スギナは地下茎で広がる非常に繁殖力の強い雑草で、一度生えると何度も再発しやすい厄介な存在です。庭や駐車場、畑などで「抜いてもすぐ生えてくる」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実は、スギナを効果的に駆除するには、適切な時期を選び、地下茎までしっかり枯らせる方法を実践することが重要です。さらに、除草剤の種類や使い方を正しく理解することで、再発防止にもつながります。
本記事では、スギナの特徴や発生原因をはじめ、効果的な駆除方法、除草剤の選び方と使い方、駆除に適した時期まで詳しく解説します。
スギナを駆除する前に特性を理解しよう

スギナは、トクサ科トクサ属の多年生シダ植物で、一度生えると完全に取り除くのが難しい雑草として知られています。効率よく駆除するためには、まずスギナ特有の性質を理解しておくことが大切です。
スギナは地上に見えている部分だけでなく、地下に広く地下茎を張り巡らせて繁殖します。地下茎は深さ30〜50cmほどまで伸びることもあり、一部だけ残っていても再び芽を出す強い生命力を持っています。
そのため、地上部分だけを繰り返し刈り取っても、根が残っている限り再生してしまいます。
また、「スギナは酸性土壌を好むから、石灰を撒けば生えなくなる」とよく言われますが、実はこれは少し誤解です。スギナは「他の植物が育ちにくい酸性で痩せた土壌でも元気に育つことができる」ため、結果的にスギナだけが生き残り、大繁殖してしまいます。そのため、石灰などで土壌を中和するだけでは、根本的な駆除にはつながりません。
さらに、春から初夏にかけてツクシを出し、その後に栄養茎であるスギナが成長します。繁殖力が高く、放置すると周囲へどんどん広がるため、早めの対処が重要です。
「スギナ」と「ツクシ」の関係性
ツクシとスギナは、同じ植物の異なる部位(器官)です。地下にある共通の地下茎でつながっており、春に芽を出す順番や役割が異なります。
春先に顔を出して生殖用の胞子を飛ばす胞子茎を「ツクシ」、それが枯れた後に伸びる光合成のための栄養茎を「スギナ」と呼びます。
ツクシ(胞子茎)は、春先に最初に出てくる茶色の「筆」のような部分です。植物でいう「花」のような役割を持ち、先端から胞子を飛ばして仲間を増やすための繁殖器官です。
スギナ(栄養茎)は、ツクシが枯れた頃、またはその脇から生えてくる緑色の草です。植物の「葉や茎」に相当し、夏に向けて光合成を行い、地下茎に栄養を蓄える役割を持ちます。
スギナはその名のとおり小さなスギの木のような姿になり、地下茎で非常に強く繁殖するため、厄介な雑草として扱われます。
つまり、ツクシとスギナは同じ根から生まれた、それぞれ繁殖と栄養補給の役割を担っている関係です。
スギナを根絶やしにするのが難しい理由
スギナの根絶が難しい最大の理由は、地中深く、網の目のように広がる地下茎にあります。地下茎は地表から数十㎝~1m以上と非常に深いところまで広がっており、完全に掘り起こすことはほぼ不可能です。
抜根作業などで地下茎が途中で切れてしまうと、そのわずか数㎝の断片から新しい芽を出し、かえって数を増やす原因になります。
春先に顔を出すツクシによって遠くまで胞子を飛ばすだけでなく、光合成を行うスギナでしっかりと地下茎に養分を蓄えるため、何度刈り取られても枯渇しません。
また、スギナは日本のやせた酸性土壌を好むため、他の植物が育ちにくい環境でも単独で大繁殖しやすい特徴があります。
完全に根絶するには、無理に引き抜かず、地下茎まで枯らす効果がある「グリホサート系」の除草剤(葉や茎に直接かけて枯らすタイプの薬剤)を散布し、植物の光合成の働きを利用して根っこまで成分を行き渡らせる方法が最も効果的です。
定期的な散布を繰り返すことで、徐々に地下茎の栄養を枯渇させていくのが基本となります。
スギナを駆除せずに放置するリスク

