住宅の目隠しというと、最初に浮かぶのはフェンスではないでしょうか。
しかし、フェンスは人工的で圧迫感があるから、何か柔らかい印象になる目隠しはないかと考える方も多いようです。

そういう方に、ぜひ検討していただきたいのが生垣です。
生垣は、自然な風合いがあって、いかにも視線を遮るために設置したという印象がありません。

目隠しフェンスはフェンス自体が高額になるだけでなく、建てる際には必ず基礎工事が必要になるので費用がかさみます。

生垣は植物なので、最初は小さめのものを植えて大きく育てることが可能なため、フェンスに比べると費用は格段にお手頃です。

この記事では、生垣に最適な木の特徴やおすすめの樹種、管理のポイントについて紹介します。
また、避けるべき木の種類についても触れていますで、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

生垣植栽に最適な木の特徴とは

目隠しにおすすめの生垣にする木の種類には、いくつか特徴があります。

まず、常緑樹で葉が落ちず、枝葉が細かく高密度で、葉が密に茂ることなどが挙げられます。
一般的な庭木と同様に、虫がつきにくくて病気にも強く、水やりや剪定の手間が少ないことも大切です。
また、常緑の生垣の中には紅葉したり花をつけたりするものも多くあり、季節の移ろいを楽しむこともできます。

このような生垣に最適な木の特徴ついて詳しく紹介します。

①常緑樹で葉が落ちない

目隠しにしたい生垣は、
1年を通して常緑の木である常緑樹がおすすめです。

落葉樹では、秋から冬にかけて葉が落ちて枝だけになってしまうので目隠しになりません。

常緑樹は、冬でも緑を楽しむことができて、落ち葉が少なく掃除も楽です。また、通年で庭の印象が変わらず、自然の緑がもつ明るい印象を保っています。

ただし、常緑といっても常に同じ葉が付いているわけではありません。今ついている葉は、1~数年ごとに落葉し生え変わっています。

常緑樹には、広葉樹と針葉樹の2種類あります。
針葉樹は、亜寒帯から寒帯が原産で寒さに強く、
広葉樹は枝を横に広がる性質があり花や実をつける
ものが多いです。

以上のような常緑樹の特徴を覚えておいて、地域の気候に合っていて、自分の好みにもあった常緑樹を選びましょう。

②枝葉が細かく高密度

生垣を目隠しに活用する場合は、
枝葉が細かくて高密度の木を選ぶのがポイントです。

枝葉が細かく高密度の木は、遮蔽性が高いだけでなく、成長とともに隣同士の木の一体感が増して目隠しとしての機能性が向上します。

生垣は、ある程度の奥行きや高さを確保することも必要です。
そのほうが見栄えはいいですし、不審者の侵入防止にも繋がりセキュリティ性が高まります。

枝葉が細かく高密度であるほど、防風や防火、騒音防止の効果も期待できるようになります。

住宅の密集地では延焼のリスクが高いため、延焼防止できる生垣の役割は大きいです。
隣家から聞こえる音に敏感になる方も多く、騒音防止効果を期待できるのもメリットといえます。

防風についても、生垣は大きな働きをします。
フェンスで防風を考える場合、かなりの高さが必要になり閉塞感が生じてしまいますが、生垣であれば優しい印象を保ちながら防風対策が可能です。

③虫がつきにくく病気に強い

これは生垣だけでなく、庭に植える木全般に言えることですが、
虫がつきにくく病気に強い樹種を選ぶことも忘れてはいけないポイントです。

植物の管理で一番面倒に感じるのは、病害虫対策ではないでしょうか。
虫は見るのも触るのも苦手という方は多いですし、病気は他の植物に広がったり、隣家の植物に影響を与えたりします。

虫は自然の中で必要性があって生きているので、まったく虫がつかない木というのはありませんが、できる限り虫の付きにくい木を選ぶということは可能です。

生垣に発生しやすい虫は、ケムシ、アブラムシ、カイガラムシなどです。
病気としては、うどんこ病やカビ病が多いです。

虫がつきにくく病気に強い樹種を選び、春先の虫の活動期や植物の生育期の前に防除しておくと、気分を害するほどの状態には至らないはずです。

④水やりや剪定の手間が少ない

山間で自然に育っている木とは違い、生垣のような街中で生長する種類の木は、どうしても人の手入れが必要です。

ただし、水やりや剪定、施肥などの手間が少ない植木を選ぶことはできます。

水やりや剪定などの手間が少ない木の特徴は、
降雨のみで成長することができて寒暖の差にも強く、常緑で枝葉の伸長が穏やかなことです。

地植えの木は、水分の保留や流動が期待できる土壌では、水やりの心配はほぼ必要ありません。
剪定については、枝が突出したり徒長したりする木ではなく、全体の枝が同じようなスピードで少しずつ成長していく木が望ましいです。

