芝生は、育てるのに手間がかかりすぎるという方がいらっしゃいます。そういう方におすすめなのが、グランドカバーです。
グランドカバーは、植える場所の環境にあったものを選んで植えれば、ほぼ手間いらずで育ってくれます。
植える場所の環境に合っていて、自分好みの形や色のものを選ぶのが、失敗しないグランドカバー選びのコツです。
この記事では、特徴ごとに分けて、おすすめのグランドカバーを39種類紹介します。ぜひ、あなたにぴったりのグランドカバーを見つけてください。

グランドカバーとは何?

グランドカバーとは、地面を覆うように育つ植物の総称で、美観を向上させるだけでなく、土壌の保水と流出防止、雑草の抑制などの効果があります。
葉の色や形、大きさが多種多彩で草丈のサイズも豊富にあります。花の付くタイプは、小花中心に比較的大輪のものまであり、開花時期もさまざまです。
このように種類の多いグランドカバーは、それぞれの性質を見極めて、植えたい場所に合った植物を選ぶのが最も重要なポイントになります。
他の植物に比べて育てるのに手間がかからない種類が多く、放置したままでも見た目が大きく乱れないのが、グランドカバーの特徴の一つです。ただし、育ちすぎて、ボリュームを調整するということはあります。

グランドカバーを選ぶときのポイント

グランドカバーを選ぶときは、まず、植えたい場所の環境条件を把握することから始めます。選ぶときのポイントとなるのは、以下の3つです。

  • 日当たり|半日陰や日陰か、日差しが強いかなど
  • 水はけ|土壌の水はけが悪いか、乾燥して痩せているか
  • 踏圧|人やペットが頻繁に通る場所か

以上のようなポイントで、どのような場所に植えるのかを明確にしておきましょう。
次に、考えてほしいのが見た目や手入れのしやすさです。以下の3つはよくある要望の実例です。

  • 花が咲いて花期が長いもの
  • 葉の形や色がおしゃれなもの
  • 丈夫で手間がかからないもの

この他にも、自分なりに植えてみたいグランドカバーがあれば想定してみてください。
条件と要望を合わせることができればベストですが、どちらかを優先する場合は条件を優先するべきです。条件に合わないグランドカバーを植えても、うまく育てることはできません。

グランドカバーおすすめ39選

いくつかの特徴に分けて、おすすめのグランドカバーを39種類厳選して紹介します。ここで紹介するのは、宿根草を含む多年草や、低木・つる性植物です。
宿根草は多年草の一種で、生育に適さない時期に地上部は枯れますが根は生きており、翌年また芽を出します。一方、多年草には宿根草のように地上部が枯れるものと、常緑で一年中葉が残るものがあります。

花が咲くグランドカバー

アスチルベ

ユキノシタ科アスチルベ属

草丈20~80㎝
花色ピンク、赤、白、紫
開花時期5~7月
耐寒性強い
耐暑性普通

アスチルベは、日本、中国、朝鮮半島など東アジア原産の多年草です。主にドイツで園芸品種が改良されました。日本の気候に合っているため、とても育てやすく、極端な乾燥を嫌うほかは日本中どこでも生育します。寒さに強く、マイナス15℃程度まで耐えるとされています。多少の半日陰でも開花し、初夏から夏にかけて細かい花びらがふわふわと穂状に盛り上がるように咲きます。花色はピンクから紫まで多彩で、葉は繊細な切れ込みが入って美しいです。

コレオプシス

キク科コレオプシス属

草丈30~100㎝
花色黄色、ピンク、赤、オレンジ、複色
開花時期5~10月
耐寒性強い(交配種は半耐寒性)
耐暑性強い

北アメリカ原産の植物で、耐寒性、耐暑性ともに強いです。学名はコレオプシス・ヴェルティシラータで、ハルシャギクやキンケイギクは仲間ですが、一年草扱いとなっています。とても丈夫で、手間がかからず、花つきも良いので放任しても育ちます。コレオプシスの開花時期は5~10月と長く、長期間にわたって花を楽しむことができます。園芸品種のムーンビームは繊細な糸葉をもち、明るくさわやかなレモンイエローの花を咲かせます。

