美しく生育良好な芝生を保つために欠かせないのが適切な水やりです。
芝生は水不足になると光合成や養分吸収ができなくなり、見た目が悪くなるだけでなく枯れてしまうこともあります。
水やりは芝生の手入れの基本中の基本です。タイミングや頻度、水の量について正しい方法を知りたいという方は多いでしょう。
この記事では、芝生の状態に合わせたベストな水やりを行うため、知っておくべきポイントや方法、注意点を詳しく紹介します。
芝生の水やりで意識するポイント

芝生の水やりで意識してほしいのは、季節や時間帯、水分量です。また、気候や土壌、陽当たりなども考慮する必要があるので、水やりは奥の深い手入れだといえます。
芝生の水やりは、芝生の状態を「観察」することから始まります。葉色はどうか、乾燥して丸まったり細くなったりしていないか、病気や虫はついてないかなどをチェックすることが大切です。
それから、気温の高低、土の乾燥や過湿、日照の様子なども確認しましょう。こうしたチェックが「今の芝生」に合ったベストな水やりに繋がります。
芝生の水やりの頻度

芝生の水やりの頻度は、状況に応じて変えるのが芝生の生育を良好に保つための基本です。
変えるべき状況には、水やりをする季節、張っている芝生の種類、肥料を施した後、芝張り後が挙げられます。それぞれどのような頻度が適切なのかを説明します。
季節別の水やり
芝生の水やりは3月の春から始めて、表土が乾いたら行います。水やりの頻度は、季節ごとの気候の変動に合わせて変えていくことが必要です。
季節ごとの水やりの頻度とポイントについて表にまとめました。
| 季節 | 水やりの頻度とポイント |
|---|---|
| 春 | ・3~4日に1回 ・芽吹きの時期なので、土を乾かさないようにすること ・梅雨時期は雨の合間に |
| 夏 | ・毎日 ・朝または夕方に行い、水不足にならないように注意 ・残暑がきつい日は夜の水やりも検討する |
| 秋 | ・3~4日に1回 ・10月下旬頃から徐々に頻度を減らし、11月頃には不要 |
| 冬 | ・水やりは不要(寒地型芝生は乾燥しない程) ・暖地型芝生は休眠期のため必要ない |
春や秋は3~4日に1回の水やりを行います。梅雨時期は雨の合間の水やりが基本ですが、やり過ぎて芝生が常に水浸しということは避けてください。
夏は毎日やるのが原則ですが、地域の気候の違いや陽当たりの状況で乾燥具合が異なりますので、実際の土の乾き具合で判断する必要があります。
最近は夏の気温が高くなっていますので、炎天下や厳しい残暑が続く場合は、必要に応じて夕方以降から夜にかけての水やりも検討しましょう。
冬は休眠期になるので、基本的には水やりの必要はないです。ただし、寒地で育つ寒地型芝生は乾燥しない程度に水やりを行います。
種類別の水やり
芝生の種類は大きく、暑さに強い夏芝(暖地型)と寒さに強い冬芝(寒地型)の2つに分けることができます。夏芝と冬芝では、水やりの頻度に違いがありますので説明します。
夏芝の場合
夏芝の水やりの頻度について、以下の表にまとめました。
| 季節 | 夏芝の水やりの頻度 |
|---|---|
| 春 | 3~4日に1回(雨の日は除く) |
| 夏 | 毎日(特に残暑が厳しい時期) |
