アジサイは丈夫で育てやすい植物ですが、アブラムシやカイガラムシ、ハダニなど、さまざまな害虫が発生することがあります。害虫を放置すると、葉や茎が傷んだり、生育に影響したりするため、早めの対策が大切です。
本記事では、アジサイにつきやすい害虫の特徴や予防・駆除方法、よくある病気について詳しく解説します。
大切なアジサイを元気に育てるために、ぜひ参考にしてください。
この記事で分かること

この記事では、以下の内容について解説します。
- アジサイに発生する害虫の種類と特徴
- アジサイに発生する害虫を予防する方法
- アジサイについた害虫を薬剤で駆除する方法
- アジサイによくある病気について
アジサイの健康を保ち美しい花を楽しむためには、発生しやすい害虫の種類と適切な予防・駆除方法をあらかじめ理解しておくことが重要です。
アジサイに発生する害虫と特徴

ここでは、アジサイに発生しやすい害虫を7つ挙げ、その成虫・幼虫の特徴と被害のサインについて解説します。
1.アブラムシ
アブラムシは、体長1~4mmほどの小さな害虫で、アジサイの新芽や若い葉、茎などに群生し、植物の汁を吸って生育を妨げます。
成虫には羽のないタイプと羽のあるタイプがあり、種類によって緑色や黄色、黒色など体色もさまざまです。幼虫は成虫によく似ていますが、体がひと回り小さく、成虫とともに集団で吸汁します。
被害を受けると、新芽や葉が縮れたり変形したりするほか、生育不良や株の衰弱につながることがあります。また、排せつ物である甘露で葉や茎がベタつき、すす病を誘発することもあります。
新芽に小さな虫が密集している、葉がベタベタする、葉や枝が黒く汚れる、アリが頻繁に行き来しているといった症状は、アブラムシが発生しているサインです。
2.カイガラムシ
カイガラムシは、アジサイの枝や茎、葉などに寄生して植物の汁を吸う害虫です。
成虫は体長数mm程度のものが多く、白色や褐色などのロウ状・殻状の物質で体を覆う種類があり、枝に付着した汚れや突起のように見えることがあります。
特に雌の成虫はほとんど移動せず、一か所に定着して吸汁するのが特徴です。幼虫は成虫より小さく、ふ化後しばらくは枝葉の上を移動して寄生場所を探します。
多数発生すると、吸汁によって葉が黄色く変色したり、枝の生育が悪くなったりして、株全体が衰弱することがあります。また、種類によっては排せつする甘露で葉や枝がベタつき、すす病を誘発します。
枝や葉に白い綿状・殻状のものが付着している、葉がベタつく、黒いすす状の汚れが見られる場合は、カイガラムシ発生のサインです。
3.ハダニ
ハダニは、体長0.3~0.5mmほどの非常に小さな害虫で、主にアジサイの葉裏に寄生して汁を吸います。
成虫は赤色や黄緑色などをしており、肉眼では小さな点のように見えます。
幼虫は成虫よりさらに小さく、ふ化直後は3対6本の脚をもち、その後の若虫期には4対8本になります。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明けから夏にかけて増えやすいのが特徴です。
吸汁された葉には、針で突いたような白い斑点やかすり状の模様が現れます。被害が進むと葉全体が白っぽくなったり、黄色や褐色に変色して枯れたりすることもあります。
葉裏に細かな虫が動いている、葉に白い斑点が増えている、細いクモの巣状の糸が付いている場合は、ハダニが発生しているサインです。
