健やかに育成された天然の芝生は、自然な柔らかさをもつ質感や風合いで人の心を癒します。また、CO2を吸収固定し、土壌中のカドミウムを除去するなど環境浄化の働きもします。
夏場は水分の蒸散作用で表面温度を低下させるとともに、緩衝材となってアクティビティ中の怪我の防止にも有効です。
さまざまなメリットのある芝生ですが、ただ一つの難点は、健全な育成には手間がかかるという点です。
自分なりに管理はしてみたが、結局うまくいかず、剥がして別のものに入れ換える方も少なくありません。
この記事では、芝生の剥がし方や剥がした後の整地、人工芝などの芝生の代わりになるアイテムについて紹介しています。
また、新しい芝生の張り方や管理方法についても説明しています。
天然の芝生に少しでも関心のある方は、ぜひ最後までご覧いただき参考にしてください。
【芝生の剥がし方】5つのやり方と注意点
現状の芝生が手のつけようのない無残な状態になった場合、剥がして処分しないと次のアクションを起こすことができません。
ここでは、5つの剥がし方と注意点について紹介します。

セーバーソーを使って剥がす
セーバーソーは、刃を高速で作動させて、さまざまな材質のものを切断する電動工具です。適切な刃に交換することで、木材やアルミ、塩ビなどを切断します。
年数がたった芝生は、土壌に細かい根を張りめぐらして固着し、最初はマット状やロール状だった芝生同士も一体化しています。
一般的なハサミやカッターでは思うように切れません。
芝生に、セーバーソーの刃を垂直に近い角度で差し込んで切り込みを入れます。その後、掬い(すくい)作業で使うホークなどで剥ぎ取ってください。
スコップを使って剥がす
芝生は、スコップを使って剥ぎ取ることも多いです。
まず、剣スコップで深さ15~20㎝、20㎝角くらいの四角い切れ込みを入れます。切れ込みを入れるときに、芝切り専用の道具を使うのもOKです。
それから、この切れ込みにスコップを差し込んで、テコの原理で持ち上げて剥ぎ取ってください。剥ぎ取った芝生は、あらかじめ決めておいた場所に、なるべく土を落として一輪車などを使って集積しましょう。
除草剤で枯らしてから剥がす
芝生を剥がすとき、除草剤で芝生の根を枯らしてから剥がすと比較的楽に剥がれます。
使用する除草剤は、ラウンドアップなどの非選択性除草剤がおすすめです。
除草剤を散布してから一週間程度で芝草が枯れて茶色くなるので、それ以降を目安に剥がすようにしてください。
剥ぎ取り方は、前述のとおり、セーバーソーやスコップで剥ぎ取ります。
除草剤を使う際には、他の植物やペットへの影響を考慮し、風がなく雨も直ぐに降らないなど天候への配慮も必要です。
シートを使って枯らして剥がす
除草剤は使いたくないという方には、芝生の生育に必要な日光や空気をビニールシートで遮断して枯らすというやり方もあります。
芝生と土にたっぷり潅水して、その上にビニールシートを被せ、石やレンガなどで固定します。このままの状態で、2ヶ月程度放置して枯らします。
高温多湿な状態がより枯れやすいので、作業は7~8月がおすすめです。剥がし方は前述のとおりです。
業者に依頼して剥がしてもらう
芝生の面積にもよりますが、手間や時間、体力などに少しでも不安がある場合は、業者に依頼して剥がしてもらうことを検討してみてください。
芝生関連の作業では、20㎡を超えたら業者に依頼した方が無難です。特に芝生の剥ぎ取りは、ほぼ土工作業で、土はとにかく重いですから。また、業者に依頼すれば、剥ぎ取った芝生の処分も頼めるので安心です。
【芝生の剥がし方】DIYでやるときの手順
芝生をDIYで剥がすときの一般的な手順を説明します。

①芝生に切込を入れる
既存の芝生を剥がすときは、まず、芝生に切込みを入れます。年数を経た芝生は、根が土に固着し周りの芝生とも一体化しているので、一定の大きさに切込みを入れて少しずつ剥がしていかなければなりません。
芝生を切り込む際には、セーバーソーや先の尖った剣スコップを使ってください。
