自分で庭に芝張りしたいが、やり方がわからなくて困っているという方は多いのではないでしょうか。一度やってみたがうまくいかず、失敗の原因もわからないという方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、芝生の種類や芝生が良好に育つための基盤となる下地作り、芝張りや手入れの方法、庭に芝生を張るメリットなどをわかりやすく紹介しています。
また、初心者でも失敗しないコツについても説明していますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
芝生を張る最適な時期
一般的に、芝張りに最も適した時期は春です。この時期は気温が上昇しはじめて、芝生の成長も活発になっていくため根付きが格段に良いです。特に5月~6月は、温暖な気候が安定して続くため、芝生を張るには最良の時期です。
次に張り芝に適しているのは暑さが和らいだ秋で、9月から11月にかけての期間が適期とされています。この期間は、一定の気温や湿度が保たれているため、芝生の成長が期待できます。
ただし、芝生の休眠期である冬までの期間が短すぎると、春のようには根付かない可能性があるので注意が必要です。
夏と冬の芝張りは避けるべきです。夏は、気温も湿度も高すぎて芝生が根付きにくく、特に真夏は枯れてしまうリスクが高まります。
冬は寒さによる乾燥で芝生が傷みやすく、地面が凍結しやすくなっているので根も張りづらいです。植付け後の潅水も、気温が低すぎて効果が期待できません。
また、わが国では地域により気候に違いがあるため、大きく暖地型と寒地型という2種類の芝生があります。それぞれの違いや特徴を理解して、芝張りや管理を行うことが求められます。

芝生の種類と特徴
芝生には、日本芝に代表される暖地型と西洋芝を中心とした寒地型の2種類があります。それぞれの芝生の特徴について説明します。

日本(暖地型)芝生の特徴
日本の高温多湿な気候に適した芝生を、一般的に日本芝といいます。日本芝には、高麗芝、ノシバ、ビロードシバ(キヌシバ)などがあります。
暖地型芝生の代表的な品種である高麗芝は、耐暑性が高く成長も早いことから、多くの家庭の庭や公園で使われている芝生です。
高麗芝は耐踏性の強さも特徴の一つで、しっかりと根を張ることで踏圧に耐え、子供やペットが遊ぶ庭にも向いています。
また、深い緑色を保ちやすく、美しい景観を楽しむことができるのも魅力です。
乾燥にも強く、一定の水分管理だけで、持続的な乾燥にも耐えられるため初心者にも扱いやすい芝生です。ただし、土壌が適切でないと根が浅くなり生育が不良となるため、事前の土づくりが重要となります。
コウライシバは、病害虫に対しても比較的強いとされていますが、適切な管理は必要です。特に、高温多湿が厳しくなる真夏は、黒穂病などの病気が発生することがありますので定期的な点検と草刈りが推奨されます。
西洋(寒地型)芝生の特徴
西洋(寒地型)芝生は、主に寒冷地での生育に適した芝生の種類です。代表的なものとしては、ケンタッキーブルーグラスやファインフェスク、フェスキューなどが挙げられます。
北海道や東北地方などの寒冷地に適応しているため、高温多湿になる関東以西の夏の季節は夏枯れを起こしやすいです。
しかし、春と秋の気温が適した時期には急速に成長します。
緑豊かな西洋芝生を維持するためには、気温が高くなる7月~9月の水やりが非常に重要です。天気が続く日は、最低でも2日に1回は水をたっぷり与えましょう。
西洋芝の管理では、刈り込みも重要になりますが、一度に低く刈り込みすぎると枯れてしまいます。上から3分の1程度を目安にこまめに刈って、最終的には2~3.5㎝位にするのが鮮やかな西洋芝の緑を保つコツです。
西洋芝の中でも、比較的日本の気候に合うとされるのが、バミューダグラスです。バミューダグラスは、暖地型の西洋芝の総称で、暑さに強い性質があり耐乾性にも優れています。
