レモンの木は、家庭でも育てやすく、爽やかな香りの花や果実を楽しめる人気の果樹です。
一方で、アブラムシやアゲハチョウの幼虫、ハダニ、カイガラムシなど、さまざまな害虫が発生することがあります。害虫を放置すると、葉や果実が傷つくだけでなく、すす病などの病気につながることもあるため注意が必要です。
この記事では、レモンの木に発生しやすい害虫の特徴や被害、対処法をはじめ、害虫が原因で起こる病気や日頃からできる予防方法についてわかりやすく解説します。
この記事で分かること

この記事では、以下の内容について解説します。
- レモンの木に発生する害虫の種類と特徴
- 害虫が原因で起こる病気の対処法
- レモンの木を害虫から守る予防法
レモンの木に発生する主な害虫の特徴を把握し、早期に予防・対策することは、木を枯死から守り、おいしい果実を収穫するために極めて重要です。
レモンの木に発生する害虫

レモンの木には、アゲハチョウの幼虫やアブラムシ、カイガラムシなどの害虫が発生しやすく、それぞれの特徴を知ることで早期発見と対策が可能になります。
ここでは、それぞれの害虫の特徴と、被害のサインなどについて解説します。
1.アザミウマ
アザミウマは、体長1~2mmほどの細長い小さな害虫で、レモンの新芽や若葉、花、幼果などに発生します。
植物の表面を傷つけて汁を吸うため、被害を受けた葉には白っぽい斑点や銀白色のかすれ、縮れ、変形などが現れるのが特徴です。特に新芽や若葉が被害を受けると、生育が妨げられることがあります。
また、開花期から幼果期に加害されると、果皮に褐色や灰白色の傷、かさぶた状の跡が残り、果実が成長しても傷跡が目立つことがあります。
体が非常に小さく発見しにくいため、葉や花、果実に異変がないかこまめに観察し、早期に発見することが大切です。
2.アブラムシ
アブラムシは、体長1~3mmほどの小さな害虫で、レモンの新芽や若葉、枝先などに群生し、植物の汁を吸って生育を妨げます。
被害を受けると、新芽や葉が縮れたり巻いたりするほか、葉が黄色く変色し、ひどい場合は枝の生育が悪くなることもあります。
また、アブラムシが排出する甘い「甘露」にすす病菌が繁殖すると、葉や枝が黒いすすで覆われたようになり、光合成を妨げる原因になります。甘露を求めてアリが集まることも、アブラムシ発生のサインです。
繁殖力が非常に高いため、少数のうちに発見して対処することが大切です。
3.エカキムシ
エカキムシは、ミカンハモグリガの幼虫のことで、レモンをはじめとする柑橘類の新芽や若葉に発生しやすい害虫です。
幼虫は葉の内部に潜り込み、葉肉を食べながら移動するため、葉の表面に白っぽい曲線状の食害痕が残ります。この跡が絵を描いたように見えることから「エカキムシ」と呼ばれています。
被害が進むと葉が縮れたり変形したりして、光合成や新梢の生育に影響を及ぼすことがあります。
特に苗木や若木では生育への影響が大きくなりやすいため、新芽が伸びる時期は葉をこまめに確認し、早期発見・対処することが大切です。
4.カイガラムシ
カイガラムシは、レモンの葉や枝、幹、果実などに付着し、植物の汁を吸う害虫です。
種類によって形や色は異なり、白い綿状のものや、茶色・灰色の殻に覆われたものなどが見られます。
多数発生すると葉が黄変したり、新芽や枝の生育が悪くなったりして、樹勢が低下することがあります。また、種類によっては排せつ物である甘露を出し、すす病を誘発する点にも注意が必要です。
すす病が発生すると葉や枝が黒いすす状のカビで覆われ、光合成が妨げられます。
枝葉に白や茶色の小さな突起が増えていないか、日頃から確認しましょう。
5.カミキリムシ(幼虫・成虫)
カミキリムシは、成虫と幼虫の両方がレモンの木に被害を与える害虫です。
柑橘類ではゴマダラカミキリなどが知られており、成虫は初夏から夏にかけて現れ、枝や葉、若い樹皮などをかじります。
特に注意したいのが幼虫による被害です。
成虫が幹の根元付近などに産卵し、ふ化した幼虫が樹皮の内側や幹の内部を食べながら成長します。食害が進むと水分や養分の通り道が傷つき、樹勢が低下して枝が枯れたり、被害が深刻な場合は木全体が枯れたりすることもあります。
幹の根元に木くずや虫のふんが混ざったものが見られる場合は、幼虫が内部に侵入している可能性があります。
特に若木では被害が大きくなりやすいため注意が必要です。
6.カメムシ
カメムシは、レモンの果実や新芽などに口針を刺し、植物の汁を吸う害虫です。
柑橘類にはチャバネアオカメムシやツヤアオカメムシなどが飛来し、主に果実を加害します。
吸汁された部分には小さな斑点やくぼみ、変色などが生じ、果肉の一部がスポンジ状になることもあります。
幼果が被害を受けると、生育不良や変形、落果につながる場合もあるため注意が必要です。
カメムシは外部から飛来するため、突然被害が発生することがあります。また、刺激すると特有の強い臭いを出すのも特徴です。
果実が大きくなる時期は、こまめに木の状態を確認しましょう。
7.コガネムシ(幼虫・成虫)
コガネムシは、成虫と幼虫でレモンに与える被害が異なる害虫です。
成虫は主に春から夏にかけて活動し、レモンの葉を食べます。葉の縁から不規則に食べられたり、葉脈を残して網目状になったりすることがあり、多数発生すると光合成が妨げられ、木の生育に影響する場合があります。
