生垣に使用する樹種は、何を基準に選びますか?
好みの花が咲く樹種や、手入れの楽な品種を選ぶのも良いでしょう。
もしも目隠しとしての生垣を立てるなら、欲しい生垣の高さを基準に樹種を選ぶことも大切です。
というのは、木の種類によって樹高が異なるため、立てられる生垣の高さが変わってくるからです。
たとえば、2.0mの生垣が欲しいのに、樹高1.0mの低木を選ぶと高さが足りません。
また、1.0mの生垣が欲しいのに、成長スピードの速い木を選ぶと剪定に追われる日々となるでしょう。
ですから、欲しい生垣の高さが決まっているなら、その高さを保ちやすい樹種を選ぶのが得策です。
この記事では、生垣におすすめの樹種を、高さ別に紹介していきます。生垣の樹種選びに迷っているなら、ぜひ参考にしてみてください。
生垣とはなに?
生垣は、「いけがき」と読み、植物を列植してつくった境界のことです。
似た言葉に垣根があります。垣根(かきね)は、生垣を含め、木材や竹材、石材など多様な資材を使った境界となる構造物全体を指しています。
生垣は生きた植物によってつくられるので、境界を明確にするだけでなく、葉や花の自然な温かみや安らぎを感じさせてくれるものです。また、目隠しとしてプライバシーを保護したり、防火や防風の役割をしたりします。
植物の種類や高さ、構成、仕立て方で、さまざまにアレンジできるのも生垣の大きなメリットです。
生垣をつくるメリット
住宅の境界や目隠しというとフェンスをイメージすることが多いですが、ここでは、生垣だからこそ得られるメリットについて紹介します。
圧迫感のない目隠し効果
住宅の目隠しというと塀やフェンスを思い浮かべますが、頑強なコンクリートやレンガは視線を覆って遮断する印象が強く圧迫感があります。
緑の植物でつくられる生垣は、圧迫感を与えにくく景観に溶け込みます。
また、人工物でつくられた目隠しは風通しが悪く、特に真夏の酷暑では熱気をため込んで放射するので息苦しさを感じやすいです。
生垣は適度に風通しを保ち、みずみずしい自然な心地よさを感じさせてくれます。
環境に優しく機能性が高い
フェンスや塀の設置には、コンクリートや鉄筋を使用する基礎工事が必要です。また、ライフスタイルが変化して、庭や外構をリフォームするときには、廃材を所定の処分場に持ち込む必要があります。
それに比べると、生垣は環境に優しく経済的です。廃棄するときの適切な処分は必要ですが、それほど手間はかかりません。
また、生垣には、防風や防火、防音の効果があります。建物やエクステリアにあたる雨風の影響を軽減し、万が一の火災時には延焼を防ぎ、屋外の騒音を反射して室内へ音を届きにくくしてくれます。
外観の印象を向上させる
生垣は、目隠し効果や機能性だけでなく、住宅全体の外観の印象を向上させることも可能です。
生垣に適した植物は種類が多いので、自分の好みや家の外観、雰囲気に合わせて選ぶことができます。オーソドックスに一種類の植物でつくる生垣はもちろん、複数の樹種を組み合わせた「まぜ垣」も楽しい雰囲気になるのでおすすめです。
生垣は、定期的な剪定を行うことで、統一感や清潔感で整然とした印象を与えます。ただし、最近では自然形の樹木の魅力を活かしたり、高さの異なる庭木を組み合わせたりして立体感や奥行きをもたせるケースもあります。
地域の気候や立地条件に配慮した樹種を選び、花や緑を楽しみながらプライバシーを保てる庭づくりに挑戦していただきたいです。
生垣をつくるデメリット
生きた植物でつくる生垣は、生長して繁茂するため、定期的にメンテナンスをしないとトラブルになりやすいです。生垣をつくるデメリットについて説明します。
周囲とのトラブルのリスク
生きた植物でつくる生垣は、枝葉が伸びすぎて樹形が乱れると見た目が悪くなり景観を悪くします。生長とともに隣家の敷地に越境したり、歩道に枝葉を伸ばして通行する人の邪魔になったりすることもあります。
また、枯葉や落ち葉の放置は隣家の住民に不快な思いをさせ、通行する人の足元を不安定にさせるリスクが生じやすいです。
このようなことが周囲とのトラブルの原因となる可能性があるので注意が必要です。
病害虫が発生しやすい
植物である生垣は、病害虫が発生することがあるのもデメリットの一つです。
枝葉が密になりすぎて込み合うと風通しが悪くなり、湿気がこもりやすくなります。湿気はカイガラムシやアブラムシ、黒星病やうどんこ病の発生や蔓延の温床になりやすいです。
生垣は同じ樹木を列植することが多いため、病害虫が発生すると被害がすぐに全体に広がります。特に、生垣には枝葉が密になりやすい庭木を選ぶことが多いので十分な留意が必要になります。
定期的なメンテナンスが必要
生垣を良好な状態に維持するには、剪定などの定期的なメンテナンスが欠かせません。剪定によって枝葉の量を調整して、風通しを良くすることが必要です。
枯葉や落ち葉はこまめに切除・清掃することは、見た目の向上に繋がるだけでなく、病害虫の発生を抑えるのにも役立ちます。
ポイントは、できる限り、生垣を頻繁にチェックすることです。そして適切な剪定や清掃、防除を行いましょう。
手入れが行き届いた美しい生垣は、住む人の高評価に繋がります。
生垣におすすめの庭木の特徴
生垣におすすめの庭木の特徴を以下にまとめました。
- 常緑性であること|一年中葉が茂り目隠しや防風になる
- 枝葉が密集している|目隠し効果が高くなる
- 病害虫に強い|病害虫に強い品種を選ぶことが必要
- 刈り込みに強い|樹形を整えやすく芽が出やすい
- 丈夫で枯れにくい|長く生垣として機能し手入れの手間を軽減できる
以上のポイントを考慮しながら、自分の好みや住宅の雰囲気に合うものを選びましょう。
生垣の高さ別「目隠し度」イメージを画像で確認

