オオデマリは生長が緩やかで芽吹く力もさほと強くない庭木なので、スペースに余裕があれば剪定せずに放っておくのがベストです。しかし、大きくなり過ぎたり樹形が乱れてきたりすると、切り戻し剪定が必要になります。

オオデマリの剪定はどのようなタイミングで行うべきでしょうか？
ここからはオオデマリの剪定時期について解説します。

オオデマリの剪定の適期は花が咲き終わった後、翌春の花芽が付く前の5月～7月です。
落葉後の11月～翌年3月には植物の成長が止まっている時期で、軽めの剪定が可能です。

オオデマリの花を楽しむためには、剪定の時期を厳守することが大切です。オオデマリは花が咲いた直後の7月～8月頃に、翌年咲く花芽が形成されます。

剪定を6月中、遅くとも7月上旬に終わらせておけば、来年の花芽を切り落としてしまう心配がありません。

もともとオオデマリは自然樹形で育てた方が花付きが良いので、花が付かなくなった古い枝や病気の枝などの不要枝のみを切る、軽めの剪定を心がけましょう。

オオデマリはあまり剪定を好まない植物なので、剪定方法に気を付けないと樹勢を弱めてしまいます。

ここからはオオデマリの剪定を自分でしたいという方のために、剪定に必要な道具や基本の剪定方法を紹介します。また、オオデマリの剪定で失敗しないための注意点も紹介するので、剪定に挑戦する前にご一読ください。

オオデマリの剪定に必要な道具は以下の通りです。

剪定道具は用途に応じていろいろありますが、どれも十分に注意して使用することが大切です。それでは、一つずつ見ていきましょう。

オオデマリの剪定では必ず剪定用の手袋を着用しましょう。剪定中に枝の切り口や刃物などで手指を傷つけるのを防ぎます。

手のひら側が樹脂コーティングになっているものは、剪定バサミやノコギリが滑りにくく安全です。

オオデマリの剪定で最も活躍するのが、ペンチのような形をした剪定用のハサミです。直径1～2cm程の枝を切るのに使います。

剪定バサミには、バイパス式とアンビル式の2種類があります。バイパス式は上下の2枚の刃を交差させて枝を切断するタイプで、生きた枝を剪定するのに向いています。アンビル式は下刃が受け皿状になっているのが特徴で、硬い枝や枯れた枝を剪定するのに向いています。

剪定バサミはバイパス式もアンビル式もサイズがいろいろあります。手の大きさに合わせて使いやすいものを選びましょう。

植木バサミは通常のハサミの形をした園芸用のハサミで、直径1cm以下の細い枝を切る時に使います。

オオデマリを植込みとして仕立てる時に便利なのが刈り込みバサミです。
植木バサミよりも刃の部分が長く、長い柄を両手で持って使います。枝を切るというよりは葉を細かく整える目的で使い、植込みの表面となる広い面積を効率的に整えられます。

トリマーは刈込剪定用の機械です。
燃料によるエンジン式とコードや充電式の電気タイプがございます。

刈込バサミで刈り込むよりも数倍速く作業が可能ですので、生垣や植込みは主にトリマーを使用して作業しますが、プロの庭師はエンジン式を使用します。
なぜなら、電気式は力が弱く、太めの枝が切れない場合があるからです。

ただし、一般個人の方が使用する場合は電気式で十分かもしれません。

太い枝を剪定した後の切り口に塗ります。傷口がいつまでも乾かないでいると、栄養が流れ出たり、病原菌に侵されたりする場合があるためです。オオデマリの剪定で使う癒合剤としておすすめなのは、トップジンＭペーストやカルスメイトなどです。

熊手（剪定した葉や枝を集めるのに使用します）、箕（ちりとり代わりに使います）、シュロ縄（切ってはいけない枝を一時的にまとめておく紐）、フレコンバッグ（枝葉を入れるごみ袋）などがあると便利です。

オオデマリの剪定方法を紹介します。

 

基本の剪定手順

①花が咲き終わった5月～6月の、なるべく早い時期に剪定する。
②伸び過ぎた強い枝、花が付かなくなった古い枝を、枝の付け根から切る。
③枝の込み合っている部分を中心に、他の枝と重なった枝、内側に向いた枝、真っすぐに上に伸びている枝、枯れた枝などの不要な枝を付け根から切り落とす。
④切り口に癒合剤を塗る。