ベロニカ・オックスフォードブルー

オオバコ科クワガタソウ属

草丈5~20㎝
花色青紫
開花時期4~5月
耐寒性強い
耐暑性強い

ヨーロッパ原産のオオバコ科の宿根草です。ベロニカは上に伸びる立性と這うように広がる這性がありますが、オックスフォードブルーは這性です。性質はとても強く、一度根付くと植えっぱなしで増えていきます。雑草の抑制効果も高いです。増えすぎて整理したい場合も簡単に引き抜くことができて楽です。4~5月頃に小さな青紫の花をカーペット状に開花させます。風通しが良ければ半日陰でも育ちますが、花つきは悪くなります。乾燥には強いですが、過湿は苦手です。

イベリス

アブラナ科イベリス属

草丈20~60㎝
花色白、ピンク、赤、紫
開花時期4~6月(品種によっては秋にも開花)
耐寒性強い
耐暑性強い

スペインのイベリア半島に多く自生し、スペインの別称「イベリア」に由来して名付けられたとされています。花茎が曲がる性質から「屈曲花(マガリバナ)」とも呼ばれます。アマラやオドラータなどの品種は一年草扱いです。
春に白やピンクの艶やかな小花を咲かせます。花房は、咲き始めは平らですが、咲き進むと盛り上がって長い穂になります。
原産地の影響で日照があって比較的温暖な乾燥気味の場所が適しています。

セラスチウム

ナデシコ科ミミナグサ属

草丈10~50㎝
花色
開花時期4~7月(北海道では5~6月)
耐寒性非常に強い
耐暑性弱い、高温多湿を嫌う

ヨーロッパ原産で、花は白く、葉は白銀色の常緑多年草です。春になると地面を覆うように一面に白い花を咲かせますが、横に広がる性質なので草丈はさほど高くなりません。白銀色の葉が美しく、カラーリーフとしても人気が高い植物です。常緑なので冬期間も葉は枯れず一年を通してシルバーリーフを楽しむことができます。日当たりでも半日陰でも育ちますが、夏場の直射日光は避けたいです。暖地では一年草扱いされる場合があります。

葉が大きめのグランドカバー

アルケミラ・モリス

バラ科ハゴロモグサ属(アルケミラ属)

草丈30~50㎝
花色黄緑
開花時期5~7月
耐寒性強い
耐暑性やや弱い

原産地はヨーロッパ東部から小アジアで、寒さに強いのが特徴です。縁に細かな切れ込みが入る丸い葉は、シルバーがかっているようにも見えて優しい雰囲気を持っています。朝露などが水玉となって葉の表面に残る姿に魅力を感じるファンは多いです。
初夏の開花期に葉の間から花茎を伸ばし、先端で細かく枝分かれして黄緑色の花を多数咲かせます。耐寒性が高く冷涼な気候を好みますが、高温多湿にさえ注意すれば暖地でも育てるのにさほど難しさはありません。

ツワブキ

キク科ツワブキ属

草丈20~50㎝
花色黄、白、オレンジ
開花時期10~12月
耐寒性普通
耐暑性強い

日本や中国などが原産で、フキの形に似た葉とキクに似た葉が特徴の常緑多年草です。葉はツヤがあり、円くて直径20㎝前後あります。開花時期は10~12月で、花の少ない時期に鮮やかな黄色の花を咲かせます。花色は黄色が主流ですが、白い花やオレンジに近い黄色、淡い黄色など品種によって違いがあります。丈夫で繁殖力が高く、比較的、病害虫にも強いため育てやすい植物です。日向か半日陰が向いており、土質は問いませんが水はけの良い土地を好みます。