切込みの深さは15~20㎝程度、20㎝角くらいで四角く切り込みます。土仕事に不慣れな方にとっては結構な重労働かもしれません。
②芝生を土から剥ぎ取る
芝生を土から剥ぎ取るには、切込みに剣スコップの先を差し込み、てこの原理でぐいっと持ち上げるようにして剥がします。
きちんと切込みが入っていると、割と楽に剥がれます。
③切込を入れる、剥ぎ取る、を繰り返す
(1)と(2)の切込を入れる、剥ぎ取る、を繰り返していきます。1回の切込みは自分の力で十分に剥がせる無理のない大きさのほうが、時間はかかりますが、きれいに剥ぎ取ることができます。
④剥ぎ取った芝生の土を落とし乾燥させる
剥ぎ取った芝生は、できる限り土を落として、落とした土は現状の土壌に戻します。
芝生に大量の土がついたままだとごみ処理が難しくなります。
土を落とした芝生は、しっかり乾燥させて、重量や体積を収縮させるようにしてください。
⑤剥ぎ取った芝生を処分する
剥ぎ取った芝生の土を落として乾燥させたら、燃えるゴミ袋に入れて定期の回収に出します。
ただし、量によっては自治体に申請が必要な場合もあるので、各自治体に事前に確認するようにしましょう。
芝生を剥がした後の整地のポイントとコツ
ここでは、芝生を剥がした後の整地のポイントとコツについて紹介します。
芝生を剥がした後は、細かい根が残ったり不陸(でこぼこ)ができたりします。芝生の後に、どのようなスペースをつくるにしろ整地しておくほうが後々楽です。
芝生を剥がしたまま放置すれば、雨水で土砂が流出したり、雑草が伸び放題になったりしてメンテナンスが大変になります。

残根、小石、異物等を除去する
スコップで芝生を剥ぎ取るとき、どうしても芝生の地下茎や根はある程度残ってしまいます。
また土で地面を掘り返しているので、地面下の小石や異物が表面に現れることも多いです。
そのような残根、小石、異物等を除去しましょう。それらを残してしまうと転圧がうまくいかなかったり、また雑草が生えてきたりするリスクが高くなります。
誰の目から見ても、きれいにフラットになったという印象になることが大切です。
耕起耕運しながら不陸整正する
次に、地面を耕起耕運しながら、不陸を整正していきます。地面を耕起耕運すると、土壌が空気を含み柔らかくなって、扱いやすくなるので不陸整正が楽です。
芝生の下だった土壌は、踏み固められて塊になっていることが多いので、十分に土を砕くようにしてください。
芝生の後にどんなアイテムを活用するにしろ、土が柔らかくでこぼこがない状態にしておくことは、次の作業のプラスになるはずです。
必要に応じて肥料や改良材を混ぜる
剥ぎ取った芝生の代わりに、新たなに芝を張る、庭木を植える、グランドカバーを植えつける、
などの植栽を検討している場合には、必要に応じて肥料や改良材を混ぜてください。
このとき使う肥料は、即効性は高いけれども持続性は低い化成肥料よりも、
自然素材ベースでゆっくりと効力を発揮する有機肥料がおすすめです。
植える植物が決まっている場合は、その植物の生育に合った肥料を絞り込んで使うようにしましょう。
水勾配を考慮しながら均して仕上げる
整地作業をするときに、考慮しなければならないのが「水勾配」です。水勾配とは、敷地内の水を、トラフや側溝などの排水設備に流すための地盤表面の勾配(傾斜)のことです。
芝地の面積や立地条件にもよりますが、これを検討しておかないと、大雨が降ったときに水たまりができやすいです。
特に水はけの悪い場所では、敷地内に溜めずにどのように排水するかかがポイントで、暗渠と呼ばれる排水設備の設置が必要になることもあります。
整地に必要な道具とうまくなるコツ
整地に必要な道具として、除草に必要なものは、
・手袋
・カマ
・ホウキ
・チリトリ
・カンジキ、などです。
耕起耕運に必要なものとしては、
・クワ
・サンカクホー
・レーキ
・アメリカンレーキ
・スコップ
・角スコップ、などがあります。
勾配を考慮しながら、地面を締め固めていく道具は、
・ジョレン
・トンボ
・土羽板
・プレート、などです。