一方、土の中で生活する幼虫は、白く丸まった体が特徴で、レモンの細い根などを食害します。根の被害が進むと水分や養分を十分に吸収できなくなり、葉が黄色くなる、元気がなくなる、生育が悪くなるなどの症状が現れます。
特に鉢植えや若木では根の量が限られているため、幼虫が多く発生すると木が弱ったり、枯れたりすることもあるため、注意が必要です。
8.コナジラミ
コナジラミは、体長1~2mmほどの白い小さな害虫で、主にレモンの葉裏に寄生して植物の汁を吸います。
成虫は白い羽をもち、葉に触れると周囲へ飛び立つのが特徴です。
幼虫は葉裏に付着して吸汁し、多数発生すると葉が黄色く変色したり、生育が悪くなったりして、木全体の樹勢が低下することがあります。
また、排出する甘露によって、すす病が発生することもあります。
葉や枝が黒いすす状のカビで覆われると、見た目が悪くなるだけでなく、光合成が妨げられる原因にもなります。
葉裏に白い成虫や幼虫がいないか、定期的に確認することが大切です。
9.サビダニ
サビダニは、体長0.1~0.2mmほどと非常に小さく、肉眼では見つけにくいダニの仲間です。
レモンなどの柑橘類では、主に葉や果実の表面に寄生して汁を吸います。被害を受けた果実は、果皮が褐色から黒褐色に変色し、表面がざらついた「サビ果」になるのが特徴です。
被害が進むと果実の見た目や商品価値が低下します。また、葉に寄生すると褐変や生育不良を引き起こすこともあります。
高温で乾燥した時期に増えやすく、虫そのものを見つけるのが難しいため、果皮の色や表面の変化をこまめに観察し、被害のサインを早めに見つけることが大切です。
10.ハダニ
ハダニは、体長0.3~0.5mmほどの非常に小さな害虫で、主にレモンの葉裏に寄生して汁を吸います。
被害を受けた葉には、針で突いたような白い小さな斑点やかすれが現れ、発生数が増えると葉全体が白っぽくなったり、黄色や褐色に変色したりします。
被害が進むと光合成が十分に行えなくなり、葉が落ちて木の生育や果実の肥大に影響することもあります。また、種類によっては葉や枝の間に細い糸状の巣が見られる場合もあります。
ハダニは高温・乾燥した環境で繁殖しやすいため、特に夏場は葉裏をこまめに確認し、被害を早期に発見することが大切です。
11.ハマキムシ
ハマキムシは、ハマキガ類の幼虫の総称で、レモンの新芽や若葉などを食害する害虫です。
幼虫は糸を吐いて葉を巻いたり、複数の葉をつづり合わせたりして、その内側に潜みながら葉を食べます。
被害を受けた葉には穴や食べ跡ができ、巻いた葉が目立つようになります。
発生数が多いと新芽や若葉が次々と食害され、葉が減って光合成が妨げられ、木の生育が悪くなることもあります。
特に苗木や若木では、被害が大きいと樹勢の低下につながるため注意が必要です。
巻いた葉や糸でつづられた葉を見つけたら、内部に幼虫やふんがないか確認しましょう。
12.アゲハチョウの幼虫
アゲハチョウの幼虫は、レモンをはじめとするミカン科の植物を好んで食べる害虫です。
若齢幼虫は黒褐色に白い模様があり、鳥のふんに似た姿をしていますが、成長すると鮮やかな緑色になります。
主に新芽や若葉を食害し、成長した幼虫は食べる量が多いため、短期間で葉が大きく減ることもあります。特に苗木や若木では、葉を大量に食べられると光合成が十分にできなくなり、生育が悪くなったり樹勢が低下したりするため注意が必要です。
葉に大きな食害痕や黒っぽいふんが見られた場合は、葉裏や枝に幼虫がいないか確認しましょう。
13.アオバハゴロモ
アオバハゴロモは、レモンの新芽や若い枝、葉などに寄生し、植物の汁を吸う害虫です。
成虫は体長5~7mmほどで、淡い緑色の羽をもち、刺激を受けると素早く飛び跳ねます。幼虫は白い綿状のろう物質に覆われており、枝や葉柄などに集まって吸汁するのが特徴です。
多数発生すると、新芽や枝の生育が妨げられ、樹勢が低下することがあります。また、幼虫が出す白いろう物質によって枝葉の見た目が悪くなるほか、排せつ物にすす病菌が繁殖し、葉や枝が黒く汚れる場合もあります。
枝に白い綿のようなものが付着している場合は、幼虫が発生していないか確認しましょう。
14.バッタ
バッタは、レモンの葉や新芽をかじって食害する害虫です。
オンブバッタなどが庭や畑に飛来し、葉の縁から不規則に食べたり、葉の中央に穴を開けたりします。成虫だけでなく幼虫も葉を食べるため、数が多いと短期間で葉が大きく減ることがあります。
特に苗木や若木は葉の量が少なく、被害が続くと光合成が十分に行えず、生育不良や樹勢の低下につながるため注意が必要です。葉に大きな穴やかじられた跡があり、周囲に黒っぽいふんが落ちている場合は、バッタによる食害が疑われます。
日中に枝葉や株元を確認すると見つけやすいでしょう。
15.ホコリダニ
ホコリダニは、体長0.2mm前後と非常に小さく、肉眼では見つけにくいダニの仲間です。
レモンでは主に新芽や若葉、幼果などに寄生し、植物の汁を吸って被害を与えます。
新芽や若葉が被害を受けると、葉が縮れたり変形したりするほか、褐色に変色して生育が悪くなることがあります。
また、幼果が加害されると果皮が褐変したり、表面がざらついたりして、果実の外観を損なう原因になります。
ホコリダニ自体は非常に小さいため、虫の姿よりも新芽の萎縮や葉の変形、果皮の異常などから発生に気づくことが多く、こまめな観察による早期発見が大切です。
害虫が原因で起こる病気