芝生を張るための準備
芝張りを成功させるには、周到に準備を整えることが大切です。適切な道具を揃え、芝生の成長を支える下地作りをしっかり行うことが重要なポイントになります。
土づくりに必要なステップと注意点を紹介します。

土づくりに必要なステップ
土づくりは、芝生を美しく健康に育てるために欠かすことができない作業です。適切な土づくりが芝張りの成否を分けるといっても過言ではありません。
まず、芝張りを行う場所の土を耕すことから始めます。これにより土壌がふかふかになり、芝根が張りやすくなります。理想的には、土を15センチ程度の深さで耕し、土壌の団粒構造を意識して固い塊を崩すことが重要です。
次に、土壌のpH値をチェックします。芝生は通常、弱酸性から中性のpH(約6.0から7.0)が最適です。pHが低すぎる場合は、石灰を施すのが効果的で、逆に高すぎる場合は硫黄を使って調整します。
ここまでの作業が、上手くいかなかったり面倒に感じたりする場合は、新規に芝生用の黒土を混入することも検討してください。
この後、施肥を行います。施肥は、窒素・リン酸・カリウムの3大栄養素をバランスよく含む肥料を選び、土と混ぜ合わせて均一になるようにします。
それから、土壌の排水性を確認します。水はけが悪いと根腐れを引き起こすため、必要に応じて砂を混ぜて排水性を改善することが求められます。
整地と小石・砂利の除去
土づくりでは、整地とともに小石や砂利の除去も重要なプロセスです。まず、土壌表面にある小石や砂利を除去する作業から始めます。これらの障害物は、芝生の根が土にしっかりと定着する妨げになるだけでなく、根の成長を妨げる原因ともなります。目に見える小石を手で取り除き、スコップやレーキを使って土を掘り起こして、土壌中の障害物を取り除いてください。
整地作業では、雨水や潅水が滞ることなく土壌全体に流れるように、地面の勾配を考慮することが必要です。また、土壌が過度に圧縮されない程度に、表土を平らに均すことで芝生の良好な生育を促進できます。
日当たりと環境の確認
芝生を張る際には、日当たりの良い環境を確保することが重要です。芝生の成長には光合成が必要であり、日中に6時間以上の直射日光の当たる場所が望ましいです。
一方で、寒地型の芝生は多少の陰でも育成可能ですが、やはり日当たりの良いほうが生育にはプラスです。
芝生を張る場所を選ぶ際には、周囲の環境も考慮しましょう。特に、周辺に高い木や建物がある場合、それが日光を遮る要因となるため事前に確認して対処しておくことが肝心です。
また、風通しの良さも忘れられません。風通しが悪いと湿気がこもり、病害虫が発生しやすくなるため、健康的な芝生を維持するためには風通しの良い環境を整えることが必要です。
日当たりや周囲の環境を確認して整えることは、芝生を美しく育てるためには不可欠です。事前の確認を怠らないことで、理想的な芝張りを実現できます。
芝生を張る方法
ここでは、実際に芝生を張る方法について紹介します。まず、芝張りに必要なもの、そして次に、具体的な手順を説明します。

必要なものを用意する
芝生を張るためには、いくつか必要なものを準備しなければなりません。
まず、マット芝やロール芝などの芝生そのものが必要です。芝生は、地域や気候に適した種類を選ぶことが大切になります。
次に、土壌を耕したり整地を行ったりする道具として、鍬やスコップ、レーキなどが必要です。肥料や土壌改良剤を用意し、土作りを行うための道具として、スプレッダー(肥料散布機)もあると良いでしょう。
芝生を張った後のメンテナンス用として、潅水用のホースや散水器も欠かせません。これらが全て整うことで、スムーズに作業を進めることができます。
芝張りの具体的な手順
次に、芝張りの具体的な手順について紹介します。
雑草や石を取り除く