| 秋 | 3~4日に1回 |
| 冬 | 基本的に不要、乾燥が長期で続く場合のみ |
夏場の水やりは、早朝(午前4~10時)が最適です。真夏の日中の水やりは水自体が温度上昇し芝生に影響がありますし、蒸発もしやすいため避けるのが原則です。
芝生の水やりは、土の表面が乾いて葉がカサカサしていたら行います。少量頻繁ではなく、適切な頻度でたっぷり土の深くまで浸み込ませるのがポイントになります。
冬芝の場合
次に、冬芝の水やりについてです。
| 季節 | 冬芝の水やりの頻度 |
|---|---|
| 春 | 週に1~2回(乾燥具合によって変える) |
| 夏 | 毎日(特に蒸し暑さが続く時期) |
| 秋 | 週に1~2回(乾燥具合によって変える) |
| 冬 | 基本的に不要、乾燥しない程度に |
冬芝は夏芝と違って冷涼な気候を好み、春と秋に活発に生育し夏の暑さには弱いです。ただし、夏に水切れを起こしやすいのは夏芝と変わらないので、頻度を増やす必要があります。
芝生の水やりでは、芝葉の状態を見ることが大切です。水が不足して芝葉が丸まって細くなってきたら水やりのサインです。
肥料後の水やり
芝生に肥料を与えた後の水やりは、肥料焼けを防ぎ、肥料の効果を根に届けやすくするために不可欠です。肥料が固形か液体かで、水やりのタイミングが違いますので注意してください。
肥料後の水やりについて、ポイントを以下にまとめました。
- 固形は散布後すぐ行う|固形は肥料焼けを防ぐため撒き終えたら、すぐに水やりする
- 液体肥料は一定時間おく|葉から栄養分がしっかり吸収されるようにするため
- 均等に水やりする|撒いた肥料が全体にいきわたるように均一に水やりする
- 根まで届かせることを意識する|水やりで肥料を根元まで届け栄養を吸収させる
芝生の水やりには、肥料が葉や根に付着したままだと肥料焼けを起こしやすくなるので、水で洗い流し希釈するという意味合いがあります。また、肥料が水で溶けるので根は栄養を吸収しやすいです。
液体肥料は、散布後、数時間から半日(12~24時間)ほど経過してから水やりしましょう。液体肥料が葉に吸収される前に水やりすると、肥料の効果が薄れてしまうことがあります。
芝張り後の水やり
芝張り後は、根が十分に張るまで乾燥させないことが重要です。芝張り直後は、毎日たっぷりと水やりを行うのがポイントです。
少量で頻繁に与えるのではなく、しっかり濡らして間隔を空ける方が根は深く張りやすくなります。
最初の1ヶ月程度は頻繁に水やりを続けることが大切で、その後、徐々に水やり頻度を減らしていきます。水やりの間隔を伸ばしていくときは、水切れに注意しながら進めてください。
芝張り後の水やりの頻度は、芝張り直後から約1ヶ月は毎日、できれば朝8時前に1回行うのが基本です。猛暑の時期は、水分が蒸散しやすいため、朝晩の2回水やりをすることもあります。
水やりの量は根まで水が届くように、たっぷりと与えます。水のやりすぎで水が溜まったり、目土が流れ出たりしないようにしながら、芝生のマットと土壌が湿る程度が目安です。
芝張り直後は、根が未発達なので土壌の上層部が乾きやすいです。表面が乾いていたら、こまめに水やりをします。
芝生の水やりをするタイミング