まずは、生垣の高さによる目隠し度のちがいを把握しておきましょう。
2.0mと1.5m、そして1.0mの生垣ではどのように目隠しできるか、画像で紹介していきます。
2.0mの生垣

しっかり目隠しをしたいなら、2.0m以上の生垣がおすすめです。歩行者の頭もすっぽり隠すため、お互いに存在を意識せずに済むでしょう。
1.5mの生垣

生垣でもっともポピュラーな高さは、1.5~1.8mです。歩行者の頭が見え隠れする程度の大きさで、適度な遮蔽性がある高さといえます。
1.0mの生垣

1.0mの生垣には、目隠しとしての役割はほとんど期待できません。でも、低い生垣には管理や手入れがしやすいというメリットがあります。高い生垣と前後に配置して、デザイン的に楽しむ人も多いようです。
0.5mのちがいでも、目隠しできる範囲や庭の印象は大きく変わりますね。
さて、希望の生垣の高さが決まったら、その高さに合った樹種を選んでいきましょう。
次は、生垣の高さ別におすすめの樹種を紹介していきます。
欲しい生垣の高さ別!おすすめの樹種を紹介

高い生垣には高木、中くらいの生垣には中木、そして小さな生垣には低木を選んでいきましょう。
高さ2.5m・2.0m・1.5m・1.0m・0.5mの生垣に、おすすめの樹種を紹介していきます。
高さ2.5mの生垣におすすめの樹種4選

