ユリノキの剪定時期やポイント
お手入れ基本情報

原生地では樹高30m程まで生長することもあるユリノキは、定期的な剪定が欠かせません。しかし、剪定は一年中いつでも同じ剪定ができるわけではなく、剪定に適した時期や方法とそうでない時期があります。

ここからは、ユリノキを剪定するのに適した時期について解説します。

ユリノキの剪定は、1～3月頃に行うのがベストです。この時期は落葉期から落葉期の終わりで春に芽を出す直前なので、剪定によるストレスがかかりにくいでしょう。

ユリノキの花芽分化は、花が咲く前の秋の9月下旬～10月上旬です。花は枝先の1か所に1つずつ付くのが特徴です。そのため、すでに花芽が出来ている秋期から冬期にかけて、すべての枝先を剪定で切り落としてしまうと、花が全く付かなくなります。

花を楽しみたい場合は、落葉期の剪定では、枯れた枝や不要な枝を取り除くのみに抑え、他の枝先は切らないようにしましょう。
軽剪定であれば一年中可能です。

ユリノキの剪定を自分でしたいという方のために、剪定に必要な道具や基本の剪定方法を紹介します。また、ユリノキの剪定で失敗しないための注意点も紹介するので、剪定に挑戦する前にご一読ください。

ユリノキの剪定に必要な道具は以下の通りです。

剪定道具は用途に応じていろいろありますが、どれも十分に注意して使用することが大切です。それでは、一つずつ見ていきましょう。

ユリノキの剪定では必ず剪定用の手袋を着用しましょう。剪定中に枝の切り口や刃物などで手指を傷つけるのを防ぎます。

手のひら側が樹脂コーティングになっているものは、剪定バサミやノコギリが滑りにくく安全です。

ユリノキの不要な枝や枯れ枝を切る場合には、ペンチのような形をした剪定バサミを使用します。直径1～2cm程の枝を切るのに向いています。

剪定バサミには、バイパス式とアンビル式の2種類があります。バイパス式は上下の2枚の刃を交差させて枝を切断するタイプで、生きた枝を剪定するのに向いています。アンビル式は下刃が受け皿状になっているのが特徴で、硬い枝や枯れた枝を剪定するのに向いています。

剪定バサミはバイパス式もアンビル式もサイズがいろいろあります。手の大きさに合わせて使いやすいものを選びましょう。

剪定バサミで切れない直径2cm以上の太い枝を切る時に使います。剪定用ノコギリは、木工用ノコギリと比べると細身で、生きた枝が切りやすいよう刃の目が粗いのが特徴です。剪定用ノコギリもサイズがいろいろありますが、最も一般的で使いやすいのは長さ25〜30cmぐらいのノコギリです。

太い枝を剪定した後の切り口に塗ります。ユリノキの剪定で使う癒合剤としておすすめなのは、トップジンＭペーストやカルスメイトなどです。

ユリノキは自生地では樹高30mにもなることのある高木です。手の届かない位置の枝を剪定をする場合は、脚立を使用します。脚立には脚が4本ある四脚タイプと、脚が3本ある三脚タイプの2種類がありますが、造園業では地面が凸凹した屋外でも安定しやすい三脚タイプを使うのが一般的です。

高枝切りバサミ（細い枝なら脚立不要）、熊手（剪定した葉や枝を集めるのに使用します）、箕（ちりとり代わりに使います）、シュロ縄（切ってはいけない枝を一時的にまとめておく紐）、フレコンバッグ（枝葉を入れるごみ袋）などがあると便利です。

ユリノキは幹がまっすぐ伸び、自然樹形が美しく整う樹木です。自然のまま育てることも可能ですが、定期的な剪定でサイズをコントロールすることもできます。

また、枝が込み合うと病害虫の被害をうけやすくなるため、透かし剪定で不要な枝を取り除き、樹冠内の風通しや日当りを改善しましょう。

以下では、ユリノキの剪定方法を紹介します。

 

基本の剪定手順

①木の全体を見て、剪定後の樹高や樹幅をイメージする。
②伸び過ぎて樹形を崩している枝、枯れた枝、内側や下に向かって伸びている枝などの不要枝は、枝の付け根から切る。
③枝が込み合っている部分があれば、交差して伸びている枝や重なっている枝を枝元から取り除く、透かし剪定を行う。
④樹高を抑えたい場合は、木の中心に伸びる主幹を好みの高さまで切り詰める。
⑤切り口に癒合剤を塗る。

ユリノキの剪定で注意したい点は、以下の通りです。

 
①なるべく自然樹形で育てる
ユリノキは幹がまっすぐ伸び、自然と美しい樹形に整います。スペースに余裕のある場合は、樹形を作り込むような積極的な剪定はせず、不要な枝を切る程度の剪定のみ行うのがベストです。