芝生の水やりの頻度は、さまざまな条件によって違いがありますが、芝生の水やりのタイミングは一般的に共通しています。どんなタイミングが芝生の良好な生育にとってプラスになるかを紹介します。
涼しい時間帯に行う
芝生の水やりは、涼しい時間帯に行うのが基本です。日中の暑い時間帯に水やりをすると、水が蒸発しやすくなる上に、高温で芝生が蒸れてしまう原因になります。
例外は芝生がしおれている場合で、すぐに水やりをやる必要がありますが、このときもできる限り気温の高い時間帯は避けたいです。
涼しいからといって、真夜中の水やりはおすすめできません。夜中に水やりをすると、土が湿った状態が朝まで続くので、カビや病害虫が繁殖しやすくなります。
日中に乾燥した場合は夕方から夜に水やり
日中に乾燥してしまった場合は、夕方から夜にかけて水やりを行います。理想的な水やりは風の弱い早朝ですが、日中の乾燥が著しい場合は夕方以降、日没前の時間帯(午後4~6時頃)に水やりをしましょう。
このときの注意点としては、夜間に水が残ると病害を起こしやすくなるので、朝には水やりができる程度に抑えておくことです。
芝生に与える水やりの量

芝生に与える水やりの量は、1平方メートル当たり10~12リットルが目安です。根が十分に水を吸えるようにたっぷり与えるのが基本となります。
たっぷり与える理由は、少量ずつ頻繁に水やりすると根が浅くなるからです。
新しく張った芝生は、1平方メートル当たり10~15リットルを毎日、土壌の約7~10㎝の深さまで浸みるように与えてください。約1~2週間経過して、根が下地となっている下層土に根付き始めたら、水やりを徐々に減らしていきます。
芝生は水やりが十分でないと、水分の蒸発を防ごうと葉が丸くなり、葉の色がくすんだり茶色になったりします。水不足が長く続くと、結果的には枯れてしまいます。
水が多すぎる場合の注意点
芝生に水が多すぎると根腐れを起こし、病害やコケの発生を誘発するので対策する必要があります。
土壌が常に湿っていると根が酸素不足になり、根が腐って枯れることがあります。また湿った環境は病原菌や害虫の温床になりやすく、水はけが悪いところを好むコケや藻が繁殖しやすくなります。
芝生に穴を開けるエアレーションも、土壌に酸素を供給して通気性を高めるので有効な対策になります。
サッチにも注意
サッチも、芝生に水が多すぎる原因になることがあります。サッチは、分解しにくい芝生の古い葉や根茎、刈りカスが枯れて蓄積したものです。
サッチは、レーキなどの道具を使用して、丁寧にサッチングして取り除きます。
水はけに注意
水が多すぎると考えられるときは、水はけにも注意が必要です。土壌の水はけが悪い場合は排水性を高める対策をします。
対策としては、勾配をつけて表面排水を促したり、土壌改良剤を混ぜて地下排水を改善したりすることが多いです。
芝生の水やり方法

芝生の水やりでよく使われるのがホースリールです。面積の広い芝生の場合は、スプリンクラーを活用するのもおすすめです。
芝生の水やり方法について紹介します。
効率的に水やりをしたい方は「スプリンクラー」
効率的に水やりをしたい方には、スプリンクラーがおすすめです。家庭用スプリンクラーはホースに繋げてすぐ使うことができて、蛇口をひねるだけで広範囲の水やりが可能です。
1,000円程度から購入できる家庭用には、回転式と首振り式があるので撒く場所に合わせて選びましょう。
バランスよく水やりをしたい方は「散水ノズル付ホース」
バランスよく水やりしたい方は、散水ノズル付ホースが便利です。ホースの先端に取り付けることで、さまざまな形状の散水を行うことができるのでバランスよく水やりができます。
直射、拡散、シャワー、ジョウロ、噴霧、乱射などの散水パターンを手元で切り替えるだけで選べます。強くて丈夫な金属製ノズルと金属製の接手を使用するのがおすすめです。
芝生の手入れはプロへ依頼がおすすめ

緑鮮やかな芝生を楽しみたいが、仕事や家事が忙しいから無理だという方は、芝生の手入れをプロに依頼するのがおすすめです。おすすめの理由について説明します。
手間が大幅に省ける
芝生の手入れには、水やり、芝刈り、雑草対策、施肥、エアレーション、目土入れの他、病害虫対策も必要です。これらを自分だけでこなすには、かなりの手間と時間が必要になります。
しかし、プロに依頼すれば、大幅に手間と時間を削減できます。プロは長年の経験から状況に応じたベストな手入れを実践します。
芝生を美しく保てる
自分で芝生の手入れをすると決めて始めても、何かの事情で手が回らなくなることはよくあります。そういうときも、プロに依頼しておけば芝生を常に美しい状態で保ってくれます。
芝生の手入れをプロに依頼するのであれば、smileガーデンをおすすめします。芝刈り、目土入れ、エアレーションなどの定期的なサービスを提供しています。
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まとめ

芝生の水やりは、季節や芝生の種類によって適切な頻度があります。気候や土壌、陽当たりなどを考慮しながら、ベストなタイミングで行うことも必要です。
水やりの水量についても、1平方メートルあたり10~12リットルを目安に、少量を頻繁に与えるのではなく所定の頻度でたっぷり与えるのがポイントです。
芝生の水やりは、一般的な基準をベースに行うことが失敗しないコツです。同時に、芝葉や土壌の状態を常にチェックし、変化があれば素早く対処することも重要になります。