オオデマリの剪定で注意したい点は、以下の通りです。

 
①花芽を切り落とさない
オオデマリは、花が咲いた後の7月～8月頃に花芽を形成します。そのため7月以降に剪定をすると、翌年の花が楽しめなくなります。秋以降に剪定する場合は、枯れた枝や花がつかない古い枝を剪定するのみに抑えましょう。

 
②強剪定はしない
切り詰め剪定などで多くの枝を落としてしまうと、花付きが悪くなり、樹勢も衰えてしまいます。オオデマリは自然樹形で育てた方が花付きが良いので、明らかに不要な枝のみを取り除く軽めの剪定のみ行いましょう。

 
③自然樹形を活かした剪定をする
オオデマリは自然樹形が美しい樹木です。剪定では枝を切り揃え過ぎず、自然樹形を活かして不要な枝を整える程度にしましょう。

オオデマリの剪定は初心者でもできますが、道具を揃えて自分で剪定を行うのは大変だと感じる方も多いでしょう。

自分で剪定するのが難しい場合は、造園業者・庭師に剪定を依頼するという手もあります。

オオデマリを自分で剪定するメリットとデメリットを紹介します。

 

メリット

・剪定道具を揃えてしまえば、ほぼ費用がかからない
・自分のスケジュールで剪定できる
・満足感や達成感が得られる

 

デメリット

・剪定道具の購入に費用がかかる
・剪定道具の収納場所が必要になる
・剪定後の枝葉ゴミを自分で処理する必要がある
・時間が取られる

自分で剪定するか業者に依頼するかで悩んでいる方は、メリットとデメリットをよく比較した上で判断してください。

オオデマリを自分で剪定することに少しでも不安を感じる場合は、剪定のプロである造園業者や庭師に剪定を依頼することをおすすめします。

オオデマリの剪定を依頼する業者は、スマイルガーデンのような全国展開しているチェーン店がおすすめです。ウェブサイトからお住まいの地域にあるチェーン店を検索でき、オンラインで見積もりも取れます。

地元の庭師や造園業者から探す場合は、近所の人や知り合いが実際に使ったことがある業者の中から評判の良いところを選ぶのが安心です。ネット検索で探す場合は、口コミやレビューなどを参考にしましょう。

業者に剪定を依頼するまでの流れは以下の通りです。

①業者に直接電話をかけるか、ウェブサイトの問い合わせフォームを使って、剪定の相談をしてみましょう。剪定してもらいたい樹木の種類、高さ、本数などを伝えましょう。

②オンラインや電話だけで剪定料金を提示してくる業者もありますが、現地調査しないと正確な見積もりが出せないことも多いです。まずは業者に現地を見に来てもらう日時を決め、見積もりを出してもらいましょう。現地調査と見積もりまでは無料で行ってくれる業者が多いです。

③できれば最低3社から相見積もりを取りましょう。見積もり金額と業者の対応を総合的に比較して、依頼する業者を選びましょう。剪定料金全額を前払いを求めない業者だと、最後まできちんと対応してもらえるので安心です。

オオデマリの剪定は自分で行うことも可能ですが、プロの業者に依頼するメリットは多々あります。ここでは、造園業者や庭師に頼むメリットについて解説します。

 

仕上がりが美しい

造園業者や庭師に依頼する最大のメリットは仕上がりの美しさです。オオデマリは自然な樹形を保ちながら整えると美しくまとまりますが、素人ではつい枝を切り揃えてしまいがち。プロに依頼すれば、植木の枝ぶりを見ながら自然な仕上がりにしてもらえます。

 

枝葉ゴミの処分もしてもらえる

複数のオオデマリがある場合や、他の庭木とまとめて剪定したりする場合、剪定後には大量の枝葉ゴミが発生します。自分で剪定する場合は枝葉ゴミの処分も自分で行わなければならず、お住まいの自治体の規定に基づいて枝を一定の長さで切り揃えたり、細かな葉や小枝をゴミ袋に詰めたりするのに大変な労力を要します。業者に剪定を依頼すれば、枝葉ゴミの処分まで行ってもらえるので安心です。

 

脚立を使う危険を回避できる

オオデマリは成長すると3m～4mと大きくなることもあり、手の届かない枝の剪定には脚立が必要となります。脚立に上って剪定バサミを使う作業は危険が伴うため、剪定のプロに依頼する方が安心です。

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