庭木とは、住宅の庭や敷地に植えられる樹木の総称です。観賞用として景観を整えるだけでなく、シンボルツリー、日除け、防風、プライバシー保護などの役割を果たします。
庭木には、常緑樹、落葉樹、高木、中木、生垣などさまざまな形状や特徴のものがあり、それぞれの目的や条件で選択することが必要です。
本記事では、庭木の種類や失敗しない選び方を解説しています。また目的や条件ごとに、おすすめの庭木を10種類紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

庭木と植木の違いとは?

庭木と植木は、どちらも「植えられた木」を指しますが、場所や目的で使い分けられています。
庭木は、個人住宅の庭や庭園、マンションの敷地内などの木に対して使われます。観賞用、目隠し、庭の景観を整えるのが目的で、人の手で管理され美しく保たれていることが多いです。
植木は庭だけでなく、公園、街路樹、鉢植えなど広範囲の木が対象で、樹木全般を指す包括的な言葉だといえます。目的も、緑化、販売、観賞など多岐にわたります。
家庭で育てているものを指す場合は「庭木」や「植木」のどちらでも問題ありません。一方、山林にあるものや、公園などの公共性の高い木は「植木」と呼ぶのが一般的です。

常緑樹

常緑樹は、一年中葉をつけたままの樹木のことです。秋や冬に一気に葉を落とすことはなく、古い葉が少しずつ落ち、新しい葉と入れ替わっていきます。
常緑広葉樹と常緑針葉樹があり、広葉樹の葉は平たくツヤがあり、針葉樹は細長い針状の葉か鱗片状をしています。
冬でも葉が残るため目隠しや防風・防音効果があり、庭木、生垣、シンボルツリーとして人気が高いです。

落葉樹

落葉樹は、秋から冬にかけて、または乾燥期に全ての葉を落として休眠状態に入る樹木のことです。落葉は、寒さや乾燥から自身の水分を守るための生態です。
春に新芽、夏に青葉、秋に紅葉、冬に枝のラインと、四季の移ろいをはっきりと感じられるのが最大の特徴となっています。
花や実をつける種類も多く、葉の形や紅葉の色も多彩で、さまざまな魅力で楽しませてくれる樹木です。

庭木の選び方とポイント

植える際のスペースを考える

狭い場所や新築の限られたスペースに植える場合、植えてから数年後の姿をイメージすることが大切です。
狭い場所に高木を植えると、剪定に追われるか、通路をふさぐ可能性があります。人や車が通る場所、玄関ドアの開閉、窓の視界などの支障にならない場所に配置します。
樹木が根を広げるスペースの確保も必要です。建物の基礎や塀から少なくとも0.5〜1m以上は離すのが安全です。
また、隣家との境界線ギリギリに植えると、成長すると枝が越境してトラブルの原因になることがあるので注意が必要です。

庭木の種類と日当たりの条件があっているか

庭木は、樹種の特性と、植える場所の日当たり条件が合っているかを確認することも重要なポイントです。一日中、日が当たる場所は陽樹が適していて、半日陰・日陰になる場所は陰樹(耐陰性のある樹種)があっています。
陽樹のおすすめは、コナラ、クヌギ、ヤマザクラ、アカマツ、ブルーベリー、ムクゲなどです。陰樹は、ソヨゴ、ハイノキ、カクレミノ、ツバキ、サザンカ、アオキなどがおすすめです。
状況に応じて、日当たり条件の他、風通しや土壌の条件なども検討する必要があるでしょう。

剪定など管理やお手入れの頻度が自分に合っているか

庭木選びでは、植えた後の剪定などの管理やお手入れの頻度が自分に合っているかを考慮することも大切です。樹種によっては、きちんとお手入れができないと樹形が乱れ、花や実がつかなくなったり、庭木の周りが不衛生になったりします。
なるべく手間を省きたい方は、自然樹形のまま観賞できて生長は穏やか、病害虫に強い樹種を選ぶのがおすすめです。
ガーデニングが趣味で剪定やお手入れを楽しめる方は、お手入れの頻度にとらわれないので、選択肢の幅は広がります。

自分の目的に合っているか

庭木選びでは、植える目的を明確にして、それに合っていることが大事です。ここをおろそかにすると、後で「思っていたのと違う」となりがちです。
以下に目的別のポイントをまとめました。

  • 目隠し・プライバシーの確保|常緑樹が基本で生長が早すぎないものを選ぶ
  • 景観を良くしたい|花・葉・樹形の美しさを重視、四季の変化を楽しむなら落葉樹
  • 手入れをできる限り減らしたい|生長がゆっくりで自然樹形で楽しめるもの
  • シンボルツリーとして植えたい|最終的な樹高・葉張りを確認し周囲とのバランスを考える

