除草剤には大きく、粒剤型と液体型があり、雑草の状態に合わせて適切な除草剤を選ぶことが重要です。
そして、この2つの型に応じた散布の時機や手順を守ることが、除草剤の効果を最大限に発揮させることに繋がります。
この記事では、除草剤を使う時機、種類別の使い方や手順、使うときの注意点などについて紹介します。ぜひ最後までお読みいただき、失敗しない除草剤散布の参考にしてください。

除草剤を使うタイミングはいつ?


除草剤は、使うタイミングを間違うと、十分な除草効果を発揮できなくなります。ここでは、粒剤型と液体型、それぞれの特徴を踏まえて、除草剤を使うのを避けるべき時機について説明します。

タイミング1

風の強い日は、粒剤型と液体型どちらの除草剤も使うのは避けたいです。粒剤も液体も、風で飛ばされて意図しない方向に飛散してしまう可能性があります。
特に、液体型は風の影響を受けやすくコントロールするのが難しいので、散布する必要のないものにかかってしまいやすいです。

タイミング2

液体型の除草剤は、雨が降ると流れてしまうので雨が降る前に使うのは避けてほしいです。
除草剤は、散布後半日以上経過すれば効果を発揮するとされていますが、散布後2、3日は天気が続く日を選ぶようにしてください。
粒剤型も強い雨が降ると流れてしまう可能性があります。散布後、数日間は晴れの日が続く天気で使用することをおすすめします。

タイミング3

除草剤の使用は、真夏の日中など気温が高い時間帯は避けるべきです。特に液体型は高温だと蒸発しやすいため、効果が期待できなくなります。
粒剤型の場合は除草剤の成分が予想以上に強く作用し、枯らしたい雑草以外にも影響を与えてしまう可能性があります。
除草剤を使うのは、体感で涼しいと感じる朝か夕方以降をおすすめします。

除草剤の使い方のポイント【種類別】


除草剤成分の効力を確実に発揮させるためには、除草剤の種類の特徴を把握することが肝心です。粒剤の除草剤(土壌処理型)と茎葉処理型の除草剤に分けて使い方のポイントを紹介します。

粒剤の除草剤(土壌処理型)の場合

ポイント1

粒剤の除草剤(土壌処理型)は、除草剤の除草成分を土壌に浸透させ、それを雑草が根から吸収することで枯らします。雑草が生えていない状態で使用し、これから生えてくる雑草の発生を抑える除草剤です。
除草成分が浸透しやすいように、雨上がりなどの土壌が湿っている状態で、使った後2,3日は雨が降らない天気での使用が望ましいです。

ポイント2

粒剤型の除草剤は、ムラなく均一に撒くことが大切なので2回撒きがおすすめです。1回目と2回目で、縦横違う方向に撒くと均一性を高めることができます。
散粒機を使用すると、より均一に撒くことが可能になります。
雑草が育っている場合は一定の高さまで刈り取り、所定の使用量の範囲内で多めに撒きましょう。また、土壌への浸透の妨げになるような枯草や刈りカスは事前に取り除いてください。

ポイント3

土壌処理型の粒剤型は土壌にゆっくり浸透し、長期間効果が持続する除草剤です。
土壌内での流動性が高いですから、樹木や草花、水田、畑など枯らしたくない植物の根が生えている場所には散布しないよう注意が必要です。また、傾斜地での使用は絶対に避けてください。

茎葉処理型の除草剤の場合

ポイント1

茎葉処理型の除草剤は液体型が多く、すでに雑草が生えている場合に使用する除草剤です。液体型には、接触型と移行型があり、以下はそれぞれの特徴です。
・接触型|液体型の除草剤には、除草剤がかかった部分だけが枯れる
・移行型|茎や葉、根から吸収された除草成分が雑草内をめぐって雑草全体を枯らす
どちらも、今、生えている雑草に対して効果を発揮するので予防効果はありません。雑草が発生し、さらに生い茂る4~10月頃に撒くのが効果的です。

ポイント2

液体型の茎葉処理型の除草剤には、薬液を水で薄めて使う希釈用と希釈済みの2種類あります。
希釈用は広い範囲で使用する場合におすすめで、所定の使用料の範囲内で除草成分を調整することができます。しかし、薄める手間や散布するための道具が必要です。
希釈済みは、商品のフタを開けるとシャワーのように穴が開いているものが多く、そのまま撒けるので手軽です。

ポイント3

液体型の除草剤も、除草成分の効力を十分に発揮せるためには、粒剤型同様にムラなく均一に撒くことが大切です。また、雑草全体に薬剤がかかるように撒いてください。
除草する対象の区画を縦方向や横方向、S字などで撒いたり、複数回撒いたりするのがおすすめです。

除草剤の使い方と手順【種類別】


除草剤を使うとき、適切な手順に従って行うことは、除草剤の本来の効果を発揮させるために大切です。除草剤の使い方の手順も、粒剤の除草剤(土壌処理型)と液体の除草剤では違うため、それぞれについて説明します。