ヒューケラ

ユキノシタ科ヒューケラ属

草丈20~80㎝(開花時)
花色赤、白、ピンク、緑
開花時期5~7月中旬
耐寒性強い
耐暑性普通

耐寒性、耐陰性が強い常緑多年草で、一年中ほぼ同じ姿を保ち、ほとんど手間いらずで育ちます。葉の直径は品種によって違いますが、3~10㎝と大きく、薄く丸みを帯びた形状です。葉色のバラエティが豊富なため、カラーリーフとしても人気が高いです。5~7月にかけて、ツリガネ型やツボ型の小さな可愛らしい花をつけます。耐暑性もありますが、品種によっては夏の直射日光で葉焼けすることがあるので、建物や塀の際、樹木の下などの植え込みにおすすめです。

丈夫なグランドカバー

リュウノヒゲ

キジカクシ科ジャノヒゲ属

草丈10~40㎝
耐寒性強い
耐暑性強い

日本各地の林地で自生している常緑の多年草です。細長い葉が地面を覆うように茂り、走出枝と呼ばれる匍匐茎の一種が新しい株を形成して増えていきます。改良種のタマリュウは小型で葉が密につくため、芝生のような景観をつくります。日向から日陰まで、ほとんど場所を選ばず、植えっぱなしで育ちます。庭木の下草から石やレンガの隙間など活用範囲は広いですが、踏み圧には弱いので人が歩く場所には向きません。病害虫には強い植物ですが、まれにコガネムシやナメクジに食害されることがあるので注意が必要です。

ヤブラン

キジカクシ科(クサスギカズラ科)ヤブラン属

草丈20~50㎝
花色青紫、白
開花時期7~10月
耐寒性強い
耐暑性強い

原産は日本を含む東アジアで、日本各地の林地で普通に見ることができる多年草です。日本の気候によく合い、暑さ寒さに強く、一度植え付ければ何年も手間いらずで育ちます。開花期は7~10月で、花茎を立ち上げた先端に、花径4㎜ほどの小さな花を連ねるように咲かせます。園芸品種の斑入りヤブランは、葉にストライプ状に斑が入り、カラーリーフとして人気が高いです。
日向から半日陰まで、どこでもよく育ちますが、あまりに暗い場所では間のびした草姿になり、花つきも悪くなります。

フッキソウ

ツゲ科フッキソウ属

草丈20~30㎝
花色白(雄しべ)
開花時期3~5月
耐寒性強い
耐暑性強い

図鑑によっては、常緑性の低木と表記されることがありますが、木質化はしません。原産は、日本及び中国北部です。地下茎がよく伸びて、そこから茎葉を直利させて草丈は30㎝ほどになります。ほとんど手入れ不要で草姿の乱れもなく、マット状に広がるのが特徴です。花に花弁はなく、上部に雄花、下部に雌花が付きます。濃い緑葉が茂る様子が繁栄を祝う意味を表しているということで「富貴草」「吉事草」など縁起の良い名前が付けられています。建造物の周囲や樹木の陰など半日陰の緑化植物として人気です。

ディコンドラ

ヒルガオ科ディコンドラ属

草丈5~10㎝
耐寒性普通
耐暑性強い

可憐で美しいハート形の小さな葉を、横に這うように広げる常緑の多年草です。原産地はアメリカ、オーストラリア、東アジアなどです。耐寒性はそれほど高くないので、葉の美しさを保ちながら冬を越すためには-1℃以上の気温が必要です。花は3㎜程度と小さく、葉の付け根に咲いて葉に隠れるので、ほとんど目につきません。ディコンドラは種類によって好む環境が違います。緑葉のミクランサ種は湿り気のある日向から半日陰、シルバー葉のアルゲンテア種は乾燥した日向で育てます。