整地をうまくやるコツは、とにかく地面を平らにして、しっかり締め固めることです。トンボで大まかに整地をしたら土羽板でしっかり整えて、プレートを使って転圧することをおすすめします。
プレートは、レンタルするので費用がかかりますが、人力のみの押し固めと比べると格段に締め固まるのでコスパ(費用対効果)は高いです。
芝生の代わりになるアイテムと設置方法
鮮やかな美しい緑と優しい風合いに魅力を感じて、庭のかなりのスペースを芝生にしていた場合、芝生以外では何がいいのか悩んでしまうという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、芝生の代わりになるアイテムと施工方法について紹介します。

土間コンクリート
土間コンクリートは、地面に直接、平面的に打ったコンクリートと説明されることが多いです。ただし、実際は通常通り掘削して路盤をつくって、その上にコンクリートを打つことがほとんどです。
土間コンは、足元が汚れず雑草も生えませんし、耐用年数が長く清掃も簡単なため幅広い場所で使用されています。
デメリットは、初期費用が高額で、ひび割れリスクがある点です。
以下は、土間コンの施工手順です。
①施工場所の除草と異物の撤去
②場所の高さや位置の測量
③掘削作業(路盤10㎝+コンクリート層10㎝)と残土処理
④砕石の敷き詰めと転圧作業
⑤型枠とワイヤーメッシュの設置
⑥コンクリートの打設
⑦コンクリートが乾ききらない前に表面仕上げ
土間コンの施工は、施工面積が増えるほど単価の割安感が高まります。
インターロッキング
インターロッキングとは、舗装用のブロックタイプの材料のことをいいます。コンクリート舗装と比べて
吸水性が高くて降雨後の水はけが良く、雑草も生えづらいので手間がかかりません。
インターロッキングはデザインや色が豊富で、さまざまな組み合わせができるのも人気の理由となっています。庭園やアプローチ、駐車スペースから、歩道や広場、公園まで、用途や風景に合わせた演出が可能です。
インターロッキングの施工手順の概要をまとめました。
①整地して勾配を決め、施工箇所の遣り方を行う
②下地処理として砕石路盤を入れ、転圧する
③転圧した下地の上に透水性のある砂を平坦に敷く
④インターロッキングの敷いて高さをそろえる
⑤ブロックとブロックの間の目地に「硅砂」を埋めていく
インターロッキング舗装のポイントは、下地処理と目地の砂締めです。
砂利・砕石
砂利や砕石は、土木・外構工事の基礎や裏込め、路盤や路床の材料として使用されてきました。そういう裏方的な扱いではなく、
人目につく材料として注目されているのが化粧砂利や玉石、カラー砕石です。
【化粧砂利】
伝統的な甲賀砂利、伊勢砂利、五島砂利などの他、錆砂利や寒水石、中国産やインドネシア産まで、多種多様な砂利があります。
【玉石】
玉石の色目には、白玉石、黒玉石、キャメルぺブルなどがありますが、それぞれに複数のサイズや種々の加工品があり選択肢の幅は広いです。
【カラー砕石】
カラー砕石は、色、サイズ、質感など、すべてにおいて驚くほど種類が豊富になっています。国内産、中国産、イタリア産、イギリス産など生産地も幅広く、クラッシュレンガなどの再生材も多いです。
芝生を剥いだ後の土壌表面を処理して、化粧砂利やカラー砕石を敷くだけで、明るくおしゃれなスペースになります。
防草シート+マルチング材
芝生を剥いだ後をどう活用するか決めていないが、放置しておくと見栄えが悪いし、雑草天国になるので何とかしたいというときにおすすめなのは「防草シート+マルチング材」です。
防草シートを敷くことで雑草は格段に抑えられ、さらにマルチング材をプラスすることで、視覚的にも良好な雑草対策になります。
まず、防草シート自体を「マルチングシート」と呼ぶことがあります。ビニールシートを加工したものが多いですが、防草効果を高めるために素材や製法にさまざまな技術が活用されているものもあります。設置した防草シートの上に敷詰めて使うマルチング材には以下のようなものがあります。
