しだれ梅の剪定時期やポイント
お手入れ基本情報

庭木の剪定は一年中いつでもできるわけではなく、剪定に適した時期とそうでない時期があります。ここからは、しだれ梅を剪定するのに適した時期について解説します。

しだれ梅の剪定に最も適した時期は、落葉後の10月頃から翌年の1月頃までの時期です。この時期は葉が落ちて枝だけの状態なため、どの枝が樹形を乱しているのか、どの枝が伸び過ぎているのかが見分けやすいでしょう。花が咲いた直後の3～4月頃にも、枯れた枝を切り落としたり、伸び過ぎた枝を整えたりする軽めの剪定が可能です。

しだれ梅の花芽は、春から生長した枝に7月から8月にかけて時期に形成されます。そのため夏以降にあまり多くの枝を切ってしまうと、翌春に咲く花の数は減ってしまいます。花芽を増やすためには、花の咲いた直後に枝を切るのがおすすめです。

ただし、春の剪定は株への負担も大きいため、強い剪定をすると枯れてしまったり、花芽に生長せず葉芽を多く形成したりする可能性もあります。枝を大きく詰めるような株への負担が大きい剪定は、落葉期にした方が良いでしょう。

しだれ梅の剪定を自分でしたい方のために、剪定に必要な道具や基本の剪定方法を紹介します。また、しだれ梅の剪定で失敗しないための注意点も紹介するので、剪定に挑戦する前にご一読ください。

しだれ梅の剪定に必要な道具は以下の通りです。

剪定道具は用途に応じていろいろありますが、どれも十分に注意して使用することが大切です。それでは、一つずつ見ていきましょう。

しだれ梅の剪定では、必ず剪定用の手袋を着用しましょう。剪定中に枝の切り口、刃物などで手指を傷つけるのを防ぎます。

手のひら側が樹脂コーティングになっているものは、剪定バサミやノコギリが滑りにくく安全です。

しだれ梅の剪定で最も活躍するのが、ペンチのような形をした剪定用のハサミです。直径1～2cm程の枝を切るのに使います。

剪定バサミには、バイパス式とアンビル式の2種類があります。バイパス式は上下の2枚の刃を交差させて枝を切断するタイプで、生きた枝を剪定するのに向いています。アンビル式は下刃が受け皿状になっているのが特徴で、硬い枝や枯れた枝を剪定するのに向いています。

剪定バサミはバイパス式もアンビル式もサイズがいろいろあります。手の大きさに合わせて使いやすいものを選びましょう。

植木バサミは通常のハサミの形をした園芸用のハサミで、直径1cm以下の細い枝を切る時に使います。

剪定バサミで切れない、直径2cm以上の太い枝を切る時に使います。剪定用ノコギリは、木工用ノコギリと比べると細身で、生きた枝が切りやすいよう刃の目が粗いのが特徴です。剪定用ノコギリにはサイズがいろいろありますが、最も一般的で使いやすいのは、長さ20～30cmぐらいのノコギリです。

太い枝を剪定した後の切り口に塗ります。枝の切り口が乾かないでいると栄養が流れ出たり、病原菌に侵されたりすることがあるので、その予防に使用します。しだれ梅の剪定で使う癒合剤としておすすめなのは、トップジンＭペーストやカルスメイトなどです。

しだれ梅は、生長すると樹高5～10mの高木になります。手の届かない位置の枝を剪定をする場合は脚立を使用します。脚立には脚が4本ある四脚タイプと、脚が3本ある三脚タイプの2種類がありますが、造園業では地面が凸凹した屋外でも安定しやすい三脚タイプを使うのが一般的です。

高枝切りバサミ（細い枝なら脚立不要）、熊手（剪定した葉や枝を集めるのに使用します）、箕（ちりとり代わりに使います）、シュロ縄（切ってはいけない枝を一時的にまとめておく紐）、フレコンバッグ（枝葉を入れるごみ袋）などがあると便利です。

しだれ梅の下へ下へと枝が伸びていく習性があります。枝を美しく下垂させるためには、内側や下に向かっている枝は根元から切り落とし、外側に向かって伸びている枝を残すのがコツです。しだれ梅の剪定方法は以下の通りです。

落葉期の剪定手順

①木の全体を見て、剪定後の樹高や樹幅をイメージする。
②枯れている枝、病気の枝、細く弱い枝は、枝の根元から切り落とす。
③外側に広がる枝を残し、下に向かって伸びている枝は根元から切り落とす。
④下垂して地面につきそうな枝は切り戻す。
⑤枝が込み合っている部分は、全体のバランスを考えながら枝を間引きする。
⑥切り口に癒合剤を塗る。

花が咲き終わった直後の剪定手順

①花が咲いた枝を1/3～1/2程度切り詰める。1本の枝に新芽を2～3芽残すのがコツ。
②樹形を乱すように真上に伸びる徒長枝や下向きの枝は根元から切り取る。
③切り口に癒合剤を塗る。