粒剤の除草剤(土壌処理型)の場合

手順1

まず、使用する除草剤の使用説明書を、しっかりと読むことから始めてください。
同じ粒剤の除草剤(土壌処理型)であっても、商品によって細かい使用方法は違うことがあるため、商品に貼付された説明書の内容を事前に確認しておきましょう。

手順2

次に、実際に粒剤タイプの除草剤を撒きますが、散粒器を使うことをおすすめします。
粒剤の除草剤を使う際は、均一に撒くことが重要なポイントになります。手だけで撒こうとすると、どうしてもばらつきが出やすいです。
狭い場所でも使えるハンディタイプの散粒器であれば、1,000円前後で購入できます。
撒く場所の㎡数を計算し、計量カップなどを使って必要量を散粒器に入れて撒いてください。散粒器も、初めて使うときは取扱説明書をよく読みましょう。

手順3

粒剤タイプの除草剤は、均一に撒くために方向を変えて撒くのがおすすめです。例えば、最初に縦方向、次に横方向で撒く場合は、㎡当りの必要量を2回に分けて撒きます。
撒く際は、一定の速度で歩くことを意識するのがコツです。
除草剤を撒き終わったら、道具の汚れをきれいに清掃して、必ず乾かしてから保管するようにしてください。

液体の除草剤の場合

手順1

液体の除草剤を使う場合も、まず、商品に貼付された使用説明書を確認します。記載されている用法用量の厳守は除草剤を使うときの基本です。
購入する前に説明書をよく読んで、その除草剤の特徴を把握しておくことも大切です。「接触型」「移行型」のどちらなのか、よく効く雑草の種類、雑草の状態による希釈率の違いなどを確認しましょう。

手順2

広い面積に使うときに経済的な希釈用の除草剤を使用説明書通りに希釈します。雑草の種類により薬量や希釈水量が変わるものが多いので注意が必要です。
希釈を必要としないストレートタイプはそのまま撒きます。
撒き方のコツは、雑草の茎や葉に均一に散布することです。狭い面積なら全体が濡れるように、広い範囲ならクランク状に散布するとムラなく散布できます。
撒く際は、ジョウロや噴射機を使用すると効果的です。

手順3

散布後は、薬剤が十分に浸透するまで、散布場所に立ち入らないようにしてください。
撒いた後の器具や道具は、水で充分に洗浄し、しっかり乾燥させてから保管します。使用済みの除草剤の容器は、各自治体の指示に従って適切に処分する必要があります。

除草剤を使用する際の注意点


除草剤を使用する際には、いくつか注意点があります。この注意点に対処することで、除草剤の効果は十分に発揮され、安全性や環境にも配慮した除草剤の使い方となります。

注意点1

除草剤の型別に効果的な使い方のポイントを説明します。このポイントを覚えて対処するだけでも、本来の除草効果が発揮されやすくなります。
粒剤型は、ある程度、土壌が湿っているほうが除草成分は浸透しやすいです。浸透の妨げになるような土壌表面の枯れ草や刈り草は、事前に取り除いておく必要があります。
液体型は、薬剤が浸透して乾く前に雨が降ると除草効果は薄れてしまいます。
液体型の「接触型」は枯らしたい部分にピンポイントに撒き、「移行型」は茎や葉全体が濡れるように撒いてください。
どちらの型も雨や強風は避けて撒くのが基本です。

注意点2

除草剤を使うときは、小さなお子様やペットへの配慮が必要です。除草剤を撒いた直後は、お子様やペットが近づかないようにしてください。
庭や菜園、花壇で使える除草剤は、安全性に配慮はされていますが、除草剤がついた葉を口に入れたり舐めたりすれば体に良くない可能性はあります。
近隣の方への配慮も忘れられません。ベランダの洗濯物に除草剤がかかった、窓から散布した除草剤が入ってきたなどのクレームがないように、事前に声をかけてから撒くようにしましょう。
隣家の庭や外構の草花や野菜苗、庭木にも影響がないか注意することも必要です。

注意点3

除草剤の使用済み容器や除草剤散布後の枯れた雑草の処分についてもしっかりと対処することが大切です。
除草剤の使用済み容器は、容器についている薬剤を洗浄し、お住いの自治体のルールに従ってゴミ出ししてください。使用済み容器をむやみに廃棄したり、不法に投棄したりしてはいけません。
除草剤で枯れた雑草は、一般的に、よく乾燥させて燃えるゴミとして処分します。枯れた草を放置していると腐敗臭が発生したり、生き残っていた雑草が土壌に根付いたりする可能性があります。
枯れた雑草が大量になって、自分で処分が難しいと感じたら、近隣のゴミ処理業者に依頼しましょう。

まとめ


除草剤の効果をしっかりと発揮させるには、除草剤の種類の違いに応じた使い方をすることが大切です。粒剤タイプと液体タイプの、それぞれの特徴を理解するとともに、商品に貼付された使用説明書をよく読むことも必要になります。
除草剤は所定の使い方をすれば安全性は高いですが薬剤の一種ではあります。使用する際は周囲への配慮は欠かせません。
雑草の状態に合わせた除草剤を選び、適切な使い方で撒くことが、除草剤本来の効果を発揮させる使い方です。