まず、芝張りをする場所の雑草や石を取り除きます。これをしっかりと行わないと、芝生が根付くことが難しくなり、良好な生育ができなくなります。
石は、芝生の成長を妨げてしまう大きな障害物なので、スコップやレーキで確実に取り除いてください。小さな石がたくさんある場合、耕す際に土壌を均一にするのが難しくなるため、しっかりと除去が必要です。
次に雑草を引き抜きますが、根が残ると再生するため、しっかりと取り去るようにします。根が深い雑草の場合、周囲の土を掘り起こしてから取り除くのが有効です。
雑草や石を取り除く際には、根気よく行うことがポイントです。この作業を怠ると後の工程がスムーズに進まないだけでなく、芝生の根が定着しにくくなり、成長に悪影響を及ぼします。
土を耕して均一にならす
次に、土を耕して均一にならします。土を均一にならすことで、土は十分に空気を含むとともに、芝生が一様に根付く下地となります。均一にならした後の整地の際は、簡易的なローラーやレーキ、平らな木材などを使い、地面を平らに整えてください。
この時、凸凹の部分が残らないように注意し、目の細かい網を使って小石や砂利も取り除きます。
整地作業の最後には、土を軽く踏みしめて圧縮します。これにより、表面がしっかりと固まり、芝生を張ったときにしっかりと根付く土壌環境が整います。
この段階で、土壌のpH、栄養状況、排水性などを確認してください。状態によっては、適切に改良することが必要です。
肥料を施す
芝生を良好に育てるためには、適切な肥料を施すことが欠かせません。肥料は芝生が必要とする栄養素を供給し、強く美しい芝生づくりに寄与します。
肥料には、主に窒素、リン酸、カリウムなどの成分が含まれており、それぞれが異なる働きをします。各栄養素の働きは、窒素が葉の成長を促進し、リン酸は根の発育を助け、カリウムは病害虫に対する抵抗力の強化です。
実際の肥料についてですが、使用する肥料の形状にはいくつかのタイプがあります。
粒状肥料や液体肥料が一般的で、粒状は長期間にわたり効果を持続します。一方で、液体肥料には即効性があり、短期間で結果を求めるときに適している肥料です。
施肥後には潅水が欠かせません。水分が不足すると肥料の効果が減少してしまうため、施肥後はしっかりと水を与えるようにしてください。
マット芝のベタ張り
ここでは、実際の芝張りの方法を、マット芝のベタ張りを例に説明します。
マット芝とは、育成された芝生を一定の大きさにカットしたものを指し、そのまま下地に張り付けることで早期に緑の景観を楽しむことが可能です。また、ベタ張りの利点は、手間が少なく、均一で整った仕上がりを得られる点にあります。
マット芝を張る際は、作業する場所が平坦であることを確認し、隙間を作らないようにしっかりと密着させて並べて張ることが大切です。マットの端をしっかり合わせて、ムラなく均一に張るように注意しましょう。
目土をかけ圧着する
芝生を張り終えたら、目土と呼ばれる細かい土壌を芝生の表面に均一に散布し、軽く圧着して根の定着を促進します。
目土には、芝生の成長を助けるための栄養が豊富に含まれています。また、水分保持能力も高く、芝生が十分な水分を吸収できるようになるのもメリットの一つです。
目土を用いることで、芝生の表面が滑らかになり、見た目も美しく仕上がります。目土は一般的に赤土やピートモスが使われることが多く、状況によっては目砂を用いることもありますが、それぞれの特性に応じて使用します。
目土をかけた後、平らな板などを使って芝生全体を均等に圧着することで、芝生の発根を促進させることが可能です。
潅水
芝生を張った後の管理において、潅水は非常に重要なプロセスです。
新しく張った芝生は、根が土壌にしっかりと定着するまで水分を必要とします。特に初期の数週間は、適切な潅水が芝生の成長に大きく影響します。
まず、芝生を張った直後は、しっかりと水を与えることが必要です。一般的には、1日1回、早朝や夕方に潅水することが推奨されています。
