青々とした芝生は、まるで緑のじゅうたんのようで素敵です。でも、芝生を美しくキープすることは、実はなかなか大変なことといえるでしょう。
というのは、芝生は手入れを怠ると、見映えが悪くなってしまうからです。茶色く変色したり、まばらになってしまったりして、みすぼらしく見えてしまうのです。
健康でつややかな芝生を保つためには、定期的に手入れを行いましょう。
この記事では、芝生に必要なメンテナンスについて解説していきます。また、芝刈りが必要な時期や頻度と、業者に依頼した場合の費用相場についてもまとめました。
芝生のお手入れの大切さ
芝生のお手入れは、美しく健やかな芝を保つために欠かせません。
適切な芝刈りは芝を密生させて雑草の侵入を抑え、風通しをよくするので湿気がこもりにくく、病気や害虫の発生を防ぐことに繋がります。水やりと施肥によって芝生の根は深く張り、夏の強い日差しや踏みつけにも強くなります。
的確なお手入れを行うコツは、メンテナンスカレンダーを活用することです。メンテナンスカレンダーがあれば、芝生のお手入れを計画的かつ効率的にできるようになり、芝にとって過不足のないお手入れが可能になります。
芝生のメンテナンスの年間スケジュール
日本芝のメンテナンスの概要は以下の通りです。
| 2月末~3月初め | 育成期に向けた準備 |
|---|---|
| 4~10月 | 育成期 |
| 11~2月 | 休眠期 |
それぞれの具体的な作業内容について説明します。
2月末~3月初め|育成期に向けた準備
育成期の準備として、エアレーション・目土入れ・施肥を行い、育成のベースとなる土壌の通気性を良くし栄養を与えます。芝刈りは芽吹きの時期なので慎重に月1~2回程度とします。雑草は大きくなる前に、こまめに抜くようにしてください。
4~10月|育成期
芝生が生長する時期なので、芝刈りの回数を増やしていきます。7~8月は、月に2~3回のペースで行ってください。9~10月は生長が穏やかになりますから、月1~2回に戻します、夏場は乾燥しやすいので1~2日に1回の水やりが必要です。梅雨時は、降雨からの水分供給があるので調整します。サッチは、できる限り堆積させず取り除くようにしてください。芝生の生長の促進と良好な状態の維持のため、6月と8月に施肥を行います。
11~2月|休眠期
基本的にメンテナンスは必要ないですが、乾燥がひどいときの水やりや冬でも生えてくる雑草の除去は必要です。
除草と水やりは、育成期を通じて、芝生の状態を見ながら臨機応変に管理することが求められます。
芝生を美しく保つお手入れ方法

芝生を健康に美しく保つには、定期的なメンテナンスが必要です。
芝生に施すべきメンテナンスには、次のようなものがあります。
- 施肥(せひ)
- 目土入れ
- エアレーション
- 除草
- 水やり
- 病気・害虫対策
- 芝刈り
それぞれの作業内容について、詳しく説明していきます。
施肥

施肥とは、植物に肥料を与えることです。芝生も根から栄養を摂取して成長するので、肥料が必要となります。
十分な栄養分を与えられた芝生は、密度と発色の良い美しい芝に育つのです。
目土入れ

目土入れとは、芝生の上に3~6mmほど薄く土をかける作業です。芝の成長を促進させるために行います。
また、目土入れには、芝生の凹凸を解消する効果もあります。へこんでいる場所に土を入れて均して調整することで、芝生の面が整い美しく仕上がるのです。地面が平らに均されていれば、芝刈りもスムーズに行えます。
ただし、頻繁に目土入れを行いすぎると、地面が高くなりすぎることもあります。というのは、1度に入れる土は3~6mmほどの薄さだとしても、目土入れを10回行えば3cm~6cm分地面が高くなるからです。
競馬場やゴルフ場なら頻回の目土入れが必要となりますが、個人の住宅の芝生なら、1年に1回程度で十分といえます。
目土入れにおすすめの時期は、芝の成長が活発になる頃です。つまり日本芝なら3~4月、西洋芝なら9~10月が適期といえます。
全体的な目土入れは年に1回としておいて、地面の凹凸が気になるときは部分的に目土を入れても良いでしょう。
エアレーション

