「少し手入れを怠っていたら、庭が草だらけになってしまった」
「草でボウボウになっている空き地をどうにかしたい」

庭、畑、空き地などの管理で最も悩ましいのが雑草対策です。雑草だらけになってしまわないように、定期的な草刈りが欠かせません。

そこで、今回の記事では草刈りに必要な道具や草刈りの方法ついて詳しく解説します。草刈りに適した時期や、道具の選び方、草刈りの頻度を少なくするために草の繁殖を抑えるコツなども紹介します。

草刈りと草抜き(草むしり)の違いとは?

草刈りと草抜き(草むしり)は、混同して使われることが多いですが、作業内容は少し異なります。以下では、草刈りと草抜きの違いを説明します。

草刈り
草刈りは、庭や畑に生えている雑草の地表に出ている部分のみを刈り取る作業です。刈払機や鎌などの道具を使い、地上に生えている茎、葉、つるなどを一気に刈り取って整えます。草刈りでは雑草の根は残ってしまうため、しばらくするとまた雑草が生えてきてしまいます。

草抜き(草むしり)
草抜きや草むしりでは、庭や畑に生えている雑草を、根っこから引き抜いて除去します。機械で行うことはできないため、手作業で地道に行う必要があります。しかし、雑草の根も引き抜くことで、雑草が再び伸びてくるのを防げ、雑草が再生するまでには時間もかかります。

草刈りを行う重要性

雑草を伸び放題しにしておくことで、さまざまな問題を引き起こします。ここからは、庭や畑の草刈りを定期的に行うことの重要性をご説明します。

病害虫の発生を防げる

雑草が伸び放題のまま放置しておくと、風通しが悪くなって湿気も高くなり、病害虫が発生しやすい環境を作ってしまいます。伸びた葉や茎は病害虫の餌となり成長を促し、生い茂った雑草に病害虫が巣くって卵を産み付け、さらに繁殖するという悪循環が生まれます。雑草の放置で発生しやすいのは、蚊、ダニ、ゴキブリ、ムカデ、ハチ、ケムシ、コガネムシ、アブラムシ、カメムシなど。草刈りをすることで、病害虫が発生しにくくなります。

ヘビやネズミなどの害獣を寄せ付けない

雑草が伸びていると、害虫だけでなくネズミやヘビなどの害獣も発生しやすくなります。生い茂った雑草の中は、ヘビやネズミにとってのかっこうの隠れ場所。草刈りをすることで、ヘビやネズミが巣を作って住み着いてしまうのを防げます。

景観を美しく保てる

どんなに立派な家でも、家の周囲が雑草だらけでは荒れた印象になってしまいます。景観が悪くなり、近隣とのトラブルの原因になったり、資産価値にも影響したりします。きちんと草刈りをしておくだけで、家の周囲の景観を美しく保てます。

火災、犯罪、不法投棄のリスクが下がる

枯れた雑草は燃えやすく、タバコのポイ捨て、花火、落雷などにより枯草に火が着火して火災を起こす危険性があります。また、雑草に覆われて荒んだ印象のある建物や土地は、周囲からの見通しが悪くなることによって不審者が隠れたり、人目を避けながら車上荒らしや家宅侵入をしたりなど、犯罪を誘発する可能性もあります。雑草が茂った場所では不法にゴミが捨てられていることに気が付きにくいため、不法投棄の温床になることもあります。定期的に草刈りをすることによって、火災や犯罪のリスクを下げることが可能です。

草刈りに使用する道具の種類と選び方

草刈りを始めるまえに道具や装備を揃えておく必要があります。ここからは草刈りに使用する道具の種類と、適切な道具の選び方をご紹介します。

草刈りの必須アイテム

庭や畑の草刈りをするためには、草を刈る道具が必要です。以下では草刈りに欠かせない道具をご紹介します。

草刈り機

草刈り機は草を刈るための専用の道具で、刈払機とも呼ばれます。自動で回転する刃で素早く草が刈れるので、広範囲の除草に最適です。コンセントに繋いで使う電源式のもの、充電式のもの、ガソリンを入れて動かすエンジン式のものがあります。重量は軽いもので2.5kg、重たいものでは5.0kg以上するものもあります。一般家庭用なら、騒音が少なく比較的安価な電源式か充電式が使いすいでしょう。