高さ2.5mの生垣に使いやすいのは、生育スピードの速い樹種です。刈り込みにも強い次の4種は、2.0m以下の生垣にも適しています。
レッドロビン

| 植物名 | レッドロビン |
|---|---|
| 学名 | Photinia ×fraseri ‘Red Robin’ |
| 科名 | バラ科 |
| 属名 | カナメモチ属 |
| 別名 | セイヨウカナメモチ、セイヨウベニカナメモチ |
| 分類 | 常緑性中高木 |
| 樹高 | 3~10m |
| 原産地 | アメリカ |
鮮やかな赤い色が印象的なレッドロビン。赤く見えるのは花ではなく新芽なため、刈り込むたびに季節を問わず赤い生垣を楽しめます。
成長スピード速いため、大きな生垣にぴったりです。そのぶん、こまめな剪定が必要となります。剪定の適期は年に3回。3~4月と6月、そして9~10月です。
病害虫には比較的強い樹種ですが、ごま斑点病を発症することがあります。予防のために、落ち葉は溜めずに取り除き、適度な消毒を行いましょう。
シラカシ株立

| 植物名 | シラカシ(白樫) |
|---|---|
| 学名 | Quercus myrsinaefolia |
| 科名 | ブナ科 |
| 属名 | コナラ属 |
| 別名 | ー |
| 分類 | 常緑高木 |
| 樹高 | 10~20m |
| 原産地 | 日本、中国、朝鮮、台湾 |
シラカシは、カシの木の一種です。4~5月に開花して、秋にはたまご型のどんぐりができます。
枝は適度に密になり、刈り込みにも強い樹種。耐寒性も高く枯れる心配もほとんどないため、高い生垣におすすめです。
ただし、成長が非常に速いため、大きくなりすぎてしまう懸念があります。手に負えないサイズとなる前に、適度に剪定を行いましょう。
アラカシ株立

| 植物名 | アラカシ(粗樫) |
|---|---|
| 学名 | Quercus glauca |
| 科名 | ブナ科 |
| 属名 | ツゲ属 |
| 別名 | ー |
| 分類 | 常緑高木 |
| 樹高 | 10~20m |
| 原産地 | 日本、中国、東南アジア、ヒマラヤ |
アラカシも、カシ類の一種。秋にはどんぐりが実ります。シラカシと非常によく似ていますが、アラカシの葉のほうが少し横に広い形をしています。
生育が良くぐんぐん伸びるため、年に1~2度は剪定を行いましょう。成長が落ち着く6~7月と、11~12月が剪定の適期です。
病害虫には比較的強い樹種ですが、うどん粉病にかかることがあります。風通しと日当たりの良い環境を整えて、春の終わりには薬剤を散布して予防しましょう。
カイヅカイブキ

| 植物名 | カイヅカイブキ(貝塚息吹) |
|---|---|
| 学名 | Juniperus chinensis ‘Kaizuka’ |
| 科名 | ヒノキ科 |
| 属名 | ビャクシン属 |
| 別名 | カイヅカビャクシン |
| 分類 | 常緑小高木 |
| 樹高 | 5~8m |
| 原産地 | 日本、中国 |
カイヅカイブキの魅力は、円錐形の樹形と鮮やかな緑の小さな葉です。
乾燥に強く、病害虫の被害もほとんどない丈夫な樹種。育てやすい反面、大きくなりすぎるのが難点といえるかもしれません。
倒木やトラブルを引き起こさないように、定期的に手入れをする必要があります。
とはいえ、剪定は年に1回程度でかまいません。真冬以外ならいつ行っても大丈夫ですが、最適期は6月とされています。
高さ2mの生垣におすすめの樹木7種