目的が1つでない場合でも、優先順位は決めておきましょう。

お手入れが簡単なおすすめの庭木4選

ソヨゴ

分類モチノキ科モチノキ属(常緑広葉樹)
原産地日本、中国、台湾
樹高2~5m

葉は楕円形で縁が大きく波打ち光沢があり、樹皮は滑らかです。5~6月に白い花が咲き、10~11月に赤い実が房状に垂れ下がって実ります。
病害虫に強く、水やりも根付いてしまえば必要ありません。日なた~半日陰でも育ちますが、西日や真夏の乾燥だけには注意してください。
生長は非常に遅く、剪定の手間はほとんどかかりません。寒さ・暑さに比較的強く、初心者にも扱いやすい庭木です。

アオダモ

分類モクセイ科トネリコ属(落葉中高木)
原産地日本(北海道~九州)、朝鮮半島
樹高5~10m

株立のものが多く、爽やかな姿でモダンな庭によく馴染むことで人気が高いです。春は白く綿毛のような花、夏は涼しげな緑、秋は美しい紅葉が楽しめます。
自然な樹形が美しく、枝が混みにくいため、枝を間引く程度の剪定で管理できます。葉が細く、量もそれほど多くないため、冬の落ち葉掃除の負担も少ないです。
寒さ・暑さに強く、病害虫の被害も少ないため、管理の容易な庭木です。

ハイノキ

分類ハイノキ科ハイノキ属(常緑広葉樹)
原産地日本(本州の近畿地方以西、四国、九州)
樹高2~5m(最大で10m程度)

生長が非常に遅く、4~5月頃に梅に似た白い小花を咲かせる常緑小高木です。自然樹形で美しくまとまるため、剪定は枯れ枝を落とす程度の弱剪定で十分です。
日陰~半日陰でも育つため、植える場所を選びません。病害虫にも強いですが、植え付けから2年程度は根張りが浅いため、土壌の乾燥に注意してください。
狭い場所でも育てやすく、洋風・和風どちらにも合う庭木です。

常緑ヤマボウシ

分類ミズキ科ミズキ属(常緑広葉樹)
原産地中国南部~インドネシア半島
樹高3~5m

5~6月頃、白やクリーム色の花びら状の総苞片(そうほうへん)を多数つけます。実は9~10月頃に赤く熟し、マンゴーのような甘みがあります(食用可能)。
日当たり、水はけのよい場所に植えるのが理想です。耐暑性は強いですが、耐寒温度はマイナス5℃~マイナス8℃程度とされています。
自然樹形でまとまるため、大がかりな剪定は必要ありません。冬場も葉が残るため、目隠しやシンボルツリーとして最適です。

見栄え重視のおすすめの庭木3選

イロハモミジ

分類ムクロジ科カエデ属(落葉高木)
原産地日本(本州、四国、九州)、東アジア
樹高3~5m

日本原産の代表的な落葉高木で、秋の紅葉の美しさから庭園や公園のシンボルツリーとして非常に人気があります。自然に樹形が整いやすく、剪定管理が比較的楽です。
日当たりが良い場所を好みますが、強すぎる西日は避けてください。美しい紅葉には日光が必要ですが、半日陰でも育ちます。
日本庭園の定番樹木ですが、洋風の庭でも低木や割石、ライトアップなどとの組み合わせで、モダンな演出も可能です。

サルスベリ

分類ミソハギ科サルスベリ属(落葉高木)
原産地中国南部
樹高2~10m(矮性品種は1~2m)

夏から秋の鮮やかな花、ツルツルとした美しい幹の肌、秋の紅葉と1年を通して鑑賞価値が高い落葉高木です。日当たりと水はけの良い場所を好み、病害虫に強く非常に丈夫です。
葉や花の雰囲気が違う品種がいくつかあり、和風から洋風、ナチュラルガーデンや和モダンまで合わせることができます。
特に、矮性品種は鉢植えや狭い庭でも楽しめるのでおすすめです。

シマトネリコ

分類モクセイ科トネリコ属(半常緑高木)
原産地台湾、インド、フィリピン、沖縄
樹高5~10m以上(剪定で調整可能)

明るく爽やかな小葉が魅力で、日なたを好みます。育てやすい強健な性質ですが、成長が非常に早く、放っておくと巨大化しやすい点には注意が必要です。
定期的な剪定(春~秋)を行い、高さや樹形をコントロールすることが限られたスペースで長く楽しむためのポイントです。
日当たりから明るい日陰を好み、夏の西日にも強いです。
株立の樹形が特に人気で、洋風・和風どちらの庭にも馴染みます。地植えは一般的に関東以西ですが、鉢植えでも人気が高く、5~7月に白く小さな可憐な花を房状に咲かせます。