鎌は、古くから草を刈るために使われていた農具です。三日月形の刃に木の柄が付いており、草に刃を引っ掛けて引きながら根元から刈り取ります。手動なので電源やガソリンが不要で、いつでもどこでも草刈りができます。また、機械が入り込めないような狭い場所でも使いやすく、雑草以外の野菜や庭木を傷つけずに、ピンポイントで不要な草を刈り取れます。

立鎌(りっかま)

立鎌は、立ったままの姿勢で草刈りができるよう長い柄のついた鎌です。刃の形状は伝統的な鎌と同じような三日月形をしたものと、半月形でくわのような形状のものの2種類があります。

立鎌は両手でしっかり持ち、地面を滑らせながら草を根こそぎ掘り取るように使います。立ったまま使えるので足腰への負担が少なく、動かせる範囲が広く広範囲の除草作業も効率的に行えるのが魅力です。

鍬(くわ)

鍬は畑の土を耕したり、畝を作ったりするために使われる農具ですが、草刈りにも使用できます。鍬で草刈りをする場合は、刃先を土に差し込み、根を断ち切ったり雑草を土ごと剥したりします。

三角ホ―

三角ホ―とは、刃の部分が三角形をしている鍬のことです。立鎌や鍬と同じように立ったままの姿勢で、刃を地面に差し込んで草を刈り取ったり、根ごと掘り起こしたりして除草します。浅い穴を掘るのにも利用できるなど、一本で多用途に使えるのが魅力です。

草刈りバサミ

草刈りバサミはハサミ型の除草道具で、一般的な園芸バサミよりも柄が長く刃も大きめなのが特徴です。刈り込みバサミのように両手で持ち、草の根元をザクザクと切って除草します。柄が長く、立ったまま使えるタイプのものもあります。

軍手

どの草刈り道具を使うにしても、必ず軍手を着用して手指を守りましょう。手のひらにすべり止めが付いたタイプだと、手に持った草刈り道具が滑ってしまうことがないため安全です。
防護ゴーグル草刈り機を使った作業中は、回転する刃に刈り取った草や石などが巻き込まれ作業者に向かって飛んでくることがあります。目を保護するための防護ゴーグルを必ず着用しましょう。

草刈りの服装

草刈り中に、草むらに潜んだ虫やヘビが出てくる可能性があります。草刈りをする時にはそのような異物や害虫から肌を守るために、必ず長袖と長ズボンを着用しましょう。

あると便利なおすすめアイテム

上記以外で、草刈りをする時にあると便利なものをご紹介します。

熊手(レーキ)

熊手は落ち葉などをかき集めるための農具で、草刈り後に地面に散らばった草や枯れ枝などを集めるのに便利です。草は細かいため、伝統的な竹製で扇形のものや、刈った芝を集める芝生用のローンレーキが使いやすいでしょう。

集草バッグ

集草バッグとは、落葉や刈り取った草を集めて回収するための大容量のバッグです。除草後の草集めがしやすいちりとりタイプや、持ち運びしやすい取っ手付きバッグ、使わない時はコンパクトに畳めるジャンピングタイプなど、さまざまなスタイルの集草バッグがあります。

テミ

テミとは、園芸や農作業で落ち葉や収穫物を集めるための大型のちりとりのような農具です。刈り終わった草を集めて集草バッグに詰める時に使用します。

ひざあて・園芸用マット

膝をついて作業する必要がある場合は、ひざあてや園芸用マットがあると、膝への負担を和らげます。

草刈りの道具を選ぶ際のポイント

草刈りに使う道具は実にいろいろな種類があり、どれを選べば良いのか悩んでしまう方も多いでしょう。ここからは、道具選びのポイントをご紹介します。

自分の体格に合わせて選ぶ

電動やガソリン式の草刈り機、立鎌・鍬・三角ホ―など立って使う草刈り道具を選ぶ時は、自分の身長や体力を考慮して選ぶことが大切です。身長が低い方が大ぶりの立鎌や鍬を使って除草作業するのは大変ですし、ガソリン式草刈り機のようにあまり重たいものだと使うのに苦労してしまうでしょう。

可能ならホームセンターなどで実際の道具を手に持ってみて、扱いやすいサイズと重量のものを選びましょう。

除草の目的に適した道具を選ぶ

除草する目的によっても、適切な草刈り道具は変わってきます。

空き地や畑などの広範囲を除草する場合は、草刈り機を使うのがベストです。庭の一部や駐車場の脇など、限られた範囲の除草なら、鎌や草刈りバサミなど手動の道具でも十分でしょう。また、雑草の再生を防ぎたい場合は、根から掘り起こせる鍬や三角ホ―を使うのがおすすめです。