レモンの木に害虫が発生すると、吸汁や食害によって木が弱るだけでなく、害虫の排せつ物などが原因ですす病などの病気を引き起こすことがあります。
ここでは、害虫が原因で起こる主な病気と、その原因や対策について解説します。
すす病の原因と対処法
すす病は、レモンの葉や枝、果実などが黒いすす状のカビで覆われる病気です。主な原因は、アブラムシやカイガラムシ、コナジラミなどの害虫が排せつする甘露です。
対策では、原因となる害虫を捕殺したり、適用のある殺虫剤で駆除したりすることが重要です。また、混み合った枝を剪定して風通しをよくし、害虫の発生を予防しましょう。
付着したすすは、水で洗い流したり、やわらかい布で拭き取ったりします。
モザイク病の原因と対処法
モザイク病は、レモンの葉に濃淡のあるまだら模様が現れたり、葉が縮れたりするウイルス性の病気です。
主に感染した苗木や接ぎ木、ウイルスが付着した剪定ばさみなどの道具を通じて広がるほか、アブラムシなどの害虫がウイルスを媒介して感染を広げる場合もあります。
一度発病すると治療できる薬剤はないため、感染が疑われる株は早めに除去・処分し、周囲への感染拡大を防ぐことが基本です。
予防策として、媒介となる害虫を防除することや、剪定ばさみを使用する前後に消毒して清潔に保つことが重要です。
レモンの木を害虫から守るには