生垣剪定は、全体的なバランスを見ながら、葉先を揃えるように刈込んでいくのが一般的です。

真夏の晴天が続くような時期は別にして水やりの必要がなく、年に1~2回程度の刈込みで整姿できる木を選ぶようにしましょう。

⑤葉が密に茂る

生垣の木は、小さい葉が密に茂るものがおすすめです。生垣は、列植した木が成長して一体化し、壁のようになって目隠しになります。

葉が大きいと、生え変わるときにすき間ができて、向こう側が透けて見えてしまいます。
できるだけ葉が小さく、枝先が細かく分かれる木が望ましいです。

生垣は、高さや幅を調節することもよくあるので、一定の強さの刈込みにも耐える萌芽力のあるものを選びたいです。

木は上へ上へと伸びて下枝のボリュームが落ちやすいので、下枝が枯れにくい樹種を検討しましょう。
そうしないと、植えてから数年で目隠しとしての役割を果たせないほど、すき間が開いてしまいます。

常緑樹の生垣の剪定は、4~6月、9~11月が適しているとされています。
常緑の針葉樹は、3~4月、10~11月が適期です。

剪定は下から上へと刈込み、細かいところは剪定バサミで、広い範囲は刈込みバサミを使います。
強い剪定は年1回におさえ、軽い剪定を年1~2程度行うと美しい樹形を保つことができます。

【プロが厳選】おすすめ庭木で彩る!生垣植栽に最適な木6選

ここでは、おすすめの生垣の木を6種類紹介します。ここで紹介する木の種類は、和風でも洋風でも合うものばかりです。

葉の色や形状の美しさはもちろん、虫がつきにくく病気にもかかりにくい、丈夫で育てやすい木を厳選しています。
庭木としての魅力もあり、かわいい花や実をつけるものもあります。

それぞれの木の特徴やおすすめのポイント、注意してほしい点など詳しく説明していますので、生垣の木を選ぶときの参考にしてください。

イヌマキ

イヌマキは、花の付く常緑高木として人気の高い木です。

  • 柔らかい枝は強めの剪定にも耐えるため生垣に使われることが多く、人工樹形で仕立てる庭木としても利用されることがあります。
  • 耐寒性があり、-10℃でも耐えますが、長期的に良好な生育をさせたいなら暖かい気候で育てるのがおすすめです。
    特に、移植や刈込みの作業をするときは暖かい時期が望ましいです。
  • 耐寒性だけでなく耐暑性もあり、日陰でも育つので、庭仕事が初心者の方にも育てやすい木だといえます。
  • 5月から6月が開花期で、雄株に葉と同じくらいの長さの黄色味を帯びた雄花が付き、雌株には先端に胚珠のある雌花が現れます。
  • 雄花は10額頃に熟し、先端に緑色で白い粉をまぶしたようなタネができて、タネの下には暗紫色の花托ができます。
    この花托は、多汁感のある肉質で甘く、生食が可能です。

レッドロビン

◎レッドロビンは、バラ科の常緑広葉樹で、高さ3~6m程度の小高木です。

  • 元々は、カナメモチとオオカナメモチを交配させた園芸品種なので山野には自生していません。
  • レッドロビンの和名は、「赤いコマドリ」で、赤い新葉の様子に由来しています。
    現在ではカナメモチなどよりも流通量が多くなり、特に都市部では、生垣として最もよく見られる木の一つとされています。
  • 生長が早いので、早期に生垣を形成できますが、樹形を乱さずにボリュームアップさせるのであれば定期的な剪定が欠かせません。剪定時期は、5月中旬から6月中旬、8月から9月中旬頃が適期で、年2~3回がおすすめです。
  • まれに、イラガ類の虫が発生しますが、早めにサンヨール液剤ALなどの殺虫剤を散布すれば大事に至らずに済むはずです。
  • 日照を好むので、日陰だと枝葉が間延びしたり葉色が悪くなったりすることがあります。