適度な重みがある道具を選ぶ

立鎌、鍬、三角ホ―など立った姿勢で使う草刈り道具は、軽いものの方が扱いやすいように思えますが、適度な重みがあるものを選ぶのがおすすめです。適度な重みがある道具の方が、使用中の振動やブレが少なく安定感があります。

ただし電動式やエンジン式の草刈り機の場合、あまり重量のあるものだと、肩や腰への負担が大きくなりがちです。長時間使うことを考え、無理なく作業できる重量のものを選びましょう。

お手入れしやすい素材を選ぶ

草刈り道具を選ぶ時には素材にも注目しましょう。最もおすすめなのが、錆びにくく耐久性の高いステンレス製です。スチール製に比べると強度や切れ味に劣る場合がありますが、お手入れもしやすく長く使い続けられます。

草刈りに最適な時期とダメな時期

草刈りは基本的に一年中いつでも可能ですが、7~8月にかけての猛暑の季節は避けるのがおすすめです。草刈り作業中は虫やヘビなどから肌を守るために長袖や長ズボンの着用が必須ですが、フル装備での草刈り作業を真夏に行うと、熱中症のリスクが高くなります。

また、雨が降った直後や梅雨時などは地面がぬかるんでいる可能性が高く、草刈り作業中に足を取られて転倒してしまう危険性があります。また、湿った草は刈り取りにくく草刈り道具を傷めてしまったり、濡れた刈り草の処理に手間取ったりすることもあります。草刈り作業はなるべく乾燥した時期に行うのがおすすめです。

一年の中で草刈りに適した時期は、以下の通りです。

4月~5月梅雨に入る前に草刈りをしておくことで、病害虫の発生を防ぎやすくなります。
7月上旬夏は雑草が最も成長する時期です。梅雨が終わったタイミングで、本格的な暑さが始まる前に草刈りをしておくことで、夏に雑草が伸びすぎるのを防ぐことができます。
9月~10月夏の暑さが落ち着いた頃に、夏に育ってしまった雑草を刈り取っておきましょう。
11月~12月秋を過ぎると雑草の生長が止まり、枯れ草が増える時期です。冬の乾燥した時期に枯草を放置していると、火災のリスクも上がります。冬に入る前に枯草を刈り取ると、冬の間の景観も維持できます。

草刈りの仕方

草刈りの仕方は、草を刈る高さによって地際刈りと高刈りの2つの方法があります。ここからは、地際刈りと高刈りの違いについて解説します。

地際刈り

地際刈りとは、地面の近くで草を刈る方法です。広葉雑草には茎の分かれ目に、細胞分裂が活発に行われ茎や葉の伸長を担う成長点があります。地際刈りで成長点の下の部分から雑草を刈り取ることで、雑草を枯らせたり再生を遅らせたりすることが可能になります。

イネ科の雑草は、成長点が地表近くにあり、地際刈りをしても成長点の下を切るのは難しく、かえって成長を促してしまうことがあります。地際刈りは広葉雑草が多い場合に適しています。

高刈り

高刈りとは、地面から5~10cm程度の位置で草を刈り取る方法です。高刈りでは雑草が高く生長しないようにコントロールすることと、草の一部を残すことで昆虫などの生育場所を守ることを目的として行われます。

高刈りは地面刈りよりも抵抗が少なく、刈刃に石が当たったりキックバックしたりするリスクが減らせ、広範囲を安全かつ効率的に刈ることが可能です。

草刈りのコツ

草刈りは定期的に行う必要があり、時間も労力もかかります。ここではなるべく効率的に効果的に草刈りをするコツをご紹介します。

鎌を使った草刈りのコツ

鎌を使って草刈りをする時は、鎌を振るのではなく手前に引くようにして使うのがポイントです。

右利きの方は、鎌を右手に持ち、刃先は左側に向くように構えます。左手で雑草を握り、雑草の根元に刃を入れ自分側に引いて切ります。茎が太くて切りにくい場合は、刃の根元側を使うと力が入りやすいでしょう。

