竹は繁殖力が非常に旺盛で、他の木々や草花を覆い隠して太陽光を遮り生態系を破壊します。また、地下茎が敷地内に侵入して埋設管に影響を与えたり、害虫や害獣の住処になったりすることもあります。
竹にはさまざまな種類がありますが、直径15㎝以上で高さ15m以上になる太い竹と、直径2~3㎝ほどで高さ5m程度の細い竹に分けられます。
一般住宅には細い竹が繁茂しやすく、駆除に頭を悩ましている方も多いのではないでしょうか。細い竹の特徴や効果的な駆除方法について説明しますので、ぜひ参考にしてください。

細い竹の特徴

細い竹は見た目がスリムなため、生えてもすぐに駆除できると思われがちです。しかし、細い竹も竹の特徴をしっかりと備えており、簡単に考えていると庭や外構が竹だらけということになり兼ねません。
竹は、イネ科タケ亜科に属する常緑性の多年生植物です。生長が非常に早く、わずか数ヶ月で成竹になります。
代表的な細い竹の種類と特徴を以下にまとめました。

篠竹しなやかで弾力性があり群生する
淡竹表面につやがなく節間が長くて生長が早い
黒竹最初は緑色だが2年ほどかけて黒色に変色する
篶竹(スズタケ)笹の一種、群生し非常に堅牢
千島笹(根曲竹)笹の一種、弾力性があり根元が弓のように曲がる

竹は地下茎の節にある芽子からタケノコを発生させ、地上に伸びた竹がつくった養分を地下茎が蓄え、その養分をタケノコに供給しながら生長を続けます。
この仕組みは、細い竹も太い竹も同じなのですが、駆除方法には違いがあります。

細い竹と太い竹の駆除方法の違い

竹のように地下茎で増える植物の駆除方法には、「根を除去するか枯死させる」「農薬を注入する」「地上部を刈り続ける」の3つがあります。
太い竹は、高さも太さもあるため、刈るにしても根を抜く場合にも難易度は非常に高くなります。そのため、幹に穴を開けて農薬を注入し枯らす方法が一般的です。
しかし、細い竹は、農薬を注入するための穴を開けられるほど太くありません。結果として、根を除去するか枯死させる、地上部を刈り続ける、どちらかの方法を選ぶことになります。
刈り続ける場合は、地上部を刈り取ることで地下茎が弱っていくまで、根気よく長期間に渡って行う必要があります。
細い竹を早期に、しかも確実に駆除したい場合は、根を除去するか枯死させるのがおすすめです。

細い竹を枯らす方法

細い竹を枯らすためには、根を除去するか枯死させるのが効果的です。その方法を具体的に説明します。

機械を用いて根を掘り起こす

細い竹の根は、地下茎が網の目のように広がり深さもあります。対象範囲にもよりますが、地下茎の掘り起こしを手作業だけでやるのは重労働です。
そういうとき、バックホウやユンボと呼ばれる油圧ショベルという機械を使います。最初に地上部分を切り倒し、地下茎や根の周りから掘り起こし土を分離してから完全に除去します。
重機を使うほどの広さではないというケースでは、手作業を効率的にする道具を使いましょう。根を掘り起こすのに便利な道具には、以下のようなものがあります。

剣先スコップ先端が剣のように鋭く尖ったスコップ
根切り鉈(ナタ)根を切ると同時に土を掘る作業もできる
バチ鍬(クワ)幅の狭い一枚刃をもった鍬で軽くてコンパクト

いずれにしろ、事前に掘り起こす範囲をしっかりと確認し、自分で作業するのに少しでも不安がある場合はプロに依頼することも検討してください。

除草剤などの農薬を散布する

細い竹を除去したいとき、除草剤などの農薬を散布して枯死させるのも効果的です。
竹は、地下に張り巡らせた地下茎の節に1つずつ芽子が発生し増えるので、地上部を伐採しただけだと翌年新たなタケノコが発生します。
除草剤を散布して、除草成分を地下茎に行き渡らせることで、多くの地下茎を枯死させることが可能です。伐採と除草剤散布を併用するのもおすすめです。
除草剤の効果を十分に発揮させるためには、適切な除草剤を選び、散布時期なども考慮する必要があります。また、細い竹以外の枯らしたくない植物への影響にも配慮することも大切です。

細い竹を枯らす効果のある除草剤の使い方と散布時期

細い竹を枯らすために除草剤を使う際は、除草剤の種類と特徴、正しい使い方、適切な散布時期を把握しておくことが重要です。そうしないと、せっかく散布しても思うような効果が得られません。
ここでは、細い竹を枯らす効果のある除草剤をタイプ別に紹介し、散布する際のコツや適切な散布時期について説明します。