トキワマンサク

◎トキワマンサクはマンサク科の常緑高木で、高さ3~6m程度になる花木です。

  • 花色は、白かピンクで4月~5月上旬頃に開花します。
  • しなやかな枝についた長楕円形(または卵形)の緑色の葉が、
    そよ風に揺れる姿が人気ですが、赤褐色や赤紫の葉色の園芸品種もあります。
  • 花には細いリボンのような4枚の花弁があり、枝先に集まるように咲くため、株全体が花で覆われているように見えるのが特徴です。
  • 肥沃で水はけのよい土を好み、日陰でも育ちますが、明るいほうが花付きは良いです。
  • トキワマンサクの生垣の剪定は、花が終った4~5月に行い、樹形を保つように前年に切った位置まで刈込むようにしましょう。葉が密生しすぎている場合は、透かし剪定か間引きをします。
  • トキワマンサクは成長が早いので、油断するとすぐに大きくなります。基本とする大きさを調整するときは、剪定後にも伸びることを考慮して形を決めることが必要です。

イヌツゲ

◎イヌツゲは、モチノキ科の常緑高木で耐寒性、耐暑性ともに強く、萌芽力もあるので生垣向けの木の代表格です。

  • 生垣では、幅が薄くても遮蔽性が高いため狭い場所にも使えて、整然とした印象に仕上げることができます。
  • 光沢のある丸みを帯びた小さな葉が特徴で、北海道から沖縄まで広く分布し親しまれている木です。
    ただし、風通しが悪いと生育が悪くなり、害虫も発生しやすくなるので注意が必要です。
  • 見た目と名前がツゲと似ているため近似種と勘違いされますが、ツゲはツゲ科ツゲ属なのでまったく関係ありません。
  • 最近報告が多い、イヌツゲがスカスカになる原因は、ツゲ枝枯病や菌類の感染、栄養不足などが考えられます。
    対処としては、イヌツゲ全体を透かすように剪定し、根元に肥料と水を与えてください。
  • ツゲ枝枯病の予防には、チオファネートメチル水和剤を含んだ薬剤(殺菌剤)を散布します。

カイズカイブキ

◎カイズカイブキはヒノキ科の小高木で、常緑針葉樹の中では、最もおすすめの生垣向けの木です。

  • 海辺などに自生するイブキ(ビャクシン)の園芸品種あるいは変種の植木とされており、虫がつきにくく、潮風や大気汚染にも耐えることで知られています。
  • コニファー類が今ほど普及していなかった時代、学校や工場から一般家庭まで幅広く植栽されました。
    人気の秘密は、枝葉が密生するため植栽直後から目隠しとして利用できる点です。
  • カイズカイブキは、定期的に刈り込みをしないと、側枝がらせん状に回りながら幹に巻き付くような樹形になるので注意が必要です。
  • 一度に強く刈込みすぎると、針状の葉が出ることがあります。この針状の葉は硬く、さらに密集する傾向がありますが、数年放置すると元に戻るとされています。
  • カイズカイブキなどのビャクシン類は、赤星病(さび病の一種)になることがありますが、大きな病害はありません。
    しかし、ナシやリンゴなど実のなる木に感染すると重大な被害を出すことがあるので、近くに該当する木がある場合は
    病変部分をすぐに切り取って処分しましょう。

シラカシ・アラカシ

◎シラカシはブナ科の常緑広葉高木で、似た植木にアラカシがありますが、葉の形や果実(どんぐり)の形状などに違いがあります。

どちらも葉が密生して育つ木なので、目隠しを兼ねた生垣におすすめです。

  • 分布エリアは、シラカシは関東地方南部および新潟県以西、アラカシは宮城県以南・石川県以西、四国、九州です。
    どちらも、一般住宅やマンションから、広い公園まで生垣として利用されています。
  • シラカシ・アラカシは丈夫な木なので、日当たりや風通しが多少悪くても生長しますが、そのような環境では虫や病気が発生しやすくなります。代表的な害虫は、樹液を吸うアブラムシやカイガラムシ、ケムシなどで、病気はうどんこ病が多いです。
  • 剪定の適期は、5~7月と9月~11月の年2回になります。
  • 水やりは基本的に降雨で十分ですが、夏場の日照りが続く時期は水やりをしてもよいでしょう。

庭木選びで失敗しないために!実は避けるべき木の種類とは?