高さ2mの生垣におすすめの樹種には、次の7つが挙げられます。
マサキ

| 植物名 | マサキ(正木、柾) |
|---|---|
| 学名 | Euonymus japonicus |
| 科名 | ニシキギ科 |
| 属名 | ニシキギ属 |
| 別名 | オオバマサキ、ジャパニーズスピンドル |
| 分類 | 常緑 |
| 樹高 | 2~6m |
| 原産地 | 日本、東アジア |
マサキにはいろいろな種類がありますが、本種のマサキは濃い緑の葉が特徴的。6月から7月頃にかけては白い花を咲かせ、秋には赤い実を付けます。
古くから日本で親しまれてきたマサキは、日向でも日陰でも良く伸びる、非常に育てやすい樹種です。常緑樹ではありますが、新芽と入れ替わる時期に古い葉をいっせいに落とすことがあります。
春先にガの幼虫が発生しがちなことは、マサキの難点かもしれません。放っておくと食い荒らされてしまうので見つけ次第駆除しましょう。
キンマサキ

| 植物名 | キンマサキ(金正木/金柾) |
|---|---|
| 学名 | Euonymus japonicus |
| 科名 | ニシキギ科 |
| 属名 | ニシキギ属 |
| 別名 | ー |
| 分類 | 常緑高木 |
| 樹高 | 2~6m |
| 原産地 | 日本、朝鮮、中国 |
葉に黄色い縁取りのあるキンマサキは、本種のマサキより明るい印象です。バランスの良い色合いで、庭木としても人気があります。
耐寒性や耐陰性が高く、塩害にも強い丈夫な木。枝が密になり遮蔽効果も抜群なため、生垣にも最適です。
放っておくと6m近くまで大きくなりますが、刈り込みで2.0mほどの高さに維持できます。
プリペット

| 植物名 | プリペット |
|---|---|
| 学名 | Ligustrum sinense |
| 科名 | モクセイ科 |
| 属名 | イボタノキ属 |
| 別名 | セイヨウイボタノキ、ヨウシュイボガノキ |
| 分類 | 半落葉~常緑低木 |
| 樹高 | 1.5~3m |
| 原産地 | 中国、ヨーロッパ、北アフリカ |
プリペットは、常緑~半落葉樹という分類です。暖かい場所ではあまり葉を落としませんが、寒い地域ではすっかり落葉することもあります。
6~7月には芳香のある小さな白い花が咲かせるプリペット。花を楽しむなら、花芽を付ける春の剪定は避けましょう。
生育が良く芽吹きも良いので、高い生垣に適しています。
ヒイラギモクセイ

| 植物名 | ヒイラギモクセイ(柊木犀) |
|---|---|
| 学名 | Osmanthus fortunei |
| 科名 | モクセイ科 |
| 属名 | モクセイ属 |
| 別名 | ー |
| 分類 | 常緑高木 |
| 樹高 | 5~8m |
| 原産地 | 中国 |
ヒイラギモクセイは、公園や庭園などの生垣によく使用されています。
ギンモクセイとヒイラギの交雑種とされ、楕円形の葉にあるツンツンとしたトゲが特徴的です。
基本的には病害虫に強いヒイラギモクセイですが、風通しの悪い場所ではカイガラムシやハダニなどが発生することがあります。
害虫予防には、落ち葉を溜め込まないことが大切です。落ち葉の掃除はマメに行い、害虫を発見したらすぐに殺虫剤を散布して駆除しましょう。
キンモクセイ

| 植物名 | キンモクセイ(金木犀) |
|---|---|
| 学名 | Osmanthus fragrans var.aurantiacus |
| 科名 | モクセイ科 |
| 属名 | モクセイ属 |
| 別名 | ー |
| 分類 | 常緑小高木 |
| 樹高 | 3~6m |
| 原産地 | 中国 |
キンモクセイは、ギンモクセイの変種です。9月から10月にかけて、香りの良いオレンジ色の小さな花を咲かせます。
成長が早く、葉が密になるため、生垣にも人気の樹種。厚みのある緑の葉で、しっかり目隠ししてくれます。
成長スピードが速いので、年に2回は剪定しましょう。花芽が付く前の2~4月と、花の終わった11月が剪定の適期となっています。
トキワマンサク