スギナを駆除せずに放置すると、強靭な地下茎を地中深く張り巡らせて短期間で爆発的に増殖し、周囲の植物や農作物の養分・水分を奪って生育を阻害します。
また、スギナが茂ると風通しが悪くなり、害虫が寄りつきやすいです。虫が媒介して別の病気が発生するリスクも高まります。
春にはツクシを発生し、夏には30~60cmほどの背丈になるため、放置すると庭や畑の見栄えが著しく悪化します。
このようなリスクがあるうえに、繁殖力が極めて高いため、隣家の敷地まで侵入して深刻なご近所トラブルに発展することもあるので注意が必要です。
放置していると、被害は確実に拡大していくため、早めに対処することが重要です。
スギナを駆除する方法

スギナは地上部を刈り取っても強健な地下茎が残って繁殖を繰り返す、駆除の非常に難しい雑草ですが、いくつか駆除方法はあります。ここでは、スギナを駆除する方法について詳しく解説します。
除草剤を散布する
厄介なスギナの駆除には、根まで枯らすタイプの液体除草剤(茎葉処理剤)の散布が最も効果的です。効果的な散布手順とコツを以下にまとめました。
- 時期の選定
スギナの成長期の4~6月頃(草丈20~30㎝程度)の晴れた日の午前中に散布します。 - 適切な希釈
希釈タイプ(ラウンドアップやサンフーロンなど)を使う場合、スギナは薬剤を弾きやすいため、説明書に記載されている最も濃い倍率(25倍など)で薬液を作ります。 - まんべんなく噴霧
噴霧器やジョウロを使い、葉と茎の全体がしっかり濡れるようにムラなく散布することが重要です。 - 繰り返し散布
スギナは地下茎でつながっているため一度では根絶できません。遅れて生えてくるスギナに対して、10日おきに計3回ほど繰り返し散布することで、確実に根まで枯らせます。
薬剤散布の前にスギナを根元から刈ってしまうと、薬剤を吸収する面積が減り効果が半減します。散布後に葉がしっかり枯れてから刈り取るようにしましょう。
石灰窒素を撒く
石灰窒素を用いたスギナ駆除は、石灰窒素の作用で地上部を枯らし、地下茎を弱らせる非常に有効な方法です。畑や庭の土壌改良を兼ねて効率よく対策できます。
春先にスギナの緑色の芽(栄養茎)が出たら、朝露や雨上がりで葉が濡れている時間帯を狙って撒きます。水分に反応して成分が葉に付着し、数日で地上部を枯死させることが可能です。
土起こしのタイミングで土中に混ぜると、深い場所に潜む頑固な地下茎を腐熟させて弱らせることができます。散布時は、素手で触ると皮膚が荒れるため、手袋や保護具を必ず着用して扱いましょう。
数週間後に再び芽が出たら、散布を繰り返します。徐々に地下の栄養が尽き、発生が激減します。
散布直後は根を傷めるため、新たな植物を植える場合は1ヶ月ほど期間を空けるようにしてください。
防草シートを敷く
スギナの駆除には、除草剤で根まで枯らした後に、光を完全に遮断する「不織布タイプの防草シート」を敷くのも効果的です。ただし、生命力が非常に強いため、ただ敷くだけでは隙間から突き破ってくる可能性があります。
防草シートを敷く前には、スギナの根まで枯らすタイプの除草剤(グリホサート系など)を散布し、数日間置いて完全に枯らしておきましょう。
防草シートを敷く際は、まず生えているスギナを根元から刈り取り、凹凸や石を取り除いて地面を平らにします。この時、大きな石や尖った枝が残っているとシートを破る原因になります。
隙間や重ね代からスギナが顔を出さないよう、シート同士を10cm以上重ねて敷き詰めます。風でめくれないよう、専用のピンやテープを使って固定してください。
スギナは葉先が硬く、目が粗い織物シートだと繊維の間を突き破って生えてくることがあります。耐久性が高く遮光率99%以上の「高密度不織布タイプ」がおすすめです。
また、防草シートの多くは紫外線に弱いため、むき出しのままにしておくと劣化が早まります。シートの上に5cm程度の厚さで砂利などを敷くことで、シートの保護と景観の向上を同時に行うことができます。
グランドカバーを植える
スギナの駆除の際には、根まで枯らす液体の除草剤で弱らせた後、成長が旺盛で繁殖力が高いグランドカバーを密植して日光を遮る方法も効果的です。
除草剤で枯れたスギナを取り除き、グランドカバーの定着を良くするため、堆肥や腐葉土を混ぜ込んで土を耕します。
スギナの再発を防ぐため、日当たりと養分を奪い取る品種を選んで密植するのがポイントです。クリーピングタイムやクラピア、イワダレソウなどがおすすめです。
スギナがグランドカバーの隙間から顔を出したら、その都度抜き取るか、根元から刈り取ってください。グランドカバーが定着して地面を覆い尽くせば、スギナは日光を浴びられなくなり徐々に衰退していきます。
芝生を敷く
スギナを薬剤で根まで枯らした後、芝生を敷くことは、見た目を美しくするだけでなく駆除対策としてもメリットが大きいです。芝生が地面をびっしりと覆うため、スギナが生育したり日光を浴びたりするスペースをなくし、生えにくい環境を作るからです。
芝生の中にスギナが生えてしまった場合は、芝生は枯らさずにスギナだけを枯らすことのできる「選択性除草剤」を使用するか、見つけ次第こまめに根元から引き抜く(または刈り取る)ことで少しずつ勢いを弱めることができます。
周辺に背の高い植物を植える
スギナの周辺に背の高い植物を植えるのは、日光を好むスギナの成長を遮る(日陰を作る)ことで勢いを弱める有効な予防策となります。ただし、完全に根絶することは難しいため、他の駆除方法と組み合わせるのが効果的です。
スギナは強い光を好むため、背丈の高い植物や低木などを植えて周辺に日陰を作ると、光合成を妨げられ徐々に生育が衰えます。
周辺に背の高い植物を植える際は、成長が早く、葉が茂って日陰を作りやすい植物を選んで植えることがポイントです。
地下茎を深く張るスギナの生命力は非常に強く、植物を植えるだけでは数年単位の時間がかかる場合があるため、他の駆除方法との併用が必要になります。
スギナの駆除に効果的な除草剤