【ウッドチップ、バークチップ】
いわゆる木質系で、幹木を専用機械でチップ化したものがウッドチップ、樹皮を粗く裂いて加工したものがバークチップです。
【化粧砂利、玉石】
種類やデザイン、色が豊富にあるので、和風、洋風、どちらでも合うものなど、対象となる場所の雰囲気や好みに合わせた製品を選ぶことができます。
グランドカバー
芝生を剥いだあとも植物を植えたいが、手間がかかるのは嫌だという方におすすめしたいのが、グランドカバーです。
グランドカバーは、地面を覆うように成育する地被植物です。植え方や育て方は難しくなく、コツさえわかれば誰でも育てることができる上に、ほとんど手入れ不要で育ってくれます。
種類も豊富で、花期は比較的短いですが、小さくて可憐な花を咲か節タイプも多いです。
グランドカバーの植え方をまとめました。
①植える場所の除草と土が足りない場合は培養土を補充する
②土壌改良材や遅効性肥料を土壌に混ぜ込み耕起耕運する
③種類に応じた適切な数の苗を植え付けて適宜水やりをする
花がたくさん咲くタイプのグランドカバーは、土が衰えやすいので肥料分の補充が必要になります。
人工芝
天然の芝生を剥いだ後の活用方法で多いものの一つが「人工芝」の施工です。
現在の人工芝は、見た目のナチュラル感や触ったときの心地よさ、耐久性などが格段に向上しています。
ホームセンターやガーデンショップで、通年で取り扱っていることも多く、価格的にも割安感が増しています。このような状況のため、DIYで芝生を設置したいというユーザーの方が増えているようです。
次章からは、この人工芝の施工方法とメリット・デメリットについて説明します。
人工芝の施工方法とメリット・デメリット
手間いらずで、長期にわたって鮮やかな緑と優しい質感を保つ人工芝は、現在のガーデニングにおいて人気の高いアイテムです。
人工芝をDIYしたい方向けに、施工方法をわかりやすく紹介するとともに、人工芝のメリット・デメリットについても説明していますのでぜひ参考にしてください。

人工芝を施工する時に必要な材料・道具
庭など地面の上に人工芝を施工するときに必要な材料と道具について、人工芝の下に防草シートを敷くという前提で紹介します。
必要となる材料は、
・人工芝
・防草シート
・U字ピン(ワッシャー付き)
・各種テープ、接着剤、などです。
道具は、
・軍手
・カッター、ハサミ
・スケール、定規
・ハンマー
・スコップ
・トンボ、コテ、などになります。
材料費は面積(㎡数)で決まりますが、切り貼りで生じるロス分や予備を考えて多めに発注しましょう。
接着剤など、材料によってはロットでの販売しかしない場合もあるので注意してください。
除草して小石や異物を取り除く
人工芝を敷く予定の場所の雑草は根からしっかり取り除き、小石、庭木の枝や残根、ビニール類などの異物も除去します。地面がゴツゴツして凹凸がある場合は、砂を入れて平らにしてください。
この下地処理をおろそかにすると、仕上がりの見栄えが良くないだけでなく、経年とともに人工芝にでこぼこができて使い勝手が悪くなります。
土を転圧して表面を固めて均す
下地処理の次に、土を転圧して均します。転圧とは、地面の上から圧力を加え土壌を圧縮して締め固めることです。
転圧することで、経年とともに起きる土壌の沈下や不陸の発生を抑制できます。
土の転圧は、タンパーやプレートコンパクターなどを使うときれいに仕上がります。タンパーは手動で転圧する道具で、プレートコンパクターは振動によって締固めを行う建設機械です。
この他、衝撃板の上下運動で地面をついて締め固めるランマーという建設機械もあります。
これらの道具や建設機械は、ホームセンターでレンタルできます。
防草シートを敷設する
人工芝の下に防草シートを敷設することで、雑草発生のリスクを大幅に軽減できます。
防草シートは、厚手で地面の凸凹にフィットし、施工がしやすく耐用年数も長い不織布タイプがおすすめです。また、人工芝専用の防草シートは丈夫で、人工芝の劣化を遅らせます。
