「草刈りを効果的に行って少しでも楽できないか」と考える方は多いのではないでしょうか。草刈りは雑草の生長期に適切な回数行うのが効果的です。
どんな作業もそうですが、一定の予備知識をもつことで作業の結果に大きな差がでます。
草刈りによって回避できるトラブルを知り、草刈りを行う際に注意すべきポイントを押さえ、作業を効率化する道具で手順通りに行うことが重要です。
草刈り作業を、できる限り楽にするために、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

まずは雑草の生長周期を確認

雑草の生長期は種類によって違います。雑草の種類は大きく、一年草と多年草の2種類あります。
一年草は発芽から枯れるまでが1年以内、多年草は2年以上生育し地下茎や根、匍匐茎で増えることが多いです。それぞれの生長期について紹介します。

一年草の場合

一年草には、夏生(かせい)と冬生(ふゆせい)があります。
夏生は春先(3~4月頃)に発芽します。梅雨(6月頃)に栄養を蓄え、夏の後半(7~8月頃)に生育が旺盛になり、秋以降(9~11月頃)から生育が遅くなり12月頃に枯れるという周期です。
冬生は晩秋(10~11月頃)に発芽し、冬を越して春に開花・結実します。翌年の夏に種子を残して枯死するのですが、冬を越すことから越年草と呼ばれることも多いです。

多年草の場合

多年草は、冬を越した根から新芽が2~4月頃に芽吹き始めます。雨が多い5~7月に栄養を蓄え、最も生長が活発になります。
気温が下がり始める9~11月頃に生長速度が遅くなり、12月には地上部が枯れ始めて越冬の準備を始め、12~1月頃には地下の根や地下茎が休眠するという周期です。

効果的な草刈りの時期

効果的な草刈りの時期は、6月~7月、9月~10月、11月~12月の年3回が目安になります。それぞれの時期の雑草の生長を抑える効果について説明します。

【6月~7月】

6月~7月は、雑草が最も生長する時期で、この時期に草刈りすることで、夏の間に雑草が広がるのを抑制します。また、種をまき散らす前に除去できるため、翌年の雑草の繁殖を防ぐことにも繋がるので効果的です。
梅雨の時期で、雨の日が多くて作業ができない日も多いため、晴れ間を見計らって行う必要があります。雨が降った直後は地面が柔らかくなっているので、根ごと雑草を引き抜く草取りはやりやすいです。

【9月~10月】

9月~10月も雑草の効果的な草刈りの時期です。夏の旺盛な生長が落ち着き、気温の低下とともに雑草の成長速度が弱まるため、作業がしやすいです。
この時期に刈ることで、雑草が種を落とす前に対処でき、翌年の雑草の発生を大幅に減らす効果が期待できます。特に、多年草が根に栄養を蓄える冬の前に刈ることで、翌年の生長を確実に抑えられます。
秋に生長を始める雑草もあるため、この時期に刈っておくと効果的です。

【11月~12月】

11月~12月は雑草の生長が止まって、枯れ始めたり枯れたりしている時期なので、作業が楽になり効果的な草刈りができます。また、気温が低くなり虫が少ないため、虫が苦手という方の草刈りに向いている季節です。
完全に枯れて倒れている枯れ草を放置しておくと、冬の間地面が覆われて春の雑草の種の温床になってしまうことがあるので、枯れ草がある場合はこまめに除去してください。
気温が本格的に低くなるので、手袋や防寒着などの寒さ対策も忘れられません。

草刈りは年に何回行うと良いか

雑草の草刈りは年3回がベストですが、春から夏にかけての生長期と、生長が遅くなる秋の年2回でも効果的です。
何かの事情で2~3回は無理な場合でも、雑草の繁殖が進む前の6月~7月の1回は必ずやってほしいです。
草刈りを行うとよい時期について、以下にまとめました。

春~夏6~7月の梅雨明け直後に1回目、雑草の繁殖を抑えることができる
9~10月の生長が遅くなる時期に2回目、冬越しする雑草を減らすために行う
秋~冬11~12月は、特に雑草が目立つところを行い、枯れ草除去も兼ねる

草刈りは、たとえ年1回でも、まったくやらない場合とでは雑草の生育状況が大きく変わります。草刈り後に除草剤を散布すれば、雑草のない状態をより長く保つことが可能です。

草刈りを行わないとおこるトラブル

繁殖力が旺盛で、あっという間に増える雑草の放置は景観を悪化せるだけでなく、さまざまなトラブルを起こす可能性があります。草刈りを定期的に行わないと起こりうるトラブルについて説明します。

害虫発生によるトラブル

草刈りを怠ると、ハエ、蚊、蛾、マダニ、ムカデ、ゴキブリなどの害虫が発生しやすいです。雑草が害虫の住処やエサ場になるからで、ちょっとした油断が大量発生に繋がります。