土壌処理剤(粒タイプ)

土壌処理剤(粒タイプ)は、粒状の薬剤を土壌に直接撒くタイプの除草剤で、液体タイプのように希釈する面倒がありません。
表土に撒いた薬剤の有効成分は、雨などで溶けると土の中に処理層を形成します。その処理層に竹や雑草などが発芽して触れると、根が有効成分を吸収して発芽・生育を阻害します。
一度散布すると、成分が土壌に一定期間留まるため、新しい雑草の発生を長期間(約3~6ヶ月)抑制することが可能です。液体タイプに比べると効果が出るまで時間がかかりますが、持続性に優れているのが特徴です。
これから生えてくる雑草を抑えたい場合に効果的ですが、生育初期の雑草であれば根に吸収させて枯死させることもできます。

散布のコツ

土壌処理剤(粒タイプ)の散布のコツは、雨上がりの湿った土壌に、風のない穏やかな日を選んで均一に撒くのがコツです。散粒器を使ったり、縦横で2回に分けて撒いたりすると均一に撒きやすいです。
適切な散布時期は、春(2~3月)と秋(9~10月)で、竹や雑草などが生える前か、生え始めの時期が効果を最大限に発揮できます。

茎葉処理剤(液体タイプ)

茎葉処理剤(液体タイプ)は、即効性があり、成長した竹や雑草に直接散布して枯らします。茎や葉から薬剤が吸収されるため、数日(最短1日)で効果が出ます。
一方、これから生えてくる新しい雑草には効果がなく、薬剤が周辺の植物にかからないよう注意が必要です。土壌に落ちると不活性化するため、除草後に他の植物を植えやすいのが特徴です。
水で薄めて使う「希釈タイプ」と、そのまま使える「シャワータイプ」や「スプレータイプ」があります。使用前に、必ず製品の説明書を読み、希釈倍率や対象となる植物の種類を確認してください。
散布時に薬液が皮膚や目に付着しないよう、防護具を着用して散布することも重要です。枯らしたくない植物があるときは、ビニールなどで保護して、薬液が絶対にかからないようにしてください。

散布のコツ

茎葉処理剤(液体タイプ)の散布のコツは、晴天が続き、雑草が乾いているタイミングを狙うことです。葉の表面が軽く濡れる程度が目安で、竹や雑草の葉や茎全体にムラなく撒きます。
製品にもよりますが、一般的に散布後少なくとも6時間以上は雨が降らない天候であることも大切です。
適切な散布時期は、対象となる植物が生長する4~10月頃になります。効果を高めるために、草丈がひざ丈より高くなる前に散布するのがおすすめです。

細い竹を枯らすのにおすすめの除草剤

細い竹を枯らす除草剤として定評のある、おすすめの除草剤を粒剤タイプと原液タイプ2点ずつ紹介します。

「デゾレートAZ粒剤5㎏ カーリット 除草剤 粒剤タイプ」

デゾレートAZ粒剤
https://www.carlithd.co.jp/japan_carlit_lp/

デゾレートAZ粒剤は、土壌に撒くだけで根から雑草を枯らす塩素酸塩粒剤で、特に細い竹や笹に効果的です。
一年生・多年生雑草をはじめ、ススキ、チガヤ、クズなどの難防除雑草まで幅広く枯らし、3ヶ月程度の抑草効果があります。散布後に土壌中で分解されるため、環境に優しい除草剤とされています。
グリホサート系の原液タイプの散布は希釈などが面倒だ、竹が伸びすぎて伐採に手間がかかるという方におすすめです。

「ネコソギトップF粒剤10kg レインボー薬品 除草剤 粒剤タイプ」

ネコソギトップF粒剤
https://rainbow-online.net/item-detail/1803049

ネコソギトップF粒剤は、地面に撒くだけで細い竹や笹の成長を阻害し、根から根絶する強力な効果を持ちます。
撒く場所の条件、雑草の種類にもよりますが、1~2週間で枯れ始め、30日間前後でほとんど枯死します。成分が土壌に一定期間とどまるので新しい雑草の発生を抑え、約5~9ヶ月という長期に渡って効果が持続するのが特徴です。
草丈が大きい(目安40㎝以上)場合は、伸びた雑草を刈り取り、刈った草を取り除いてから1㎡あたり20~40gを散布してください。