防草シートは専用の固定ピンで、50㎝~1m程度の間隔を目安に留めていきます。防草シートを並べる場合は、継ぎ目から雑草が生えないように10㎝以上重ねて専用テープなどで貼り付けてください。
人工芝を防草シートの上に敷く
次に、人工芝を防草シートの上に敷いていきます。ロールタイプの人工芝をたるまないように注意しながら広げていきます。
人工芝を並べて張る場合は、必ず芝目(芝の葉の向き)をそろえてください。芝の流れがそろって自然な仕上がりになります。
人工芝を現状に合わせて切る場合は、裏側にチョークなどで印をつけ、裏からカッターかハサミでカットします。位置が決まったら、専用の固定ピンで固定していきます。
人工芝をうまく敷くためのコツ
人工芝をうまく敷くためのコツを紹介します。
とにかく、「下地を平らにすること」がポイントです。平らな下地は仕上がりをきれいにし、水はけを向上させます。
水はけが悪いと水たまりができやすくなり、メンテナンスが大変になります。
人工芝の継ぎ目は10㎝以上重ねて、強力な両面テープかU字ピンでしっかり固定してください。この継ぎ目から、一番雑草が生えてきやすいです。
人工芝のメリット
人工芝には、天然の芝生に比べて以下のようなメリットがあります。
・初期費用はかかるが維持費はかからない
・一年中、鮮やかな緑を楽しむことができる
・土や泥で汚れることなく遊ぶことができる
・潅水や芝刈りなどの手間がかからない
・芝の長さや密度などを選ぶことができる
・室内やベランダ、日陰などにも設置できる
また、当然のことですが、天然芝に比べると雑草が生えにくく虫もつきにくいため衛生的です。
人工芝のデメリット
天然の芝生と比較した、人工芝のデメリットをまとめました。
・初期費用が高く、DIYでは設置も面倒
・価格によって品質・耐用年数に差がある
・10年程度が交換の目安で費用がかかる
・可燃性の製品が多く、火気厳禁である
・一年中見た目が変わらず季節感がない
・長期間使用すると芝生の葉が寝てしまう
交換時には、古くなった人工芝の処分費用がかかるのもデメリットの一つです。
既存の芝生を剥いで新しい芝生を張る方法
DIYで既存の芝生を剥いだ後、また新しい芝生を張って楽しみたいという方も結構いらっしゃいます。そういう方の中には、最初から5~6年で新しい芝生に張り替えると決めている方も多いです。
芝刈りや潅水は大変だけど、芝を刈った直後の青臭い芝生の香りが好きだとか、一度茶色くしてしまった芝生を手入れして鮮やかな緑に復活させた時の達成感が忘れられないとか、芝生が本当に好きな方たちです。
既存の芝生を剥いで新しい芝生を張る方法を紹介します。

既存の芝生を剥がす
既存の芝生を剥がす時は、剥がす芝地に、深さ15~20㎝、20㎝角くらいの大きさで四角く切り込みを入れます。
切込みにスコップを差し込んで「てこの原理」でぐいっと持ち上げるようにして剥がしてください。切り込みがきちんと入っていると、意外と簡単に剥ぐことができます。
下地となる土壌を整える
剥がした後の土壌は、新しい芝生をきれいに張れるように整えます。踏み固められた芝地の土を柔らかくほぐすように耕起耕運し不陸を整正します。
この時、土の量が少ないと感じたら、芝生に使える培養土などを補充してください。
肥料や土壌改良材を混入するならこの時のタイミングで行います。
マット芝・ロール芝を購入する
芝生はホームセンターやガーデンセンターで購入できます。一定以上の量になるようでしたら、地元の芝生の生産者から購入することも可能でしょう。
天然の芝生は大抵の場合、
約20㎝×30㎝のマット芝か、
約30㎝×1.7mのロール芝で販売していることがほとんどです。
芝生を張り付ける
約20㎝×30㎝のマット状になったコウライシバの張り方を説明します。
①芝生を1~2㎝離して並べる(芝の脇から水が浸透しやすい)
②敷き終わったら芝の上に目土をかける(芝の生長を促進させるため)
③ほうきで芝の目土を芝全体に行き渡らせる