水やりの量は十分でないと芝根がうまく定着せず、良好な草姿を保てません。具体的には、20~25リットルの水を1平方メートルに与えることが目安です。
潅水の頻度は、天候や気温に応じて調整が必要です。乾燥した日が続く場合は、1日に2回以上の散水を行うことも考慮します。
潅水は、地表に水が溜まるほど一気に与えるのではなく、一定の時間をかけて土壌の奥まで浸透させるように与えるのがコツです。
芝生の張り方の種類
芝生の張り方の種類としては、べた張り、目地張り、市松張り、すじ張りなどが一般的です。それぞれの張り方と特徴について説明します。

ベタ張りのやり方
ベタ張りは、芝生を均一に張るための最も一般的な方法です。
まず、芝生を張る面積を測定し、必要な芝生の枚数を計算します。一般的に1平方メートルあたり5~8枚の芝生が必要ですが、種類やサイズによって異なるため、購入前に必ず確認するようにしてください。
ベタ張りの具体的な手順として、まずは芝生の裏面に水を軽くかけておくと、根付く際に助けになります。その後、芝生をクッション性のあるマット状に並べていきます。
隙間ができないように注意しながら、端から端まで接触面をしっかりと引き寄せることがポイントです。4つの芝生のコーナーを交互に配置することで見た目が整い、より安定感を得ることができます。
以上のように、ベタ張りは比較的簡単に行えるため、初心者でも取り組みやすい方法です。
目地張りのやり方
目地張りとは、芝生のロールやマットの隙間を空けながら配置する方法で、隙間部分の土壌が根の生長を促進させる効果があります。この方法では、芝生同士の間隔を均等に保ちながら張ることが求められます。
均等な隙間をつくるために、マット芝の端同士を約5〜10センチの等間隔で配置することが必要です。このとき、目地部分には適切な目土を充填すると、土壌の微生物活動が活性化し芝生が根を張りやすくなります。
目地部分に肥料を施したり、土壌改良剤をかけたりすることで、地面への密着を高めることが可能です。潅水を行う際は、特に目地部分がしっかりと湿るように注意します。
目地張りでは、地面が平坦であることが特に重要です。地面が平坦でないと、目地の間隔がバラついて乱れてしまうからです。
市松張りのやり方
市松張りは、見た目が特徴的で美しいだけでなく、芝生の生育を助けるために効果的な張り方の一つです。正方形のタイルを交互に配置するように芝を張るスタイルで、隙間の土部分が栄養や水分を吸収し、芝生の成長に良い影響を与えます。
市松張りをする場合は、正方形にカットされた芝生を用意するのがおすすめで、1辺が40~50センチメートルのサイズが一般的です。芝生を実際に張る際は、最初に直線のラインを決め、そこに一枚目を並べます。一枚目を張ったら、次はその周りに市松模様のように芝を配置します。
市松張りは、芝生の実面積の2倍の広さで芝生を張ることができるので経済的です。しかし、芝生が生えそろって密着するまでには時間がかかり、隙間に生えた雑草の対処も必要になります。
すじ張りのやり方
すじ張りは、芝生を均一に張るためのやり方で、特にロール芝を使用する場合に有効です。まず、作業面に平行な線を引くことから始まり、この線が以降の作業の基準となります。
次に、ロール芝を並べる際は、すじに沿って慎重に配置していきます。芝の端同士が重ならないように注意しつつ、隙間ができないようにしていくことがポイントです。
列と列の間は、5~10㎝程度の隙間ができるように並べます。
作業が終わったら、芝生と土の接触部分をしっかりと圧着します。圧着の際は、足で踏むのではなく、専用のロールで圧力をかける方法で行うことが望ましいです。
この圧着処理により、芝生がなじみやすくなり、根がしっかりと土に張り付きます。
芝生の手入れの方法