テラスライム

ヒルガオ科イポメア属

草丈10~100㎝
耐寒性弱い
耐暑性強い

サツマイモの園芸品種であるイポメアの一種で、鮮やかなライムグリーンの葉色が美しい品種をテラスライムと呼びます。メキシコ南部から中央アメリカが原産で、基本的には生育旺盛です。元親はサツマイモなので夏の暑さに強く、株は匍匐して横に伸び、秋には地中にイモができるのが特徴です。日向でも半日陰でも育ちますが、多湿には弱いので水はけの良い場所に向いています。日本では関東以南の温暖地域では地植えが可能ですが、寒冷地では鉢植えで育てて冬は室内で管理してください。

アジュガ

シソ科アジュガ属

草丈10~30㎝
花色青紫、ピンク
開花時期4~6月中旬
耐寒性強い
耐暑性やや弱い

原産地は、南北アメリカを除く温帯地域で、日本に自生するジュウニヒトエやキランソウもアジュガの仲間です。葉は根元から放射状に広がり地面に張り付いて見えるロゼット状になるのが特徴です。この葉の間から花茎を伸ばし、青紫色の花を穂状につけます。花色は青紫のほか、紫紅、ピンク、白などがあります。匍匐茎を旺盛に伸ばして、日当たりの悪い場所でもよく増えます。耐陰性のある常緑多年草なので、直射日光が長時間当たる場所への植え付けは不向きです。

ダイアンサス

ナデシコ科ダイアンサス属

草丈10~60㎝
花色赤、ピンク、白、黄色、複色
開花時期4~8月(四季咲き品種もあり)
耐寒性強い
耐暑性強い(品種により違いがある)

カーネーションのもとになった多年草で、灰緑色の細い葉を持ち、マット状に広がる草姿をもった植物の総称となっています。主に流通しているのは、ヨーロッパ原産のタツタナデシコやその交配種です。銀緑色の葉は常緑で美しく、春に可憐な花を咲かせ、香りも魅力となっています。耐寒性が高く丈夫に育ちやすいですが、高温多湿には弱いため梅雨時は蒸れて株が傷みやすいです。事前に間引いて予防するのが通年元気に育てるコツです。

ビンカミノール(ヒメツルニチニチソウ)

キョウチクトウ科ツルニチニチソウ属

草丈15~30㎝
花色青紫(品種により濃淡あり)、青
開花時期4~7月
耐寒性強い
耐暑性強い

株元から多数の茎を伸ばして、つる状に匍匐しながら生長し、春から初夏にかけて小さな青紫色の花をつける常緑の多年草です。日向または半日陰の場所を好みます。非常に丈夫で乾燥にも強く、植えっぱなしでも旺盛に増えていきます。つる性を活かして高い位置からつるを垂らして楽しむこともできます。春先や秋口の低温下でも繁殖力が変わらないので、他の植物に影響しないように適宜ボリュームを抑えるように管理してください。

シラン

ラン科シラン属

草丈30~70㎝
花色赤紫、ピンク、白
開花時期5~6月
耐寒性強い
耐暑性強い

日本を含むアジアに自生するランの仲間で、日当たりのよい湿地や草原などを好みます。ランの中でも、きわめて強健で耐寒性・耐暑性ともに強いです。赤紫色の花を咲かせる普通種のほか、白地に淡いピンクのかかるシロバナシラン、両者の交配で生まれたクチベニシランなどがあり欧米でも人気です。植えっぱなしでも長年栽培できますが、花付きをよくするために2~3年に一度、秋に株分けを行い植え直すことがあります。適度な湿気を好みますので、樹木の根元や花壇の後方に植えるのがおすすめです。

セダム

ベンケイソウ科マンネングサ属

草丈3~50㎝(品種による)
花色白、黄色、オレンジ、ピンク
開花時期2~10月(品種による)
耐寒性強い(品種による)
耐暑性強い・過湿には弱い(品種による)