| 植物名 | トキワマンサク(常盤万作) |
|---|---|
| 学名 | Loropetalum chinense |
| 科名 | マンサク科 |
| 属名 | トキワマンサク属 |
| 別名 | ベニバナトキワマンサク |
| 分類 | 常緑性中高木 |
| 樹高 | 3~6m |
| 原産地 | 日本、中国南東部、インド北東部 |
卵型でやわらかな葉を持つトキワマンサクは、花を楽しむ生垣におすすめの樹種です。花色は、白や赤、鮮やかなピンクなど。絞りや三色咲きなどの品種もあります。
花の形状も品種によりさまざまですが、特徴的なのは細いリボンのような花弁と、一斉に開花する姿です。まるで生垣全体が花に染まるようなインパクトを見せてくれるでしょう。
ラカンマキ

| 植物名 | ラカンマキ(羅漢槙) |
|---|---|
| 分類 | 常緑高木 |
| 樹高 | 2~5m |
| 原産地 | 中国、日本 |
病害虫が比較的少なく、枝葉が密になるラカンマキ。古くから庭木や生垣として利用されてきました。
樽型の赤い実の先にグリーンピースがくっついたような、非常にユニークな形の実を付けます。
イヌマキの変種ですが、20mまで育つイヌマキと比べラカンマキの樹高は5mほど。刈り込みに強いため、高い生垣にも低い生垣にも対応できる樹種です。
1.5mの高さの生垣におすすめの品種2つ

1.5mの高さの生垣におすすめするのは、サザンカとシルバープリペットです。
サザンカ

| 植物名 | サザンカ(山茶花) |
|---|---|
| 学名 | Camellia sasanqua |
| 科名 | ツバキ科 |
| 属名 | ツバキ属(カメリア属) |
| 別名 | ヒメツバキ、イワハナビ |
| 分類 | 常緑高木 |
| 樹高 | 2~6m |
| 原産地 | 日本、東アジア |
ツバキとよく似たサザンカですが、ツバキよりも生垣向きといえます。というのは、サザンカのほうがツバキよりも枝を密につけるからです。
サザンカの開花は10月~12月。花の少ない寒い時期に、お庭を彩ってくれるでしょう。
耐寒性が強く、基本的には丈夫な樹種。
ただし、チャドクガやイラガ、カイガラムシが発生しやすいので注意が必要です。放置するとすす病の素にもなってしまいますので、害虫は見つけ次第、駆除しましょう。
シルバープリペット

| 植物名 | シルバープリペット |
|---|---|
| 学名 | Ligustrum sinense |
| 科名 | モクセイ科 |
| 属名 | イボタノキ属 |
| 別名 | セイヨウボタノキ |
| 分類 | 半落葉~常緑低木 |
| 樹高 | 1~4m |
| 原産地 | ヨーロッパ、中国 |
クリーム色がかった斑入りの葉がさわやかなシルバープリペット。春から初夏に、白い香りの良い小花を咲かせます。
生育旺盛で成長早いため、高めの生垣におすすめです。
ただし、シルバープリペットは、剪定を怠ると「先祖返り」をすることがあるので注意しましょう。先祖返りとは、斑の入っていない緑の葉が出ることです。
もしも先祖返りしてしまったら、しっかり刈り込んで、斑入りの葉が芽吹くのを待ちましょう。
高さ1.0mの生垣におすすめの樹種4選

