と草花のアレンジメントをつくって、さりげなく侵入してほしくないことをアピールするのもOKです。

丈夫で育ちやすい庭木は地域で違いますが、植栽の利点はフェンスや塀、その他のエクステリアに比較すると安価な点です。育てる手間はかかりますが、手間をかけるほど愛着が生まれるのは植物の大きな魅力です。

検討してほしい外構の防犯対策

新築、リフォームを問わず、これから外構の防犯対策を検討したいという方のために防犯アイテムを紹介します。

門扉・塀

門扉と塀は訪れた人が最初に目にする重要なアイテムであり、無断で侵入しようとする相手に対して大きな威圧となります。また、侵入防止だけでなく、施錠しておくことで敷地内の車や自転車等の財産を守ることが可能です。

ただし、高さやデザイン、素材によっては閉塞感に繋がることもあります。閉塞感を軽減したい時は、陽当たりや風通しを考慮したり高さを抑えたりすることが必要でしょう。

各種フェンス

各種フェンスも、不審者の侵入を防ぎ、外からの視線を遮ってプライベート保護の働きをします。
フェンスの種類と、それぞれの特徴についてまとめました。

【ルーバーフェンス】
羽根板を平行にすき間を開けて並べるので風を通す

スリットフェンス】
各種素材の角柱を並べて目隠しフェンスのように仕立てる

スクリーンフェンス】
横格子や縦格子、パネルなどさまざまなデザインがある

天然木フェンス】
現在人気なのはアイアンウッドなどのハードウッド素材

人工木フェンス】
カラーバリエーションに富みメンテナンスも楽で耐久性もある


ネットフェンス】
鉄線をメッキ加工して設置場所を選ばず見通しが良い

アルミフェンス
アルミの形材(かたざい)を使用し形状の種類は多い


さまざまな外構スタイルに合わせることができる多種多様なフェンスがあります。

生垣などの植栽

外構の防犯対策として生垣は効果的です。
密に生えた枝葉で一定上の高さや幅を確保すれば、人が乗り越えられないので物理的に侵入を防ぐことができます。また、外から覗くことができないので目隠しの役割もします。
生垣を設置する場合は、維持管理にかかる費用を事前に専門業者に見積してもらって、高さや幅、延長などを決めましょう。

防犯を考慮したデザイン

防犯を考慮した外構のデザインのポイントは、フェンスや塀の高さと見通し、侵入のしづらさです。
塀やフェンスは人の目線の高さ以上のものを選ぶことが大切ですが、死角をつくらないような配置にしたり隙間のあるデザインにしたりすることをおすすめします。上部には忍び返しなどの乗り越え防止を取り付けるのも効果的です。
最近では明るさとプライバシー保護を両立させる、半透明のポリカーボネートを取り入れたフェンスや塀も増えています。

庭のお手入れなら、スマイルガーデンへ

外構で不審者に「狙いにくい家だ」と感じさせることができます。一度、昼と夜どちらも家の周りを確認して、侵入しやすい場所がないかチェックしてみましょう。また、自宅付近が暗い、あるいは駅の近くに住んでいる、といった環境と照らし合わせた防犯対策も必要ですね。

生垣の設置や砂利の敷設など、自宅の外構と比較して防犯に繋がる対策がないか、
smileガーデンの過去の施工例から参考にしてみてください!

例)①

生け垣が大きくなりすぎたり放置して荒れてしまうと、逆に不審者が隠れやすくなってしまいます。剪定によって程よい高さに揃えられました。生垣は定期的に手入れしてこそ、不審者対策になります。

例)②

狙われやすい1階の窓が並んで二つあります。雑草を放置しているとより不審者に目を付けられしまいますから、このように砂利を敷いてしっかり対策したいですね。

自宅の環境や間取りなどによって、効果的な防犯対策は変わってきます。一度、プロの目からみてもらうと、思いもよらなかった対策や提案があるかもしれません。

まずはお気軽に「smileガーデン」までお問合せください