4.アザミウマ
アザミウマは、体長1~2mmほどの細長い小さな害虫で、アジサイの葉や新芽、花などに寄生して汁を吸います。
成虫は黄褐色や黒褐色などで、細長い羽をもち、素早く移動するのが特徴です。
幼虫は成虫より小さく、羽がなく、黄色や淡黄色をしています。体が小さいため、花びらの隙間や葉裏などに潜んでいると見つけにくい害虫です。
吸汁された葉には白色や銀白色のかすり状の斑点が現れ、被害が進むと葉が褐色に変色したり、新芽が変形したりすることがあります。花に発生すると、花びらの変色や傷、形の乱れなどにつながる場合もあります。
葉や花に白っぽい斑点や筋が見られる、黒い小さな排せつ物が付着している場合は、アザミウマが発生しているサインです。
5.アジサイハバチ
アジサイハバチは、アジサイの葉を食害するハバチの仲間です。
成虫は体長1cm前後で、黒っぽい体と透明な羽をもち、春ごろに現れて葉の組織内などに産卵します。幼虫は緑色から黄緑色で、イモムシのような姿をしていますが、チョウやガの幼虫とは異なり、腹部に多くの脚があるのが特徴です。幼虫は葉に集まって、縁などから葉を食べ進めます。
発生初期には葉に小さな食害痕や穴が見られ、幼虫が成長すると食害量が増えて、葉が大きく欠けたり葉脈だけが残ったりすることがあります。多数発生すると葉がほとんど食べ尽くされ、株の生育に影響する場合もあります。
葉に不規則な穴や大きな欠損がある、葉の上に緑色の幼虫や黒っぽいふんが見られる場合は、アジサイハバチによる被害のサインです。
6.アオバハゴロモ
アオバハゴロモは、アジサイの枝や茎などに寄生して植物の汁を吸う害虫です。
成虫は体長5~10mmほどで、淡い緑色の羽を屋根のようにたたんで止まるのが特徴です。刺激を受けると素早く跳ねたり飛んだりします。幼虫は白っぽい体をしており、体から白い綿状のロウ物質を分泌するため、枝や茎が白い綿で覆われたように見えることがあります。(※アジサイによくつく「アジサイワタカイガラムシ」と見た目が似ていますが、触れたときに跳ねて動くのがアオバハゴロモの幼虫です)
多数発生すると、成虫や幼虫の吸汁によって新芽や枝の生育が妨げられ、株が弱ることがあります。また、排せつ物によって葉や枝がベタつき、すす病を誘発する場合もあります。
枝や茎に白い綿状のものが付着している、触れると小さな虫が跳ねる、葉がベタついたり黒いすす状の汚れが付いたりしている場合は、アオバハゴロモが発生しているサインです。
7.アオドウガネ
アオドウガネは、コガネムシ科の害虫で、成虫はアジサイの葉を食害し、幼虫は土中で植物の根を食害することがあります。
成虫は体長2cm前後で、光沢のある緑色や青緑色の体が特徴です。主に初夏から夏にかけて活動し、アジサイの葉を食害します。
幼虫は土の中で生活する白色のイモムシ状で、体をC字形に丸めることが多く、植物の根を食べて成長します。
成虫による被害では、葉に不規則な穴が開いたり、葉の縁が大きく欠けたりします。多数発生すると葉脈を残して食べられることもあります。幼虫に根を食害されると、水分や養分を十分に吸収できず、株の生育が悪くなったり、葉がしおれたりする場合があります。
葉に大きな食害痕がある、株が理由なく弱る、土の中から白い幼虫が見つかる場合は、アオドウガネによる被害のサインです。
アジサイに発生する害虫を予防するには