エアレーションとは、芝生に穴を開ける作業です。土壌の通気性をアップさせて、芝の生育を促すために行います。
人が踏み固めてしまうこともあり、芝生を植えてから時間が経つと土は固くなってしまいがちです。地中では芝生の根や茎が絡み合うこともあり、土壌の通気性は徐々に悪くなっていきます。
土の中の酸素が少ない環境は、芝生にとって良いとはいえません。芝生の面に水が溜まってしまうことも、芝生の成長に悪影響を与えます。
ですからエアレーションを年に1回程度施して、土壌の通気性を良くする必要があるのです。
エアレーションに使用する道具には、ローンスパイクやローンパンチがあります。どちらも体重をかけて地面に突き刺すことで、芝生に等間隔の穴を開けられます。
エアレーションのあとには目土入れを行うと完璧です。
ローンスパイクやローンパンチで開けた穴を目土で埋めることで、土壌の通気性や水はけも改善されます。
地中の環境が良くなって、芝の病気予防にもつながるのです。
とはいえ、穴を開けるエアレーションは、芝生にダメージを与える作業でもあります。
ですからエアレーションは、芝生が元気な時期に行いましょう。芝生の弱る真夏は避けて、3~4月または9月の作業がおすすめです。
除草

芝生に雑草が生えると、生命力が旺盛な雑草に芝生の水分や養分は取られてしまいます。陽当たりを悪くしたり、病原菌を感染させたりすることもあります。
芝生の雑草は放置することなく早めに除草することが大切です。雑草が小さいうちに根や地下茎ごと除去するのがポイントになります。
除去の方法には、こまめに手で抜き取るか、雑草を芝生と一緒に刈り取ってしまうなどがあります。刈り取る場合は、種子を散乱させないよう、雑草が種をつける前に行いましょう。
雑草が広い範囲で増えた場合は、芝生の雑草専用の除草剤を散布します。除草剤の選択を間違えると、芝生を枯らしてしまうので慎重に選んでください。
選ぶときのポイントは、枯らしたい雑草はイネ科か広葉か、使用できる芝生は日本芝か西洋芝かなどを見極めることです。
芝生の雑草を予防する除草剤なら「土壌処理型」、すでに生えている雑草を除去するなら「茎葉処理型」が効果を発揮します。
水やり

芝生の水やりのポイントは、時期、時間、水分量の3つです。
芝生の水やりは、夏は毎日、春や秋は週に1~2回、冬は基本的に不要というように時期によって頻度を変えます。水やりをする時間帯は、基本的に早朝や夕方から夜にかけての涼しい時間帯がおすすめです。
水分量は、1㎡あたり10~15Lが目安ですが、芝生の状態にあわせて調整してください。また、水不足にならない範囲で、「間隔をあけて、たっぷり」が基本です。
病気・害虫対策

芝生の病気・害虫対策では、予防と駆除がポイントになります。
予防では、病害虫の原因になりやすい水のやりすぎに注意し、刈りカスや枯れた葉、古い根などは確実・丁寧に取り除きましょう。
病気が発生してしまった場合は、殺菌剤で病状の進行を食い止めます。殺虫剤では、希釈して使うスミチオン乳剤、土に浸透させる「オルトラン粒剤」などがあります。
薬剤の取り扱いに不安がある場合は、プロに相談してみることも有効な手段です。
芝刈り