目土は、粒のそろった細かい土を1㎝程度の厚みでかけます。
芝生の不陸を整える
敷き終わって目土もかけたら、板の上から足で踏み固めて、芝生の不陸(でこぼこ)を整えながら土壌となじませます。
最後に、芝生の根までしっかり水がとどくようにたっぷり潅水します。張り付けたばかりの芝生は乾燥しやすいですから水管理が重要です。
失敗しない正しい芝生の管理方法
芝生の管理方法は、その芝生に求められる内容によって違ってきます。
高い強靭性が必要な競技場・ゴルフ場の芝生や、美観が強く求められる日本庭園や公共施設の前庭にある芝生と、個人の住宅で余暇を過ごすために育成される芝生では管理方法が異なるというのは当然のことです。
ここでは、専門性の高い業務としての芝生管理までではないけれども、芝生の一般的な管理項目は網羅しているという内容で説明します。
個人的に芝生の育成を楽しみたいという方には面倒に感じる内容かもしれませんが、正しい管理方法の全体像を把握しておくことで、うまくいかなかったときの原因や対処方法が見つけやすくなるので参考にしてください。

暖地型芝生・寒地型芝生の特性の違い
芝生は、日本芝のような
「夏期に生育旺盛となる暖地型芝生」、
西洋芝のように
「冷涼な気候で生育良好な寒地型芝生」
に分類できます。
暖地型芝生の代表的な品種は、ノシバやコウライシバです。日本の高温多湿で温暖な気候風土に適しており、冬期には休眠します。
葉の質は硬く、春から秋は緑色、冬は枯れて茶色になります。生育の型は匍匐型で踏圧には強いですが、日陰に弱く日照が欠かせません。
寒地型芝生の代表格は、ベントグラス類やケンタッキーブルーグラス、トールフェスク等が挙げられます。冷涼な気候で生育良好であり、高温多湿な夏には弱いです。
葉質は柔らかく、鮮やかな濃い緑色で、冬でも緑色を保つものが多いです。生育型は株立ち型がほとんどで、暖地型に比べると踏圧に弱いものが多いですが、日陰に耐える種類があります。
芝刈り
芝刈りの目的は、芝生表面を平滑にして美観を高め、目的や用途に応じた刈込み高を維持して通風や日射を確保するために行います。
芝刈りのポイントは、芝生の成長点より高い位置で刈込むことです。成長点より低い位置で刈ることを軸刈りといって、芝刈後に芝が茶色になってしまい、見栄えが悪いだけでなく生育の妨げになります。
芝生は、上から緑色の葉、茶色っぽい茎、根(地中)となりますが、成長点は葉と茎の境目にあります。生育期間中は、最低でも2~3cmの刈込み高を保つようにしてほしいです。
芝刈り機を使用する際は、あらかじめ障害物や異物は取り除き、樹木や草花、施設等に注意します。
刈りムラ、刈残しのないよう均一に刈込みます。
刈り取った芝草は速やかに処理し、刈り後の清掃に努めてください。面積が大きい場合は、スイーパ(吸引式清掃機械)を使うと楽です。
除草
除草の目的は、雑草による芝生の日照障害や成長の抑制作用を防止するためです。また、通風をよくして、虫や病気の発生を予防します。
芝生地の除草は、基本的に人力で行うため、芝生の管理作業の中でも大きな作業量を占めます。
目視で、雑草の発生とき期をよく観察し、生育初期と結実前に行うのがポイントです。
雑草は、その形態から、イネ科雑草と広葉雑草に大別されます。
以下に雑草の種類をまとめました。
・春から秋までに一生を終える一年生雑草
|メシヒバ、エノコログサ等
・秋から翌年にかけて生育する越年生雑草
|スズメノカタビラ、ヒメジオン等
・球根、地下茎、塊茎などで二年以上生育する多年生雑草
|チガヤ、ムラサキカタバミ等
施肥
施肥は、芝生の生育を促進し、病虫害に対する抵抗力を高めるために行います。また、土壌の改良や地力を維持するという側面もあります。
施肥の適期、回数は、芝生の種類などにより異なりますが、必要な施肥量を複数回に分けて行うほうが安全で平均した生育を促すことが可能です。
人力で行うとムラが発生しやすいので、簡易なもので構わないので、なるべく機器を使うことをおすすめします。