限られたスペースで育つコンパクトな庭木3選

ヒメシャリンバイ

分類バラ科シャリンバイ属(常緑低木)
原産地日本(本州の関東以南、四国、九州、沖縄)
樹高1~2m

生長が遅く、剪定の手間も少ないため、小規模な庭や鉢植え(コンテナ栽培)に最適な庭木です。4~5月頃に、薄いピンク色(または白)の可愛らしい梅に似た花をたくさん咲かせます。
日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも十分に育ちます。基本的に自然な樹形でまとまるため、頻繁な剪定は不要です。
暑さ、乾燥、潮風に非常に強く、病害虫も少ないため、初心者でも管理が簡単です。

矮性サザンカ

分類ツバキ科ツバキ属(常緑小高木)
原産地日本(山口県、四国、九州、沖縄など)
樹高1~1.2m

一年中、濃い緑色で光沢のある葉を絶やさず、冬の庭を彩る貴重な常緑小高木です。半日陰でも育ちますが、花数を増やすには日の当たる場所が理想です。
10~12月の晩秋に鮮やかな赤やピンク、白などの花を咲かせます。剪定は、花後の3~4月が最適で「透かし剪定」で風通しを良くする程度でOKです。
小さなスペースで楽しめて、手入れが簡単で、日本の気候に合っているので環境適応力も高いです。

アベリア

分類スイカズラ科ツクバネウツギ属(半常緑低木)
原産地中国
樹高1~1.5m

丈夫で耐寒・耐暑性があり、都市の環境や剪定にも強いため、生垣や道路沿いの植栽に最適です。春から秋(5~10月)にかけて白い薄桃色の小花を長期間咲かせます。
半日陰でも育ちますが、日当たりが良い方が葉の密度が高くなり、花付きも良くなります。
病害虫や大気汚染、乾燥に強いです。萌芽力も強いので、狭い場所でも好みの大きさに剪定しやすいのが特徴となっています。

庭木を選ぶ際の注意点とリスク

成長の規模をはじめに調べておく

庭木を選ぶ際の注意点として、まず挙げられるのが、購入時のサイズだけで選んでしまうことです。多くの樹木は年数とともに大きく成長し、想像以上に樹高や枝張りが広がることがあります。
成長後の規模を把握せずに植えてしまうと、建物やフェンスに枝が当たる、隣家へ越境する、日当たりや風通しが悪くなるといったトラブルにつながるリスクがあります。また、想定以上に大きくなると、剪定の頻度や手間が増え、管理が大きな負担になりやすいです。
植える前に、最終的な樹高・枝張り・根の広がりを調べておいて、庭の広さや周囲の環境に合っているかを考えることが大切です。

ケアの頻度を調べておく

庭木は種類によって、必要なお手入れの頻度が大きく異なるため、見た目や雰囲気だけで選んでしまうと管理が追いつかなくなりやすいです。
例えば、成長が早い樹木は定期的な剪定が必要になり、放置すると樹形が乱れたり、枝が混み合って病害虫が発生しやすくなったりします。また、追肥や消毒、水やりなどの管理が頻繁に必要な庭木は、仕事や家事で忙しい方には向かないでしょう。
手入れが追いつかないと、見た目が悪くなるだけでなく、樹勢が弱まり枯れてしまうリスクも高まります。
庭木を選ぶ際は、剪定・施肥・病害虫対策など、年間を通したケアの回数や内容を事前に確認し、自分が無理なく続けられるかを考えることが大切です。

植える場所周辺の気候を調べておく

庭木は、同じ地域であっても日当たり・風通し・湿度・気温差など、植える場所周辺の気候条件によって育ち方が大きく変わります。これを考慮せずに選ぶと、思うように育たない原因になります。
例えば、日陰になりやすい場所に日当たりを好む庭木を植えると、生育が悪くなり、花や実がつきにくいです。一方、強い西日が当たる場所や風の強い場所では、葉焼けや乾燥によって樹勢が弱るリスクがあります。
庭木を植える前に、その場所の日照時間、風の強さ、雨水のたまりやすさ、最低気温などを確認することが必要です。周辺の気候に合った庭木を選ぶことで、無理な管理を減らし、健康に育てることができます。

庭木を植える際のレイアウトのポイント

高低差の考慮

庭木を植える際のレイアウトを検討するとき、高低差を考慮して、奥行き・立体感・バランスを押さえることは重要なポイントの一つです。以下に要点をまとめました。

  • 高い木は奥・低い木は手前に配置して立体的な美しさを見せる
  • 目線の高さより高い木は奥や角に配置して圧迫感を避ける
  • 高低差になだらかなつながりをつくり、自然な景観にする
  • 数年後の最終的な樹高や枝張りを考慮する。