美しい芝生を維持するためには、適切な手入れが重要になります。芝生の手入れについて、水やり、肥料の与え方、芝刈り・刈込み、目土入れとエアレーションという4つのポイントで紹介します。

水やりのコツ
芝生を良好に育てるためには、水やりは非常に重要なポイントです。まず基本として、芝生の水やりは朝早い時間帯や夕方に行うのがおすすめです。
これは、気温が低く、蒸発が少ないため、根に水分がしっかりと吸収されやすくなるからです。特に夏場は直射日光が強いため、昼間に水やりを行うと、水分がすぐに蒸発してしまい芝生に十分な水を届けられません。
次に、水やりの頻度ですが、気候や芝生の種類、成長段階によって異なります。通常は、表土が乾いたら与えるという意識で構いません。高温の時期や成長期には、1週間に1回程度、土の奥深くまで浸透するようにしっかりと水を与えることが重要です。真夏の暑さに弱い西洋芝の場合は、最低でも1日1回、必要であれば朝夕2回の潅水が必要となることもあります。
スプリンクラーなどの自動潅水設備を使用することで、一定範囲であれば均一に水の散布でき、潅水の手間を省力化することが可能です。ホースやじょうろを使っての水やりは、時間はかかりますが、特定の部分に偏らず潅水することができます。
肥料の与え方
芝生に肥料を与えることは、健康で美しい芝生を維持するために必須です。
一般的には、芝生の育成に適した肥料は窒素、リン酸、カリウムの三要素が含まれています。これらの栄養素は、芝生が根をしっかりと張るためや、葉の色を鮮やかに保つために不可欠です。
肥料の与え方には、施肥のタイミングと施肥の量がポイントとなります。通常、春先に芝生が目を覚ます頃、最初の施肥を行います。
この時期には、過去の冬に影響を受けた芝生の回復を促すため、窒素の多い肥料が最適です。ちなみに、真夏には肥料を控え、芝生のストレスを軽減させることが推奨されています。
施肥する際は、平らに均一に散布するのがコツです。特に、濃度が高い部分があると、肥料焼けを引き起こすことがありますので注意が必要になります。施肥後には、水やりを行うと肥料が土壌に浸透しやすくなります。この水やりがないと、肥料が根に届かず効果が薄れてしまいがちです。
芝刈りと刈り込みのタイミング
芝生の健やかな成長を保つためには、適切なタイミングでの芝刈りと刈り込みが重要です。芝刈りは芝生を短く切ることで整える作業、刈り込みは芝生の高さを一定に整える作業です。
芝刈りは一般的に成長期に行われるため、春から秋の間が適しています。具体的には、気温が15℃以上になり、芝生の成長が活発になる4月から9月が最適です。
この期間中、芝生の種類や生育状況に応じて、2~3週間に一度の頻度で刈り込むと良いでしょう。
新しく張った芝生の場合は、根付くまでの初期段階での刈り込みが必要です。この時期は、芝の高さが約5cmに達した頃に初めての刈り込みを行います。
刈り込みを行うことで、横に広がると同時に、芝生全体に均一に日光が当たるようになります。これにより、健康的で活気に満ちた芝生へと成長します。
また、刈り込み後には、芝生内の通気を良くすることも大切です。刈り取った芝草をそのままにするのではなく、適度に集めて堆肥化するか、庭の他の部分に散布することで、土壌の栄養を向上させることができます。
目土入れとエアレーション
目土入れは、特に、芝生が成長する過程で空いてしまった隙間を埋め、根の発育を促進する役割を果たします。目土を使用することで、芝生がより強く、密集した状態を保つことができます。
目土は通常、細かい土や堆肥が混ざっていますが、芝生の種類に応じて配合を変更することが必要です。暖地型や寒地型の芝生には、それぞれ適した目土がありますので、選定には注意しましょう。
エアレーションは、土壌を改善するための作業で、土が固くなりすぎている場合に行います。具体的には、スパイクやエアレーターを使用して土壌に穴を開けることで、空気、湿気、栄養が根に届きやすくするものです。