レモンの木の害虫を予防するには、害虫が発生・侵入しにくい環境を整えることが大切です。
適度な剪定や防虫ネットの設置、害虫を捕食する益虫の利用、コンパニオンプランツの活用など、薬剤だけに頼らない予防方法について紹介します。
適度に剪定する
レモンの木は、適度に剪定して枝葉の風通しや日当たりをよくすることで、害虫が発生しにくい環境を整えられます。
枝葉が密集すると、カイガラムシやハダニ、アブラムシなどの害虫を発見しにくくなり、被害が広がることがあります。
枯れ枝や内向きに伸びる枝、重なり合った枝などを適度に剪定しましょう。
ただし、切りすぎると木に負担がかかるため、樹形や生育状態を確認しながら行うことが大切です。
防虫ネットを活用する
防虫ネットを活用すると、アゲハチョウやカメムシなどの害虫がレモンの木に飛来したり、産卵したりするのを物理的に防げます。
特に、鉢植えや樹高が低い若木はネットで覆いやすいため、害虫対策として取り入れやすい方法です。
使用する際は、害虫が入り込まないように隙間なく設置し、枝葉がネットに強く触れないよう、余裕をもたせましょう。
また、ネット内に害虫がいないか定期的に確認することも大切です。
開花中は受粉を妨げる可能性があるため、必要に応じてネットを外すなどの工夫も必要です。
益虫を利用する
テントウムシやクサカゲロウなどの益虫を利用することも、レモンの木の害虫対策に役立ちます。
テントウムシはアブラムシなどを捕食し、クサカゲロウの幼虫もアブラムシやカイガラムシ類などの小さな害虫を捕食します。
益虫がいる場合はむやみに駆除せず、活動しやすい環境を保つことがポイントです。また、殺虫剤を使用すると益虫まで減らしてしまう可能性があるため、薬剤を使う際は種類や使用方法を確認し、必要最小限の使用を心がけましょう。
コンパニオンプランツで害虫を予防する
レモンの木の周囲にコンパニオンプランツを植えることも、害虫対策の一つです。
例えば、香りの強いハーブ類やマリーゴールドなどを組み合わせることで、害虫が寄り付きにくい環境づくりを補助できる場合があります。ただし、コンパニオンプランツだけで害虫の発生を完全に防ぐことはできません。
日頃の観察や剪定、防虫ネットなどの対策と併用することが大切です。
また、植物同士の生育を妨げないよう、日当たりや水分、植え付け間隔などにも注意しましょう。
よくある質問

レモンの木に害虫がつくのを予防する方法は?
レモンの木の害虫予防には、こまめな観察と適度な剪定が大切です。
枝葉が混み合うと風通しが悪くなり、害虫が発生しやすくなるため、不要な枝を剪定しましょう。
また、防虫ネットで害虫の飛来を防ぐ、雑草や落ち葉を取り除いて清潔に保つといった対策も有効です。
害虫を見つけた場合は早めに捕殺し、必要に応じて適用のある薬剤を使用すると被害の拡大を防げます。
レモンの木に寄ってくる害虫は?
レモンの木には、アブラムシやアザミウマ、ハダニ、カイガラムシ、エカキムシ、コナジラミ、カメムシなど、さまざまな害虫が寄ってきます。
また、アゲハチョウの幼虫は葉を好んで食べるため、特に注意が必要です。
害虫によっては葉や果実を傷つけたり、すす病などの原因になったりするため、日頃から葉の表裏や枝、果実を観察して早期発見に努めましょう。
レモンの葉がかじられている時はどうしたらいい?
レモンの葉がかじられている場合は、まず葉の表裏や枝、新芽の周辺を確認し、害虫がいないか探しましょう。
葉を食べる主な害虫には、アゲハチョウの幼虫やハマキムシ、バッタ、コガネムシの成虫などがいます。見つけた害虫は、数が少なければ割り箸やピンセットなどで捕殺する方法が有効です。
被害が広範囲に及んでいる場合や害虫が多く発生している場合は、害虫の種類を特定し、レモンの対象害虫に適用のある殺虫剤を使用します。
薬剤はラベルに記載された使用方法や希釈倍率、使用時期を守ることが大切です。
また、被害を早期に発見できるよう、普段から葉の食害やふん、幼虫の有無をこまめにチェックしましょう。
庭のお手入れなら、スマイルガーデンへ

レモンの木を元気に育てるには、害虫の早期発見や駆除だけでなく、剪定や施肥など日頃のお手入れも大切です。
しかし、害虫の種類を見分けたり、高い場所まで確認したりする作業は、慣れていない方には難しい場合があります。
レモンの木の害虫対策や庭木のお手入れでお困りなら、専門業者「スマイルガーデン」への依頼がおすすめです。庭木の剪定や消毒、施肥をはじめ、植栽・伐採・抜根など、庭に関するさまざまな作業に対応しています。
害虫が発生しにくい環境づくりや、庭全体のお手入れをまとめて相談できるのもメリットです。
レモンの木を健康に育て、美しい庭を維持したい方は、スマイルガーデンへの依頼をご検討ください。
まとめ

レモンの木には、アブラムシやハダニ、カイガラムシ、アゲハチョウの幼虫など、さまざまな害虫が発生します。
害虫を放置すると、葉や果実が傷つくだけでなく、すす病などの病気につながることもあるため、早めの対処が大切です。
日頃から葉の表裏や枝、果実を観察し、剪定や防虫ネットなどで予防しましょう。
害虫が大量発生している場合や自分での対処が難しい場合は、専門業者への依頼も検討し、レモンの木を健やかに育てましょう。