奥に背の高い庭木を配置すると、視線が自然に奥へと向かい、庭が広く感じられます。高木と低木の間に中木を配置することで、段階的な高さが構成され、雑然とした印象を防ぐことができます。
これらを押さえることで、庭の完成度が格段に上がるはずです。

不等辺三角形で自然を再現

自然の景色は、左右対称や等間隔ではありません。庭でも不等辺三角形を意識した配置にすることで、人工的な印象を抑え、自然な雰囲気を演出できます。
不等辺三角形とは、3本の庭木を配置する際の高さ・幹の太さ・位置(間隔)を、あえてバラバラにする配置方法です。
三角形の頂点それぞれに高木・中木・低木を配置し、木と木の間隔を少し詰めたり少し開けたりすることで、偶然性のある自然なリズムをつくります。
また、三角形の中に空間を残すと、風や光が通り「抜け感」が生まれます。すべて埋めず、「余白」を作るのがポイントです。
庭全体に不等辺三角形の配置をリズムよく繰り返すことができれば、庭に自然な統一感が生まれます。

常緑樹と落葉樹のバランスで季節ごとに楽しめるお庭に

庭に常緑樹と落葉樹をバランスよく取り入れることで、四季それぞれに表情の変化を楽しめる庭になります。
常緑樹は一年を通して葉を落とさず、庭の骨格や背景として活躍します。目隠しや防風、景観の安定感を出す役割があり、冬でも緑が残るため、庭が寂しくなりにくいのが特徴です。
落葉樹は、季節ごとの変化を楽しめる存在です。特にシンボルツリーとして取り入れると、庭全体に季節感が生まれます。
一般的には、常緑樹6:落葉樹4程度が扱いやすく、見た目と機能性のバランスがとりやすいとされています。目隠しや背景には常緑樹、見せ場には落葉樹を配置するのがおすすめです。
常緑樹と落葉樹の特徴を活かして組み合わせることで、一年を通して楽しめる、安定感のある庭をつくることができます。

庭木に関するよくある質問

虫がつかない庭木はある?

「虫が絶対にまったくつかない」という庭木は存在しませんが、病害虫の被害が少ない庭木は存在します。
虫がつきにくく手入れがしやすい、おすすめの庭木には、ソヨゴ、ハイノキ、シマトネリコ、トキワマンサクなどがあります。これらの常緑樹の葉の質は硬く、虫が葉を噛み切れないので食害されにくいのです。
また、ローズマリー、レモングラス、ラベンダーなどのハーブ類は、発する香りに多くの虫が嫌がる成分を持っているので虫がつきにくいです。

庭木におすすめしない植物は?

環境や管理次第でトラブルになりやすい、庭木におすすめしない植物には以下のような特徴があります。

生長が早すぎる放っておくとすぐ大きくなり剪定が大変になるポプラ、キリなど
根が張りすぎる建物や舗装に影響が出やすいケヤキ、クスノキなど
虫がつきやすい害虫対策が必須サクラ類、ウメなど
掃除が大変になる日常管理が負担になりやすいカキ、イチョウなど

庭木におすすめしない植物は「条件を選ぶ植物」と言い換えることができます。庭の広さや周囲への影響、剪定・掃除の頻度を許容できるかを十分検討してください。

庭木のお手入れはスマイルガーデンにお任せください

庭木のお手入れは種類によって異なり、適切な方法で管理するには手間や時間がかかります。適切な時期や手順での作業、高所作業時の転倒や転落、大量のゴミ処理などのリスクがあります。
そのため、庭木のお手入れは、経験豊富な造園会社に依頼することを検討してほしいです。プロの技術と知見は、庭全体の景観を美しく整え、庭木の健康維持に大きく貢献します。
造園会社なら、スマイルガーデンがおすすめです。現在、見積無料・出張無料・相見積もり歓迎・最低価格保証のキャンペーン実施中です。

まとめ

庭木には、景観づくり・目隠し・日除け・シンボルなど、さまざまな役割があります。常緑樹・落葉樹・高木・低木を適切に組み合わせることで、役割を果たすことが可能になります。
庭木を選ぶポイントは、最終的な大きさ、剪定・お手入れの頻度、日当たり・気候、虫のつきやすさを確認することです。
「育てやすい、大きくなりすぎない、剪定が少ない」を意識して選ぶようにしてください。これらを押さえておけば、庭木選びで失敗しやすいポイントはクリアできます。