強靭な地下茎を持つスギナにも効果的な除草剤があります。スギナの駆除におすすめの除草剤を2つ紹介します。
グルホシネート系除草剤:速効性と持続性
スギナの駆除には、速効性と持続性に優れた「グルホシネート系除草剤」が効果的です。
散布後2~3日で効果が現れ始め、数日から1週間程度で茶色く枯れていきます。葉や茎から吸収された薬剤が地上部を素早く枯らし、繰り返し散布することでスギナの繁殖を抑えます。
土壌に落ちた成分は微生物によって速やかに分解されるため、大切な植木や畑の土壌環境への影響を最小限に抑えられるのが特徴です。
代表的なグルホシネート系除草剤は以下の2点です。
- ザクサ液剤
有効成分(グルホシネートP)が雑草に素早く浸透し、約7~10日で完全に枯死させます。土壌に落ちると土壌中で分解されやすい特徴があります。 - バスタ液剤
多くの農家やプロに愛用されている代表的なグルホシネート系薬剤です。頑固なスギナはもちろん、幅広い種類の雑草を枯らす強力な速効性を持ちます。
グリホサート系除草剤:遅効性で根茎まで完全に枯らす
葉や茎から成分を吸収し根まで枯らす「グリホサート系除草剤」も効果的です。散布された薬剤が光合成や養分の通り道を通って地下茎まで行き届き、スギナを根本から退治します。
土壌微生物によって分解されるため成分が残留せず、環境に優しい薬剤です。土に落ちた成分は効果を失うため、散布後でもすぐに種まきや苗の植え付けが可能です。
おすすめのグリホサート系除草剤は以下の2点です。
- サンフーロン
農林水産省登録を取得している実績のある代表的な薬剤です。希釈して使用することで経済的に広く散布できます。 - グリホエースPRO
コストパフォーマンスに優れたジェネリック農薬です。スギナなどの難防除雑草にもしっかり効きます。
スギナを駆除する際の注意点

