キョウチクトウの剪定時期やポイント
お手入れ基本情報

キョウチクトウは放置していると横に広がりやすくなる性質があり、1本だけでもかなりの面積を占めてしまうため、定期的に剪定することが大切です。
そこで、キョウチクトウの剪定時期について解説します。

キョウチクトウの剪定時期は9月～翌年3月頃で、比較的長い期間剪定適期があります。この期間であれば、伸び過ぎた枝や込み入った枝を、必要に応じて強めの剪定もできます。
それ以外の時期でも剪定はできますが、軽剪定に留めましょう。

ただし、キョウチクトウはもともと温暖な気候の植物なため、北の方の寒い地域では真冬の剪定は避けたほうが無難です。

例えば、樹高が５ｍ程になったキョウチクトウを、樹高１ｍ程に強めに切って高さを抑える剪定を強剪定と言いますが、キョウチクトウは、その強剪定に耐えることができる強い植物です。
そんなキョウチクトウの強剪定は、9月ごろの成長が落ち着き始める時期に行います。

キョウチクトウは回復力が高い樹木なので、多くの枝を切り落としても暖かい時期にはすぐに回復します。枝の太さも気にせず大胆な剪定が可能ですので、仕立て直しも可能です。

休眠期に入った12月～翌年3月頃は、成長期の夏の間に伸び過ぎた枝や枯れた枝を中心に軽めの透かし剪定を行います。

剪定の時期は基本的にいつでも良いですが、時期によって剪定方法を切り替えると覚えておきましょう。

キョウチクトウの花芽は、およそ4~6月頃の春の時期に枝に花芽を付けます。

そのためキョウチクトウは、7～9月頃の花が咲き終わった後から、翌年3月頃までの間に剪定をすることで、花芽を切ってしまうことを避けることができ、花を存分に楽しむことができます。

もし4月以降に剪定をしてしまうと花芽が付かなかったり、花芽を切ってしまったりして、花が咲かなくなってしまうので注意しましょう。

また、キョウチクトウは日の当たらない枝にはあまり花を付けないため、枝が込み合っている場合は、日の当たる外側ばかりに花を咲かせます。
9月から翌年3月の間に、透かし剪定で内側の枝にも日が当たるようにすると、株全体に花を咲かせるようになります。

キョウチクトウの剪定を自分でしたい方のために、剪定に必要な道具や基本の剪定方法を紹介します。

また、キョウチクトウの剪定で失敗しないための注意点も紹介するので、剪定に挑戦する前にご一読ください。

キョウチクトウの剪定に必要な道具は以下の通りです。

剪定道具は用途に応じていろいろありますが、どれも十分に注意して使用することが大切です。それでは、一つずつ見ていきましょう。

キョウチクトウの剪定では必ず剪定用の手袋を着用しましょう。剪定中に枝の切り口や刃物などで手指を傷つけるのを防ぎます。

手のひら側が樹脂コーティングになっているものは、剪定バサミやノコギリが滑りにくく安全です。

キョウチクトウの剪定で最も活躍するのが、ペンチのような形をした剪定用のハサミです。直径1～2cm程の枝を切るのに使います。

剪定バサミには、バイパス式とアンビル式の2種類があります。バイパス式は上下の2枚の刃を交差させて枝を切断するタイプで、生きた枝を剪定するのに向いています。アンビル式は下刃が受け皿状になっているのが特徴で、硬い枝や枯れた枝を剪定するのに向いています。

剪定バサミはバイパス式もアンビル式もサイズがいろいろあります。手の大きさに合わせて使いやすいものを選びましょう。

植木バサミは刃先が細いので、剪定バサミでは入りにくい込み入った場所に入りやすく、小回りが利きます。剪定バサミほど太い枝は切れませんので、細い枝や最後の仕上げに使用します。

取手の片方の輪には親指を、もう一方の輪には中指から小指までを入れて、人差し指は外に出してハサミを支え、安定させて使うのがコツです。

剪定バサミでは切れないような直径2cm以上の太さの枝は、剪定用のノコギリで切りましょう。
剪定用ノコギリは木工用ノコギリとは違い、お侍さんの脇差のようなノコギリです。細身で刃先20cm～30cmの軽量なものがおすすめです。