芝生のお手入れでも重要なのが芝刈りです。芝刈りによって整えられた芝生は、光の透過や反射が均一になり見た目が格段に良くなります。
芝刈りによって芝生の生長が促され、芽数が増えて密度の高い芝生になります。伸びすぎた芝を刈ることで、下層の葉にも日光が届きやすいです。
風通しも良くなり、湿気がこもらないため、病害虫の発生も予防します。
手で刈る場合、芝刈りの所要時間は、3坪程度の広さであれば2人で1時間程度です。自走式の芝刈り機では、10坪程度の広さでも約10~15分で完了します。
所要時間は、シングルカット(1方向に刈り進める)とダブルカット(2方向に刈り進め)では違いますし、芝生を刈る高さによっても変わります。
芝生が伸びすぎないうちに定期的に刈ることで、1回の作業時間は短くなります。
芝刈りの作業時間には、芝刈り機の準備や刈り終わった後の片づけなど、準備・片付けの時間を含めるのが一般的です。
【種類別】芝刈りの時期と頻度

芝刈りが必要となる時期や頻度は、芝の種類によって異なります。
芝には多くの品種がありますが、日本の庭に利用されているのは「高麗芝」がポピュラーです。
そして、高麗芝の改良種の「TM9」という品種は、手入れ不要の芝として近頃注目を集めています。
高麗芝とTM9それぞれの、芝刈りの時期と頻度について解説していきましょう。
高麗芝の芝刈りは?頻度と時期について

高麗芝は、日本芝の代表格ともいえる品種。日本の庭にもっとも多く使用されている芝です。
高麗芝の特徴は、成長が早くて強いこと。
一般流通が多いため、比較的安価で販売されています。
成長が早いぶん、芝刈りに頻度は比較的高めです。
4~11月にかけては、1カ月に2回の芝刈りが必要となります。
春になって、芝の長さが刈り揃えたい高さの1.3~1.5倍ほどに伸びたら芝刈りシーズンのスタートです。
初めのうちは月に2~3回。芝の成長が早くなってきたら週に1回のペースで芝刈りを行いましょう。
TM9は手入れ不要?「先祖返り」に要注意
TM9は、トヨタ自動車株式会社が開発した品種。
管理の省略可と芝生の美しさを追求した「プレミアム高麗芝」です。
高麗芝の改良種となるTM9の販売価格は、高麗芝の約2倍が相場となっています。
トヨタ自動車株式会社の公式サイトによると、TM9の芝刈りは年に1~2回で良いとのこと。
でも実際には、もう少し頻回の手入れが必要となるようです。
その理由は、TM9が「先祖返り」しやすいことにあります。
植物における先祖返りとは、改良前の品種に戻ってしまうことです。
つまりTM9なら、高麗芝に戻ること。
せっかく高額なプレミアムな芝生を張ったのですから、高麗芝に先祖返りしてしまうことはぜひとも避けなければいけません。
そのためには、春先と初夏、秋口と休眠前の年に4~5回は芝刈りを行う必要があります。
というのは、TM9はその時期に穂を出すからです。
穂から落ちた種子が芽を出すことが、先祖返りの原因となります。
ですから種子を落とさせないように、穂ごと刈り取るための芝刈りを行いましょう。
ちなみに、芝は種子がなくても繁殖可能です。
芝にはランナーと呼ばれる地下茎があり、地面をはうように伸びています。
芝はランナーから葉や根を出して生育範囲を広げていくのです。
手のかからないTM9でも、年に数回の手入れは必要です。
メンテナンスの時間が取れない場合は、業者に依頼してみてはいかがでしょうか。
次は、芝生の手入れを請け負っている、おすすめの業者を紹介していきます。
芝生のメンテナンス業者の探し方

