イロハモミジの剪定時期やポイント お手入れ基本情報

イロハモミジはもともとの自然樹形が美しく、頻繁に剪定する必要はありません。庭のサイズに合わせて樹高や樹幅をコントロールしたり、樹形を整えたりするための剪定を行う場合は、剪定に適した時期に行うことが大切です。

ここからは、イロハモミジの剪定時期について解説します。

イロハモミジの剪定時期は、芽吹き始める3～5月と落葉期である10～12月頃が適しています。この時期のイロハモミジは葉を落としている状態なので、切るべき枝が判断しやすいでしょう。

また、3～5月にかけては、伸び過ぎた枝などの不要枝を取り除く軽めの剪定を行います。梅雨明け以降の気温が高い夏場の剪定は、イロハモミジへの負担が大きいので避けましょう。

 

強剪定

イロハモミジの強剪定は、3月～5月の成長期前か成長期に入り始め頃に行います。

ただし、イロハモミジは自然樹形でまとまり、自然樹形が魅力の樹木です。
強剪定してしまうと、見た目は一時的にかなり悪くなってしまうので、強剪定しなくても良いように、高さを維持するために毎年大きくなった分をこまめに剪定しましょう。

 

軽剪定（透かし剪定）

夏の成長が終わり、落葉する10月～12月頃は、夏の間に伸び過ぎた枝や枯れた枝を中心に軽めの剪定の適期です。
ただし、1月から3月にかけても軽剪定は可能です。

イロハモミジが美しく紅葉する条件のひとつに、葉にたっぷりと日光が当たることが挙げられます。
なぜなら、イロハモミジの葉はアントシアニンという赤色系の色素によって鮮やかに紅葉しますが、このアントシアニンを生成するには日光の力が不可欠だからです。

そのため、イロハモミジが美しく紅葉するには、木の全体の日当りを確保することが大切です。枝葉が重なり合って日当りが悪くなると、その部分の葉は紅葉しにくくなります。
3月～5月の剪定では、木の下から覗き込むように、枝の裏側から枝葉の重なり具合を見ながら透かし剪定すると、木全体の日当りを向上できます。

イロハモミジの剪定を自分でしたいという方のために、剪定に必要な道具や基本の剪定方法を紹介します。また、イロハモミジの剪定で失敗しないための注意点も紹介するので、剪定に挑戦する前にご一読ください。

イロハモミジの剪定に必要な道具は以下の通りです。

剪定道具は用途に応じていろいろありますが、どれも十分に注意して使用することが大切です。それでは、一つずつ見ていきましょう。

イロハモミジの剪定では必ず剪定用の手袋を着用しましょう。剪定中に枝の切り口や刃物などで手指を傷つけるのを防ぎます。

手のひら側が樹脂コーティングになっているものは、剪定バサミやノコギリが滑りにくく安全です。

イロハモミジの剪定で最も活躍するのが、ペンチのような形をした剪定用のハサミです。直径1～2cm程の枝を切るのに使います。

剪定バサミには、バイパス式とアンビル式の2種類があります。バイパス式は上下の2枚の刃を交差させて枝を切断するタイプで、生きた枝を剪定するのに向いています。アンビル式は下刃が受け皿状になっているのが特徴で、硬い枝や枯れた枝を剪定するのに向いています。

剪定バサミはバイパス式もアンビル式もサイズがいろいろあります。手の大きさに合わせて使いやすいものを選びましょう。

剪定バサミで切れない直径2cm以上の太い枝を切る時に使います。剪定用ノコギリは、木工用ノコギリと比べると細身で、生きた枝が切りやすいよう刃の目が粗いのが特徴です。剪定用ノコギリもサイズがいろいろありますが、最も一般的で使いやすいのは長さ25〜30cmぐらいのノコギリです。

植木バサミは刃先が細いので、剪定バサミでは入りにくい込み入った場所に入りやすく、小回りが利きます。

剪定バサミほど太い枝は切れませんので、細い枝や最後の仕上げに使用します。

取手の片方の輪には親指を、もう一方の輪には中指から小指までを入れて、人差し指は外に出してハサミを支え、安定させて使うのがコツです。

太い枝を剪定した後の切り口に塗ります。傷口がいつまでも乾かないでいると、栄養が流れ出たり、病原菌に侵されたりする場合があるためです。イロハモミジの剪定で使う癒合剤としておすすめなのは、トップジンＭペーストやカルスメイトなどです。

手の届かない高さの枝を切る時には、脚立を使用します。脚立には脚が4本ある四脚タイプと、脚が3本ある三脚タイプの2種類がありますが、造園業では地面が凸凹した屋外でも安定しやすい三脚タイプを使うのが一般的です。

脚立を使用する場合は、一番上の段に載って作業しない、上を向いて作業しないなどのルールがあります。危険防止のため遵守しましょう。

熊手（剪定した葉や枝を集めるのに使用します）、箕（ちりとり代わりに使います）、シュロ縄（切ってはいけない枝を一時的にまとめておく紐）、フレコンバッグ（枝葉を入れるごみ袋）などがあると便利です。

イロハモミジは自然樹形が美しい庭木で、時には樹高10m近く成長することもありますが、強剪定には弱い傾向にあります。
剪定をする場合は目的を明確にし、樹木の負担にならないように剪定を進めていくことが大切です。

なお、イロハモミジの剪定手順は、目的と方法によって異なりますので見ていきましょう。

 

基本の剪定手順

①枯れている枝、内側に向いている枝、垂直に伸びている徒長枝などの不要枝を、枝の付け根から切り落とす。
②ひこばえは根元から切る。胴吹き芽を手で掴み取る。
③切り口に癒合剤を塗る。