注意点として、キョウチクトウの枝をノコギリで切っている最中に、枝の重みで樹皮が裂けてしまうことがあります。枝の切る箇所の下部に少し切り込みを入れてから、その少し外側を枝の上からノコギリで切れば、皮が裂けても切れ込みのところで樹皮の裂けがストップしてくれ、見栄えが悪くなるのを防ぎます。

樹皮が避けるとそこから腐りが入る可能性がありますでの、注意してください。

手の届かない高さの枝を切る時には、脚立を使用します。脚立には脚が4本ある四脚タイプと、脚が3本ある三脚タイプの2種類がありますが、造園業では地面が凸凹した屋外でも安定しやすい三脚タイプを使うのが一般的です。

脚立を使用する場合は、一番上の段に載って作業しない、上を向いて作業しないなどのルールがあります。危険防止のため遵守しましょう。

太い枝を剪定した後の切り口に塗ります。傷口がいつまでも乾かないでいると、栄養が流れ出たり、病原菌に侵されたりする場合があるためです。

キョウチクトウの剪定で使う癒合剤としておすすめなのは、トップジンＭペーストやカルスメイトなどです。

高枝切りバサミ（細い枝なら脚立不要）、熊手（剪定した葉や枝を集めるのに使用します）、箕（ちりとり代わりに使います）、シュロ縄（切ってはいけない枝を一時的にまとめておく紐）、フレコンバッグ（枝葉を入れるごみ袋）などがあると便利です。

キョウチクトウの剪定方法は以下の通りです。

 

基本の剪定手順

①木の全体を見て、剪定後の樹高や樹幅をイメージする。
②株元から伸びているひこばえは地面際で切り落とす。
③仕上げたい樹高や樹幅に合わせて、伸び過ぎた枝を切り戻す。全ての枝を同じ高さで切り揃えるのではなく、扇形になるように意識するときれいにまとまる。
※生垣の場合は高さをそろえても良い。
④重なった枝、内側に向いている枝などは枝の分岐点まで切り戻すように間引く。
⑤切り口に癒合剤を塗る。

キョウチクトウの剪定で注意したい点は、以下の通りです。

①春以降の剪定は避ける
キョウチクトウは夏咲きの花木で、春に出た枝を伸ばしながら花芽を形成します。
そのため、良く年の花を楽しむ場合でも、今年の花が咲き終わってから翌年春先までの長い期間、剪定することが可能です。
春以降に枝先を切てしまうと花が咲かなくなってしまうので要注意です。

ただし、『花は別に・・・』という方にとっては、剪定時期はいつでも構いません！！

②厳冬期の剪定は避ける
キョウチクトウの原産地は、インドや中近東などの温暖な地域なため、冬の厳しい寒さは苦手です。
夏咲きなので、花芽を切り落とす心配がなく冬の間も剪定可能ですが、あまり気温の低い時期に剪定をすると負担がかかってしまいます。
関東以北の場合はなるべく冬の時期の剪定は避けたほうが無難です。

③強い毒に注意
美しい花を咲かせ丈夫で育てやすいキョウチクトウですが、強い毒性を持つ植物でもあります。
花、葉、枝、根などにオレアンドリンやストロファンチンといった成分が含まれており、剪定中に誤って葉や花が口の中に入ってしまうと、吐き気や嘔吐などを引き起こす可能性があります。

また、剪定後の枝葉を放っておくと、子どもやペットが触って被害が出てしまうことがあります。キョウチクトウの剪定をする時には、剪定後の枝葉の始末まで、十分に注意しましょう。

キョウチクトウは剪定可能時期も長く剪定方法自体は難しくありませんが、高さも5m以上に成長し、葉や花などに毒を含んでいるため、剪定作業に不安を感じる方もいるかもしれません。