セダムは北半球を中心として世界に広く分布し、500種類以上の品種が確認され、日本だけでも30~40種類以上はあるとされる多肉植物です。日本には、暖地性種と寒冷地性種があり、種類によって性質に違いがあります。国内で一般的に流通しているものは性質が強健なものが多いですが、品種により、耐寒性、耐暑性、常緑性などに違いがあるので、違いを十分に把握してから導入するようにしてください。

ヒメイワダレソウ

クマツヅラ科イワダレソウ属

草丈5~10㎝
花色白、ピンク
開花時期4~11月(四季咲き品種)
耐寒性強い
耐暑性強い

繁殖力が強く多少の踏みつけにも耐えるため、芝生の代わりに植えられるグランドカバーの代表格とされる多年草です。地面を這うように伸びた茎の各節から根を出して、びっしりと地面を覆うのが特徴で、地面だけでなくコンクリートや壁を伝うほど生命力が旺盛です。花色は白やピンクで、可憐な小花が密集して開花し、花のカーペットをつくりだします。繁殖力が強すぎて、既存の植物を脅かすほどの性質のため、環境省の生態系被害防止外来種の一つになっています。剪定や刈り込み、根止めや仕切りを設けるなどの管理を怠らないように注意しましょう。

グレコマ

シソ科グレコマ属

草丈5~10㎝(つるは100㎝以上)
花色青紫、薄紫、ピンク
開花時期4~5月
耐寒性強い
耐暑性強い

原産地はヨーロッパとするのが一般的ですが、一部の文献では東アジアも原産地として記載しています。グレコマはシソ科グレコマ属の総称であり、耐寒性と耐暑性だけでなく、耐陰性も強い常緑多年草です。幅広い環境に適応しますが、水分を好むため、乾燥すると生育が悪くなり株も弱まります。和名のカキドオシは、地面に這うようにつる状の茎が長く伸びて広がり、垣根をくぐり抜けることに由来しています。春に小さな紫色の花を縦に連なるように咲かせます。

おしゃれなグランドカバー

アサギリソウ

キク科ヨモギ属

草丈20~30㎝
花色黄緑
開花時期8~9月上旬
耐寒性強い
耐暑性普通

原産地は日本で、北陸・東北地方から北海道の岩場に生息するヨモギの仲間です。細かな葉の表裏に細い絹毛が密生し、全体が緑色を帯びた銀白色に輝く繊細なシルバーリーフです。高山性ですが、性質は強健で、平地でもよく育ちます。基本的には日当たりがよく風通しがよい場所を好み、日陰では茎葉が徒長して葉色もさえなくなります。夏の高温多湿で内部が蒸れて枯れた場合は、思い切って切り詰め、新たな芽吹きを促してください。

メカルドニア

ゴマノハグサ科メカルドニア属

草丈5~10㎝
花色
開花時期5~10月
耐寒性弱い
耐暑性強い

原産地はアメリカで、日当たりや風通し、水はけの良い場所を好みます。初夏から秋まで、小さな黄色い花をたくさん咲かせます。匍匐性の性質があり、草丈が低く下へ垂れ下がるため、高さのある場所に飾ると縁からこぼれるように咲く花姿が魅力です。花がらは自然に落ちるため、花がら摘みの手間が少なくてすみます。夏の暑さや乾燥に強いため、夏花壇の花としての人気は高いのですが、寒さに弱く暖地以外では一年草扱いされます。

ラミウム

シソ科オドリコソウ属

草丈20~40㎝
花色白、ピンク、黄、緑、紫
開花時期5~6月
耐寒性強い
耐暑性やや弱い

原産地は、ヨーロッパ、北アフリカ、南アジアの温帯地域ですが、日本に自生するオドリコソウやホトケノザは仲間です。ガーデニングに利用されるのは、マクラツム種やガレオブドロン種のような園芸品種です。マクラツム種は葉の主脈沿いに白斑になり、花は紫です。
ガレオブドロン種は白斑の内側と外側が縁になり、花は黄色で、いくつかの品種があります。夏の暑さにやや弱いので風通しに注意してください。明るい半日陰の場所を好みます。