これにより、根の成長が促進され、芝生全体の活力が向上します。エアレーションし、さらには目土を入れることで、コンパクト化した土壌をほぐすことができます。
芝生の維持管理で注意すべきポイント
芝生の維持管理で注意すべきポイントを、雑草対策、病害虫の予防と対策、夏・冬ごとの手入れ方法の3つに集約して説明します。

雑草対策の基本
雑草は成長が早く、芝生と栄養や水分を争うため、早めの対策が求められます。
まず、基本的な対策として、徹底した土づくりが挙げられます。健全な芝生が育つことで、自然に雑草の発生を抑えることができます。整地の際には、雑草の種が含まれる土壌を除去するか、土の中の雑草の根を確実に取り除くことが重要です。根が残っていると、後から新たな雑草が発生する可能性が高まるため注意が必要です。
特に、オオバコやスギナといった強力な雑草は根を掘り返さないと完全に取り除けないため、きちんと整地を行うことがポイントになります。
芝生を張った後も雑草対策は継続して行わなければなりません。定期的な草刈りや手作業での除草が効果的です。
手で雑草を抜く際には、根元からしっかり引き抜くことを心がけてください。特に、梅雨時期や秋口は雑草が繁殖しやすい時期であるため、こまめに観察し早期に対処することが肝心です。
病害虫の予防と対策
病害虫による被害を最小限に抑えるためには、適切な予防策と対策を講じなければなりません。まず、第一の予防策は病害虫にかかりにくい芝生を選ぶことです。
イネ科の草である芝生には、さまざまな病害虫が存在します。特に注意が必要なのは、芝生の枯れ病やうどんこ病などの病気です。
これらの病気にかかりにくい品種を選ぶことで、リスクを軽減することが可能になります。
定期的なメンテナンスも不可欠です。たとえば、芝生の成長を促すための適切な水やりや肥料の施肥は、芝生が健康的に育つための基盤を作ります。
また、芝生の刈り込みも病害虫対策に寄与します。刈り高さを適切に保つことで、病気の発生を抑えることができるのです。
病害虫を発見した場合の対策は、早期対応が効果を発揮します。定期的に芝生の葉の表面や根元を点検し、異常を見つけたらすぐに対処することが大事に至らせないコツです。
夏・冬ごとの手入れ方法
芝生の手入れは季節によって異なるため、適切な管理が求められます。特に、夏と冬ではケアのポイントが明確に分かれます。
夏は芝生が成長する時期であり、気温が高く乾燥する傾向があります。そのため、特に水やりが重要です。
土が乾燥しやすいので、週に1回は深く水を与えることが推奨されます。早朝または夕方の涼しい時間帯に行うと、蒸発を防ぎ効率的に水分が根に届きます。
また、夏場は芝刈りの頻度も増えます。定期的に刈り込むことで、病害虫の発生リスクを下げて芝生を健康に保つことができます。
冬の手入れは、冬季休眠に入る芝生に対して行います。この時期は、特に草の成長が遅くなるため、芝刈りの頻度は少なくなりますが、枯れた芝草の処理や雑草対策のための作業は必要です。
また、冬は芝生への過剰な負担を避けるために、あまり踏まないように注意することも大切です。
芝生を庭に張るメリット
芝生は庭の美観を向上させ、リラックスできる緑の空間を提供するだけでなく、さまざまなメリットがあります。ここでは、実際的に日常を快適にするメリットを3つ紹介します。

土埃や砂埃の防止
芝生を張れば、土埃や砂埃の発生を大きく抑制できます。特に乾燥した季節には、風によって小さな土や砂が舞い上がり周囲の環境を損ねることがありますが、芝生が張ってあれば安心です。
また、芝生はその根を地中に深く伸ばし土壌をしっかりと保持するため、防護壁として機能します。
例えば、1平方メートルあたり約200本以上の草が生えた芝生は、土壌の流出を防ぐだけでなく、小石や砂が飛び散るのを防ぐ効果も期待できます。