「サンフーロン5L 大成農材 除草剤 原液タイプ」

サンフーロン
https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E6%88%90%E8%BE%B2%E6%9D%90-%E9%99%A4%E8%8D%89%E5%89%A4-%E5%8E%9F%E6%B6%B2%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97-%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%B3-5L/dp/B00B3PFMDG?th=1

サンフーロンは、竹や笹、スギナなどを枯らすことができる、グリホサート系除草剤です。農薬として長年使用されてきた高い実績を誇る製品です。
主成分はアミノ酸系で、葉から入って根まで枯らします。土に落ちると除草効果を失うので、作物の種まき・植付け前の使用も可能です。
希釈の際は先に水を入れて、後からサンフーロンを入れます。噴霧器などで散布しますが、説明書などにあるように雑草の種類によって希釈の比率を調整してください。

「ラウンドアップマックスロード5.5L 日産化学 除草剤 原液タイプ」

ラウンドアップマックスロード
https://store.shopping.yahoo.co.jp/truetools/nscm-634535.html

ラウンドアップマックスロードは、竹を枯らすのに効果的なグリホサート系除草剤の代表格である、ラウンドアップシリーズの一つです。葉から吸収されて根まで枯らすアミノ酸系除草剤です。
特長は、吸収力と移行力が強化されている点で、雨や低温、乾燥といった悪条件下でも効果を発揮します。
太い竹の場合は、幹に薬液を直接注入して使いますが、細い竹は生育期に50倍に希釈した液を葉に直接散布してください。

細い竹を枯らした後の処分方法

細い竹を枯らしたり、伐採や伐根をしたりすると、その後の処分方法を考えなければいけません。方法としては、「燃えるごみ」として出す、専門業者に依頼する、処理センターに持ち込むなどがあります。
各自治体の「燃えるごみ」として出す場合は、事前に出せる長さ・太さのサイズや条件(乾燥させる、指定の袋に入れるなど)を確認してください。竹が太い場合は、粗大ごみになる可能性があるので注意が必要です。
伐採や搬出を専門業者に依頼すれば、処分に手間と時間をかけずに処分できます。費用はかかりますが、ごみが大量になり自分では処理しきれない場合は、無理をせず依頼するほうが無難です。
自治体が運営するごみ処理センターに持ち込んで処理を依頼することもできますが、持ち込み可能な日時や費用について事前に確認してください。
庭などの広い場所で乾燥させてから燃やす方法もありますが、野焼きは禁止されている地域が多いので、これも自治体に確認してルールに従いましょう。

竹を駆除せず放置するリスク

竹を駆除せず放置すると、景観の悪化、周囲への影響、害虫や害獣の住処になるなどのリスクが生じます。
手入れされていない竹の群生は、不衛生な印象を与え見た目が悪くなり、建物や庭、外構などの資産価値を目減りさせます。
放置された竹が隣家や道路に倒れかかって人的・物的な被害を出したり、地下茎が隣地に侵入して竹が発生したりした場合、補償問題になり兼ねません。竹は根が浅く、地表近くに広がる性質があるため土壌を保持する力が弱く、場所によっては土砂崩れのリスクもあります。
竹が群生すると、地表に陽が入らず他の植物の生育を阻害するだけでなく、害虫や害獣が住処として生息しやすい環境になるので注意が必要です。
放置され拡大してしまった竹の群生は、駆除や整備に多大な労力と費用がかかります。これらのリスクを回避するため、定期的な伐採や駆除などの適切な管理が欠かせません。

庭のお手入れなら、スマイルガーデンへ

一度繁茂すると駆除に手間がかかる細い竹の管理など、庭のお手入れは、造園会社に依頼することをおすすめします。費用はかかりますが、手間や時間を節約できて、見栄えの良い状態で庭や外構を維持できます。
細い竹も、太い竹と同じように地下茎が伸びてしまった状態になると、1回の駆除だけでは枯らしきれないことも多いです。そういうときも打ち合わせをして、見積もりを参考に事前に予算を組むことができます。
プロに依頼するなら、「smileガーデン」を検討してください。
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まとめ

細い竹も太い竹と同じように地下茎で増え、あっという間に群生になることが多いです。そのため、庭に細い竹が発生したら、すでに敷地の地下には地下茎が張り巡らされている可能性があります。
この細い竹を駆除するために効果的なのが除草剤です。ただし、除草剤には種類があり、種類ごとに特徴が異なります。
細い竹の生育状態や散布場所の条件に応じて適切な除草剤を選び、正しい用法・用量で使うことが竹の駆除で失敗しないために一番重要です。