ワイヤープランツ

タデ科ミューレンベッキア属

草丈5~20㎝(長さ~5m程度)
耐寒性強い
耐暑性強い

原産地はニュージーランドで、匍匐性の常緑小低木です。細いつる(茎)がワイヤーに見えることから、この名前がつきました。この赤みを帯びたつると、丸くて可愛らしい葉の組み合わせが可愛いので人気があります。日向でも半日陰でもよく生育して悪条件にも耐えるので、建物の周りや隙間などにも活用できます。暖地を中心にグランドカバーでの利用が多く、その他の地域ではハンギングやコンテナで利用されることが多いです。

クラウンベッチ

マメ科タマザキクサフジ属

草丈30~150㎝
花色ピンク、白
開花時期5~9月
耐寒性強い
耐暑性強い

ヨーロッパ原産のマメ科の耐寒性宿根草です。春から夏にかけて、レンゲソウに似たピンクの花を咲かせながら生長し、花の淡いほのかな香りが魅力となっています。暑さ寒さ、乾燥にも強く、土質を選びません。広がりすぎるほど強健な性質なので、雑草対策にも大きな効果を発揮します。開花時期も比較的長く、花の少なくなった時期でも、パステル調のふんわりとした雰囲気が周囲を明るくしてくれます。

リシマキア

サクラソウ科オカトラノオ属(リシマキア属)

草丈10~100㎝
花色黄、紫、白、赤、複色
開花時期4~8月
耐寒性強い
耐暑性強い

リシマキアは、北半球を中心に、アフリカ、南アメリカ、オーストラリアなど広く分布しています。種により形態がまったく異なりますが、這性のものがグランドカバーとして利用されます。ヌンムラリア(ヨウシュコナスビ)は丸い葉が密生して地表を覆い、葉腋に明るい花を咲かせます。園芸品種のオーレアは葉が黄色です。プロクムベンスは茎先に固まるように花をつけ、花期も長いのが特徴です。夏に日陰になる落葉樹の下など、適湿な場所を好みます。

ストケシア

キク科ストケシア属

草丈30~50㎝
花色青紫、薄紫、白、ピンク
開花時期6~10月
耐寒性強い
耐暑性強い

北アメリカ南東部原産の多年草で、和名はルリギクです。花は、秋まで次々に咲き続け、花色は青紫、白、ピンクなどがあります。性質は強健で、耐寒性、耐暑性があり、乾燥にも耐えて育ちます。日当たりのよい場所を好みますが、半日陰でもよく花を咲かせ丈夫です。切り花としても人気が高く、利用価値が高いです。土質はあまり選びませんが、極度な乾燥に合うと葉が枯れこむので注意してください。

ローマンカモミール

キク科ローマカミツレ属

草丈~30㎝程度
花色白と黄
開花時期5~6月
耐寒性強い
耐暑性弱い

原産地は、西ヨーロッパ、北アフリカなどです。よく知られているジャーマンカモミールは、キク科の一年草のハーブですが、ローマンカモミールは多年草です。ローマンカモミールは横に這うように広がり、リンゴの香りがするのが特徴で、踏み付けにも強いです。ジャーマンカモミールと同様に白い花を咲かせますが、サイズは大きめで花数は少ないです。日本の暑さには弱いので、日差しを避けた、風通しの良い場所が向いています。

生育旺盛なグランドカバー

イワミツバ

セリ科エゴポディウム属(イワミツバ属)