1.0mの生垣におすすめなのは、ツゲ系、ボックスウッド、常緑のツツジ系などです。
もちろんしっかり刈り込めば、1.0mより低い生垣にも利用できます。
ツゲ系

| 植物名 | ツゲ(柘植、黄揚) |
|---|---|
| 学名 | Buxus microphylla |
| 科名 | ツゲ科 |
| 属名 | ツゲ属 |
| 別名 | アサマツゲ、コツゲ、ホンツゲ |
| 分類 | 常緑低木~小高木 |
| 樹高 | 2~9m |
| 原産地 | 日本 |
ツゲ系の樹木には、ツゲ、ヒメツゲ、セイヨウツゲなどがあります。
葉の形や性質などはよく似ていますが、高さが少し異なります。ツゲは中木でヒメツゲとセイヨウツゲは低木となっています。
ヒメツゲの樹高は0.5cmほどなので、1mの生垣には、ツゲかセイヨウツゲがおすすめです。
ツゲ系は萌芽力が強いため、樹形がすぐに乱れます。枝葉が混み合うと風通しが悪くなり病気の原因ともなりますので、剪定は定期的に行いましょう。
ボックスウッド

| 植物名 | ボックスウッド |
|---|---|
| 学名 | Buxus sempervirens |
| 科名 | ツゲ科 |
| 属名 | ツゲ属 |
| 別名 | スドウツゲ、セイヨウツゲ |
| 分類 | 常緑低木 |
| 樹高 | 1~2m |
| 原産地 | 地中海沿岸、西アジア |
明るい葉色が鮮やかなボックスウッドは、萌芽力が高く刈り込みに強い樹種。公共スペースでの植込みや、テーマパークのトピアリーなどにも良く使用されています。
成長スピードは比較的ゆったりしているので、低めの生垣にぴったりです。
ボックスウッドの緑の葉は、冬場には褐色に変化します。枯れたように感じるかもしれませんが、落葉することはありません。
基本的に丈夫なボックスウッドですが、ハマキムシやツゲノメイガといった害虫が発生することもあります。風通し良い環境を保てるよう、剪定を適宜行いましょう。
常緑のツツジ系

| 植物名 | ツツジ |
|---|---|
| 学名 | Rhododendron |
| 科名 | ツツジ科 |
| 属名 | ツツジ属 |
| 別名 | ー |
| 分類 | 常緑低木 |
| 樹高 | 0.5~2m |
| 原産地 | 日本、東アジア |
ツツジには、非常にたくさんの種類があります。低い生垣に適しているのは、常緑低木のツツジです。
具体的には、キリシマツツジやクルメツツジ、ヒラドツツジなど。それぞれ耐寒性、耐暑性ともに高く、非常に育てやすい樹種です。
4~5月に開花して赤や白、ピンク、赤紫などの鮮やかな花を咲かせます。
ツツジ系の樹種は、乾燥すると害虫が付きやすくなります。適度に保水を行って、乾燥しすぎないよう気を付けましょう。
剪定は、花の終わった9月頃がおすすめです。花芽を刈らない程度に、適度な剪定を行ってください。
ドウダンツツジ

| 植物名 | ドウダンツツジ(灯台躑躅) |
|---|---|
| 学名 | Enkianthus perulatus |
| 科名 | ツツジ科 |
| 属名 | ドウダンツツジ属 |
| 別名 | ー |
| 分類 | 落葉低木 |
| 樹高 | 1~2m |
| 原産地 | 日本、台湾 |
ドウダンツツジの花は、スズランのような白い釣り鐘型をしています。開花期は4~5月頃で、秋には紅葉も楽しめます。
病気や害虫には強い樹種ですが、乾燥する季節にはハダニが発生することもあります。葉裏に散水することで、ハダニの繁殖を抑えましょう。
ドウダンツツジを生垣にする場合、剪定の適期は5月中旬~6月中旬ごろになります。花を楽しみたいなら、花芽の出る夏以降の剪定は避けましょう。
高さ0.5mの生垣におすすめの樹種2つ

