カイガラムシは、殻の有無や性質から、大きく硬殻系(マルカイガラムシ)と軟殻・ロウ物質系(カタカイガラムシ・コナカイガラムシ)の2つに分類されます。
ロウ物質系のコナカイガラムシは、全身が白い粉状や綿状のロウ物質に覆われた、体長2〜5mm程度の楕円形の害虫です。この白いロウ物質は薬剤をはじくため、駆除は非常に難しくなります。
この記事では、コナカイガラムシの発生原因や予防方法、発生した場合の駆除方法について解説します。
コナカイガラムシとは何?

コナカイガラムシは、白い綿毛のようなロウ物質で覆われた、体長2〜5mm程度の楕円形のカメムシ目昆虫です。観葉植物や多肉植物、果樹をはじめ、多くの植物の枝葉や隙間に寄生し、植物の汁を吸って生育を阻害します。
コナカイガラムシの排泄物(甘露)は、すす病菌(糸状菌でカビの一種)を繁殖させるので注意が必要です。
成長するにつれて体表に白い粉状のロウ物質をまとい、さらに成長すると体の周囲にロウ物質の突起を形成する特徴があります。
コナカイガラムシによる被害
コナカイガラムシは、植物の茎、葉、根から栄養を吸汁します。植物は栄養を吸われることで、葉の変色や縮れ、枝枯れ、早期落葉などを引き起こします。
また、コナカイガラムシが分泌する甘露(甘い粘液)は、すす病を誘発するため厄介です。植物の葉や果実が黒い粉をかぶったようになり、光合成ができなくなります。
被害を受けやすい植物は、生垣植物、観葉植物、柑橘類、多肉植物などです。たとえば果実(特にナシやカキ)では、へた周辺に寄生し、着色不良や奇形を引き起こします。
春〜秋にかけて発生しやすく、特に気温が高い時期に繁殖が活発になります。大量発生すると、地上部の茎葉だけでなく根にも付着し、株全体を急速に弱らせるのが特徴です。
実際の症状の様子
葉の裏、新芽の隙間、枝の分岐点、株の根元などに、白い綿のような、あるいは粉を吹いたよう塊が付着するのが最大の兆候です。 硬殻系のカイガラムシと違い、成虫になっても歩き回ることがあります。
ベタベタした液体(甘露)が付いた葉や茎は、次第に黒い粉をまぶしたように黒ずんできます。これが「すす病」で、光合成を阻害して植物を弱らせます。
栄養を吸われた植物は、やがて葉が黄色く変色し、しおれて成長が止まります。さらに寄生が進むと枝枯れを引き起こし、最終的には枯死することもあります。
コナカイガラムシが発生する原因とは

コナカイガラムシは、湿気がこもりやすく、風通しの悪い場所を好みます。枝葉が密集している、日当たりが悪い、ベランダや室内で空気が滞留している環境では発生しやすくなります。
水の過不足や肥料の窒素過多、根詰まりなどで植物がストレスで弱っていると、発生しやすくなります。コナカイガラムシは、汁を吸いやすい弱った株を狙って増殖するためです。
外部からの持ち込みも意外と多い原因とされています。新しく購入した苗や観葉植物に付着していたり、風に乗って飛来したりします。
種類によっては乾燥を好むものもあり、室内管理の観葉植物でよく発生します。エアコン使用時期(冬・夏)は特に注意が必要です。
予防には「風通し改善」「適切な水・肥料管理」「定期的なチェック」が大切です。
コナカイガラムシの駆除方法

殺虫剤の散布
コナカイガラムシの殺虫剤による駆除方法の詳細は以下のとおりです。
発生初期:浸透移行性殺虫剤を使用
コナカイガラムシは、ロウに守られているため、植物体内に吸収されるタイプの薬剤が有効です。発生を確認したらすぐに散布し、葉裏・枝分かれ部分まで丁寧に処理します。幼虫期(5~6月頃)が最も効果的です。薬剤は、ベニカXファインスプレー、ベストガード水溶剤、アルバリン顆粒水溶剤などがおすすめです。
大量発生時:マシン油乳剤を使用
ロウに覆われた成虫にも有効で、害虫を油膜で覆い窒息させます。落葉期・休眠期(12~2月)の散布が特に効果的です。気温5℃以上の日に散布してください。
マシン油乳剤は主に庭木や果樹の休眠期向けです。 観葉植物や多肉植物などに使用すると薬害で枯れる恐れがあるため、適用植物を必ず確認してください。
歯ブラシ等で直接除去する
葉の表裏、特に葉の付け根や枝分かれ部分の隙間にいる白いコナカイガラムシを、水で濡らした歯ブラシでこすり落とします。強くこすりすぎると植物の組織を傷つけるため注意が必要です。
手間を省きたい場合は、市販されている園芸用の害虫駆除用ウェットシートなどを活用すると、植物を傷めずに手軽に除去できるのでおすすめです。屋外に移動できる場合は、シャワーの水流で残った幼虫や卵を洗い流すのも有効です。
落ちた虫やゴミはティッシュで包み、その場で廃棄して再付着を防ぎます。
葉や茎ごとカットする
白い綿状のものや白い粉が付着している箇所、ベタついている箇所は、葉や茎ごとカットします。ハサミは、1回切るごとにアルコールで消毒し、別の場所に虫を移動させないようにしてください。
株の大部分が被害を受けている場合は、思い切って全枝を短く剪定(切り戻し)するのも有効です。植物の体力回復と駆除の両方が期待できます。
カットした枝や葉は必ず密封できる袋に入れ、ゴミとして処分してください。周囲に拡散させないことが重要です。
コナカイガラムシの予防法