自分で剪定するのは難しいと感じたら、造園業者・庭師に剪定を依頼するという手もあります。

キョウチクトウを自分で剪定するメリットとデメリットを紹介します。

 

メリット

・剪定道具を揃えてしまえば、ほぼ費用がかからない
・自分のスケジュールで剪定できる
・満足感や達成感が得られる

 

デメリット

・剪定道具の購入に費用がかかる
・剪定道具の収納場所が必要になる
・脚立や刃物を使った作業でケガをする危険性がある
・キョウチクトウの毒による被害を受ける心配がない
・剪定後の枝葉ゴミを自分で処理する必要がある
・時間が取られる
・脚立から落下する可能性

自分で剪定するか業者に依頼するかで悩んでいる方は、メリットとデメリットをよく比較した上で判断してください。

キョウチクトウを自分で剪定することに少しでも不安を感じる場合は、剪定のプロである造園業者や庭師に剪定を依頼することをおすすめします。

キョウチクトウの剪定を依頼する業者は、スマイルガーデンのような全国展開しているチェーン店がおすすめです。ウェブサイトからお住まいの地域にあるチェーン店を検索でき、オンラインで見積もりも取れます。

地元の庭師や造園業者から探す場合は、近所の人や知り合いが実際に使ったことがある業者の中から評判の良いところを選ぶのが安心です。ネット検索で探す場合は、口コミやレビューなどを参考にしましょう。

業者に剪定を依頼するまでの流れは以下の通りです。

①業者に直接電話をかけるか、ウェブサイトの問い合わせフォームを使って、剪定の相談をしてみましょう。剪定してもらいたい樹木の種類、高さ、本数などを伝えましょう。

②オンラインや電話だけで剪定料金を提示してくる業者もありますが、現地調査しないと正確な見積もりが出せないことも多いです。まずは業者に現地を見に来てもらう日時を決め、見積もりを出してもらいましょう。現地調査と見積もりまでは無料で行ってくれる業者が多いです。

③剪定や伐採の依頼が何十本以上となる場合は、特にできれば最低3社から相見積もりを取りましょう。見積もり金額と業者の対応を総合的に比較して、依頼する業者を選びましょう。剪定料金全額を前払いを求めない業者だと、最後まできちんと対応してもらえるので安心です。

キョウチクトウの剪定は自分で行うことも可能ですが、プロの業者に依頼するメリットも多くあります。ここでは、造園業者や庭師に頼むメリットは以下の3つです。

 

美しい仕上がりが期待できる

キョウチクトウは芽吹く力が大変強いため、枝先ばかりを切っていると、切り口から若い枝が四方に伸びる車枝になってしまいがち。
剪定をすることでかえって無駄な枝が増え、花付きや樹形が乱れてしまうこともあります。

庭木のプロに剪定を依頼すれば、キョウチクトウの性質を知った上で適切に枝を切り落としてもらえるため、自然で美しい形に仕上げてもらえます。

 

危険を回避できる

キョウチクトウは剪定せずに放っておくと樹高4m～6mまで大きく生長することもあり、樹高のあるキョウチクトウの剪定には脚立が必要になります。

また、キョウチクトウは葉や花など全体に強い毒を持っているため、剪定中に葉や花が口に入ってしまったり、切り口からの樹液が肌に触れてしまったりすると、吐き気や嘔吐などの症状が出ることがあります。
剪定のプロに依頼することで、危険な作業を回避できます。

 

枝葉ゴミの処分もしてもらえる

キョウチクトウを剪定した後には多くの枝葉ゴミが発生します。自分で剪定する場合は枝葉ゴミの処分も自分で行わなければならず、お住まいの自治体の規定に基づいて枝を一定の長さで切り揃えたり、細かな葉や小枝をゴミ袋に詰めたりするのに大変な労力を要します。

また、キョウチクトウは葉や花に強い毒を持っているため、剪定後の枝葉の取り扱いにも十分注意する必要があります。造園業者に剪定を依頼すれば、安全に気を付けて枝葉ゴミの処分までしてもらえるので安心です。

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