芝刈りや目土入れ、エアレーションなどの芝生の手入れを請け負っている業者は、大きく2タイプに分けられます。
全国展開している業者と、地域に根付いた業者です。
全国展開している業者と地域に根付いた業者には、それぞれにメリットがあります。
全国展開している業者から探す
全国展開している業者には、インターネットで探しやすいというメリットがあります。
そのため公式サイトをしっかり作り込んでいる業者も多い点もメリットです。
対象エリアや料金体系が分かりやすく、わざわざ問い合わせる手間が省けるからです。
中には利用者の感想や、過去の施工事例の画像もチェックできる業者もあります。
全国展開している業者の中でもおすすめしたいのは、次のような業者です。
- smileガーデン
- ホームセンター
- コープ
地域の業者を探す
地域で展開している業者には、地元に根付いた造園業者や庭師などが挙げられます。
地元の業者に依頼するメリットは、近場なので相談しやすいことでしょう。
万が一トラブルが起こっても、すぐに駆けつけてもらえる距離感が安心です。
また、近隣住人の口コミや実際の施工事例を確認できるため、インターネットよりも確実な情報が手に入りやすいともいえます。
地域の造園業者や植木屋をインターネットで探すなら、「芝生 手入れ ○○(地域名)」で検索してみましょう。
近くの造園業者や植木屋がヒットするはずです。
業者へ相談する前に、芝生の手入れにはどのくらいの費用がかかるかを知っておきたいですね。
次は、芝刈りやメンテナンスを業者に依頼した場合の、費用相場を紹介していきます。
業者の費用の計算法は「日当制」と「単価制」の2通り

芝生の手入れにかかる費用は、次の2つの方法のどちらかで計算されることが一般的です。
- 日当制
- 単価制
それぞれの計算方法について、分かりやすく説明していきます。
日当制とは
日当制とは、業者1人当たりの作業料金で計算する方法です。
作業料金には1日単位や半日単位、1時間あたりなど。時給と同じ計算方法と考えれば分かりやすいでしょう。
たとえば、1時間あたり1,000円の業者が2人で3時間作業すれば費用は6,000円となります。
日当制での芝刈りの費用相場は、次の通りです。
- 半日+ゴミ処理費用 22,500円
- 1時間+ゴミ処理費用 7,500円
業者によっては日当制の場合、土日祝日は割増し料金となることもあります。
単価制とは
単価制とは、作業ごとの費用を設定している計算方法です。
芝生の手入れにかかわる作業なら、芝刈りやエアレーション、目土入れそれぞれの単価が決められています。
芝生のメンテナンスの作業単価は、作業面積によって設定されていることがほとんどです。
面積の単位はさまざまで、1平米 ごとに決められていたり、10平米 ごとに設定されていたり。中には、1坪単位で設定している業者もあります。
そして、芝刈りやエアレーションといった作業費用の合計に、刈り取った芝の処分費用も加算されることが一般的です。
芝の手入れに関する作業それぞれの単価と、処分費用のおおよその相場は次の通りになっています。
- 芝刈り 200円~300円/平米
- エアレーション 400~600円/平米
- 目土入れ 300~500円/平米
- 処分費用 100円/平米・300円/45リットル袋
業者によっては、処分費用に加えて運搬費用も加算されることもあります。
芝生のお手入れはプロに依頼がおすすめ
芝生のお手入れはプロに依頼するのがおすすめです。プロにとって芝刈りは、手慣れた作業であり、高さも端部の処理も均一で美しく仕上がります。
プロに依頼するなら、「smileガーデン」が安心です。メンテナンスカレンダーに基づいた定期的な芝刈りはもちろん、施肥やエアレーション、雑草対策など、まとめて依頼すれば割安で任せられます。
費用の詳細は、smile ガーデンのサービスページを確認してください。現地調査・見積もりは無料です。
まとめ

美しい芝生をキープするには、定期的な手入れが必要となります。
芝生の手入れとは、目土入れやエアレーション、芝刈りなどの作業です。
芝刈りが必要になる時期や頻度は、芝の種類によって異なります。
高麗芝なら月に1~2回、TM9なら年に4~5回は芝刈りを行いましょう。
芝生のメンテナンスを依頼できる業者には、全国展開している造園業者や地元に根付いた業者があります。
頻回の依頼が必要になる芝生の手入れですから、特に信頼できる業者をしっかり選びたいですね。