購入前のチェック
新しい植物を購入する際は、事前にコナカイガラムシがついていないかチェックが必要です。以下のチェックポイントをしっかり確認してください。
- 葉の裏、付け根、株元に白い綿状のものがついていないか
- すす病の症状である黒いすすのような汚れがないか
- コナカイガラムシの排泄物(甘露)でベタついていないか
- 根に寄生していないか、鉢の裏や排水穴を確認する
- コナカイガラムシの排泄物を求めてアリがいないか
特に、葉が密生している植物は注意してください。
湿気がたまりにくい場所で育てる
コナカイガラムシは、高温多湿で風通しが悪く、空気が滞留している環境を好むため、湿気がたまりにくい場所で育てるようにしましょう。
植物の葉が密集していると湿気がこもるため、適度に枝葉を剪定して風通しを確保します。窓辺やベランダなど、空気が停滞しにくい場所に配置するようにしてください。
土が常に湿っていると発生しやすいので、土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えましょう。鉢が複数ある場合は、鉢の間隔を空けるのも湿気をこもらせないためには有効です。
剪定などのケアを定期的に行う
枝葉が混み合うと内部が蒸れやすくなり、コナカイガラムシが繁殖しやすい環境になります。不要な枝や込み合った部分を剪定し、株の内部まで光と風が届くように整えましょう。
剪定は、内向きに伸びた枝を間引き、枯れ枝や弱った枝を早めに除去します。成長期前後に軽く整姿するだけでも、湿気がこもるのを防ぎ、発生リスクを下げられます。
剪定と同様に大切なのが、定期的なチェックです。葉の付け根や枝の部分が特に発生しやすいのでよく見るようにしてください。
卵や幼虫の間に駆除する
コナカイガラムシは、成虫になると白いロウ物質に覆われ、薬剤が効きにくくなります。そのため、卵や孵化直後の幼虫の段階で駆除することが最大の予防法です。
春~初夏、秋の発生期に、小さな白い粉状の固まりや黄色~淡色の幼虫が現れます。
孵化したばかりの幼虫はロウ物質が少なく、活発に移動しています。この発生初期に駆除できれば、大量発生を防げます。
休眠期の予防散布も効果的です。休眠期にマシン油乳剤などを散布すると、枝や幹に付着して越冬している卵や幼虫を窒息させ、翌年の発生密度を下げられます。
コナカイガラムシの被害に関するよくある質問

コナカイガラムシは人体に影響する?
コナカイガラムシは基本的に、人の皮膚に付着しても噛んだり刺したりしないため、人体への直接的な影響はありません。
まれに体液でアレルギー反応が出る可能性があるため、素手で触れないよう軍手や手袋を着用し、処理後は石鹸で手を洗うのが安全です。特に、肌が敏感な方は、駆除の際にも手袋を使用してください。
室内で大量発生した場合、コナカイガラムシの粉状のロウ物質や排泄物(甘露)などが、ハウスダストのようにアレルギー症状を引き起こす可能性はゼロではありません。
コナカイガラムシを放置するとどうなる?
コナカイガラムシは繁殖力が非常に強く、短期間で数が増えるため、放置しておくと株全体に広がってしまいます。
植物は栄養を吸汁されて、葉が黄変したり新芽が縮れたりして生育不良になり、長期間放置すると株が衰弱して枯死することもあります。
また、排泄物(甘露)に「すす病」の黒いカビが発生し、植物の光合成が妨げられてしまうので注意が必要です。
コナカイガラムシの駆除・予防はスマイルガーデンにお任せください

庭木や観葉植物に発生するコナカイガラムシは、放置すると株の生育不良やすす病の原因になります。早期発見・早期対処が大切です。
造園会社として実績豊富なスマイルガーデンが、被害状況や樹種に合わせて適切な駆除・予防方法をご提案します。
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まとめ

コナカイガラムシは、白い綿のような見た目の害虫で、葉や茎に付着して植物の汁を吸います。吸汁された植物は、生育不良や葉の黄変を起こし、株全体が排泄物(甘露)でベタつきます。
放置するとすす病が発生したり、アリが寄ってきて病原菌を他の植物に伝染させたりするので注意が必要です。駆除するには、歯ブラシや布でこすり落とすか、殺虫剤を散布します。
剪定で風通しを良くして湿気をこもらせないこと、定期的に葉裏などをチェックすることが、株の健康を保つコツです。