アジサイを害虫から守るには、日頃から発生しにくい環境を整えることが大切です。
害虫の捕殺や光反射シートの活用、周辺の除草など、家庭でも取り組みやすい予防方法を紹介します。
アジサイにつく害虫を捕殺する
アジサイにつく害虫は、発生数が少ないうちに捕殺することで、被害の拡大を防ぎやすくなります。
アジサイハバチやアオドウガネなどの幼虫を見つけた場合は、手袋を着用し、割り箸やピンセットなどを使って取り除きましょう。
アブラムシは数が少なければ粘着テープで取り除いたり、水で洗い流したりする方法もあります。
カイガラムシは、歯ブラシなどで枝や茎からこすり落とすと効果的です。
害虫は葉の裏や新芽、枝の付け根などに潜んでいることがあるため、日頃から株全体をこまめに観察しましょう。葉の食害や変色、虫のふんなどの異変を見つけたら、害虫がいないか確認し、早めに対処することが大切です。
光反射シートを利用してアジサイに害虫が飛来するのを防ぐ
光反射シートをアジサイの株元や周辺に敷くことで、アブラムシやアザミウマなど、一部の害虫が飛来するのを抑える効果が期待できます。
光反射シートは太陽光を反射し、害虫が植物を見つけて飛来・着地するのを妨げるため、薬剤を使わずに取り入れられる予防方法の一つです。
設置する際は、アジサイの周囲に光が十分反射するように敷き、泥や落ち葉などで表面が覆われないよう定期的に手入れしましょう。
ただし、カイガラムシや幼虫による食害など、すべての害虫を防げるわけではありません。葉裏や新芽をこまめに確認し、捕殺などほかの対策と組み合わせることが重要です。
アジサイ周辺の雑草を除草する
アジサイ周辺の雑草は、アブラムシやアザミウマ、ハダニなどの害虫が潜んだり、繁殖したりする場所になることがあります。
雑草を放置すると、そこで増えた害虫がアジサイへ移動し、葉や新芽などに被害を与える可能性があるため、こまめに除草しましょう。
また、雑草が茂ると株元の風通しが悪くなり、湿気がこもりやすくなります。
アジサイの周囲を整理して適度な風通しを確保することは、害虫だけでなく病気の予防にもつながります。
除草する際は、根元から丁寧に抜き取り、落ち葉や枯れ枝なども一緒に取り除きましょう。
株の周辺を清潔に保ち、害虫が発生しにくい環境を整えることが必要です。
アジサイにつく害虫を薬剤を使用して駆除する方法

アジサイにつく害虫を薬剤で駆除する場合、害虫の種類に応じた方法と薬剤選びが大切です。
ここでは、害虫の種類別に効果的な駆除方法と薬剤について解説します。
アブラムシ、カイガラムシ、ハダニの場合
アジサイにつくアブラムシ・カイガラムシ・ハダニには、速効性と持続性を併せ持つ、ベニカXファインスプレーがおすすめです。
アブラムシは発生初期に、ベニカXファインスプレーを丁寧に散布します。
カイガラムシは薬剤が浸透しやすい幼虫の時期(5~8月)を狙って使用します。
ハダニは、葉の裏を中心に薬剤をたっぷり散布してください。
アザミウマの場合
アザミウマの場合は、株全体に成分が行き渡る浸透移行性の殺虫剤やスプレー剤がおすすめです。
家庭園芸用GFオルトラン粒剤は、株元にまくことで根から成分を吸収し、全体へ行き渡るため長期間効果が持続します。
ベニカXネクストスプレーは、害虫に直接吹きかけて素早く退治でき、予防効果も合わせ持ちます。
アオドウガネの場合
アジサイの葉を食べるアオドウガネの成虫には、家庭園芸用スミチオン乳剤を散布して退治します。
見かけた成虫の近くの土には卵がある可能性が高いため、早めの対処が大切です。
根を食べる土の中の幼虫には、ダイアジノン粒剤を土に混ぜ込んで駆除します。(※購入時および使用時は、対象作物に「花き類」の記載があるか製品ラベルを必ず確認してください)
被害を効果的に防ぐため、発生時期に合わせて使用してください。
アジサイハバチ・アオバハゴロモの場合
アジサイにつくアジサイハバチとアオバハゴロモには、浸透移行性(植物に成分が染み込み、それを吸ったり食べたりした虫を退治する効果)を持つ薬剤が効果的です。
アジサイハバチには幼虫にも強力に効くベニカXネクストスプレー、アオバハゴロモには、速効性と持続性を併せ持つベニカXファインスプレーをおすすめします。
アジサイによくある病気