これらの害虫は庭や外構だけでなく、家の中に侵入してくることがあります。そうすると、雑草自体によるアレルギーなどに加えて、害虫によるアレルギー症状のリスクが生じやすいです。
マダニ、蛾、ゴキブリなどによって、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、結膜炎などの症状がでます。原因物質は、害虫の分泌物、フン、死骸、脱皮殻などです。

特に注意してほしいのがマダニによる健康被害です。マダニに刺され、唾液に含まれる物質にアレルギー反応を起こした場合は、すぐに皮膚科などの医療機関で適切な処置を受けてください。

植物の生育を阻害するトラブル

雑草は、大切に育てている植物の養分や水分を奪い日照を妨げます。病原菌や害虫の温床になって植物の生育を阻害する可能性が大きいです。
一部の雑草は、アレロパシー(他感作用)という化学物質を放出して、他の植物の生育を妨げることもあります。

野菜などの作物の近くに雑草が繁っていると、作物に養分や水分が行き渡らず思うような収穫を得られなくなってしまいます。また、雑草が作物より背が高く育つと、作物が太陽光を受けられなくなり光合成ができないため品質が低下しやすいです。

雑草は他の植物に病原菌を感染させて、トラブルを引き起こすこともあります。雑草自体が病原菌の住処となり、付着した病原菌が風や雨、害虫の媒介などにより他の植物に感染するのです。

防犯・防災上のトラブル

雑草の放置は、防犯・防災上のトラブルの原因になることがあります。雑草による防犯・防災上のトラブルについて以下にまとめました。

防犯上のリスク不法投棄を助長し不審者の隠れ場所になる
火災のリスク乾燥した雑草や枯れ草は燃えやすく火災の原因になる
交通事故のリスク通行路沿いの雑草が伸びると視界を妨げ事故に繋がる

以上のようなリスクは、近隣住民とのトラブルに発展しやすいという側面があります。また、伸びきった雑草は不衛生でだらしない印象を与え、地域の景観を損ねます。
ドクダミ、クサギ(臭木)、ヘクソカズラ、ハナニラなどは独特の臭いがあり、触ると強い臭気を発するので、これも近隣とのトラブルに繋がりやすいです。

草刈りを行う際に気をつけるべきポイント

草刈りを行う際は、あらかじめ注意すべきポイントを把握して対策や心構えをしておくことで、失敗や後悔のない草刈りを行うことができます。草刈りを行う際に気をつけるべきポイントを4つ紹介します。

害虫による体への影響

雑草の多い場所には、重篤な感染症を引き起こすこともあるマダニ、病気を媒介する蚊、人によっては刺されるとアナフィラキシー症状を発症する蜂などが生息しています。

これらの害虫による体への影響を防止するため、草刈り作業時の服装は大切です。長袖、長ズボンを着用し、肌の露出を抑えることで虫刺されなどの接触を断つようにします。
特に害虫に敏感な方は、手袋、帽子、長靴、保護メガネ(ゴーグル)などの着用が有効です。
作業後はシャワーを浴び、体中をチェックして、マダニなどに刺されていないか確認します。

草刈り作業時は、室内対策として、窓を閉め空気清浄機を利用するとさらに安心です。また、念のため、外に洗濯物や布団を干すのを避け、室内に干すか乾燥機を使用してください。
これらの対策は、雑草の花粉症対策としても効果があるのでおすすめです。

作業による体への負担

草刈り作業は、腰痛、腱鞘炎、膝の痛みなど体への負担もあります。
草刈りでは中腰の姿勢を長時間続けることが多いので、腰部の筋肉に過度な負担がかかることがあります。同じ作業を繰り返すことで、手首や肩、膝などの関節に負担がかかり、腱鞘炎や膝の痛みなどに繋がることも多いです。

これらの負担を軽減するためには、できる限り適切な姿勢を保持して、腰や腕に負担を分散させる方法や道具を使用するようにします。
たとえば、草刈り機を使用する場合は、正しい姿勢で両手にハンドルをしっかり持ちます。腕だけで操作せず草刈り機を体に近づけ、上半身をねじるように動かしてください。
体の特定の部分だけに力をかけるのではなく、できる限り力を分散するようにするのが体への負担を軽くするコツです。
草刈り作業は、時間を区切って小まめに休憩し、無理をしないことも大切です。

熱中症による健康被害

草刈りを行う際に気をつけるべきこととして、熱中症による健康被害が挙げられます。近年の気候変動によって猛暑日が大幅に増え、屋外作業での死傷者数の増加が大きく注目されています。

気温上昇、特に夏場の高温は雑草の生育を早くさせるものです。梅雨期に水分を十分に得た雑草は、さらに繁殖力を強くし生長を続けます。
そのため、草刈りの回数は増える傾向にありますが、気をつけなければならないのが熱中症対策です。涼しい時間帯の作業、こまめな水分・塩分補給、適切な休憩、長袖・長ズボンなどの保護具着用が求められます。