栄養素には、窒素、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウム、鉄などがあります。欠乏すると、生育不良となり、葉の黄化現象を起こすことが多いです。
目土掛け
目土掛けは、露出した地下茎を保護し、芽や根の萌芽を促進させるために行います。目土に肥料や土壌改良材を混合すると、芝生の表層の状態を良くするとともに、堆積した刈りくずなどの分解を促進する働きもします。
目土は、植物の根茎やがれきなどがなく、必要に応じてふるい分けしたものを使用します。砂や土壌改良材、肥料などを混入する場合は、必ず合理的な混入率で行ってください。
とんぼやレーキなどを用いて所定の厚さになるようムラなく均一に十分すり込む必要があります。芝生面に不陸がある場合は、その整正を兼ねながら行いましょう。
エアレーション
エアレーションとは、踏圧や自然沈下により固結した芝生地に、穴や切り込みを入れて土壌の通気を促進させる作業です。エアレーションを行うことで、地下茎や根の呼吸は助けられ、発育が促進されるので芝の老化を防止して若返りを図ることができます。
エアレーションのやり方で代表的なものは以下の3つです。
【コアリング】
土中に差し込んだ円筒を回転させて土壌をえぐったり、動力でパイプを動かして土壌を垂直に抜き取ったりします。
【バーチカット】
芝生地に対して垂直に回転する刃で芝生の表層を切ることで、サッチ(芝くず)を掻き出し、芝の密度を調整して透水性・通気性を向上させる方法です。
【空気注入】
空気注入式深耕機で芝生地の土中に圧縮空気を注入し、土壌中の空隙を増やして膨満化させて土壌の物理性を改善します。
病害虫防除
病虫害防除の基本的な考え方は、病虫害発生を防ぐ環境づくりと、抵抗力のある活力に満ちた芝生にするための管理が重要であるということです。
芝生の日常的な管理を適切に行うことが最も重要であり、薬剤を使った防除は最終的な手段であると捉えましょう。薬剤散布は、芝生を取り巻く環境のバランスを崩したり、薬剤に対する耐性を病気や害虫に持たせたりしてしまう可能性があるからです。
潅水
潅水は、芝生を乾燥被害から保護し、良好な生育を促すために必要です。土壌の状態、芝生の密度、根の深さ、刈込み高などをよく観察して、必要な量や頻度を決めて実施します。
日本芝の場合は、新規の張芝後や補植後には必要ですが、乾燥に対してある程度の抵抗力後あるので生気を失うほどの乾燥とき以外はあまり必要としません。一方、西洋芝では、夏の高温や乾燥ときの潅水は必須となります。
補植
芝生が老化して生育が衰えたり、踏圧、病虫害などで枯れたりした場合、その部分を速やかに切り取り補植しなければなりません。生育不良や枯死の原因を調査して、障害の要因を取り除いた上で条件を改善して補植を行います。
補植対象箇所を大きめに形を整えて切り取り、深さ15~20㎝程度まで床土を交換又は耕起耕運します。その後、ローラーや土羽板などでよく転圧して、新しい芝生を張り付けて完成です。
庭のお手入れなら、スマイルガーデンへ
芝生があるだけで、お庭がパッと明るく見えますね。また、夏の強い日差しの照り返しによる、室内の温度の上昇も抑えられます。小さいお子さんがいる家庭では、プールを出して遊ぶこともあるでしょう。芝生なら柔らかく足元の暑さも抑えられて安心。smileガーデンでも、数々のお庭の芝張りを行ってきました。人工芝と天然芝の二つの施工例を見てみましょう。
例)①人工芝


雑草が茂って少し暗い印象でしたが、人工芝にしたことで明るい印象に代わりました。雑草対策にもなり、今後の手間も楽になりましたね。
例)②天然芝


天然芝を敷き花壇も作られてモダンなお庭になりましたね。照り返しによるお部屋の温度上昇も抑えることができるでしょう。
芝をきれいに張るらめには下地作りから始めなければなりません。また、一度芝を張ってしまうと下地の修正は難しくなります。芝生のお庭にチェンジするならプロに任せてみては?
まずは一度お気軽にsmileガーデンまでお問い合わせください!