草丈30~80㎝(長さ)
花色
開花時期6月
耐寒性強い
耐暑性普通

原産地はヨーロッパで、セリ科の耐寒性多年草です。現在流通しているのは、ほとんどが明るいグリーンにクリーム色の斑が入った斑入りイワミツバです。半日陰から日陰を好み、強い日差しに当たると葉焼けを起こします。病害虫にも強く、ほとんど手をかけなくても丈夫に育ちます。環境が整うと、同じ植込地の他の草花を根絶してしまうほど強健です。極端に乾燥すると生育が止まってしまうので注意が必要です。

ミント

シソ科ハッカ属

草丈30~50㎝(品種による)
花色白、ピンク、薄紫
開花時期7~9月
耐寒性強い~やや弱い
耐暑性強い~普通

原産地は、ヨーロッパをはじめとして、世界各地に分布しています。ミントは、シソ科ハッカ属の総称で、数多くの品種があります。品種によって草丈や耐寒性、耐暑性が異なりますので、導入前に必ず確認しておくことが必要です。多くは多年草で、切った枝を水に挿しておくだけで初根するほど生命力は旺盛です。花は、白やピンク、赤紫の小花が、穂状かふんわりした毬状で咲きます。初夏から夏にかけて咲く、上品で繊細な花姿もミントの魅力です。

タイムロンギカウリス

シソ科イブキジャコウソウ属

草丈5~10㎝
花色薄紫、ピンク、白
開花時期4~6月
耐寒性強い
耐暑性強い(高温多湿にはやや弱い)

原産地は、ヨーロッパ、ユーラシア、北アフリカで、常緑の多年草です。非常に丈夫なハーブで、耐寒性、耐暑性が高く、乾燥にも強いです。半日陰でも地面を覆うように広がり、ほとんど手間をかけずに茂ります。ただし、暖地の高温多湿にはやや弱いため、梅雨時期などは風通しをよくしたり、刈り込みをしたりして蒸れないように注意してください。タイムの中では一番花数が多く、増えたら株分けも簡単にできます。

コトネアスター

バラ科シャリントウ属

草丈30~200㎝
花色
開花時期5~6月
耐寒性強い
耐暑性強い

原産地は中国南西部からヒマラヤ地方にかけてです。コトネアスターはバラ科シャリントウ属の総称で、常緑または落葉の木本植物です。強健で育てやすく、美しい実や花を楽しめるので、グランドカバーだけでなく庭木としても人気です。高さのある場所に植えると、大きく垂れるように枝が広がっていって見事です。5~6月にクリームがかった白色のボケの花に似た小花をたくさん咲かせます。秋から冬にかけては、小さく真っ赤な果実を実らせて楽しませてくれます。

半日陰のグランドカバー

アイビー(ヘデラ)

ウコギ科キヅタ属

草丈~数m
耐寒性強い
耐暑性強い

原産地は、北アフリカからヨーロッパで、繁殖力のとても強いつる性植物です。別名はヘデラで、葉の大きさや色、斑の入り方が異なるさまざまな品種があります。通年、葉が美しいので、壁面やフェンスに登らせたり、上から垂らしたりすることもできます。日当たりと水はけのよい場所を好みますが、半日陰でも生育は良好です。地植えで植え付ける場合は、数年後を考えた場所を選ぶようにします。増えすぎて取り除こうとしても、葉の下の根が吸盤のような役割をしており、きれいに取り去るのが難しくなります。

フィカス・プミラ

クワ科フィカス属(イチジク属)

草丈5~20㎝(長さ20~50㎝以上)
耐寒性やや弱い
耐暑性強い

原産地は日本を含む東南アジアで、分類としては常緑つる性低木ですが、多年草と同じように扱うことが多い植物です。日陰でもよく生育し、ほかの植物では緑化できない狭い場所に使われることも多いです。ゴムノキやガジュマルの仲間で、暑さに強く寒さに弱いですが、関東以南の太平洋沿岸の暖地では屋外でも越冬できます。常緑の小さくて丸い葉を密につけ、白い斑入り葉やカールする葉などの園芸品種があります。