アレルギーに敏感な方にとって、土埃や砂埃の微細な粒子は影響が大きいため、芝生の存在は重要です。エアロゾル(気中分散粒子)状態で舞う土や砂は、呼吸器系にも悪影響を及ぼしやすいですが、芝生は浄化の役割を果たすことができます。
ぬかるみ予防効果
芝生は、ぬかるみ予防としても効果的です。芝生を敷くことによって、地面の安定性が高まるからです。
芝生の根が土壌に食い込み、土を固める役割を果たします。根があることで、土壌の構造が改善され、水や空気の循環がスムーズになります。
アメリカの農業省の研究によれば、芝生を導入した庭では雨水が地面に浸透しやすくなり、表面での水たまりが約50%も減少すると報告されています。
さらに、芝生の葉は雨水を受けたときに、水滴が地面に直撃するのを防ぎ、土壌の浸食を防ぐ役割も果たします。これは特に豪雨の時期に大きな効果を発揮し、土壌が流出するリスクを低下させます。
また、芝生は水分を保持する能力が高く、湿った状態をキープすることで地面を安定させます。これにより、特に遊び場や庭において小さなお子様やペットが遊ぶ際の安全性が向上します。
暑さ対策としての効果
芝生を庭に張るメリットの一つに、暑さ対策としての効果が挙げられます。特に夏場の高温多湿に対して、緑のカーペットとしての働きにより、効果的に温度を下げることができます。
芝生が生育している場所では、地表温度がコンクリートやアスファルトの表面に比べて数度低くなることが報告されています。例えば、芝生のない庭での気温が35度に達しても、芝生を張った部分では31度前後にとどまることもあります。
また、芝生は土壌の保水能力を向上させるので、周囲の湿気を保つ効果もあります。これは芝生自体が水分を吸収し、蒸発させることで空気中の湿度を調整するためです。
その結果、人間にとって快適な環境が作られ、庭での活動をより楽しむことができるようになります。
初心者でも失敗しないコツ
芝張りには、初心者でも失敗しないコツがあります。
まずは、張りたい場所の面積を測り、必要な芝生の量を算出することから始めてください。これにより、無駄な費用を避けて予算を効率的に使うことができます。
次に、使用する芝生の種類を選ぶ際は、暖地型と寒地型に分かれているため、自宅の地域に適合するものを選ぶことが後の成長に大きく影響します。
芝生を張る際には、事前にしっかりと手順を把握しておくことです。
まず、雑草や石を取り除き土壌を耕す準備をして、その後に土を均一にならして肥料を施すことで、芝生が根付く下地を整えます。
マット芝を使用する場合は地面にしっかりと張り付け、目土をかけることで確実に固定します。潅水は初期の段階では、特に日々の水やりを怠らず、その後は日照や湿度にも注意を払いながら潅水を行ってください。
最後に、手入れのポイントとして、定期的な芝刈りや目土入れを行うことが挙げられます。これらの作業を行うことにより、芝生はさらに健康的に成長します。
これらのコツを覚えて実践することで、初めての芝張りでも安定した結果を得ることが可能です。

庭のお手入れなら、スマイルガーデンへ
芝生の張り方をご紹介してきましたが、いかがでしたか?ぬかるみ予防にもなり、土埃・砂埃を抑え暑さ対策にもなる芝生。
メリットも多く、芝生のお庭でお子さんやペットを遊ばせたいという方も多いのではないでしょうか?
芝生を張りたい場所の広さによっても違いますが、個人で芝を張る作業は大変な作業です。
芝張り前の整地の段階から、しっかり土壌を作らなければなりません。


上記の写真はsmileガーデンの過去の施工例です。芝生を張る面積も広く、樹木を植える部分に傾斜がありますが、きれいな仕上がりとなっていますね。
一度芝を張ってしまうとそう簡単にやり直しできません。
「確実にきれいな芝生のお庭にしたい!」
そんな方は是非、お気軽に「smileガーデン」までお問合せください。