ここでは、アジサイによくある病気、うどんこ病と灰色カビ病について、病気の特徴と効果的な対策について解説します。
1.うどんこ病
うどんこ病は、アジサイの葉や茎などに白い粉をまぶしたようなカビが発生する病気です。
症状が進むと白い部分が広がり、葉が黄変したり縮れたりして、光合成が妨げられ、生育が悪くなることがあります。特に、風通しが悪く、比較的乾燥した環境で発生しやすいため注意が必要です。
対策として、発病した葉は早めに取り除いて処分し、周囲への感染拡大を防ぎます。また、混み合った枝を剪定して風通しを確保し、株間を適切に保つことも大切です。
症状が広がる場合は、うどんこ病に適用のある、ベニカXファインスプレーやベニカXネクストスプレーなどの殺虫殺菌剤を使用し、製品の表示に従って散布しましょう。
2.灰色かび病
灰色かび病は、アジサイの花や葉、茎などに発生するカビによる病気です。
感染すると褐色の斑点や腐敗が生じ、症状が進むと患部に灰色のカビが広がります。特に梅雨など、湿度が高く風通しの悪い環境で発生しやすいため注意が必要です。
対策として、発病した花や葉は早めに取り除き、株元に放置せず処分します。また、混み合った枝を剪定して風通しをよくし、花や葉に水が長時間残らないよう、株元への水やりを心がけましょう。
発生が見られた場合は、花き類・観葉植物の灰色かび病に適用のある殺菌剤を使用します。発病した花や葉を取り除いてから散布するとともに、使用量や使用回数など、製品ラベルに記載された使用方法を守りましょう。
よくある質問

アジサイに付く害虫は?
アジサイには、アブラムシやカイガラムシ、ハダニ、アザミウマ、アジサイハバチ、アオバハゴロモ、アオドウガネなどの害虫が発生することがあります。
吸汁や食害によって葉が変色したり、穴が開いたりするほか、生育が悪くなることもあります。
被害を抑えるためには、葉の表裏や枝をこまめに観察し、害虫を見つけたら早めに駆除することが大切です。
アジサイにつくちょっきり虫とはどんな虫?
ちょっきり虫とは、主にチョッキリゾウムシ類などを指す呼び名で、ゾウムシに近い小型の昆虫です。
バラや果樹などによく見られる害虫ですが、アジサイでも成虫が新芽や若い茎などを傷つけ、産卵することがあります。
産卵後に茎をかじって傷を付けるため、先端がしおれたり折れたりすることもあります。
被害のある枝や成虫を見つけたら、早めに取り除いて処分しましょう。
庭のお手入れなら、スマイルガーデンへ

アジサイを美しく元気に育てるには、アブラムシやカイガラムシ、ハダニなどの害虫対策に加え、適切な剪定や施肥、病気の予防など、日頃のお手入れが欠かせません。
しかし、害虫の種類を見極めて適切な方法で消毒したり、植物の状態に合わせて剪定したりするのは、慣れていない方には難しい場合もあります。アジサイの害虫対策をはじめ、庭木の剪定や消毒、除草など、庭のお手入れは専門業者に依頼するのがおすすめです。
専門業者をご検討なら、スマイルガーデンにぜひご相談ください。
専門知識を持つスタッフが庭の状態やご要望に合わせて、適切な作業を提案します。
害虫対策から定期的なお手入れまで、庭に関するさまざまなお悩みをまとめて相談できます。
まとめ

アジサイには、アブラムシやカイガラムシ、ハダニ、アザミウマなど、さまざまな害虫が発生します。
被害を広げないためには、日頃から葉の表裏や枝を観察し、害虫や食害の跡を早期に発見することが大切です。
発生した場合は、捕殺や適用のある薬剤を使って適切に駆除しましょう。
また、除草や剪定などで風通しのよい環境を整えることも予防につながります。自分での対処が難しい場合は、専門業者への依頼も検討しましょう。