しだれ梅の剪定で注意したい点は、以下の通りです。

①外向きの枝を残す
しだれ梅の枝を枝垂れさせるために、下向きの枝を残してしまう方も多いのですが、基本的には下向きの枝を切り、外向きの枝を残します。外向きの枝はいったん上に伸びそうでも、枝が伸びれば自然と下垂します。一度上に向いてから枝垂れるような空間を作ることで、より美しい樹形が作れます。滝が流れ落ちるような姿をイメージすると、美しく仕立てられるでしょう。

②不要な枝は必ず根元から切る
しだれ梅の枝は、切った部分から枝が分かれやすい習性を持っています。そのため、不要な枝を枝の途中で切ってしまうと、そこからさらに多くの枝が生えてしまい、かえって枝が込み合ってしまうことになります。不要な枝は必ず枝の根元から切りましょう。

③地面につきそうな枝は切る
しだれ梅の枝が地面につくほどまで伸びてしまうと、枝に傷がついて、そこから病原菌が入り込んでしまう可能性があります。また、いかにも手入れが行き届いていない風情で、見た目も良くありません。枝が地面につきそうな枝は、早めに切り戻しておきましょう。

しだれ梅は樹高5～10mと大きく生長することもあり、大きく生長したしだれ梅の剪定には脚立が必要となります。脚立を使った高所での剪定作業には危険が伴います。また、不要な枝を切り落とし、美しく枝が枝垂れるように仕立てるのには、剪定すべき枝を見極める必要があります。

しだれ梅の剪定を自分で行うのが難しいと感じたら、造園業者・庭師に剪定を依頼するという手もあります。

しだれ梅を自分で剪定するメリットとデメリットを紹介します。

メリット

• 剪定道具を揃えてしまえば、ほぼ費用がかからない
• 自分のスケジュールで剪定できる
• 満足感や達成感が得られる

デメリット

• 剪定道具の購入に費用がかかる
• 剪定道具の収納場所が必要になる
• 刃物や脚立を使った作業でケガをする危険性がある
• 剪定後の枝葉ゴミを自分で処理する必要がある
• 時間が取られる

自分で剪定するか業者に依頼するかで悩んでいる方は、メリットとデメリットをよく比較した上で判断してください。

しだれ梅を自分で剪定することに少しでも不安を感じる場合は、剪定のプロである造園業者や庭師に剪定を依頼することをおすすめします。

しだれ梅の剪定を依頼する業者は、スマイルガーデンのような全国展開しているチェーン店がおすすめです。ウェブサイトからお住まいの地域にあるチェーン店を検索でき、オンラインで見積もりも取れます。

地元の庭師や造園業者から探す場合は、近所の人や知り合いが実際に使ったことがある業者の中から評判の良いところを選ぶのが安心です。ネット検索で探す場合は、口コミやレビューなどを参考にしましょう。

業者に剪定を依頼するまでの流れは以下の通りです。

①業者に直接電話をかけるか、ウェブサイトの問い合わせフォームを使って、剪定の相談をしてみましょう。剪定してもらいたい樹木の種類、高さ、本数などを伝えましょう。

②オンラインや電話だけで剪定料金を提示してくる業者もありますが、現地調査しないと正確な見積もりが出せないことも多いです。まずは業者に現地を見に来てもらう日時を決め、見積もりを出してもらいましょう。現地調査と見積もりまでは無料で行ってくれる業者が多いです。

③できれば最低3社から相見積もりを取りましょう。見積もり金額と業者の対応を総合的に比較して、依頼する業者を選びましょう。剪定料金全額を前払いを求めない業者だと、最後まできちんと対応してもらえるので安心です。

しだれ梅の剪定は自分で行うことも可能ですが、プロの業者に依頼するメリットは多々あります。ここでは、造園業者や庭師に頼むメリットについて解説します。

仕上がりが美しい

しだれ梅を美しく仕立てるには、不要な枝を切って枝を整えることが欠かせません。外側に向いている枝を残して内向きの枝は切るなど、全体のバランスを考えながら美しく仕立てるには知識やセンスも必要です。庭木のプロに剪定を依頼すれば、しだれ梅の特徴を熟知した上で、美しく仕上げてもらえるでしょう。

時間や労力を省ける

しだれ梅は生長すると樹高5m以上になることもあり、大きく生長したしだれ梅の剪定には脚立も必要です。また、硬い梅の枝を剪定ノコギリを使って切るのは大変な作業で、時間も労力もかかります。仕事が忙しくてなかなか休みが取れない方、体力に自信のない方は、大変な剪定作業は業者にお任せするのがおすすめです。

枝葉ゴミの処分もしてもらえる

しだれ梅の剪定をした後には、枝葉ゴミが発生します。自分で剪定する場合は枝葉ゴミの処分も自分で行わなければならず、お住まいの自治体の規定に基づいて枝を一定の長さで切り揃えたり、細かな葉や小枝をゴミ袋に詰めたりするのに大変な労力を要します。業者に剪定を依頼すれば、枝葉ゴミの処分まで行ってもらえるので安心です。

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