刈払機を使った草刈のコツ

草刈り機(刈払機)を使って草を刈るコツは、まず刈刃を地面から少し浮かせて使うことです。刈刃は回転しながら草を刈っていくため、地面にあたってしまうと跳ね返るキックバックの危険性があります。刃先を少し左に傾けながら、右から左へと草を刈り進んでいくと草を刈り取りやすくなります。

雑草が高く生長している場合、一気に刈ろうとすると雑草が刈刃に絡んでしまったり、ツルが巻き付いてしまったりする可能性があります。一回で刈り取ろうとせず、複数回に分けて刈るのがおすすめです。

傾斜地の草刈りをする場合は、斜面の下側から作業を進めると、刈り取った草が下側に流れて作業がしやすくなります。

草の繁殖を抑えるコツ

「草刈りをしてもすぐに雑草が伸びてしまう」と悩まれる方は多いはず。
ここからは雑草の繁殖を抑えるコツをご紹介します。
雑草の繁殖が抑えられれば、草刈りを頻繁にする必要もなくなるので、ぜひ実践してみてください。

根っこから抜いてしまう

雑草はいくら刈り取っても、根や成長点が残っているとすぐにまた成長してしまいます。根本的に雑草を減らしたい場合は、根から引き抜くことが大切です。雑草の葉を切るのみの草刈りではなく、根こそぎ引き抜く草抜きをすれば、雑草が成長できなくなります。

生えている草から刈る高さを判断

雑草は成長点と呼ばれ、細胞分裂が活発に行われ茎や葉の成長を促すポイントがあります。広葉雑草の成長点は茎が枝分かれする部分に、イネ科雑草では葉の付け根あたりの地面に近い部分にあります。雑草の成長点より下を切れば、雑草はそれ以上成長することができず、次第に枯れていきます。

広葉雑草が多い場合は地際刈りをすると雑草の成長を止められます。逆にイネ科の場合は、地際刈りをしても成長点の下を切ることはできず、かえって成長を促してしまうことがあります。イネ科の雑草が多い場合は、高刈りをして成長を抑える方が効果的です。

除草剤を使う

成長点が地表近くにあるイネ科や、スギナやヨモギの地下茎を持つ雑草の場合、いくら草を刈っても根絶することはできません。雑草問題を根本的に解決したい場合は、除草剤の使用も検討してみましょう。

グランドカバーの検討

グランドカバーとは、地面を覆うように成長する背丈の低い植物の総称です。グランドカバーが地面を覆うことで雑草の成長が抑制され、景観を美しく整えてくれます。

グランドカバーとしてよく使われている植物には、セダム、タマリュウ、テイカカズラ、ヤブラン、四季咲きナデシコ、芝桜、タイムロンギガウリス、ヒメイワダレソウなどがあります。

庭の手入れはプロへ依頼がおすすめ

庭や畑の草刈りは自分で行うこともできますが、道具の調達から始まり、実際に草刈り作業をして、刈り草の処分を行うまで、時間も労力もかかります。特に草刈り機を使った広範囲の草刈り作業は大変で、危険も伴います。自分で草刈りをすることに不安がある場合は、プロへ依頼することも検討してみましょう。

草刈りのご依頼は、庭づくりや庭リフォームの専門店smileガーデンにお任せください。smileガーデンは経験豊富な造園作業のプロが、庭の状況や雑草の種類に合わせ、適切な方法で草刈りを行います。草刈りだけでなく、庭木の手入れや、除草剤の散布なども合わせてご依頼いただけます。

草刈りのご相談やお見積りはインターネット上からも受け付けています。ぜひお気軽にお問合せください。

まとめ

今回の記事では草刈りの重要性や、草刈りに使う道具、草刈りの方法などを詳しく解説しました。庭や畑を美しく保つために欠かせない草刈りですが、草刈りをするためには道具を揃える必要があり、広範囲の空き地や斜面など、自力で草刈りをするのが難しい場合もあるでしょう。また、雑草の種類によって効率的な草刈りの仕方が異なり、草刈りの効果が出やすい時期なども考慮する必要があります。自分で草刈りをするのが難しいと感じたら、造園業者に依頼するのがおすすめです。

造園のプロに依頼すれば、草の種類や用途に合わせて、適切な道具と方法で効率的に草刈りを行ってもらえ、美しく仕上げてもらえるでしょう。また、草刈りだけでなく、手抜きでの除草や除草剤散布なども依頼できます。