 

透かし剪定の手順

①木の全体を見て、枝が込み合っている部分を探す。
②木の下に立ち枝を裏側から見ながら枝の流れを確認し、重なり合っている枝のうち古い方を切る。
③枯れている枝や伸び過ぎてしまった枝などの不要枝を枝の付け根から切り落とす。
④切り口に癒合剤を塗る。

イロハモミジの剪定で注意したい点は、以下の通りです。

 
①剪定し過ぎない
イロハモミジは自然樹形が美しい樹木です。また、多くの枝を一度に失うことは、イロハモミジにとって大きな負担になります。
枯れた枝や徒長枝など明らかに不要な枝を落とすのみで、枝を切り過ぎたり揃え過ぎたりしないよう、注意しましょう。

 
②枝別れしている部分の付け根で切る
イロハモミジの枝を途中で切ると、その部分から細かい枝が複数伸び樹形が崩れやすくなります。
剪定で枝を切る時は、枝元や根元から切るように心がけましょう。特に夏に剪定すると枝が暴れやすくなるため、剪定時期を守りましょう。

 
③休眠期が短い
イロハモミジは落葉樹ですが、他の落葉樹と比べて冬の間の休眠期が短めです。1月頃から徐々に活動を始めるため、剪定は1月までに終わらせておくのがベスト。
休眠期後に枝を切ると、切り口から樹液が漏れだしやすくなり樹勢を弱める原因となります。

イロハモミジは大きく成長しやすく枝も暴れやすいので、自然な樹形で美しく剪定するのは難しい作業です。また、大きく成長したイロハモミジの剪定には脚立が必要で、脚立を使った剪定作業には危険が伴います。

多忙で庭仕事をする時間が取れない方や、自分で剪定する自信がない方には、イロハモミジの剪定を造園業者・庭師に剪定を依頼するという手もあります。

イロハモミジを自分で剪定するメリットとデメリットを紹介します。

 

メリット

・剪定道具を揃えてしまえば、ほぼ費用がかからない
・自分のスケジュールで頻繁に剪定できる
・満足感や達成感が得られる

 

デメリット

・剪定道具の購入に費用がかかる
・剪定道具の収納場所が必要になる
・脚立や刃物を使った作業でケガをする危険性がある
・剪定後の枝葉ゴミを自分で処理する必要がある
・時間が取られる

自分で剪定するか業者に依頼するかで悩んでいる方は、メリットとデメリットをよく比較した上で判断してください。

イロハモミジは樹高10m以上大きく育つこともあり、脚立を使った高所での剪定作業や、剪定後の枝葉の後片付けをするのは大変な作業になります。
また、イロハモミジの魅力である美しい自然樹形を損なわずに剪定するためには、切るべき枝を見分けることが重要です。脚立を使っての剪定や、剪定する枝の選別などは、イロハモミジの剪定に慣れていない初心者には難しいかもしれません。自分で剪定することに少しでも不安を感じる場合は、剪定のプロである造園業者や庭師に剪定を依頼することをおすすめします。

イロハモミジの剪定を依頼する業者は、、スマイルガーデンのような全国展開しているチェーン店がおすすめです。ウェブサイトからお住まいの地域にあるチェーン店を検索でき、オンラインで見積もりも取れます。

地元の庭師や造園業者から探す場合は、近所の人や知り合いが実際に使ったことがある業者の中から評判の良いところを選ぶのが安心です。ネット検索で探す場合は、口コミやレビューなどを参考にしましょう。

業者に剪定を依頼するまでの流れは以下の通りです。

①業者に直接電話をかけるか、ウェブサイトの問い合わせフォームを使って、剪定の相談をしてみましょう。剪定してもらいたい樹木の種類、高さ、本数などを伝えましょう。

②オンラインや電話だけで剪定料金を提示してくる業者もありますが、現地調査しないと正確な見積もりが出せないことも多いです。まずは業者に現地を見に来てもらう日時を決め、見積もりを出してもらいましょう。現地調査と見積もりまでは無料で行ってくれる業者が多いです。

③できれば最低3社から相見積もりを取りましょう。見積もり金額と業者の対応を総合的に比較して、依頼する業者を選びましょう。剪定料金全額を前払いを求めない業者だと、最後まできちんと対応してもらえるので安心です。

イロハモミジの剪定は自分で行うことも可能ですが、プロの業者に依頼するメリットも多くあります。ここでは、造園業者や庭師に頼むメリットについて解説します。

 

良い仕上がりが期待できる

イロハモミジの魅力は、繊細な枝葉としなやかな幹が作る、柔らかな自然樹形にあります。
剪定の仕方が悪いと枝が角張ったり、整いすぎて人工的に見えてしまったりしますが、どの枝をどこで切るべきかの判断は素人には難しいかもしれません。
造園業者や庭師に剪定を依頼すれば、庭木の枝ぶりを確認しながら、イロハモミジらしい美しい樹形に仕上げてもらえるでしょう。

 

危険な作業を担ってもらえる

イロハモミジは大きく成長すると樹高10mになることもあるため、脚立を使った剪定が必要なケースも少なくありません。
脚立を使って高所で剪定作業を行うには危険も伴うため、業者に任せるのが安心です。

 

枝葉ゴミの処分もしてもらえる

イロハモミジの剪定をした後には、枝葉ゴミが発生します。自分で剪定する場合は枝葉ゴミの処分も自分で行わなければならず、お住まいの自治体の規定に基づいて枝を一定の長さで切り揃えたり、細かな葉や小枝をゴミ袋に詰めたりするのに大変な労力を要します。
業者に剪定を依頼すれば、枝葉ゴミの処分まで行ってもらえるので安心です。

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