熱中の疑いがある場合は、直ちに日陰などの涼しい場所に移動し、ベルトや服をゆるめて風通しをよくします。さらに水や氷、扇風機などで体を冷やすことが大事に至らせない方法です。

草刈り後の防草対策

草刈り後、また雑草が生えてくるのを防ぎたいと考える方も多いはずです。ここでは、効果的な防草対策を紹介します。

  • 除草剤を散布する
    草刈後に除草剤を散布する雑草の発生を抑えられます。短期間で広範囲の雑草の除去が可能ですが、周囲の環境や枯らしたくない植物への影響が出ないようにすることが必要です。
  • 砂利を敷く
    草を刈った場所に砂利を敷くことで、雑草の生育に必要な日光を遮断して雑草の発生を抑制できます。砂利の下に防草シートを敷くと、さらに効果的です。
  • グランドカバーを植栽する
    グランドカバーは地面を覆うように生長し、増えて密になると雑草が発芽する隙を与えません。自宅に合った品種を選べば、ほぼ手入れなしで美しさを保ってくれるのが最大の魅力です。
    グランドカバーは種類が豊富に存在し、雑草の発生を抑制しながら、草花としても十分に楽しめるのでおすすめの防草対策です。

草刈りを実際に行うためには

草刈りをできる限り無理なく行うためには、草刈りに必要な道具を準備し、草刈りを効率的に行うための手順に従うことが大切です。草刈りを実際に行うためのポイントを説明します。

草刈りに必要な道具

草刈りに必要な道具には、鎌や三角ホー、熊手といった手道具と、広範囲の雑草を効率よく刈るための草刈り機があります。

鎌は柔らかい草の刈り取りに適しており、刃先が三角形の三角ホーは草の刈り取りと根の掘り起こしが同時にできます。硬い茎や狭い場所には、草刈り・剪定ばさみが便利です。
鋤は根の掘り起こし、熊手は刈り取った草や落ち葉などを集めるのに使います。

広範囲の草刈りでは、草刈り機の使用が欠かせません。また、強力な風を吹き出して落ち葉やゴミを吹き飛ばしながら清掃できるブロアーを使う方も増えています。

効率的に草刈りを行う手順

効率的に草刈りを行うための手順を紹介します。主に草刈り機を使用した場合の手順です。

  1. 作業前の準備
    まず、刈る場所の状況(草の種類、平地か斜面かなど)を確認し、条件に合う道具を選びます。使用する道具は事前に十分に点検し、刈刃を研いでおくなどの準備が大切です。
  2. 安全装備を身につける
    草刈り作業に合った服装や保護具の着用が必要です。特に草刈り機を使用する場合は、保護メガネ、手袋、長袖・長ズボン、安全靴なども用意しましょう。
  3. 現場の点検と整理
    作業を始める前に、草の中に隠れている石や空き缶、木の枝などを取り除いておきます。これは、思わぬ破損や事故の原因を防ぐことに繋がります。
  4. 効率的に草を刈る
    背の高い雑草は、一気に刈ろうとせず2段階で刈ります。広い場所では、外周から内側に向かって渦巻き状に刈る「同心円刈り」が効率的です。障害物の周りは先に刈っておくと後の作業が楽です。
  5. 作業後の処理をする
    刈った草は、熊手などで1ヶ所に集めて片付けます。刈り草は、自治体の指示に従って適切に処分してください。草の種類にもよりますが、草刈り後に除草剤を散布すると効果的です。

草刈りを安全に行うためには、作業範囲には人を立ち入らせない、暑い時間帯は極力避ける、無理なく動かせる姿勢を保ち適度に休憩をとるなどの配慮も必要です。

プロに任せるのもおすすめ

草刈りの範囲が広かったり、斜面や障害物があって刈るのが難しかったりする場合はプロに任せるのがおすすめです。特に、草刈り機の使用が必要な場合は操作ミスでケガをしてからでは遅いので、少しでも不安があるならプロに依頼したほうが無難です。
プロに任せれば草刈り作業にかかる時間と労力が節約できて、一般の方がやるより手早くきれいに仕上がります。

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まとめ

草刈りは6月~7月、9月~10月、11月~12月の年3回行うのがベストです。何かの事情で3回が無理な場合でも、6月~7月の年1回はやってほしいです。
草刈りを行うことで、雑草によるトラブルを回避できます。また、草刈りを行う際の気をつけるべきポイントを押さえておけば失敗のない作業ができます。
草刈り後の防草対策や草刈りに必要な道具や手順についても説明しました。これらを把握して実践することで、効率的な草刈り作業が可能になります。