0.5mほどの生垣には、刈込可能な低木すべてがおすすめの樹種といえるでしょう。
その中から、ヒメシャリンバイとクチナシについて紹介していきます。
ヒメシャリンバイ

| 植物名 | ヒメシャリンバイ(姫車輪梅) |
|---|---|
| 学名 | Rhaphiolepis umbellata |
| 科名 | バラ科 |
| 属名 | シャリンバイ属 |
| 別名 | ハマモッコク |
| 分類 | 常緑低木 |
| 樹高 | 2~3m |
| 原産地 | 日本 |
光沢のある葉がたっぷり茂り、小さいながらも存在感のあるヒメシャリンバイ。新芽は赤みを帯びていて、緑の葉とのコントラストが魅力的です。
3~4月には、ピンクがかった白い花を咲かせます。秋には古い葉が紅葉し、季節ごとに違った雰囲気を味わわせてくれるでしょう。
成長は緩やかで、1年に伸びるのは10~20mほどです。刈り込みにも強いので、低く保ちたい生垣に最適です。
クチナシ

| 植物名 | クチナシ(梔子、口無) |
|---|---|
| 学名 | Gardenia jasminoides |
| 科名 | アカネ科 |
| 属名 | クチナシ属 |
| 別名 | センプク |
| 分類 | 常緑低木 |
| 樹高 | 0.5~2m |
| 原産地 | 中国 |
クチナシは、早春のジンチョウゲと秋のキンモクセイと並ぶ3大香木です。6~7月に、甘い香りのする白い花を咲かせます。
花の形状は、一重咲きや八重咲など。なめらかな緑の葉と白い花とのコントラストが美しく、和洋どちらの雰囲気にもなじみます。
花を楽しむなら、花が咲き終わったらすぐに剪定を行いましょう。
クチナシには、オオスカシバの幼虫やカイガラムシが発生することもあります。見つけたらすぐに殺虫剤などで退治しましょう。
生垣の手入れは定期的に行う
生垣の手入れは、見た目の美しさを維持し、風通しや日当たりを良くして病害虫を予防するために欠かせません。生垣の手入れについて、自分で作業する場合と業者に依頼する場合、それぞれで説明します。
自分で作業する場合
生垣の手入れを自分で作業する場合は、刈り込みバサミや剪定バサミ、電動バリカン(ヘッジトリマー)を用意しましょう。枝が太いようであればノコギリが必要になる場合もあります。
生垣の剪定は一般的に、3~5月、9~10月の年2回行うのが適しています。日照や風通しを考慮しながら生垣の下から上へ刈り進め、側面は少し厚めに上面は平らに刈るとキレイに仕上がります。
生垣の内側で込み合った枝がある場合は、剪定バサミなどで間引いて、日当たりや風通しを良くすることを忘れないでください。
業者に依頼する場合
生垣の手入れを業者に依頼する場合は、信頼できる実績があることを口コミやホームページで確認しましょう。各業者には得意とする分野があるので、生垣などの剪定業務に実績がある業者を選ぶことが必要です。
できれば複数業者から事前に見積を徴収し、各費用の詳細、追加費用の有無などをしっかり確認します。
業者が決まったら、生垣のどの部分を、どのくらいの高さまで、どのように剪定してほしいのかを事前に明確に伝えるようにするのがポイントです。
生垣のお手入れならsmileガーデン
生垣のお手入れを業者に依頼するなら、「smileガーデン」がおすすめです。生垣の育成管理に精通し、サービスマナーを心得たスタッフが作業を担当します。
生垣についてはもちろん、庭木の剪定や伐採に関しても相談してみてください。無料で現地調査、見積作成してくれます。
smileガーデンは、全国チェーンの利便性、中間マージンをなくした良心的な価格、経験豊富なプロの確かな技術が高く評価されているので安心です。
まとめ

生垣におすすめの樹種を高さ別にまとめましたが、高さを保てるおおよその基準であり調整は可能です。大切なのは、生垣にする庭木の性質を知って、自分の家に合うものを選ぶことです。
生垣は、住宅全体の景観を高めると同時に、目隠しやさまざまな機能があります。ただし、生きている植物なので定期的なメンテナンスが必要で、放置するとトラブルに繋がることがあります。
生垣づくりや手入れで、少しでも疑問や不安があれば、プロに相談してみましょう。