 
②剪定のし過ぎに注意
ユリノキは剪定をしすぎると、自然な円錐形の樹形から楕円形になり、見映えが悪くなることがあります。樹高を抑えたい時は主幹部分を切り詰めることも可能ですが、全体的なバランスを考えて枝を整えましょう。多くの枝を一気に切り戻す強剪定を行うと、樹勢が衰えてしまうことがあるため、過剰な剪定は避けましょう。

 
③脚立を使った剪定には注意
一般的に素人が安全に剪定を行えるのは樹高3m程度の庭木と言われています。ユリノキは原産地では樹高30m程になることもあり、大きく育ったユリノキの剪定は危険な作業です。剪定するのが難しい場合は、プロに依頼するのが安心です。

大きく育ったユリノキを剪定するには脚立が必要となります。脚立を使った高所での剪定作業は危険がつきものですし、剪定後の枝葉の処分も大変です。

多忙で庭仕事をする時間が取れない方や、自分で剪定する自信がない方には、造園業者・庭師に剪定を依頼するという手もあります。

ユリノキを自分で剪定するメリットとデメリットを紹介します。

 

メリット

・剪定道具を揃えてしまえば、ほぼ費用がかからない
・自分のスケジュールで頻繁に剪定できる
・満足感や達成感が得られる

 

デメリット

・剪定道具の購入に費用がかかる
・剪定道具の収納場所が必要になる
・脚立や刃物を使った作業でケガをする危険性がある
・剪定後の枝葉ゴミを自分で処理する必要がある
・時間が取られる

自分で剪定するか業者に依頼するかで悩んでいる方は、メリットとデメリットをよく比較した上で判断してください。

ユリノキは樹高30mになることもある高木で、生長したユリノキの剪定には脚立が不可欠です。ユリノキの剪定に少しでも不安を感じる場合は、剪定のプロである造園業者や庭師に剪定を依頼することをおすすめします。

ユリノキの剪定を依頼する業者は、スマイルガーデンのような全国展開しているチェーン店がおすすめです。ウェブサイトからお住まいの地域にあるチェーン店を検索でき、オンラインで見積もりも取れます。

地元の庭師や造園業者から探す場合は、近所の人や知り合いが実際に使ったことがある業者の中から評判の良いところを選ぶのが安心です。ネット検索で探す場合は、口コミやレビューなどを参考にしましょう。

業者に剪定を依頼するまでの流れは以下の通りです。

①業者に直接電話をかけるか、ウェブサイトの問い合わせフォームを使って、剪定の相談をしてみましょう。剪定してもらいたい樹木の種類、高さ、本数などを伝えましょう。

②オンラインや電話だけで剪定料金を提示してくる業者もありますが、現地調査しないと正確な見積もりが出せないことも多いです。まずは業者に現地を見に来てもらう日時を決め、見積もりを出してもらいましょう。現地調査と見積もりまでは無料で行ってくれる業者が多いです。

③できれば最低3社から相見積もりを取りましょう。見積もり金額と業者の対応を総合的に比較して、依頼する業者を選びましょう。剪定料金全額を前払いを求めない業者だと、最後まできちんと対応してもらえるので安心です。

ユリノキの剪定は自分で行うことも可能ですが、プロの業者に依頼するメリットも多くあります。ここでは、造園業者や庭師に頼むメリットについて解説します。

 

良い仕上がりが期待できる

ユリノキは幹が真っすぐに伸び、円錐形の自然樹形が美しい樹木です。樹高や樹幅を剪定によってコントロールすることができますが、自然樹形を保ちながら枝を切り詰めるには、ある程度コツが必要です。造園業者や庭師に依頼すれば、次の剪定までの生長も見越して適切な枝を切り、見た目の良い庭木に仕立て上げてもらえるでしょう。

 

危険な作業を担ってもらえる

ユリノキは樹高30mになることもある大木で、大きく生長したユリノキの剪定には脚立が必要です。脚立を使っての剪定作業には危険が伴うため、業者に任せるのが安心です。

 

枝葉ゴミの処分もしてもらえる

ユリノキを剪定した後には、大量の枝葉ゴミが発生します。自分で剪定する場合は枝葉ゴミの処分も自分で行わなければならず、お住まいの自治体の規定に基づいて枝を一定の長さで切り揃えたり、細かな葉や小枝をゴミ袋に詰めたりするのに大変な労力を要します。業者に剪定を依頼すれば、枝葉ゴミの処分まで行ってもらえるので安心です。

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