スギナの駆除では、やり方を間違えると逆効果になることがあるため、駆除する際の注意点について解説します。
根っこから引き抜かないと繁殖が続いてしまう
駆除する際は、地上部だけを刈り取って終わりにしないことが重要です。スギナは地下深くまで伸びる地下茎で繁殖しており、茎だけをむしり取っても、地中の根が残っている限り何度でも再生します。
スギナの地下茎は網の目のように深く広がっているため、手作業で土を掘り返してすべて取り除くのは至難の業です。途中で切れた根からさらに増えてしまうこともあるため、無理に引き抜こうとせず、根までしっかり枯らすタイプの除草剤(グリホサート系など)を上手く活用して、再発防止を徹底しましょう。
草刈りのやり方を間違えるとかえって胞子が散乱する恐れがある
草刈りの方法にも注意が必要です。勢いよく刈り払ったり、胞子を飛ばす前のツクシ(胞子茎)を放置したりすると、胞子が周囲へ飛散し、かえって発生範囲を広げる恐れがあります。
特に、春先にツクシが顔を出している時期は気をつけましょう。草刈りを行う場合は、胞子が成熟する前の早い段階で実施し、刈り取った草はそのまま放置せず、速やかに回収・処分してください。
石灰を敷く方法は効果がない
一般的な石灰を敷くだけでは、スギナの駆除には効果がありません。石灰窒素という特殊な肥料成分であれば、土に混ぜ込むことで除草効果を発揮します。
ただし、強いアルカリ性を示すため、使用量や他の植物への影響に注意が必要です。土壌環境に配慮しながら適切に使用することが大切です。
スギナは酸性土壌を好むため、石灰窒素で土壌を中和すると生育環境を改善する効果はあります。しかし、強力な地下茎を完全に枯らすことはできないため、単独では再発を防げません。
スギナを確実に減らすには、除草剤散布や防草シート設置など、ほかの駆除方法と併用することが重要です。
よくある質問

スギナを枯らすにはどうしたらいいですか?
スギナを確実に枯らすには、グリホサート系やグルホシネート系の除草剤を散布するのが効果的です。
グリホサート系は葉から吸収されて地中の根までじわじわと枯らすタイプで、スギナの根絶に最も適しています。
グルホシネート系は即効性が高く、数日で地上部を素早く枯らします。地下茎までは枯らしませんが、土壌に優しく他の作物の近くでも使いやすいのが特徴です。
除草剤を使用する際は、スギナが10〜30cmほどに育ち、葉がしっかり開いたタイミングがベストです。天気の良い日の午前中に散布し、最低でも半日、できれば2〜3日は晴れが続く日を選んでください。
スギナは酢を使って駆除できますか?
スギナは、酢を使って駆除することが可能です。酢に含まれる酢酸の強い酸性が「接触型」の除草成分となり、スギナの地上部を枯らす働きをします。
散布してから2〜3日ほどでスギナが枯れ始めます。ただし地上部のみが枯れ、スギナの強固な地下茎は生き残り、しばらくするとまた生えてくる可能性が高いです。
酢はスギナ専用ではないため、周りにある大切な花や芝生にかかるとそれらも枯れてしまいます。また、土壌が一時的に酸性に傾くため、使いすぎると酸性土壌を好むスギナが育ちやすい環境になってしまうので注意が必要です。

まとめ

スギナは地下茎で広がる繁殖力の強い雑草のため、地上部だけを刈っても再発しやすい厄介な存在です。
効果的に駆除するには、成長期に合わせた除草剤の散布や、地下茎まで取り除く対策を継続することが重要です。また、防草シートや砂利敷きなどの再発防止策を組み合わせることで、長期的な雑草対策につながります。
スギナの特性を理解し、適切な方法と時期で計画的に駆除を進めましょう。
