生垣やシンボルツリーなどの庭木は、手間がかからず長く楽しめる木を選びたいと考えるはずです。
また、選ぶときのポイントは、虫がつきにくく病気になりにくい、花や実をつける、生長が穏やかなど人それぞれで違いがあるでしょう。

ここでは、実はこの木は庭木として避けるべきという木を理由とともに紹介します。

サザンカ

◎サザンカは、ツバキ科の一種で、樹高2~6mになる常緑の中高木で日本固有種です。

  • 日陰でも育ち、生垣向きの常緑樹の木とされています。
  • 花は品種により、10月~12月に咲くものや、12月から4月に開花するものがあります。
    花色は白、ピンク、赤、複色など多彩なため、庭木として好まれることが多いです。
  • 実は、サザンカには病害虫がつきやすいというデメリットがあり、特にチャドクガという有毒な虫に対して弱いです。
    チャドクガに触れると、かゆみや発疹などの症状を引き起こします。
  • チャドクガを駆除する方法としては、ポリ袋をかぶせて枝ごと切り取る、殺虫剤を散布する、虫に熱湯をかけるなどがあります。
  • サザンカは寒さに強いと定評がありますが、北海道では地植えでの冬越しは難しいです。

ウバメガシ

◎ウバメガシはブナ科の常緑広葉の小高木で、庭園や公園で生垣や庭木として植えられ、街路樹としての流通も多い木です。

  • 生育が旺盛な植木なので、肥料分が少ない土壌でも育ちます。
  • ただし、肥沃な場所では育ちすぎて、定期的に剪定しないと建物の外壁や他の植物の支障になることがあるので注意が必要です。
  • 伸長を抑えるため、剪定は、新芽が出そろった5月~6月と生長期を過ぎた9月から11月頃の年2回必要です。
  • 剪定の方法は、伸びすぎた枝を整える強剪定や、風通しを良くして虫の発生を抑える透かし剪定、
    生垣の刈込み剪定などがあります。
  • 生長が早い木なので、自然の樹形を保ちながら、太い枝は切り取るなどの手間が必要になります。

プリペット

◎プリペットは、モクセイ科の常緑広葉低木に分類され、樹高は1~4m程度になります。

  • 庭園や公園、商業施設の外構などで生垣や植込みとして使用されることが多い木です。
  • 生育旺盛で成長スピードが早いため、短期間で生垣や目隠しを作りたいときにはおすすめです。
  • しかし、繁殖力が強すぎるので、年2回から3回の剪定が必要になるなど管理に手間がかかる木だといえます。
  • 剪定のほか、落ち葉の清掃の頻度を多くしたり、根の生長を抑制したりする配慮も欠かせません。
  • プリペットの花には、ハマキムシやケムシ、ガの幼虫などが付くことがあるので注意が必要です。

【必見】生垣植栽の管理で押さえておきたいポイントと注意点

生垣の植栽は、おすすめの常緑樹を中心とした、手間がかからず丈夫な植木を列植することから始まります。

植える間隔は、木の根が十分に張れる幅が必要で、一般的には1mあたり2.5本から3本程度が目安です。
目隠しにするのであれば、人の視線を遮ることができる2m前後の高さが必要になるでしょう。

スペースが限られている場所では、奥行きがなくても大丈夫なように、細い樹形を維持できる木を選ぶことも大切です。

生垣植栽の管理は、生垣の目的や環境条件を把握することがポイントです。目的を理解して達成し維持するために、環境に応じた適切な管理をしなければなりません。

さらに、生垣にした木の特性に合わせた、水やり、剪定、施肥、病害虫対策などの管理も求められます。

生垣の手入れや相談をするならプロのサポートがおすすめ!

生垣植栽は自然の移ろいを感じながら、圧迫感を与えずに目隠しできるだけでなく、費用も比較的安価に設置できるため
注目のアイテムとなっています。

ただし、生垣植栽の管理は、剪定一つとっても木の種類に合わせたやり方をしなければなりません。
また、生垣のある場所の環境に合わせた対処も必要なため、良好な状態を維持するのは難しく感じるケースもあるでしょう。

そういうとき、頼りになるのが、生きた植物の扱いを熟知しているプロのサポートです。

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幹線道路が目の前だったり、商業施設や駅など人通りが多い場所に自宅があると、どうしても他人の視線が気になるものです。上手に生け垣で目隠しできると良いですね。
smileガーデンの過去の施工例から、どんな生け垣にするかイメージしてみてませんか?

例)①

お隣との境界線に、生け垣とフェンスと組み合わせて設置していますね。隠したい部分を生け垣、そうでない部分をフェンスと上手に分けています。

例)②

1階で洗濯物を干しているご家庭では、生け垣があると安心ですね。こちらは樹高が高くなり過ぎて、形も悪くうっそうとしています。剪定後は人目を遮断しながら明るい印象のお庭になりました。

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