ヤブコウジ

サクラソウ科ヤブコウジ属

草丈10~30㎝
花色白、ピンク
開花時期7~8月
耐寒性普通
耐暑性強い

原産地は、日本、朝鮮半島、中国などです。植物の分類としては常緑木本の低木ですが、見た目も扱いもほぼ草花です。古くから日本人に愛用されてきた植物で、江戸時代に多くの品種がつくられました。ツヤのある濃い緑色の葉をもち、日陰や寒さに強く、栽培も容易です。花を咲かせた後、サクランボのような赤い小さな実をつけます。グランドカバーだけでなく、盆栽、アレンジメント、鉢植えで観葉植物にするなど、さまざまなスタイルで親しまれています。

シンバラリア

オオバコ科シンバラリア属

草丈10~15㎝(長さは100㎝程度)
花色白、紫
開花時期3~10月
耐寒性強い
耐暑性普通

地中海沿岸部が原産地で、特にヨーロッパ南部から中部にかけて分布しています。アイビーに似た形の柔らかい印象の葉をもち、横に広がって育つ多年草です。花はとても小さく、花径1㎝にも満たないほどですが、春先から秋まで次々と咲いて楽しませてくれます。花色は白や紫で花の形はスミレに似ています。日当たりは好みますが、耐陰性が強いので、半日陰や木漏れ日程度の場所でもよく育ちます。シェードガーデンや花壇の縁取りとして人気です。

ヒメツルソバ

タデ科イヌタデ属

草丈50㎝程度(つるの長さ)
花色ピンク
開花時期5~10月
耐寒性普通
耐暑性強い

ヒマラヤ原産の多年草ですが、日本でも半野生化するほど増えます。寒冷地では冬の寒さで枯れてしまうので、一年草として扱われます。地面を低く這い、マット状に広がるのが特徴です。小さな楕円形の葉の中央に褐色のV字模様があります。花は初夏から秋まで咲き、淡いピンク色の小さな手まり状をしており愛らしいです。日当たりでも半日陰でもよく育ち、石垣や敷石の間、道路わきや斜面に植えても生育します。

シャガ

アヤメ科アヤメ属

草丈30~50㎝
花色白、青
開花時期4~5月
耐寒性普通
耐暑性強い

原産地は中国東部からミャンマーですが、日本各地の低地や人里近くの湿った森林でも普通に見ることができます。古くから庭の下草として広く利用されてきた常緑の多年草です。根が地面を這うように伸び、よく増えます。薄い紫がかった白地に青い斑点が入る花を多数咲かせます。やや湿り気のある半日陰を好み、日当たりがよすぎると葉焼けを起こしてしまうので注意が必要です。乾燥する場所では葉色が薄くなり、生育も悪くなります。

フウチソウ

イネ科ウラハグサ属

草丈20~40㎝
耐寒性強い
耐暑性強い

原産は日本で、本州の太平洋側の山地の崖や尾根に自生する多年草です。古くから盆栽、山野草として愛されてきました。半日陰でもよく育つので、シェードガーデンでよく使われます。乾燥は嫌いますので、極端に乾燥する場所は避けてください。斑入りの品種は、強い日差しを受けると葉焼けを起こすことがあります。夏に花をつけますが、地味なので観賞価値はありません。少し高さのあるスペースに植えると、葉を下垂させてこんもり茂り軽やかな草姿が楽しめます。

まとめ

グランドカバーは、環境に合った品種さえ選べば、ほとんど手間いらずで地面を覆うように育ってくれます。強健で生命力旺盛な品種が多く、美観を向上させるだけでなく、土壌の保水や流出防止、雑草の抑制などの効果があります。
建物回りや道路の際、石垣の隙間や花壇の縁取りなど、さまざまな場所の緑化が可能です。特に多年草と低木やつる性の木本類は、一度植えれば長期間にわたって育ちますから、エコで経済的です。
グランドカバーを、ぜひ、あなたのガーデンライフの仲間に加えてみてください。